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カテゴリー ダメダメ家庭の会話の雰囲気
配信日 04年4月12日 (10年4月27日 大幅に改訂)
タイトル 自爆セリフ
以前に配信した文章において、「カナリア」の話を書きました。
以前のヨーロッパの鉱山では、炭鉱内に小鳥のカナリアを持参しました。空気が悪くなったらカナリアが鉱山夫より先に死んでしまうので、その炭鉱内の危険がわかるというものです。

状況の悪化というものは、弱い立場のものから、発現されるもの。
ダメダメ家庭でも、まずもって子供の側に、問題が起こる。
しかし、鈍感な親はそのことに全然気がつかないんですね。
ダメダメな親ほど、自分たちの家庭が「ふつう」だと思っている。
だって、ダメダメな親と言うものは、自分たちでは何も考えず、ただ、周囲の人間の言動に合わせているだけなんだから、ある意味において「ふつう」の家庭ですよ。
しかし、自分たちの家庭について何も見ず何も考えず、ただ周囲の人間の言動ばかりを見ていれば、家族の間でトラブルが発生するのも当然でしょ?

そして、起こってしまった子供の問題行動を非難し、指導することになる。
しかし、そのような子供への指導の言葉そのものが、まさにそのダメダメな親のダメダメ振りを如何なく示していたりするものです。

たとえば、登校拒否をしている子供への説教として、このような言葉がありますよね?

「オマエが学校に行ってくれないと、私の立場がない!!」

まあ、どうしようもない自爆的セリフですよね?そのような言葉を聞いて登校拒否している子供が、「じゃあ、学校に行こうかぁ・・・」と思うでしょうか?
子供の考えは決まっていますよね?
「ああ、やっぱり、この親は自分のことしか考えていないんだなぁ・・・」
「ボクのことなんて、どうでもいいと思っているんだなぁ・・・」

ちょっと考えれば自爆しているってダメダメな親だってわかるようなものですが、そんなマトモな発想ができないからこそ、子供が登校拒否となるわけで・・・
ということで、ダメダメ家庭においては、このような自爆セリフは頻繁に飛び交っているわけです。

このセリフは映画にもありました。たとえば、ビレ・アウグスト監督の「ペレ」という作品です。登校拒否している子供に対し、ダメダメな父親が「オマエが学校に行ってくれないと、オレが面倒になる。」と頼むわけです。まあ、ダメダメな親にしてみればポピュラーな言葉なんですね。

かといって、その親は、子供の困りごとを聞くそぶりもない。
「学校で何か困っているのか?」「何かオレにしてほしいことはないのか?」そんな問いかけすらしないわけ。
ただ、親としての体面を気にしているだけ。

「どうして自分の子供が登校拒否しているか?」なんて考えるような発想が欠落しているんですね。

あるいは、親戚の集まりがあるとしましょうか?ダメダメな親は登校拒否している子供に対し事前レクチャーがあるわけです。
「オマエが登校拒否していることは、みんなに黙っていてくれ!」
まあ、ダメダメな親は常に自分のことしか考えていないんですね。

そんなに子供の登校拒否で困っているのなら、逆に言うと、そんな親戚なり周囲の人の考えを聞いたり、サポートを受けるという方法もあるわけでしょ?
しかし、ダメダメな親は、そんな解決を志向しないわけ。ダメダメな親は「トラブルを見たくない!」というだけなんですね。

また、子供がこんなグチを言ったとしましょうか?
「ああ、もうイヤになっちゃった。もうこれ以上、生きていたっていいことなんてないなぁ・・・」
そんな嘆きを受けると、ダメダメな親は子供を励ましてくれるわけです。
「こら!オマエが長生きしないと、私たちの老後の面倒を見ることができないじゃないか!誰がオシメを変えるんだ?誰がワタシたちの墓参りをするんだ?しっかりしろ!」

あるいは、「生きていても、いいことなんて何もないよ!あ〜あ、産んでほしくはなかったなぁ・・・」そんな子供からの言葉に対して、ダメダメな親は、「せっかく、こんなにイヤな思いをしながら、子供を育てたのに、こんなことを言い出したりして・・・あ〜あ、ホント、生きていてもいいことなんて何もないわ!」と大仰に嘆くばかり。

その言葉を聞いて、長生きしたいと思う子供はいないでしょうね。

あるいは、ダメダメ家庭の子供も成長後は独立して家から出ていくことになる。
となると当然のこととして、実家には連絡をしなくなりますよね?
だって実家は最低のダメダメ家庭だったわけですし・・・いまさら親と何の話をする必要があるの? 楽しい思い出など何もなく、ただグチの思い出しかない。そんな記憶を思い出したら、不快な気分になってしまって、それこそグチりたくなってしまう。

となると、たまにダメダメ家庭から電話が入ったりする。
それがまた呆れるほど自爆モノ。

「たまには家に来ないと近所の手前が悪い。」

その言葉を聞いて思うことは、登校拒否の時の自爆セリフと同じですよね?
「コイツ・・・いつまで経っても自分のことしか考えられないサイテーのヤツだなぁ・・・」

まあ、このようなセリフも、ちょっとでもマトモな思考ができる人だったら、ダメダメな自爆セリフだということがわかるものですが・・・
そのような当然の思考ができないからこそダメダメ家庭を作って、将来的に子供が連絡を全く寄こさなくなるわけで・・・

まあ、そのような自爆セリフを臆面もなく展開する親が嘆くのは、結局は、このセリフ。
「私はただ『ふつう』の家庭を築きたかっただけ!」
「どうしてこんなことに?」

しかし、「普通」の親はそんな自爆セリフは言いませんよね?

(終了)
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発信後記

このメールマガジンでは何回も、ダメダメ家庭の特色として「恋に恋する発想」あるいは「正義に恋する発想」や「自分の善意に酔いしれる発想」が多いと書いています。
ダメダメ家庭の人間は妄想への親和性が高い。
会話をしていても相手のことを本当には見ていないんですね。

「恋に恋する」女性はまだしも、「正義に恋して」突っ走ってしまうとテロリストになったりするわけです。

先週からの例の大事件は、「自分の善意に酔いしれて」本当の人間を全く見てないダメダメ家庭の典型ですよね?

ご家族のインタビューを見て、皆様も様々な感想をお持ちになるでしょうが、ダメダメ家庭の一例として非常に参考になる例だと思います。

ボランティアって、相手の苦境を救うのが本来の趣旨であって、自分の善意を満足させることではないんですね。

普段の生活で人からあてにされていないので、わざわざ遠くまで出かけて行って自分の善意を展開することになる。
「やっと私も人から感謝されたぁ!」
しかし、日本で役に立たない人間が、イラクで役に立つわけがないんですね。

マトモな親は、自分の子供にそのようなことを伝えるものですよね?

・・・この文章が配信される頃には解決されているといいんですが・・・
R.10/4/27