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カテゴリー 当事者意識の欠如
配信日 04年4月26日 (10年10月17日 記述を追加)
タイトル 他力本願
物事が、なんでも自分の思い通りに行くものではありませんよね?
親鸞聖人も「自分が無力であることを自覚して、他力本願に徹せよ!」とおっしゃっていたのではなかったかしら?

しかし、人間のやれることは沢山あるわけで、「できないこと」を無理してやることはできませんが、「自分にできること」は確実にやることは意味があるでしょ?

しかし、ダメダメ家庭では「他力本願」という教義や、「自分の謙虚さ」を大義名分にして、当人として何もしないことが多くあります。

何も宗教の問題ということではありません。ほんのチョットしたことでも何もしないんですね。

例えば明日は家族でお出かけのような場合を考えてみましょう。
いつも子供が騒いで周囲の人に迷惑をかける。
「明日は子供もおとなしくしていてくれればいいなぁ・・・」

そのような願望を持つことは当然ですよね?
では、その願望を実現させるために、親は何もしなくてもいいのでしょうか?

「ああ、明日は上手く行くといいなぁ・・・」
「子供も騒がないとラッキーなのに・・・」

しかし、「運を天に任せる」だけではダメじゃないの?
事前に子供に言い含めるとか、お気に入りのオモチャでも持たせるとか・・・何がしかの対応も取れるはずでしょ?
それに、「どうして子供がいつも騒がしいのか?」自分なりに考えてみたりするとか・・・

ダメダメ家庭の親は本当に何もせずに、ただ願望を並べているだけなんですね。

何故?
まずもって、ダメダメ家庭の親は自分で考えるようなことをしないことは、このメールマガジンで何回も書いています。
あと、自分で考えるためには、自分で情報を集めないといけない。子供の考えを聞いてみるとか、本を読んでみるとか・・・
ダメダメな親はそのように自分で調べるようなこともしません。

あと、自分で考えた結果は、自分で責任を持つことになりますよね?
ダメダメな親は責任を負うのがイヤなんですね。まあ、責任なんて取りたくないのは誰でもですが・・・

ただ願望を並べていて、それが実現されなくても、「ああ、運が悪かったぁ・・・」で済んでしまうでしょ?次に何もつながらないわけですね。
次にすることといえば、「次回こそは、順調に行けばいいなぁ・・・」とやっぱり念願するだけ。
他力本願に徹するとラクなんですね。無責任でいいわけですから。

人間のやりたいことや、やれることなんて、人によってそれほど差があるわけではありません。
「できることを一つずつ確実にこなす」人と、「ただ念願しているだけで何もしない」人の違いがあるだけなんですね。

自分なりに行動しても自分の願望のすべてがかなうわけではありませんが、「自分で考え、自分で実行した」行動は、失敗しても次につながるでしょ?

常に「他力本願」で人任せ状態の人は、例えば子供の結婚の時とか、事故等のトラブルに遭遇したときにも何もできないんですね。
だって、普段から何もしていないんですから。急に「何とかしろ!」と言われてもねぇ・・・

と言うわけで、例えば「お出かけのときに子供が騒ぐ」といった些細なことでも、自分で考え行動し、少しずつでも改善していく親と、他力本願に徹していて何もしないダメダメな親では将来的に全然違った結果になるわけ。

例えばこのような他力本願の人は、自分の子供が結婚後にドメスティック・ヴァイオレンスにあったとしたら、どのような対応を取るでしょうか?

まず持ってダメダメ家庭では自分の子供がドメスティック・ヴァイオレンスにあっていることすら知らない場合が多い。
もし、わかったとしても、お茶でも飲みながら「何とか解決するといいねぇ・・・」と呑気なもの。自分の子供の事件とテレビ番組のドラマと本質的には同じ受け止め方になっている。だって、どのみち、当人がなんとかするという発想がなく、見ているだけなんだから、受け止め方も同じですよ。まさに傍観者というか鑑賞者の立ち位置。
まあ、そもそもそのような親だからこそ、子供も相談しないわけですが・・・

本来なら、
子供の家庭に乗り込んで行くとか、
相手の実家と話し合いを持つとか、
相手とじっくり話し合いを持つとか、
弁護士と相談するとか、
色々とできるでしょ?しかし、普段から人任せで他力本願な親は、「できることもしない」わけです。

また
「何故にあのような男との結婚を許可してしまったのか?」
「どうしてもっと早くにわからなかったのか?」
たとえ、成人後であっても、子供に関わるトラブルというものは、親として反省する必要があるシチュエーションでしょ?
しかし、そのような反省もしない。だって子供の結婚なんて、「なるようになった」だけという認識なんですからね。

あるいは、学校でのイジメ問題でも同じですよね?
事件が起こったあと、学校を責めるのは簡単ですが、家庭だって事件の前に色々とできたはずですよね?
学校なんて転校すればいいだけなんですから。
どうして何もしなかったの?
子供が困っていることすら知らなかったの?

他力本願の発想に浸っていると、何もしないことが当然になってしまうわけです。

人間のできることには限りがある。すべての責任を当人としては取りようがない。
だからと言って、「できることもやらない」のではダメダメ以外の何ものでもありませんよね?

先日のイラク人質事件ですが、まさにダメダメ家庭の見本市の様相を呈していました。
人質解放という大事業を、人質のご家族ができるわけではありませんが、自分たちでできることは色々とあるでしょうし、あのような事件に至った原因も実家にもありますよね?

しかし、普段から「自分たちのできることは何か?」とは考えていないので、問題の原因はすべて他者になってしまうんですね。

「悪いのは全部、他の人のせい。」としておけば、自分たちの気持ちはラクでしょうが、子供の将来はメチャクチャになっちゃいましたよね?
構造的にはドメスティック・ヴァイオレンスなどのケースとよく似ているわけです。

何もしないことが当然という価値観だと、そのような人が政治に興味を持つとどうなるでしょうか?
それこそ「子供を放置して一日中パチンコをしていても、安心できる社会」「娘と1ヶ月以上会話がなくても、娘が事件に巻き込まれない社会」あるいは「どんな銀行に預けても、高金利が得られるシステム」が要求されるわけ。
こうなると、とんでもない管理社会になっちゃうんですね。

子供と会話することなんて、本来はどんな政治体制だってできるはずでしょ?
しかし、他力本願が当然の社会となってくると、逆に恐怖政治になっちゃうわけです。管理社会はそのようなダメダメ家庭の人間にはありがたいものなんですね。

しかし、自分では何も考えたくないダメダメ人間は、考えなくても済む状況こそを求めることになる。それこそ結婚相手についても自分で考えることがイヤなので、教祖様が決めてくれる・・・そんなシチュエーションを提供してくれる団体にすがってしまう。
当人は他力本願に徹しているので、何も判断していないわけだから、都合が悪くなると「ワタシは悪くない!」と主張するようになる。たしかに「悪い判断はしていない」わけですからね。ただ、「何も判断をしていない」というだけ。

そして、このような「他力本願」の発想はダメダメ家庭に特有の「被害者意識」に直結するわけです。
だって、「運を天に任せて、ダメな結果になった」ら、「天」が悪いことになるでしょ?
「私は天による被害者だ!」
「天による被害者」と思っているうちはまだしも、そのうちその原因が具体的な存在に向くことになりますよね?「私は子供が生まれたことによる被害者だ!」という発想です。
そもそも、常に他力本願なんだから、子供ができるのも、避妊をするという判断もせずに、ただ「流れ」のままに・・・となっている。だから、子供が生まれ、子育てに付随して発生する労苦も、「子供のせい」と心理的にはなっているわけ。

また「政府による被害者」「近隣住民による被害者」「時代による被害者」「あの集団による被害者」・・・勿論「実家による被害者」というパターンもある。
そもそも他力本願なので、当人としては何も判断していない。だから「悪いのは自分以外」と論理的にはなる。だから、自分以外の存在を自分の問題の加害者として認定するのは当然のこと。
こうなると、その「加害者とされるもの」を攻撃することに生きがいを見出すようになってしまうんですね。もう立派なテロリストですよ。
そもそも、他力本願を掲げた集団が、対抗心が充満し、ある種のカルトの様相を帯びてきて、他に対して攻撃を仕掛けるというのは、日本史における初歩中の初歩でしょ?

人間も本当に苦しい時は、「他力本願」もいいんでしょうが、常に他力本願だとダメダメに一直線なんですね。

「子供が騒いで大変だ!」そんな些細なことへの対応をみるだけで、ダメダメな親はそのダメダメ振りを如何なく示しているわけです。

(終了)
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発信後記

先日のイラク人質事件ですが・・・
「自分たちのできること」「やらなければならないこと」そのようなことを考えていないのは、アラブ社会も共通ですね。
だから、あのような人たちと「ウマ」が合うのでしょう。

イラクの人がマトモだったら、「フセインが世界に迷惑をかけたことを詫びる」のが先でしょ?
あるいは「パレスティナの人たちが苦境にあるのなら、せめて子供だけでも引き取る」とか・・
アメリカにテロを起こすくらいの覚悟があるのなら、石油の輸出停止とかアメリカ国債を買い占めるとか・・・ケンカだってもっとマトモな方法があるでしょうに・・・

結局やっていることは、何人もの妻を抱えて子供を作っていることだけ・・・
そして被害者意識をたきつけるだけ。

しかし、彼らをダメダメ家庭の集団としてみれば、その発想も十分理解できることなんですね。
R.10/10/17