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カテゴリー ダメダメ家庭は嘆き節がいっぱい!
配信日 04年5月10日 (10年3月24日に大幅に改訂)
タイトル 「子供らしくない!」と嘆く
ダメダメ家庭では、グチに満ちている状態。とにもかくにも嘆き節。
グチというのは、誰かに対して、依頼なり要求を出したものではないでしょ?
だから、言われた側も、対処のしようがないものなんですね。

今回はその代表例の一つ。
「もうっ!アンタは本当に子供らしくないんだから!可愛げのない!」
と、言うグチを取り上げましょう。

ダメダメな親がヒョンなことから子供にプレゼントを買って来たとしましょうか?
「オイ!オマエにプレゼントを買ってきたぞ!」
そんなプレゼントをもらって、子供とすればどうすればいいの?

マトモ家庭だったら簡単ですよね?
だって、「ワーイ!お父さん!ありがとう!」で終わる。
そして、その喜んだ子供の姿を見て、プレゼントを買ってきた親の側もうれしくなる・・・まあ、そんなもの。

しかし、ダメダメ家庭ではそんな簡単ではない。
親からのプレゼントを受け取って、
「このプレゼントは一体全体どのような意味なんだろう?」
「あとで、プレゼントにムダ金を使ったってグチるんだろうなぁ・・」
「もっと他に、お金の使い道があるだろうが・・・」
「ここで喜んでおかないと、後々面倒かな?」
貰った子供の方が色々と考えてしまう状態。

単純に「ワーイ!」と喜ぶわけにはいかないんですね。
そして親の前で子供が怪訝な表情を見せることになる。
こうなると親は不満に思ってしまうわけです。

物事には経緯や過程がありますよね?
普段から「オマエのために金がかかって、困った、困った。」と言っているダメダメな親が、プレゼントを買ってきたら、子供もビビってしまうでしょ?
あるいは、普段から「お金のムダ!ムダ!」と言っているケチンボが、急にプレゼントを買ってきたら、怪訝に思いますよね?

子供だって訝ってしまいますよ。
そんな子供の姿をみて、親の方がグチるわけ。
「あ〜あ・・・折角、オマエのためにプレゼントを買ってきたのに、喜びもしない。」
「全くオマエは子供らしくないんだから!」

そう言われてもねぇ・・・自分の子供に子供らしくさせなかったのは、まさにその親であるわけで・・・
おまけに、昨日は「早く大人になれ!」ってグチっていたのはアンタじゃないの?子供だって困っちゃいますよね?

子供らしくすればいいの?
大人らしくすればいいの?

何もプレゼントの時だけではありませんよね?
ダメダメ家庭の子供は常に親に遠慮している。ダメダメな親はそれで普段は満足しているのに、別の時は「素直じゃない!」とグチったりする。

周囲の子供が子供らしく楽しげな様子を見せたりすると、自分の子供が「ふつう」の子供の表情をしないのが、許せない。
だから、そんな点を怒ることになる。
しかし、「子供らしくしろ!」と言われても、どうやって子供らしくするの?
まさに、周囲の子供の姿や行動に、無理に合わせるしかないでしょ?
しかし、そんな感じで、周囲をうかがってばかりだから、ますます子供らしさとは無縁になってしまうことなんて、本来なら誰でもわかること。

ダメダメ家庭では、親は常に被害者意識がある。
自分の思い通りに行かないことの原因を、他に求めることはしても、決して自分に原因があるとは考えないわけですね。

ダメダメ家庭の親は当事者意識がない。家庭を自分で維持しようなんて考えない。だから子供は自分で考えて、行動しなくてはならないわけ。子供としては、常に周囲に配慮して、自分自身は自分自身で守る覚悟を持たないといけないんですね。実にちゃんとした大人になってしまうわけです。

その挙句に「オマエは子供らしくない!」とグチられる始末。
おまけに周囲に対しては「子供らしくない子供に当たってしまった、親としての自分自身の不幸」を語ることになる。子供の側が加害者になっちゃうんですね。
「折角プレゼントを買ってきたのに、この子ったら喜びもしない!!全くイヤになっちゃうわ!!」
たまに、そんなグチもあったりするでしょ?
「子供らしくない!」とグチられた子供は、「・・・」と絶句する以外にはありませんよね?

しかし、ダメダメ家庭の周囲は、やっぱりダメダメなもの。
だから、マトモな環境では通用しないようなグチが通ってしまうわけ。
そんなグチが通ってしまって、周囲から「まあ、お気の毒に!アナタのお子さんも、見るからに素直じゃなさそうですものねぇ・・・」と同情されてしまう。

同情が得られたので、もはやグチも確信まで到達してしまう。
そして「ああ!ヘンな子供に当たってしまって、ワタシはなんてかわいそうなの?!」そんな嘆きになっていく。
そんな親の姿を見ているので、子供の側は「自分の身は、自分で守るしかない!」と、ますます周囲をうかがい、そして、子供らしくなくなっていくわけ。

「オマエは、子供らしくない!」という親の言葉は、結局は「自分は親らしくない!」ということなんですね。

(終了)
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発信後記

前回と前々回に触れましたマンガ「じゃりン子チエ」ですが、「『じゃりン子チエ』についての君の解釈は間違っているぞ!」と関西在住でマンガやアニメに造詣の深い方よりご指摘?をいただきました。参考文献までご教示いただいたこと感謝いたしております。

別にいいのですが、このメールマガジンはマンガのキャラクターや世界観を熱く語るのが趣旨ではありませんので、私が例示した作品の解釈が違っている場合もあるかと思います。

購読者の方々も、疑問に思われましたら、ご自分で原作に当たられたほうがいいかと思います。このメールマガジンではそれこそ映画や小説、オペラ、哲学、マンガ等様々に引用していますが、別に教養講座を意図しているわけではなく、このダメダメ家庭の問題が人類の歴史とともにあり、世界中に存在する問題だとわかっていただきたいからです。

何故って、人間はコミュニケーションする生き物ですからね。
そしてそのコミュニケーションの不全がダメダメ家庭なんですから。
R.10/3/24