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カテゴリー ダメダメ家庭をめぐる環境
配信日 04年5月19日 (10年6月29日,11年2月16日 記述を追加)
タイトル グチに甘い環境
ダメダメ家庭ではグチばかり。
別にグチを言っても問題は解決されるものではありませんが、兎にも角にもグチを言っている。
「オマエを育てるために、ワタシの人生を棒に振った。」
「あ〜あ、社会が悪い!」
「夫は子育てに非協力的だ!」
等々・・・

グチを言っても問題は解決されるわけではないのに・・・と、最初に書きましたが、意外と効果があったりします。
グチを言ったりすると、妙な親切心を持った人間が、「あらまあ、大変ねぇ・・・」と同情してくれたりするんですね。
しかし、同情されても、事態が本質的に改善されるわけもない。

典型的な事例は、農家の「嫁不足」の問題でしょう。
テレビ等では、もう定例的に「農家の嫁不足」の問題は報道されていますよね?
「嫁が来ない!!大変だ!困った!困った!」と語っていらっしゃる。
農民の方もお嘆きのようです。
しかし、現実の農民と話をしたことがある方だったら、スグにわかると思いますが、農民の話は実につまらない。
グチしか言わないんですね。

「身体がしんどい。」
「政府は何も考えてくれない。」
「お先真っ暗。」
おまけに「嫁不足だ!」

そのようなグチの後に、「ウチに嫁に来てくれ!」「いい女性を紹介してくれ!」と言われても、対処のしようがないでしょ?
農民のグチを聞いた後に思うのは、『だったら、アンタも農業を辞めればいいじゃないの?』ということに決まっていますよね?
すると農民は「そんなことはできない・・・ブチブチ・・・」となる。
そして、「困った、困った・・・」とグチを続けることに・・・

一般的に言うと、農業は身体への負担が大きいかもしれません。しかし、世の中の女性で、「ワタシは頭を使ったりするより、身体を使う方が好き。」という人も沢山いますよね?
都会では、わざわざお金をだして、スポーツクラブに通うような女性も沢山いるんですからね。
しかし、身体に負担が大きいのは我慢できても、毎日グチを聞かされる生活を好きな人はいないでしょ?
しかし、農民はグチばかりなんですね。
だって農民の場合だったら、グチを言うとお金を得ることができてしまう。

「生活が苦しい。」
『じゃあ、お米の値段を上げましょう!!』

「一体、政府は何をやっているんだ!!」
『ハイハイ、善処いたします!!』

もはや、グチによるビジネスモデルを確立している状態。勿論、それはそれでいいでしょう。グチによって収入が得られれば問題ありませんよ。
しかし、社会に向けてグチを言っているだけならともかく、当然のこととして家庭内でもグチを言っているわけです。グチをいうことによる成功体験を引きずって、あらゆる状況で、グチをいうことが習慣化されてしまう。
だから、農民の子供で「出来のいい」子供は農民にならない。
あんなグチばかりの人間にはなりたくないと思うのは当然でしょ?

それこそ「お見合いパーティー」のような場でもグチばかり。
「政府がしっかりしてくれないと、我々農民は困ってしまう・・・」
パーティーでの第一声がそれだったらねぇ・・・
そんなグチ人間と結婚し、生活を伴にしたいと思うような女性なんて、頭がヘンですよ。

「実際に身体はしんどいけど、家族がいつも一緒にいられるし、新鮮な野菜は食べられるし、気は使わなくてもいいし、無農薬野菜の栽培は面白いし、販売方法の見直しも考えているんだよ!」・・・などと言うような人だったら、一緒にいても楽しいでしょうが、グチばかりだったらねぇ・・

そうそう、別にここで農民問題を追及するつもりはありませんヨ。

そのような身も蓋もないようなグチに対して、周囲から同情を受けてしまう環境だと、本人が何も考えない人間になってしまう。
ヘタに自分で考えて対処したら、グチが言えなくなってしまうでしょ?
自分で判断したことではないがゆえに、被害となるのであって、自分で判断した結果なら、それは当人の失敗であり、それはグチとして吐き出すことはできませんよ。
だからこそ、グチによる成功体験を持ってしまっている人間は、自身では何も判断しないようになってしまう。
そして、結果的にうまくいかない事態となると、大仰に嘆くことにより、「自分は被害者なんだ!」と自分に対し確認することになる。

常にグチ。
そして自分では何も考えない。そして何も行動しない。
だからこそ、付き合う世界が狭い。
このような人間がダメダメ家庭を作ってしまうことは、このメールマガジンで何回も書いています。
グチばかりの人間は、付き合う人間のレヴェルも落ちてしまう。
マトモな人間は、グチばかりの人間を相手にはしませんよ。
それに、グチによる成功体験を持っている人間にしてみれば、いつもの手法のグチに乗ってこない相手に対しては、「あの人は、ワタシたちのことを何も分かってくれない!」とそれこそグチるだけ。だから、ますます、周囲の人のレヴェルが落ちていくことになる。
それによって、周囲の環境から適切なアドヴァイスをますます受けられないし、当人自身も「自分に厳しいアドヴァイス」などは求めようとはしない。

自分に厳しいアドヴァイスを受けたりすると、「それは偏見だ!」「なんてヒドイことを言うの!」と大騒ぎする。被害感情を伴った抗議の声があがると、ボランティアや市民団体が寄ってくる。
そうして、「このかわいそうな人に、何てことを言うの!」と同調することになる。
しかし、被害感情が共鳴するだけで、現実的な対処は何もしない。
だからこそ、同じような事件が繰り返すことになる。
同じような事件が繰り返されると、やっぱり、ボランティアや市民団体が、「ああ!なんてお気の毒なんだ?!」と同情の声を上げるばかり。
逆に言うと、同情の声を上げることができるように、事態を改善しようとはしない。
そんな流れは、長崎県で家庭関係の事件があると、いつもやっていることでしょ?

ダメダメ家庭の人間は被害者意識が強く、「ワタシはかわいそうな被害者。」ということが、アイデンティティとなっている。だから、自分のグチに共鳴してくれる人が、自分の理解者だと思っている。そして、人との結びつきにおいても、被害者ということが基本となっている結びつきとなる。共通の加害者というか、共通の敵による結びつきとなったり、お互いのかわいそさを慰め合う傷のなめ合いの結び付きのようなものでしか人と結び付けない。そんな人たちが、厳しい指摘を受け入れるわけがないじゃないの?
グチに甘い環境ということは、グチを叫んでしまえば、もう何もしなくてもよいというズボラな環境ということ。何も対処しないんだから、結局は、弱いものに負荷が集約してしまう。
ダメダメ家庭のスパイラルなこのように進行していくわけです。

ちょっとグチに対して、「そんなにイヤなら、それをやめればいいじゃないの?」そんな当たり前のことが言われずに、逆に、同情を受け、手厚い援助が受けられる。それによってダメになるのは本人だけではないんですね。
そんな親に育てられたら、子供だってダメになっちゃいますよ。

グチを言う背景の心理としては、強い被害者意識がある。
そんな心理なんだから、子育てだって、親である自分が背負わされた被害と、深層心理的に思っている。被害者意識が強いそんな親は、自分が語る被害を、やり取りの相手から認めてもらえない場合には、それ以上のやり取りにはならない。
まさに『あの人は、ワタシのことを分かってくれないから、これ以上のやり取りは、もうやめよう。』と、やり取りを打ち切ることになる。
結果的に、「まあ!なんてお気の毒なの?!」という同情の声を上げるだけの人間が、当人の周囲に集まってしまい、当人の被害者意識がますます確信となってしまい、被害者意識に根差した考え方が否定されるどころか、周囲から「そうよ!そうよ!アナタはお気の毒な被害者なのよ!」と同調されることになる。

しかし、たとえば家庭の問題において、被害者意識が強い親が「受け入れる」考え方が、その家庭の子供にとって、本当に有益なものなの?同情を受けるという形で、周囲から被害者として認定されてしまうと、ダメダメな親は、「ワタシはかわいそうな被害者なんだから、事態の対処は、被害者ではないアンタたちの側がやってよ!」となってしまう。被害者としての立ち位置が、何もしないことについての大義名分となってしまうわけです。それこそ、何も考えず、「自分は親としての資質や覚悟があるのか?あるいは、本当に子供がほしいのか?」ということについて、何も考えず、ポコポコと子作りをするだけで、子供を一人前にしようなどとは考えない。
親の側は「自分は被害者なんだ。」という立場に安住しているけど、じゃあ、その家庭の子供はどうすればいいの?

ダメダメ家庭においては、信頼と好意の区別がつかない。
というよりも、人と人との間の信頼が理解できない。
だから、グチを語ることによって、「かわいそうな自分」をアピールして、相手から「好意」を得ようとする。
しかし、好意を得ることができても、信頼にはつながらないでしょ?
信頼とは無縁の人と、一生を伴にしようと考える女性も、マトモなわけがないじゃないの?
そんな人たちが、どのように子育てをするの?
稲は育てられても、子供はマトモには育てられませんよ。

見合いパーティーで出会った初対面の女性に対して、いきなりグチを並べることでその女性をゲットしようとする。
周囲がグチに甘い環境だと、人間もそこまで落ちてしまうんですね。
そんな「落ちるところまで、落ちた」人間のやる子育ての結果なんて、火を見るより明らかでしょ?

(終了)
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発信後記

当然のことですが、農民の方全員がこのようなグチ人間というわけではありません。
まあ、マトモな農民は「嫁不足じゃ!困った!困った!」などとグチったりはしないでしょうが・・・
R.11/2/16