トップページに戻る 配信日分類の総目次に戻る
カテゴリー分類の総目次に戻る タイトル50音分類の総目次へ
カテゴリー ダメダメな親は子供に求めているばかり
配信日 04年6月30日 (10年12月5日 記述を追加)
タイトル 親への愛情を要求する
前回の「挨拶のない家庭」というお題の文章において、ダメダメ家庭の親は「家族という間柄だったら、口に出して言わなくても、わかってくれるものだ!」というありがたい言葉を利用することが多いと書きました。

まあ、家庭内で家族がブスっと黙っていることを弁解するための格好の言葉ですよね?
しかし、家族が口に出さなくても分かり合えるのは、言葉によるやり取りの積み重ねがあるからでしょ?相互理解が積み重なっているからこそ、直接的に言葉にしなくても、あるいは、ちょっとのことで分かってもらえることになるのであって、相互理解が何もない・・・どころか、警戒感ばかりの間柄で、口に出さなくても分かるという事態にはなりませんよ。
お互いが無言で見つめ合っていれば、相互理解に到達できるものではないでしょ?
ちゃんと口に出して、自分の考えを相手に伝え、相手の考えを真摯に聞くことが必要でしょ?その積み重ねを経れば、口に出さなくても分かるようにもなりますよ。

ダメダメ家庭では、そんな「言わなくてもわかる」というありがたい言葉を持ち出し、朝の挨拶のような一般的な言葉は消失してしまっている。しかし、マトモ家庭では語られないような言葉は、登場したりするんですね。

例えば「子供というものは、親がいつまでも長生きしてくれることを望んでいるものだ!」、「ワタシの子供として産まれてきてよかったと思いなさい!」と、子供に対し「口に出して」語ったりするものです。

そう言われると、子供の方はどのように考えるのでしょうか?

『まあ、そう言われてもなぁ・・・』ですよね?
「親への愛情を持つべきだ!」と要求されても、『ハイ!では、今後は愛情を持ちます!』とは言えないでしょ?
別のところで書いていますが、そのような「べき論」はダメダメの典型ですよね?

勿論のこと、家庭内では親は強者ですから、子供に対して自分の望んだ言葉を言わせることができます。それこそ、食事中にその要求を出して「オマエが食事ができるのは、いったい誰のおかげだと思っているんだ?」と口に出すことになる。その言葉をたてに、「この家庭に生れて幸せだ。」と子供に言わせることができる。
そんな振る舞いは、江戸時代の奉行所での取調べのように、正座させて石の錘を乗せて、「さあ!言え!言うんだ、コラ!!」とやるようなもの。
しかし、たとえ望んだ言葉が出てきたとしても、それはあくまで拷問の成果でしかないでしょ?言わせられた側の本心からのものとはとても言えないでしょ?

しかし、ダメダメな親はそのような言葉に拘ったりする。
まさに、「お父さん、お母さん、いつまでも長生きしてね!」「この家族の一員でヨカッタよ。」と、子供に言わせようとするわけ。
しかし、そのような言葉こそ「何も、口に出して言わなくても・・・」と言った言葉じゃないの?
ところがダメダメ家庭では、親の方から「子供は親に愛情を持つべきだ!」と説教される始末。
だからと言って、愛情なんて感情は、人間の自然な感情ですからね。「べき論」で要求されても対応できないわけです。
しかし、そこを「べき論」で子供に対し要求するわけ。

愛情の言葉を要求された子供の方は、拷問に耐えかねて、『お父さん、お母さん、いつまでも長生きしてね・・・』とポツリ。
親の方は、「これにて一件落着!!」と満足げ。
全く立派な「取調べ」ですよね?

大体のところ、ダメダメ家庭というのは、後世に連鎖していくものです。
ダメダメ家庭の子供が、長じてダメダメ家庭の親になって、新たなダメダメ家庭を作っていく。このように連鎖していくものです。しっかりとした自覚があればまだしも、自覚がなければ、結局は「親譲りの」なじみの方法になってしまう。
ダメダメ家庭の人間は自己逃避であって、自分の家庭がダメダメであるという自覚がないことが多いんですね。

たとえば、自分の子供に対して、親である自分への愛情を要求している親の側が、自分自身の親に対して「お父さん!お母さん!いつまでも長生きしてね!!」「アナタたちの子供でよかった。」と思っているのでしょうか?
現実的にはそのように思っていないものでしょ?
自分の親に感謝しているような人だったら、逆に言うと、自分の子供に対して親への愛情の言葉を強引に言わせようとはしませんよ。
感謝の言葉を強引に言わせようとする人は、逆に言うと、自分自身としては、自分の親をどのように思っているのかについて、考えることから逃避しているもの。

それこそ、親が死去している場合には、お墓参りにも行かない。
親がまだ生存している場合では、自分の側から、その親に対して、「いつまでも長生きしてね!」などと言ったりはしない。
それどころか、自分の親とは没交渉状態。
そんな現状になっているにも関わらず、「親が長生きすること」を、自分の子供が望むことを要求することになる。

では、どうしてこんなことをするの?
それが虚しい行為であることは、それこそ幼稚園児でもわかることですよ。
ダメダメな親自身としては、自分の親に対して愛情なんて本音では持っていないのに、何故に子供に対して自分への愛情を要求するの?

頻繁に書いていますが、ダメダメ家庭の中は命令と服従の関係となっている。
相互理解を積み重ねて信頼関係を構築するという発想そのものがない。
支配下のものに対して命令すればそれでいいと考えているわけ。

それに、何回も書いていますがダメダメ家庭はコミュニケーション能力に問題がある。
「私を愛してよ!」と要求する形のコミュニケーションが、ヘンということがわからない場合があったりする。
それにダメダメ家庭の親は、一般の社会人とのコミュニケーションもうまく取れないわけ。
だからこそ、自分の言うことを唯一聞かせられる存在である自分の子供にすがることになる。
自分の子供しか「あて」にできないわけですね。
だからこそ、子供に対し「親である自分への愛情」を要求する。

それに、ダメダメ家庭を作る親は、被害者意識が強い。
当然のこととして、子育てすら、親である自分に対し押し付けられた被害と認識している。
被害と認識しているので、その持ち出し分に対しての配慮を求めるわけ。
別の言い方をすると、子育てという被害に対する、謝罪と補償と求めているわけです。
謝罪と補償としての、親への愛情の言葉なんですね。
そして、逆に言うと、そのような謝罪と補償を求める行動こそが、「子育ては親である自分が押しつけられた被害」という認識を、自分で確認する行為になっているわけ。

しかし、「愛情を要求」して、愛情の言葉を言わせても、結果的にどうなるの?
これはちょっと考えればわかる話でしょ?しかし、ダメダメな親は、子供に対しこのようなことを要求するわけです。

まあ、マトモな親だったら、そのようなことは、たとえ思っていても口に出したりしないで、一緒に家族旅行でもして楽しい思い出を作ったりするはずです。楽しい思い出があるからこそ、子供としては「いつまでも長生きしてね!」という言葉になるわけでしょ?

しかし、ダメダメ家庭では、そのような思い出を作るようなことはしない。家庭の中で楽しい思い出なんて何もない日々が積み重なっていく。子供が親と顔を合わせても、子供としては「またグチを言われるのかなぁ・・・」と警戒しているだけ。

だから、ダメダメ家庭の子供の心境は、「オジャマ虫はさっさと消えな!」なんですね。
まさに面従腹背状態になっているわけ。
そのような子供の心境は、親からの拷問?の結果「お父さん!長生きしてね!」と言わされて、ますます進行することになるわけです。そして、臥薪嘗胆を決め込んで、「いつか、コイツらを痛い目にあわせてやるぞ!」と決意を持つことになる。

親からの要求に従って「お父さん!長生きしてね。」と言わされた子供としては、その本心としては、親の側がいつまでも長生きするのはいいとして、顔は見たくないし、一緒の空気を吸うのもイヤと思っている。
本来は、「親が長生きする」ということと、「一緒の時間を持つ」ということはイコールになっているものでしょ?
しかし、「長生きしてね」という言葉を言わされた側としては、「長生きするのは構わないけど、顔も見たくない。」ということになっている。
そして、そんな感情は、「親である自分への愛情を自分の子供に要求する」親の側でも、実はまったく同じだったりするんですね。

(終了)
***************************************************
発信後記

先日とある弁護士さんが処分を受けたそうです。何でも三菱自動車への裁判の関係の弁護士さんだとか・・・
離婚に関わる仕事で、依頼主の女性をドライブに誘って、誘われた女性が訴えたわけです。
「性行為を要求された!」「だから途中で逃げ出した!」
処分された弁護士は、「親切でドライブに誘っただけ。」

弁護士は弁護士なりの理屈があるのかもしれませんし、本心は私にはわかりません。
しかし、このメールマガジンで何回も書いていますが、ダメダメ家庭の女性は「恋に恋する」傾向が顕著です。
例え「ドライブで気晴らし・・・」などと弁護士が本心で思っていても、ダメダメ家庭出身の女性はそうは取りません。
「この人・・・私に気があるんじゃないのかしら?」

実例となると驚くほどで、ちょっと話が弾んだ女性に「今度飲みに行こうよ!」と誘ったら・・・「私今は結婚を考えていないの・・・」と回答。
それとか「今日ストーカーに会ったわ!」・・・「エッ!?どんなことされたの?」・・・「駅で電車を待っていたら、知らない男の人に声を掛けられたの。」・・・「で、それから?」・・・「えっ?それだけよ。怖かったわ!」・・・そんな事例が実際にあったりするわけ。

ダメダメ家庭出身者は離婚に至る場合が多い。このことはいずれまとめたいと思っています。それに離婚という事態になっても親は頼りにできないので、弁護士を頼る必要が出てくるわけ。

そのような男関係で失敗した直後の、ダメダメ家庭出身の女性をドライブに誘った時点で、その弁護士は弁護士失格なんですね。
たとえ親切心だったにせよ、依頼主の特質や心情を考えれば不適当なことこの上ありませんもの。
R.10/12/5