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カテゴリー ダメダメ家庭をめぐる環境
配信日 04年10月8日 (10年9月16日,10年11月27日 記述を追加)
タイトル 離婚が多い
離婚することは、決しておめでたいことではありませんよね?そのような事態は、できれば避けた方がいいことは当然のこと。
ただ、「お互い顔を見るのもイヤ!」という間柄になってしまった夫婦が、いつまでも夫婦という「形」に拘っていても、子供のためにならないことは以前に書いたことがあります。

ダメダメ家庭の周囲には離婚家庭が多い。
このようなことを書くと、必ずこのような反論があるものです。
良識派と自認する人によるお決まりのセリフ。
「そのように、人を色眼鏡で見てはよくない!」
勿論そうですよね?現実を色眼鏡で見てはダメですよね?

しかし、現実を「色眼鏡なしに」しっかり観察すると、やっぱりダメダメ家庭の周囲には離婚家庭が多いのも事実です。それを否定すること自体が色眼鏡なんですね。
良識派は現実を自分の目で見ることをせず、問題を教科書から「勉強」しているので、現実離れしてしまうんですね。「偏見を持ってはいけない!」と強迫的に意識しているので、逆にありのままの現実を受け入れられないわけ。別の言い方をすると、「教科書という眼鏡」を通してしか物事を見ないわけ。
実際問題として「色眼鏡で見てはいけない!」とスグに叫ぶ人は、100%の確率で問答無用の正論オヤジやオバンでしょ?そして、当事者に対して「べき論」で説教するだけ。

しかし、一番の問題は離婚することではありません。
「離婚するような結婚をなぜしたのか?」という点を離婚した当人たちがわかっていないことです。
離婚に至るような結婚をすることの方が問題なんですね。
ボタンの掛け違いは、往々にして最初のボタンの問題であって、後に続くボタンの問題ではないわけ。

『なぜあのような人と結婚してしまったの?』
そのような問いかけに対して
「若くてバカだった。」
「な〜んとなく。」
「適当。」
「親が薦めた。」
「兎に角、実家を出たかった。」
「働くのがイヤだった。」
「だってぇ・・・あの人が、結婚してほしいって、いったんだモン。だからその流れで・・・」
大体が、こんな回答なんですね。

だから問題は離婚することよりも、結婚することに対して考えがメチャクチャということであるわけ。
よく考えずに結婚するから、離婚するような状態になってしまう。
まあ、前にも書きましたが、そのような人は、結婚した後で、「どうすれば離婚しなくて済むのか?」考えることはありますが、結婚する前に「この人は、自分と長くやっていけるような相手なのか?」については考えたりはしないんですね。

では、なぜに、よく考えずに結婚しちゃうの?

まず、ダメダメ家庭の子供は結婚というものに、希望を持っていない。自分の両親のグチばかり聞いているので、結婚してもあんなもの・・・と達観しているわけです。これでは相手を選ぶにもいい加減になっちゃいますよ。というか、一番よく知っている夫婦・・・つまり自分の両親について思い出すだけで不快な気分になってしまう。だから、そもそも夫婦というものについて考えたくないわけ。そして、実際に何も考えないままで結婚してしまう。

それに、ダメダメ家庭の周囲には「見本となる家庭」がない。
ダメダメ家庭の子供にとって、自分の所属している家庭は見本にならない。
自分の親が見本にならなくても、近くに見本となるような家庭があれば、その家庭を参考にすればいいだけですので、まだラクですよね?

しかし、ダメダメ家庭では一般の社会との交流も少なく、また親戚との交流も少なかったりする。そして多少交流のある家庭もやっぱりダメダメだったりする。
適切な参考事例を知らないので、結婚して家庭を築く際に、夫として必要な資質や覚悟、妻として必要な資質や覚悟、親として必要な資質や覚悟・・・そのようなことを考えない。ある意味において、結婚へのハードルは低いわけです。
だから「て・き・と・う」に結婚してしまう。

離婚という事態が、非常に珍しいケースだったら、「あの人は、なぜ離婚することになったのか?」と周囲も考えることになります。
しかし、ダメダメ家庭の周囲では離婚が実に身近な問題なので、「ああ、また離婚か?今度は、あそこだったのね!次はどこの家だろう?」と簡単に納得されちゃうんですね。

だから離婚がありきたりな環境では、離婚に至る原因、つまり、間違った結婚をしてしまった原因を考えることなく、また同じような間違った結婚がその周囲で起こってしまうわけです。
『あのオバサンは、どうして離婚したの?』
「うーん・・・な〜んとなくぅ〜」
そんなやり取りになってしまう。

勿論のこと、幼少時の子供に対して、離婚問題などの込み入った話はできないでしょう。
しかし子供が年齢を重ねて子供の側が結婚する年齢に至ったら、そのような周囲の離婚の事情を説明できないといけませんよね?
失敗事例も大きな財産でしょ?

ところが、ダメダメ家庭の周囲では、結婚の失敗が料理の失敗くらいにありきたりな事例なので、失敗の原因が究明されることなく、同じような失敗が別の人間によってなされてしまうんですね。
だから現実には、離婚の理由を子供に説明しないのではなく、できないわけです。周囲の人はその理由について考えもしないわけですし、離婚した当人ですら「なんとなく」で納得している状態。

例えば私の知っている例ですと、とあるシングルマザーに育てられた女性がいます。日頃から「私の反面教師は自分の母親です。」と公言している人です。その女性も結果的にスグ離婚してシングルマザーをやっています。何をもって反面教師とするのかはわかりませんが、このような事例は結構あるんですね。「自分の母親がなぜシングルマザーになったのか?」ちゃんと考えれば当人がシングルマザーになることはなかったでしょうが、「離婚が、ありきたり」だと、考えないで済ましてしまうわけです。
その女性に対して、「アナタはどうして、どの男性と結婚したの?」と聞いたら、やっぱり『うーん・・・特に理由がないなぁ・・・』とのことでした。
しかし、そんなことだと、後になって離婚問題が発生するのは当然でしょ?

しかし、ダメダメな人は、自分の問題点を考えない。自分を純然たる被害者の側に置いて、自らを哀れむだけ。むしろ、誰かを犯人認定して、「悪いのは、ワタシが日頃から反面教師としている母親のせいだ!」「もっともっと反面教師としなくては!」と語ることになる。しかし、「悪いのは全部○○のせいだ!」なんてことを日頃からやっているからこそ、失敗するんでしょ?
というか、その反面教師とされてしまった人も、よくそんな物言いをしていたのでは?

また、ちょっと前に起こった大阪中学3年生虐待の事件も、あるいは昨年の長崎の事件(古い方)も、あるいは最近の群馬県の事件も離婚家庭でしたよね?
何回も書きますが、離婚することが悪いというより、結果的に失敗となった結婚をした理由を考えていない。それが問題なんですね。

たとえ実際に離婚しなくても、「子供のために離婚しない。」という理由をつけて、家庭内離婚状態のパターンもあります。そうして、子供に恩を着せようとするわけ。「子供のために離婚しない。」という理由は周囲には通りやすく、それゆえに思考停止にすることができるわけですが、今後の問題はともかく、そんな結婚をどうしてしてしまったのかについては、しっかり考えてもいいわけでしょ?逆に言うと、家庭内離婚の状態にとどめておけば、あとは、「離婚しようか、どうしよう?」という考えだけになってしまい、もっと根源的な問題まで思考しなくても済んでしまうわけ。

離婚がありきたりの環境だとその理由を考えない。そもそも誰もが考えたくもないことですからね。まあ、その心情はわかりますよ。
しかし、ちゃんと考えないと同じ失敗をすることになる。当人が何回も失敗するだけでなく、子供にもその失敗が受け継がれることになる。失敗の原因を考えれば、そんなことは防げるのに・・・
人間のレベルの違いなんて、そんなちょっとしたところなんですね。

いざ結婚という段になって、相手が離婚された家庭の子供でしたら、相手に対して「何故に、ご両親は離婚されたの?」って、聞く必要があるわけです。
まあ、聞きにくいことは確かです。しかし、相手が理路整然と説明できれば問題ないわけ。
間違いは誰だってありますよ。しかし、相手が「わからない。」とか「さぁ・・・」とか「母親が若かったから・・・」とかの回答だったら要注意です。
あるいは、「そんなことはワタシ本人には関係ないでしょ?!」と逆上されてしまったら、その時点でアウトといえるでしょ?
アンタッチャブルな心理領域を抱えている人とは、結婚しても落ち着いたやり取りはできませんよ。
何回も書きますが、失敗の理由を、的確に理解していて、それを客観的に説明できればいいだけですよ。

ただ、現実的には、ダメダメ家庭の周辺では、結婚する双方の近親者に離婚経験者がいたりする。
それも、複数の経験者がいたりする。
まさに、離婚が「ふつう」となっているもの同士が結婚しようとしているわけ。
そして、そのことに何も違和感を持たないままで結婚生活に突入してしまったらどうなるの?

お互いに近親者に離婚経験者がいれば、お互いが配慮し合ってその点をつっこむことはない。
しかし、だからこそ、その近親者と同じような結婚生活となり、そして「結果」となってしまうわけです。

あるいは、もし、本人ご自身が離婚された方だったら、その理由を、離婚の理由だけでなく、結婚の理由を含めて、子供に伝える必要があるわけです。
しかし、離婚するような人に限って、結婚当時の意図などは何も語れないもの。
逆に言うと、だからこそ、離婚するような結婚をしてしまうわけ。
それだけ、「な〜んとなく」の流れだけで結婚したというわけ。

両親の離婚の責任は子供にはありません。
しかし、結婚を考えている子供としても、その親に育てられたわけでしょ?両親の離婚の理由がわかっていないということは、同じことを・・・同じ間違いを当人自身がやる可能性が高いわけですよね?

もし、子供が結婚する際に、自分が親として能力的に参考にならないと思うのなら、せめて参考になる具体的な事例を子供に教えるくらいはしないとね。
反面教師ではなく、正面教師になるような、立派な家庭を見せる必要があるわけ。しかし、何度も書きますが、離婚したり、家庭内離婚をするような夫婦は、そんなダメダメなスタイルが周囲から目立たないダメダメな環境を求めてしまう。だから、周囲の家庭も、子供がマトモな家庭を築くためには参考にならないわけ。

子供が、子供なりに努力しようと思っても、その子供の周囲に参考になるようなポジティヴな事例が現実に存在しない。
とりあえず、あの人の行動を真似ていけば、それなりの結果が得られる・・・そんな適切な事例があれば、後に続くものもラクでしょ?
そんな身近な参考事例もないのに、子供だけに努力を押し付けても、子供としても対処不能ですよ。
子供としては、目標に向かって努力する以前に、適切な目標を探すために、大変な努力をする必要がある。そんな努力は、マトモな環境の子供にしてみれば、不要でしょ?

マトモな家庭の子供にしてみれば、ただ、親のやり方を真似ていれば、それなりの結果が得られるわけですし、必要に応じ、ご近所の事例を参考にすればいいだけ。
しかし、ダメダメ家庭の子供はそうはいかないわけです。
そんなダメダメ環境だと、学校からしてダメダメになっているので、教員もダメダメの吹き溜まりになってしまっている。そんな環境の子供は、尊敬する人に一回も出会わない状態で大人になることになる。
これで、マトモな家庭を築くことができたら奇跡ですよ。

ダメダメ家庭はコミュニケーション能力が低い。だから結婚する段になっても、十分な相互理解もできていないので、相手の選択でミスをするわけ。
そして最大の問題は、自分の出身家庭がダメダメ家庭だと判っていないことです。自分たちの家庭を「ふつう」の家庭だと思っているわけ。だから離婚の責任を一方的に相手に押し付け、自分は100%の被害者だと思ってしまう。
しかし、そんな理解の仕方だと同じ失敗を繰り返し、そして、同じ失敗を自分の子供に受け継がせることになるわけです。

(終了)
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発信後記

今回のお題は該当者多数と思います。別にメールマガジン読者とかの問題ではなく・・・
本文にも書きましたら、自分が100%被害者と思うのは精神的にラクですが、星の数ほどの選択肢の中からわざわざ問題のある人間を選択し、結婚したのだから、100%の被害者という考えは的外れ。

自分自身の問題・・・特に自分自身の実家の問題をじっくり考えることから、次の人生をスタートしないとね。

そういえば、ちょっと前にライブドアの堀江社長について書きました。まあ彼もダメダメ家庭出身だということはスグにわかります。
先日の記者会見で「普通」という言葉を何回も使っているのには苦笑いしてしまいました。
またライブドアの副社長さん・・・歯並びに問題あり。それに副社長の「顔」ではないね。

彼らが本当に戦わなくてはならないのは、旧体制のオヤジではなく、自分自身の実家のオヤジでしょう。まあ、それから逃げたいがために、プロ野球なんてどうでもいいことに手を出して自分自身をごまかしているんでしょうが・・・
R.10/9/16