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カテゴリー | テレビの前のダメダメ家庭 |
配信日 | 04年11月8日 (10年11月2日 記述を追加) |
タイトル | テレビ番組のセリフのような言葉を使いたがる |
「ふつつかな娘ですが、よろしくお願いいたします。」って、自分の娘が結婚する時に、娘の父親が相手側に言ったりしますよね? 特に昔のテレビ番組では・・・ まあ、本来はそんな「ふつつか」な人間に自分の子供を育ててはダメでしょ? そんな言葉で子供を表現するということは、親としての能力が低いということじゃないの? とは言え、そんな表現はある種の慣用表現であり、「つまらないものですが・・・」と言いながら手土産を渡すようなもの。慣用表現の細かな点について突っ込んでもしょうがない。 アメリカ人がプレゼントを渡す時のように、「I hope you like it.」と言えばいいわけでもないでしょう。 娘はモノではありませんものね。 しかし、テレビ番組でよく使われるようなありふれた言葉って、言われた相手にしてみればどう思うのでしょうか?謙譲の精神を示すにも他に言葉もあるんじゃないの? 自分の娘の結婚の際の挨拶の言葉くらい、もっと自分自身の言葉で語ることはできないの?自分の子供が結婚するに当って、親として相手方に挨拶するシーンがあることは、事前にわかっていたわけだし・・・ ギャグの言葉なら、テレビでの言葉を使いまわすくらいはいいでしょう。 しかし、シリアスな状況だったら、テレビの言葉は使わない方がいいのでは? いかにもテレビでおなじみの言葉を聞かされた側は、「あ〜あ、コイツは普段からテレビばかり見ているんだな。本を読んだりすることもないし、いざというとき自分では何もできない人間だな。」と思ってしまうもの・・・そんなものでしょ? だって、実際に「ふつつかな娘ですが、よろしくお願いいたします。」という言葉はテレビで覚えたものでしょ? そもそも「ふつつか」なんて言葉は、通常の生活では使いませんよ。だから、その言葉を選択した意図も、「テレビでいつも言っている『普通』の言葉だから、この言葉を使っておけば間違いないだろ?」と言った感じでしょ? 無難に、無難に・・・普通に、普通に・・・ まさにダメダメ家庭の発想の王道ですね? 以前に書きましたが、ダメダメ家庭では、子供の結婚のような場合において、親の側が相手側から見おろされているとか、値踏みされている感覚を持っているわけです。 「間違いをしでかして、より、見おろされるような事態になることは避けたい!」 「子供がマズイ立場になるというよりも、親である自分が格好悪い!」 しかし、そんな弱気な親だったら、自分の娘が新婚家庭でピンチに陥った時には対応できないでしょ?それこそ、自分の娘がドメスティック・ヴィオレンスのような事態になっても、親の方もまずは自分の保身を考え、娘のことまで頭がいかなくなってしまう。 「トラブルのようなシビアーな状況で、格好の悪いことはしたくない。」 「オレは恥をかきたくない!」 「だから、トラブルを見ないようにして、知らなかったことにしちゃえ!」 そんな親だからこそ、娘の方も、「親は頼りにならない!」「自分だけでなんとかしないと!」と日頃から切羽詰ってしまって、その張り詰めた気持ちを理解できる同じようなダメダメな男性と結びついたりする。だからこそ、トラブルが実際に起こってしまう可能性が非常に高いわけです。 しかし、実際にトラブルが発生してしまうと、ダメダメな親は自分で考えることをして来なかったわけですし、自分の言葉で人とやり取りをしてきたわけでもない。やっぱり、借り物の言葉と借り物の考えに頼る必要があるわけです。 その借り物の言葉の引き出しも、所詮は、いつも見ているテレビ番組だけ。 そのような親の程度の低さを、世慣れた人は決して見逃したりはしないんですね。 新婚家庭と言っても、背景に2つの実家を背負っているわけ。その2つの実家の力関係もありますよね?夫婦でトラブルがあった場合には、お互いの実家の力量の差が出ますよね? 「オマエが困ったらいつでも相談においで・・・」 そのような親としての当然のサインを自分の子供に対して発していなかった親は、子供が結婚した後でも当然のように発することはありません。 結局は、新婚家庭で相談相手もいなくて追い詰められてしまって・・・と、新聞紙上でおなじみの事件になってしまうわけです。 人間は誰しも「人まね」から始めるものです。言葉だってそう。 その人まねから始めて、自分自身の考えや言葉に到達すればいいわけ。しかし、いい歳をしても人まね・・・それもテレビのまね・・・の言葉しか発することができない人間って、自分自身で考えたことがないし、人との間で、本当には「会話」したことがないんですね。 そのようなテレビから借りた言葉を身近で聞いた子供はどう思うのでしょうか? 「この人は、普段から何も考えていない。」「この親はいざトラブルが起こっても何も頼りにならない。」って思うに決まっていますよね?「自分しか頼るものがない。」という、ダメダメ家庭の子供に特有の緊張感を持たざるを得ないわけ。 言葉の引き出しの多さは、その人の人付き合いの多さと直結しているでしょ? もちろん、その人自身の教養なり向上心も示している。 言葉はその意味の問題だけでなく、重みというものがありますよね? 自分で考えた上での言葉だったら、重みが出てくるけど、人の言葉をコピー&ペーストしただけの言葉だったら、それなりに立派な言葉であっても重みはありませんよ。そんなことは、ちょっと慣れている人間だったら、スグに見通せるもの。 言葉の重みは、その人の現状認識なり思考の重みと直結している。 だから、ダメダメ人間は、自分の軽さを補おうと、権威者の言葉を持ち出し、自分の言葉に権威を持たせようとする。 しかし、どのみち、借り物の言葉でとどまっていて、当人なりの思考がないことは相変わらず。 借り物の言葉は、コピー&ペーストだから間違いがないだろう・・・そんな減点法的なやり取りしかしてこなかったことを示している。だから、そんな軽さを見透かされてしまい、人付き合いも広がらない。 コピー&ペーストの言葉を得意気に語っている人とやり取りをしている人間は、所詮は同類のダメダメ仲間。 そんな同類たちとの楽しい交流で、当人のダメダメさがますます進化するばかり。 そして、ますますコピー&ペーストの借り物の言葉ばかりになってしまう。 そんな人が、事態がクリティカルになった時に頼りになるわけがないじゃないの? 誠に不幸な事件ではありますが、以前にオウム真理教が弁護士を拉致して殺してしまった事件がありました。その弁護士のご母堂の応対は見事なものだったでしょ? 「サスガに、自分の子供を弁護士にするだけの親だなぁ・・・」と、思った人もいるのでは? あるいは、北朝鮮による拉致事件でも、立派に対応している親御さんたちが登場してきます。 テレビ画面に写るそのような立派な親御さんの姿を見て、横を見ると、能天気に座っている自分の親がいる。 「ああ、もし自分があのような事件に巻き込まれたらどうなるのだろう?この親がテレビのインタビューを受けるの?このワタシのことをどんな風に話すのだろう?ああ、安心して死ぬこともできない!」と戦々恐々。 「自分が事件で死ぬことより、事件の後での親のおバカっぷりが怖い!」 「死ぬ前に、想定問答集を作っておかないといけないぞ!」 子供がそのようなシミュレーションを必死で展開している横で、親の方は何も考えずに、テレビを能天気に見ているだけなんですね。 ダメダメ家庭の子供は安心して生きることができないだけでなく、安心して死ぬこともできないわけです。これでは疲れるのは当然ですよね? (終了) *************************************************** 発信後記 最近は長い文章が続いていましたので、今回は短めの文章にしました。 しかし、メールマガジンというのは読者が不特定ですので、表現が饒舌になりがちなのはいたし方が無いと思っています。メッセージを伝えるのには、最低限の分量は必要だと思っています。 メールマガジンの内容についてご意見を頂戴することもあります。否定的な見解、肯定的な見解ともあります。 しかし、面白いことに否定的見解を送ってこられる方は、文章がヘタ。そして短い。 否定的見解を表明すること自体は、結構なこと。 しかし、そのような文章に説得力を持たせるには、「背景説明」や「実例」がないと、単なる「オマエなんかキライだ!」と同じレヴェルでしょ? 日本人とアメリカ人では同じ発想をしませんし、日本人でも江戸時代と21世紀の今では発想が違っていますよね?背景が違えば発想は異なってきます。だから否定的見解を表明する場合にこそ背景説明が重要なんですね。 多分、自分自身で考えることから逃げている人が、「痛いところを突かれて」まさに「オマエなんかキライだ!」という感情で感想?を送って来られたりするんでしょうが・・・ 長い文章を書くと、感想を送った人のプロファイリングがされてしまうと思っているのかな?だから短い文章なの? しかし、違うんですよ。短い文章の方がプロファイリングがしやすかったりするものです。 例えば前回のお題で『期待していたものの、つまらなく、文章がしつこいので、嫌気がさしました。』といった感じの短い文章の感想を送ってこられた方がいらっしゃいました。もう購読はされておられないでしょうが・・・ 例えば上記の短い感想だって 1.「期待した」って、一体何を期待したの? 2.「文章がしつこい」と思われるのはいいとして、文章の内容に賛成なの?反対なの? 3.「つまらなく」「嫌気がさした」のはいいとして、購読解除すればいいだけじゃないの?どうしてメールで感想を送るの?それも内容のない文章で・・・ このような疑問が先に出てきますよね?まあ、文章の「書かれていない部分」を補うこともできるわけ。本人が「書けなかった」部分からプロファイリングもできるんですね。 一番プロファイリングができないのは、非の打ち所の無いちゃんとした文章なんです。 短いヘタな文章を送る人って、その個人情報(私は興味はありませんが・・・)について、「頭隠して、尻隠さず状態」の人が多いんですよ。そんな浅知恵だと逆に事件に巻き込まれますよ。 意外に思われる方も多いでしょうが、上記のような否定的見解?を表明されると、発行者としては自信を持ってしまうんですよ。だって、結局のところは「気に入らないけど、否定できない!」「否定したいけど、否定しようがない。」そんな意味なんですからね。 でしょ? |
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R.10/11/2 |