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カテゴリー 会話のスタイル(聞き手側)
配信日 05年2月16日 (10年11月21日 記述を追加)
タイトル 上の空の会話
ダメダメ家庭の特色はコミュニケーション能力の低さです。
人と会話していても、やり取りがうまく進展しない。

また、ダメダメ家庭の人間は妄想への親和性が高い。
幼少時から、現実では自分の意向が達成されないので、どうしても自分自身の妄想の世界に入り込んでしまうんですね。

だから、友人との会話でもチグハグになってしまいます。
相手の話を受けて、その内容を踏まえて、自分の意見を言う。まあ、これが一般的な会話のスタイルですよね?
しかし、ダメダメ家庭の出身者は違っているわけです。

ある人が発言すると、その発言によって自分の妄想の世界が始まってしまう。
相手の発言は妄想のトリガー(引き金)に過ぎないわけ。

グループで会話している時に、発端となった人の発言から会話が盛り上がっている横で、そんな人は妄想の世界に浸っている。そして会話によって様々な議論が展開されているところに、自分の妄想の成果を発言する。
『それは、こうなんじゃない?』
周囲は「ポカーン?!」となる一瞬ですね。
「今、そんな話をしていたわけではないのに・・・」
「コイツは話を聞いていなかったのかな?」
「何を、場の雰囲気を壊しているんだ!」

しかし、本人にしてみれば、人の発言を自分なりに聞いて、自分なりに考えて発言しているだけなんですね。興味深い発言を聞いて自分の妄想にトリップしてまっただけなんです。
本人にしてみれば「妄想が主で、実際の会話が従」の状態。
だから、そのような妄想傾向の強い人は、後になって突然に『アナタはあの時には、このように言ったじゃないの?』と言い出したりする。
しかし、周囲からは「ボクはそんなこと言ってないよ!」と当然の反論。

妄想の中での議論では、多分そのような発言もあったのだろうと思います。
しかし、実際の議論を逐次的に追っているわけではないので、実際の発言なんてあまり聞いていないわけ。妄想のついでに聞いているだけの状態になっているわけ。

これは本人の意思で主体的に行っているわけではないので、どうしようもない。
しかし、実際に会話している周囲の人々にしてみれば、たまったものではありませんよね?

まあ、友人関係だったらまだ問題も少ない。
基本的には、対等な関係ですし、もうそんな人には会わなければすむだけですから。
まあ、会わなくなれば済むわけですが、そうは簡単にはいかないこともある。
「あの時に、キミはこのように言ったじゃないか!」という妄想を持ってしまうと、その妄想に基づいて行動することになる。
トンチンカンな発言で留まっている段階だったら、笑ったり呆れたりすれば済むことだけど、行動が伴ってしまうと、シャレにならないことになる。

それこそ、「あの時に、キミはボクのことを好きと言ったじゃないか!」と言い出すことも、現実としてあったりする。
好意に関わる妄想が伴っていれば、そりゃ、ストーカー事件も起きますよ。
だって、ストーカーさんにしてみれば、相手側から「ワタシはアナタのことを好きよ!」「いつまでもワタシのことを守ってね!」なんてことを言われたことになっているわけですからね。それなりの義務感や責任感を持ってストーキングすることになってしまう。
だからこそ、すべてを投げ打って、ストーキング行為にまい進することになる。

あるいは、ある人から不快なことをされた・・・という妄想になってしまったら、クレーマーのようになってしまいますよ。
そもそも妄想が主で、現実が従の人なんだから、「○○さんが、△△の場面でおいて、□□という言葉を言った。」という現実上の事態があっても、上記の「○○」とか、「△△」とか、「□□」が不明確になっているわけ。妄想の途中で、上記の○○がいつのまにか変更になってしまうこともあるくらい。
5W1Hを明確にした客観的なスタイルで事態を説明することはできず、妄想の中で記憶がどんどんと改変されてしまう。
そして、都合よく改変された記憶を元に、行動することになる。
そんな行動を、周囲の人が理解しようとしても、無理に決まっていますよ。

あるいは、妄想にトリップするだけではなく、その常識の枠組みも違っていたりするもの。
ダメダメ家庭の人間は、現実上のやり取りの経験が少なく、自分の狭い領域のみの常識で生きている。それこそ「井の中の蛙が、自分は井戸の中に閉じ込められているとは思わない。」ようなもの。井戸の中の常識が世界の常識と思っているんですね。

誰だって、自分が持っている常識を元に、人やその言葉を判断したり、先回りして考えたりするでしょ?
ものを上に投げれば、いずれは落ちてくる・・・それが地球上の常識。
つまり、「ものを上に投げる。」という行為は、その後での、「落ちてくる。」という事態を、事実上暗示しているわけ。

まあ、それくらいならともかく、ダメダメ人間は、狭い領域での常識に生きていて、広い世界での常識と無縁なので、それこそ、「男性が女性に声を掛ける。」という事態から、「ストーカーされる。」という結論を導き出すことも現実として存在するもの。
その男性が、たまたま道を聞いただけなのに、ダメダメ家庭の人間の常識を元に判断してしまい、道を尋ねた男性がストーカー予備軍扱いになってしまうことも現実としてあるわけ。

あるいは、人は他人の足を引っ張ってばかりという常識を元に生きている人は、ちょっとでも別の人から親切にされたりすると、「この人は、ワタシに恋心を抱いているんだ!」とその人の常識で確信することになる。
だって、「人に対して親切にすることは、よっぽどの事態だ。」という常識の元に生きてきたわけだから、そのように判断することも当然なんですね。

前にも書きましたが、友人などの対等な関係であれば、距離を取ることができるし、その必要がある。そもそも、妄想が主となっている人と、対面でのやり取りをしても、チンプンカンプンになるだけですよ。
しかし、もし、家族にこのような人がいたら?

実際の話の途中に妄想が始まってしまって、相手の話を逐次的に聞いていない。
人の話を聞かないくせに、「オマエはあの時、このように言ったじゃないか!」と言い出す。
そして、言ってもいないことや、してもいないことを持ち出して、「あの時の、オマエの○○のせいで・・・このワタシは、迷惑を受けた・・・」とグチグチと言い出す。
家族ですと「会わない。」という対応方法が取れませんよね?

こうなると、子供自身も「人の話を聞かない人間にならざるを得ない」わけです。
だって、注意深く聞くに値する話ではありませんし、そもそも、妄想の結果を言われても困ってしまうでしょ?
そうして、子供の方も自分自身の妄想の中で、勝手に自分の考えを展開するしかなくなる。
ということで、まさに、発言をトリガーとして妄想にトリップする人間がまたまた誕生するわけです。

(終了)
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発信後記

またまた大阪で事件が起こったようですが・・・
もうこうなると大阪名物なんでしょうね。

まあ、私は犯行の動機なんて、ちょっと見ればスグにわかりますから、テレビなどもウォッチはしていませんが、たまたま見ていたら興味深い発言がありました。
事件の小学校のご近所さんのコメントです。
「こうなると、他人事とは思えない!」
勿論他人事ではないでしょうが、大阪では同じような事件が頻発しているわけですから、そんなご近所で発生する前から、「他人事とは思えない」状態でないと問題でしょ?

昨年のことですが、このメールマガジンの購読者の方より、「大阪で未成年の事件が多発しているなんて、オレは知らないぞ!オマエの勝手な思い込みだろ!」と言われちゃったことがあります。
関西在住の方とのことでした。

勿論関西在住の方のすべてがこの程度の認識とは思いませんが、大多数がそんな認識なんでしょうね。だって、何も対策を取っていませんからね。

とはいえ、関西以外の日本も、関西と五十歩百歩。
事件があると騒ぐだけ騒いで、1ヶ月経つとすっかりと忘れてしまっている。
あの長崎の事件だって、結局騒いだだけで終わってしまいました。
あんなわかりやすい事件でも、そんな体たらく。

今回の大阪の事件だって、実にわかりやすい事件ですよね?
R10./11/21