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カテゴリー もてなしの心
配信日 05年6月27日 (10年10月14日 記述を追加)
タイトル お菓子が出てこない
ダメダメ家庭では子供は「遊び」の体験ができない・・・このことは以前に配信しております。
ダメダメ家庭においては、何事も「費用対効果」などの考えを持ち出し、必要最小限のことしかしないわけ。
それに、被害者意識が強いダメダメ家庭の親は、子供が楽しんでいるのが心理的に不快。
そもそも子育ては親である自分が背負わされた被害だと思っているわけだから、加害者である子供が楽しんでいるのが許せないわけ。だからこそ、「遊び」のようなものから、子供を遠ざけることになる。

この「遊び」を、食べ物の分野に当てはめると、お菓子となります。
まあ、お菓子は、食べ物における「遊び」の部分ですよね?
なくても困らないものでしょ?

子供の生活から「遊び」が消えてしまっているダメダメ家庭では、当然のこととして、「お菓子」を食べる習慣もほとんどないわけ。
それにダメダメ家庭では、そもそもお菓子の必要性もありませんよね?
だって、『お茶うけ』のお菓子など必要もないでしょ?
家族でお茶を飲みながら話をするようなこともありませんからね。
家族で話をすることも少ないし、おまけに来客があるわけもないので、お客のためにお菓子を用意する必要もない。
お菓子の必要性などほとんどないわけです。

そんな「質実剛健」な家庭が、周囲の人たちから問題視されるか?というと、全く逆。
「あの家庭は、質素で、マジメな家庭だ!」「普段からコツコツと、しっかりしている!」「ムダ使いをしない!立派な家庭だ!」と、むしろ高評価になったりするもの。
しかし、遊びを知らない、つまり、心に余裕のない人間がどうなってしまうのかについては、簡単に予想できることでしょ?このことは「遊びを知らない」というお題の文章でも書いています。

一般的な料理なりお菓子などの食べ物の知識は、書物で得ることが難しい。これも以前に書きました。
食べ物って、実際に食べてみないと実感がわかないものでしょ?歴史の知識なんて、どのみち実際に体験できるわけもない。だから本などで得るしかないわけ。
ダメダメ家庭においても歴史や哲学などの学問的知識を習得することは可能です。しかし、「お菓子」の知識は、ダメダメ家庭では難しいわけ。

逆に言うと、「お菓子」の知識の欠乏した人は、ダメダメ家庭出身者の可能性が非常に高いわけです。
何回も書いていますが、お菓子などの食べ物って、実際に食べて、どんな味だったかの問題が重要でしょ?
どこそこの雑誌で取り上げられていたとか、誰それが絶賛していた・・・という薀蓄的な知識だけを延々されても困りますよね?
やっぱり味について語れないとね。

お菓子についてのやり取りなんて、
「あそこのお菓子は、こんな味で・・・」
「そこのお菓子は、私にはちょっと食感が合わないなぁ・・・」
「私は、○○の△△が大好き!」
とか、他愛のない話でいいじゃないの?
どのみち、お菓子なんて、まさに「遊び」の範疇なんですからね。

義務の範疇ではなく、遊びの範疇であるがゆえに、お菓子の体験の話を聞いて見ると、相手の家庭の水準がわかるわけ。
それに、お菓子の体験がわかるわけではなく、説明能力・・・つまり会話能力も分かりますからね。

お菓子というものは、何もその家庭の中だけの問題ではありません。
それこそ、たとえば、近くに祖父母でも住んでいれば、その祖父母からお菓子をもらったりするでしょ?
しかし、ダメダメ家庭では、実家と疎遠になっていることが多く、子供としても祖父母からお菓子をもらうなんてことも発生しない。

あるいは、近所の人から旅行のお土産としてお菓子をもらったりするケースもあったりするでしょ?しかし、ダメダメ家庭では、近隣とのやり取りもあまりやっていない。だから、旅行のお土産とか、あるいは、近所の人の実家からお菓子を送ってきたのをおすそ分けという事態も発生しない。

もし、ご近所とそれなりのやり取りは成立している関係であれば、逆に言うと、そんな近隣住人は、ダメダメ家庭の雰囲気を持っているもの。だから、家族で旅行に行くわけもなく、やっぱり実家とも疎遠になっていて、お菓子とは縁がない家庭となっている。

ダメダメ家庭というものは、自分たちのダメダメな流儀が「ふつう」とされてしまう環境を求めるものなので、そんな環境では近くの子供にお菓子を上げるような気の利いたオバサンもいないもの。
あるいは、そんな地域では、お菓子が使われるようなイヴェントもないし、たとえあったとしても、ダメダメ家庭では、そんな行事には参加しない。

結局は、ダメダメ家庭の子供は、お菓子にはほとんど縁がないままで大人になってしまう。
大人になってからお菓子デビューと言っても無理がありますよ。
だから、たとえお菓子について語るような段になると、妙な薀蓄を語ることはあっても、味とか食感のような、もっと根本的なことは語れないわけ。
あるいは、お菓子にまつわるちょっとした思い出話も出てこない。

この人・・・もしかしたらダメダメ家庭出身の人かな?と思ったら、その人にお菓子の話をしてもらうとスグに分かると思います。
表情豊かに、そして実感を込めてお菓子の思い出を語ることができればマトモ家庭出身者と言えますし、ちょっと考えた後で、「特に思い出がないなぁ・・・」などと回答したら、ダメダメ家庭出身者と見れば間違いがないでしょう。

あるいは、一緒にお茶をしている時にケーキを前にした際に、マトモ家庭出身の人は、「わあ!おいしそう!」と単純に喜んでパクパク。
ダメダメ家庭出身の人は、そのケーキを妙に凝視して「うーん・・・」。
ケーキとの間に妙に距離がある雰囲気。
そんなシーンって、実際にあったりするでしょ?

そんなシーンを作り出した人が「自分はダメダメ家庭出身者だ。」と自覚があれば、問題も小さいわけですが、本人に自覚がないと、その人自身も確実に、「心に余裕のない」ダメダメ家庭を築いてしまうわけです。

(終了)
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発信後記

Mackyが6月いっぱいで廃止されるので、Mackyから通常7月1日の10:30に配信される分は、6月30日の23:30配信といたします。7月以降はMackyからの配信はありません。
ちなみに、メルマガ天国から7月1日配信分は、間違ってしまって6月26日にすでに配信されております。
大変に申し訳ありませんでした。
R.10/10/14