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カテゴリー ダメダメ家庭をめぐる環境
配信日 05年9月23日 (11年2月13日 記述を追加)
タイトル 叱り方
それこそ、人が集まる場所で大騒ぎをして、周囲に迷惑をかけている子供っていたりしますよね?
あるいは、電車の中で騒いでいるとか・・・

周囲の人にぶつかったりしても、親はその子供に何も言わない。
堪忍袋の緒が切れた人が、「知らん振り」を決め込んでいる親に向かって、
『ちょっとは人の迷惑を考えなさい!』『アンタ!自分の子供もマトモに管理できないのか!』などと、怒ったりする。
そんなシーンって、実際にあったりするものですね?

本来なら、「ウチの子供がご迷惑をおかけして申し訳ありません!」くらいに謝罪して、子供に「こんなことして周囲の方々にご迷惑をかけてはダメよ!」と言えばまだマシと言えるわけですが、ダメダメな親はそんな「まっとう」なことはしないわけです。
まあ、子供が騒がしいのを放置する時点で、ダメダメなのは言うまでもないことですが、ダメダメな親は、周囲からの指摘をどう受け止めるか?という点でもやっぱりダメダメとなっている。

ダメダメ家庭の親のお決まりのセリフは、これですね?
「コラっ!おまえがおとなしくしていないから、ワタシが叱られちゃったじゃないか!」
子供に対するそんな叱り方は、よくあるでしょ?
子供の不始末のことに頭が向かうより、自分に降りかかった非難・・・つまり被害に視点が向かっている。

だって、ダメダメ家庭では被害者意識に満ちている。
そもそも、自分の子供を育てることだって、親となってしまった自分が背負うハメになってしまった被害だと思っている。だから、子供の管理を被害と捉えているし、自分の管理の不始末への非難だって、自分が受けた「被害」と捉えることになる。
だからこそ、親である自分が受けた被害を、加害者たる「自分の子供」に語ることになる。
それが、ダメダメ家庭における説教というもの。
周囲の人からの注意に対するダメダメな親が示す反応を考えるに当たって、子育てを親である自分が背負わされた被害ととらえていることを理解すると、実にスムーズな流れといえるでしょ?
ダメダメ家庭と言うものは、ある意味において「論理的」には問題のない家庭と言えてしまう。

しかし、論理的な流れはともかく、現実的に考えると、その親に当事者意識がないからこそ、子供が適切な指導や管理を受けられずに周囲に迷惑を掛けるわけでしょ?
その手の事例については、「周囲に迷惑をかけている子供を放置する、そんな親の道徳心の欠如。」の観点から語られたりすることがありますよね?しかし、親の道徳心の欠如というより、親が持っている当事者意識の欠如であり、強い被害者意識を持っていることの方がもっと重要なんですね。

頻繁に書いておりますが、ダメダメ家庭の問題を考えるにあたっては、倫理的な視点で考えるのではなく、心理的な視点で考える必要がある。
子供を放置するダメダメな親は、その人なりに倫理的に生きている。
だって、子育てを親である自分が押し付けられていると考えているんだから、親は自身を被害者だと思っていて、自分に面倒を押し付けている子供は加害者と認定している。
加害者の側が、被害者の側に、配慮するのは、実に倫理的でしょ?
そういう意味で、子供をネグレクトする行為も、その親なりには倫理的なんですね。

子育てを親である自分が押し付けられた被害と認識しているのなら、子供を持たなければいいだけなんですが、ダメダメ人間は抑圧的であり判断から逃避する。判断から逃避することは、倫理的に問題はないでしょ?
自身では何も判断しないがゆえに、不都合な事態になっても、それを自身の判断ミスとはならず、純然たる被害となってしまう。自身では何も判断しないからこそ、トラブルが多発し、ますます被害者意識を募らせることになる。

また、それだけ、被害者意識が強いということは、子供に対し日頃から自分の被害を語っていることが簡単に予想できるでしょ?
そんな感じで、親の被害を語られ続けたら子供が考えることって決まっていますよね?
「親に迷惑を掛けないようにしよう!」
「自分が困っていても、親には相談できない。自分自身で解決しなきゃ!」
そんな日常となっているから、何事も子供だけでやる習慣ができてしまっている。あるいは、親子で一緒に出かけた際にも「親に迷惑をかけずに、自分ひとりで遊ぼう!」とか、「親と一緒にいると、グチられるだけだから、離れていよう!」となって、親の近くから離れて、子供だけで騒ぐことになる。

そうなって、周囲の人から注意されて「オマエのせいで、また迷惑を掛けられてしまったじゃないか!」と、親が逆ギレ。
このように親から言われて、ますます子供は親を頼れない。
このメールマガジンでよく書いていますスパイラル進行することになる。

道徳心の欠如だったら、周囲の人が注意すれば、今後はその点に注意することで改善することも可能です。
しかし、子育てに当事者意識がなかったら、子供のことに関して何を言われても「我関せず」となりますし、強く注意すると、持ち前の被害者意識が刺激され逆上するだけなんですね。注意されて、注意した人に対して逆ギレするような親もいたりするでしょ?
よくあったりしますよね?そんな光景。
そんな親には注意してもムダなんですね。
そんな親の心の中では「こんな出来の悪い子供を育てなければならないワタシこそが被害者なんだ!」そのように確信しているわけです。
子育てに対して被害者意識を持っている親に対して何を言ってもムダ。
そんな人が多くいるところからは、さっさと避難することが最良の選択なんですね。

子供にしてみれば、ダメダメな親は、支配者の範疇であって、保護者ではない。
保護者なら、自分の子供を適切に保護し、育成するものですが、支配者なんだから、そんな義務なる責任感を持っていない。逆に言うと、子育てに対する責任感がないからこそ、何も考えずに子供を持つことになる。子供を保護する責任を考えないからこそ、トラブルへの対処の仕方も、子供のことを考えたものではなく、自分の被害ばかりに目が行ってしまう。
だから、とりあえず自分の体面を取り繕うことを考える。そのとりあえず取り繕うための方法も、「子供の方が悪いんだ!」「オレこそが被害者なんだ!」というロジックになってしまう。そして、とりあえず自分の体面が保たれると、「もうこれでOK!」となってしまう。これでは、将来もっと大きな事件が起こるに決まっているでしょ?

このような事態は、何もバカな親だけの問題ではありません。それこそ、子供が迷惑を掛けるのを放置するようなバカ親と同じように、長崎県とかJR西日本のような組織も、全く同じでしょ?そんな組織の上層部は、常に自分に降りかかった被害だけを考えているでしょ?
「オマエのせいで、このワタシが怒られてしまったじゃないか!この落とし前を、どうつけてくれるんだ?!」と、部下に対して怒鳴り散らすだけ。
当事者意識がない人に対して、何を言っても、「我関せず」となってしまうのは当然のこと。
そして、当事者意識がないからこそ、いい加減に物事を始めてしまって、「あとはオマエたちで何とかしろ!」と丸投げすることになる。
当事者意識がないんだから、何も管理はしない。
当事者意識のなさは、配下の者への叱り方をみればスグにわかるわけです。

周囲からの指摘を受けて、被害者意識が刺激されているのか?
それとも、当事者意識をもって、改善のために取り入れていくのか?
その違いは、叱る言葉に顕著に表れるものなんですね。
JR西日本での部下への叱り方と、子供の管理の不手際を注意されたバカ親の叱り方が、実に似ている・・・ダメダメな組織というものは、そんなちょっとしたことで判るものなんですよ。

(終了)
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発信後記

先代?の長崎県の事件で、強制的措置(入院のようなもの)が延長されたそうです。
そもそも、そんな問題ではないでしょうが、そんな問題にしておけば、ラクできる人が多いというわけなんでしょう。
しかし、そんな感じで体面だけを取り繕っているから、次々と事件が起こるわけでしょ?

まあ、長崎県の教育関係者の心の声って、これですよね?
オマエたちガキどもが、ロクでもないことばかりするから、オレたちが迷惑するんじゃないか!!
R.11/2/13