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カテゴリー 会話のスタイル(発言側)
配信日 05年10月10日
タイトル 冒頭のハッタリ
ダメダメ家庭の人間は、会話ができない。相手の話を聞いた上で、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるという発想がないわけ。
このことは、もう何回も書いています。
それに加えて、子供の頃から親に認めてもらっていないので、自分自身に自信がない。
それに、そもそも達成した成果を持っていないことが多く、自信をもちようがない。だから常に不安やコンプレックスを抱えているわけ。

このような人が、ビジネスの世界などでの折衝の場になると、よくやるのが「冒頭のハッタリ」。
折衝の冒頭に「強烈なパンチ」を相手に浴びせ、その折衝を自分のペースで進めようとするわけです。
その折衝の場を、自分のペースで進めたいと思うのは誰だって当然のこと。何もダメダメ家庭出身者だけの問題ではありません。

しかし、ダメダメ家庭の人間は会話の能力がないし、自分に自信がないので、その先制パンチでしくじったら、後がないわけ。必死の先制パンチなんですね。
だから、ちょっと乱暴な物言いになってしまうわけ。

折衝とか、あるいはディベートは別として、会話の目的は相互理解でしょ?
勝ったか負けたかという問題ではないでしょ?
だから、まずは落ち着いたやり取りを心がける必要があるでしょ?
もちろん、折衝やディベートの場では、勝敗に準ずるものが成果といえるでしょう。
しかし、たとえ折衝の場においても、冒頭のハッタリ戦術は一回しか使えませんよ。

そんな「冒頭のハッタリ」が自然に出てくるような人は、普段はどんなやり取りをしているの?どんな相互理解に至っているの?
そのようなことを考えれば、冒頭のハッタリから色々と見えてくるわけ。

歴史的に面白い事例があります。
中国とイギリスでの間で香港返還の交渉がありました。当時のイギリスの首相のサッチャーさんと、中国の「トウ小平」さんが折衝を持ったわけ。「トウ小平」さんはその折衝の冒頭に、「イギリスなんて海賊の子孫だろうが!ワシらは何千年も歴史があるんだぞ!」と、一発ぶっこいたらしい・・・
そのハッタリにサッチャーさんは、あっさり降参し、香港を中国に返還することになったそう。

まあ、このケースは冒頭のハッタリが通用したケースと言えるでしょう。
中国だって、折衝の前にサッチャーさんがどんな人間なのかについて詳細に調べ上げていたでしょうしね。しかし、サッチャーさんも、あっさり降参とは情けない。イギリスの情報機関は何をやっていたのかな?中国側がどんな手を使ってくるかを事前に調べていなかったのかな?

ダメダメ人間は、相手の話を聞く能力がないので、自分でペースを握って、自分の主張を一方的にしゃべりまくるだけになってしまう。そのために、冒頭のハッタリを活用するケースは実に多いわけ。何でも中国では、今でもそんな感じらしい。会議の席の最初に乱暴なハッタリがあったりするそう。
しかし、自分に本当の自信があれば、そんな乱暴なことはしなくていいわけでしょ?

相手に十分しゃべらせて、それをニヤニヤを聞いていた方が相手にはプレッシャーですよ。
だって多くの言葉は、それだけ多くの「隙」を相手に与えることになりますからね。自分の手の内をそれだけ多くさらしているわけでしょ?それをニヤニヤと余裕十分に聞かれた方がイヤですよ。
相手から十分に「隙」を出させた後で、おもむろに、その「隙」をチクチクと突いていけばいいわけでしょ?相手の話を聞けて、頭脳が働く人だったら、ソッチの方が快感ですよ。

まあ、そんな芸当ができる人は少ないでしょうが、折衝の冒頭には、「まずはアナタの話を聞きますよ。」というスタンスを提示するのが当然のマナーじゃないの?
それができないということは、別の面でもダメダメということ。
あるいは、何かコンプレックスなり弱みを抱えているということが想定できるわけ。

このような冒頭のハッタリという手法は、クレーマーがクレームをつける場には頻発するようです。本人は「このセリフで一発かましてやった!!」と思っているのでしょうが、それって自分自身の自信のなさの表れなんですね。
クレーマーというものは、相手の話を聞きもせず、一方的に自分の「怒り」や「被害」をしゃべりまくるもの。そのためには冒頭のハッタリは有効な手法というわけです。
逆に言うと、冒頭のハッタリは、その心理がクレーマーと近いわけです。
冒頭のハッタリは、被害感情を一方的にしゃべるのに有効な行為であっても、相互理解のためには有効な行為ではないでしょ?

クレーマーや中国人だけでなく、会話のできない人間は、このような冒頭のハッタリをよくやるものなんですね。
そのハッタリに「のまれて」しまって、『ホー!』なんて感嘆しているようだったら、所詮は同じ穴のムジナ。
相手の必死なハッタリを、ニヤニヤと見つめて、『さあ!どうぞ!どうぞ!どんどんと話を続けてくださいな。』と、余裕の表情をしていれば、黙っていても自分のペースになってしまうものです。
冒頭のハッタリというものは、その根底に「安く見られたくない」というコンプレッックスがあり、相手から見下ろされていると感じると、自分を大きくみせようと必死になってしまう。だから、無用なハッタリをさらに続け、結果的に墓穴を掘ってしまう。
そんな事例は、実際にあったりするでしょ?

相互理解を積み重ねながら、自分の達成したいことの実現のために、相手からの協力を得て、そして、結果的に自分の目標を達成していく・・・そんな流れに進むようにすることが重要であって、目先の相手を、とりあえず、言い負かすことに、それほど価値はないのでは?
必死のハッタリを見て、相手のダメダメを認識する・・・慣れて来ると、そんな芸当くらいはできるようになりますよ。
そんなハッタリ愛用家とやり取りを続けて、相手をやっつけても、得るものはないわけ。だって、もともと相互理解とは無縁の人なんですからね。

そんな人とは折衝の場のみでやり取りをすればいいだけ。
逆に言うと、だからこそ、折衝の流儀で、普段のやり取りをやってしまい、ますます成果と無縁になり、ますますコンプレックスが強くなる・・・そんな流れは、ダメダメ家庭の周辺では、随所に見られたりするものでしょ?

(終了)
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発信後記

ちょっと前に、人気の高いパソコンのメーカーのリストが出ていました。
女性に人気なのは、富士通とNECとデルなんだそう。
ソニーは、意外にも女性に人気がないんだそう。

ソニーって、デザインはわりといいから女性に人気があってもおかしくないのに、一体どうしてなんだろう?・・・と言った感じで紹介されていましたが、そんな理由ってスグにわかること。
そもそもパソコンの性能をフルに使っている人なんて、ほとんどいないわけですから、人気の決め手は性能ではないわけ。まあ、デザインもあるでしょうが、もっと重要なのはサポートなんですね。

トラブった時に、親切に対応してくれるかどうか?が決め手。
女性に人気の富士通とか、NECとか、デルは比較的サポートがしっかりしている・・・とされています。それに比べてソニーのサポートはダメダメ。

サポートでイヤな思いを1回でもしたら、特に女性はもう2度とそのメーカーの製品は買いませんよ。イヤな思いをしても、また買ったりする人は、それこそクレーマー予備軍。

このメールマガジンで以前にソニーの問題を取り上げましたが、ソニーの再生への取り組みは、ダメダメな集団の再生への実例として、大変に貴重なものだと思っています。
失われてしまった、顧客との会話や、従業員との会話を復活させないと、会社自体の復活もないでしょうね。今のところその兆しは見えませんが。
それだけ、ダメダメからの再生って、難しいわけです。
R.10/11/23