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カテゴリー ダメダメ家庭出身者のキャラクター
配信日 06年2月6日
タイトル 堀江信者 (読者投稿の文章を中心とした文章です。)
さて、前回予告いたしましたが、今回は購読者さんからの投稿を主体としたものです。文章を読むだけでなく、書くことにもチャレンジしていただければ、「相手の言葉を真摯に聞き、自分の考えを相手にわかりやすく伝える」というコミュニケーションの問題が、より身近になるものですからね。

というわけで、今回は「みどりめ」さんからの投稿です。
なお、文章は、基本的に「みどりめ」さんの文体です。私が手を加えているのは、ほとんどありません。

************** 投稿はここから ************

自社関連の株価を釣り上げて粉飾決算し、風説の流布で投資家からの莫大な収益を上げていたライブドア事件が、日本社会に大きな衝撃を与えました。逮捕された堀江容疑者もそうですが、大勢の彼を崇拝する人達(堀江信者)、のせられてライブドア株を買って大損した人達がいたからこそ、問題はここまで大きくなってしまったんですね。
様々な方面からのダメダメ家庭の要因が絡み合って起きた事件です。

では、ライブドア事件を大きくした堀江信者の具体的なダメダメ事項を列挙していきます。

1.対抗心が強い・・・堀江信者はとにかく『アンチオヤジ』。オヤジ達の牛耳る古い体質の日本はつまらない!そんな若者が「旧体制に果敢に立ち向かっていく新世代の起業家」 の幻に飛びついた。

2.他力本願・・・堀江信者は「今の日本を変えられるのは堀江さんだけ!」とエールを送る。 「金も権力もない小市民がどれだけがんばったって、たかが知れている。有力者にがんばってもらわないと世の中はよくならない」と、自分で努力することを放棄し、強者に望みを託しちゃうわけ。

ダメダメ家庭は、被害者意識が強く、会話の能力がない。だから、不満が充満している状態。それを当事者意識を持って自分自身で解決していくことを考えない。むしろ 「解放者」のような存在を待ち望む発想なんですね。 イスラム過激派だってそう。アメリカが牛耳るこの世界は腐っている!そんな「アメリカに果敢に立ち向かっていくビンラディン」という英雄の幻に飛びついていったわけ。

今回の堀江氏は、そのような解放者としてのイメージを「狙って」作って行ったと言えます。 それを堀江氏本人が自覚していればまだしも、自分自身からの逃避で、そうならざるを得なかったんでしょうね。

3.勝ち負けだけで考える・・・ダメダメ家庭は「勝ち」「負け」だけで考える。ダメダメ家庭の今一番気になる言葉は「勝ち組」「負け組」。 この格差が広がりつつある時代、自分も将来、下手すれば「負け組」になってしまう。「負け組」になりたくない。といっても今の社会、まともに努力してもなかなか報われるものではない。 そこに「この将来世界一になる会社の、小学生の小遣いでも買える値段にまで分割された株を買って利殖を増やしていけば、君も勝ち組の仲間入りが出来る」と甘い言葉で誘われちゃったんでしょう。 そうしてのせられてライブドア株を買った人達は、持ち株の大暴落を目のあたりにし、大損をすることに。

我々が生きていくうちで「勝ち組」「負け組」の問題も、確かに重要なんですが、「自分自身が死ぬまでに絶対に成し遂げておきたいことは何?」という問題はもっと重要ですよね?
それこそ画家のゴッホだろうが、モーツァルトだろうが、哲学者のスピノザだろうが、「負け組」。しかし、「だから何?」そんなものでしょ?

今回の堀江氏もそうですが、こういうカリスマ的な支持を得た人物が社会的に影響力を持つ。しかし、その人物が実は裏で悪事や不正を働いていた。
こういうことはどの国でも起こりえます。
韓国の細胞偽装事件もそうでした。

貧しい家庭に育ったファン青年が世紀の大発見をするサクセスストーリーは、韓国国民を熱狂させ、尊敬の念を抱かない人はいなかった。科学部門でのノーベル賞を受賞したことがない韓国にとって、ファン教授は悲願を達成できるかもしれない唯一の人とされ、英雄視されていた。
しかし、そこから先は、「実はインチキでした」となった事件ですね。
今回は早く火を消されたからよかったものの、もっと悪い結果になることもあります。

オウム真理教事件、今の北朝鮮、ナチス、共産主義、イスラム過激派とか。
それで一度冷静さを見失っても、これを機に気持ちを切り替えればいいことです。それが出来るか出来ないかでダメダメ人間かそうでないかへの道が分かれます。

今回の事件で目が覚めて、自分は幻を見ていたんだ、ダメダメ家庭の発想に陥っていたんだ、と反省した人もいますが、いまだに幻を信じきって、応援を堀江氏のブログに書き込む人も大勢います。そこで見た特徴的な書き込みを取り上げてみましょう。

4.陰謀に結びつける・・・ダメダメ人間は陰謀論が好き。「政府の陰謀」「ウヨク・サヨクの陰謀」「CIAの陰謀」「ユダヤ人の陰謀」・・・
「彼の成功を嫉妬する古い体質の輩の陰謀にはめられたんだ!」という感想。彼らにとって堀江氏は犯罪者ではなく、「冤罪をかけられたかわいそうな被害者」。
ここでも『アンチオヤジ』が働いて、ますます対抗心が強くなるスパイラル。

5.社会のせいにする・・・「出る杭は打たれる」事件という感想。 「悪いのは『出る杭は打たれる』式の日本社会のせいだ。だから、この社会はひどい」と日本社会批判にもって行く。 確かに日本社会では、そのような傾向がまだ伝統的に残っていますし、堀江氏自身あっちこっちに顔を出して叩かれるところもありました。 しかし、今回の件は、粉飾決算して投資家を募って不当に利益を上げていたんだから、明らかな社会的信用に関わる刑事事件。 明らかな法令違反を起こして目立って叩かれる人間に「出る杭は打たれる」という言葉は使わないですよね? そのあたりをわきまえずに、堀江を「悪しき日本的体質の無残な敗北者」と平気で擁護する。

堀江氏に「恋に恋して」現実が見えなくなってしまっている状態と言えるんですね。
韓国の細胞偽装事件ではファン教授の熱烈な支持者に、教授の研究再開を求めプラカードを持って一万人集会を開催する人、はては自殺未遂者までいましたし。

この事件を教訓に、『ダメダメ家庭はもっと成長しないと、ずる賢い人に騙されちゃいますよ』?


「投稿者の後記 」
堀江社長がプロ野球の「解放者」として「降臨」してからというもの、「改革の旗手!」として「入れ込み」、そして『社長』が『容疑者』になって、「まあ、裏切られたわ!」「社会の敵!」と叩き始めるマスコミの過熱報道も、ダメダメ家庭のそれ。
まあ、視聴率稼ぎのためといえばそれまでですが。
堀江信者はそんな報道を信じすぎたというのもあるんですね。

******* 投稿は以上です *******

さて、ここからはいつもの発行者です。
投稿していただきました「みどりめ」さんには、この場をお借りしてお礼申し上げます。
一生懸命に私の文章を読んでいらっしゃる方のようですね。
私としては、私の文章から、購読者ご自身が、自分自身の目で見て、自分の頭で考えるようになれればいいなぁ・・・と思っています。まあ、表現は「まずは人まねから」で結構でしょう。
別に私の発想に付き合う必要はありません。誰かに入れ込むことなく、自分自身を獲得していくことが重要だと思っています。

さて、同じように、何も堀江さんの発想に同化する必要もないでしょう。
私個人は、堀江氏や堀江氏を崇拝した人を断罪するつもりもありません。これを「かて」に成長すればいいだけ。要は自覚をすること。
あと「みどりめ」さんが散々言及しておられる「アンチオヤジ」ですが、当然のこととして「堀江氏自身の父親はどうなのか?」という問題があります。堀江氏がその問題から逃避していたのは明白でしょ?

ダメダメ家庭は「意外に頭がいい」例が多くあります。この堀江氏のケースでも子供が東京大学に入学したのだから、父親だって「相当の」頭脳でしょ?しかし、それにふさわしい職業についていないと、自分の知的能力が生かされないそんな人は社会に不満を持ち、強い被害者意識を持つようになりますよね?その社会に対する不満を語る相手は、当然のこととして、自分の子供。そんな社会に対する不満や被害者意識を、親から受け継いだ頭脳明晰な子供がすることって・・・
まさに今回の事件というわけ。

ちなみに、堀江氏逮捕の報道のテレビを見ていたら、「歯並びの悪い」女性が、「よくわからないけど・・・彼を応援していたので・・・残念。」そんなコメントを発していました。「よくわからないけど、応援していた。」という発想そのものが、私には、よくわからない。
そのコメントは、別の言い方をすると、堀江さん本人についてはよくわからないけど、堀江さんが敵としていた存在については、わかっている・・・そんな意味でしょ?

ダメダメ家庭の人間は、当事者意識がない。自分自身で考えることをしない。だから「どう考えるか?」ではなく、「信じるか?信じないか?」の問題になってしまうわけ。
とりあえず、自分たちの「不満」を理解し、代弁してくれる「解放者」にすがってしまうわけ。本来なら、自分自身を理解した上で、堀江さんのような人間を、応分のリスクの中で利用すればいいだけでしょ?

どうして、そこまで「入れ込ん」じゃうの?
「で、結局アンタはどうしたいの?」そのような問いに答えられる人間であれば、そんなことにはならないでしょ?
なんとなく、大昔の演歌を思い出してしまいましたヨ。

信じて、尽くして、捨てられてぇ・・・♪ わわわわぁ〜♪
たどり着いたわ、港町♪ わわわわぁ〜♪
汽笛聞こえる安酒場♪ わわわわぁ〜♪
グラス片手に、むせび泣く♪ わわわわぁ〜♪
あなたに尽くしたワタシを返して!ああぁ!ライブドアブルースぅ♪

(終了)
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発信後記
今回は、投稿という、初めての試みでした。
とりあえず書いてみるには、総集編的な文章を考えるのが、一番「とっつきやすい」と思います。
内容的に、私の考え方に合っていなくても結構です。

また、投稿を取り上げる際にはどのようなスタイルがいいのか?まだ試行錯誤の段階です。
今回のようなスタイルがいいのか?それとも、より発行者の関与が強い共作のような文章がいいのか?今まだ確立していないところです。当然のこととして、購読者さんが読んで、それなりに「面白い」ものでないと意味がありませんからね。
ということで、何かご意見がありましたら、ご遠慮なくお願いいたします。

まあ、「長すぎる!」というのは、ごもっともです。この点は、もうちょっと考えないとね。
R.10/3/2