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カテゴリー 会話のスタイル(聞き手側)
配信日 06年12月15日
タイトル 議論の先走り
ダメダメ家庭の人間は、人と話をしていても、「自分が相手に何を伝えたいのか?」そのことを自分自身でもわかっていない。それに加えて、「相手にどうやって伝えるのか?」そのような方法論もわかっていない。
いわば、コミュニケーションにおける、伝達事項(=What)も不明確だし、方法論(=How)も不全な状態。
相互理解を達成し、合意を積み重ねて行くやり取りにはならなず、自分の言いたいことを、一方的に言い放つだけ。
そんな人の話を聞いていても、サッパリわからないのは当然ですよね?

それに加えて、ダメダメ家庭の人間は、「恋に恋する」ような妄想癖がある。自分の意向が満たされない現実世界から、さっさと遊離して、自分の想像の世界に想いを羽ばたかせるわけ。
夜にベットの中で、一人で想像の世界に遊ぶのは勝手ですが、人と話をしている時に、それをやられては迷惑でしょ?ただでさえ、「わかりにくい」話が、ますますわかりにくくなっちゃうだけですよ。

わかりにくい話を延々とされてしまったら、聞いている方としては、やっぱり確認する必要がある。ダメダメ家庭の人とのやり取りで、モメるのは、まずはこの確認の部分です。
「で、結局は、何が言いたいの?」
「アナタの話って、要は○○でしょ?」
そんなことを言おうとするものなら、『きーっ!あの人はワタシのことを全然わかってくれない!ワタシって、何てかわいそうなの?』と、逆上するだけ。

このようなシーンは、このメールマガジンではレギュラーなシーンと言えます。だって、実際に頻繁に起こっていることですからね。
本来は、この時点で、そんな「やっかいな」人間から距離を置く必要があるでしょう。

しかし、ダメダメ家庭の人間のわかりにくい話を、何とかして理解してあげようと思う・・・奇特な人も世の中にはいたりするわけ。
『ああ!困った!困った!』と、本人もわかっていないような話に真摯に付き合い、「この人の困難さを何とかして救ってあげよう!」そう思うわけです。

それこそ、「ワタシの夫はヒドイ人なのよ!」「実家の両親は全然頼りにならないわ!」「ああ!子育てがタイヘン!」
この私のような人間なら、そんな話を聞かされても、『それって、要はグチでしょ?』と一刀両断ですが、「素人さん?」は、そうは行かない。
『まあ!なんてお気の毒な!このワタシが、サポートしてあげましょう!』と同情の声を掛けてしまう。

これが女性同士のやり取りなら、まだ問題は少ないわけですが、女性と男性のような間柄だったら、ダメダメ家庭の「恋に恋する」妄想回路が発動してしまう。
「えっ?この人は、ワタシに親切そうだわ!」→「この人は、ワタシに気があるのかしら?」→「ワタシとの結婚を考えているのかな?」→「ワタシの子供の養育はどうしよう?」→「そもそもこの人は奥さんがいるのかしら?」→「新婚家庭はどこの場所で始めようかな?」→「引越しは大変そうだなぁ・・・」
などと、とんでもない方向に暴走してしまうわけ。

このようなことは、前回配信の文章において、「好意妄想」というお題で、配信いたしました。
ダメダメ人間は、信頼とか尊厳ということが理解できないので、人から親切にされると、即、「この人はワタシを好きなんだ!」と認定してしまうわけ。そして、この認定した好意が、自分の妄想の中でどんどんとレヴェルアップしていく。そして、立派なストーリーにまで仕上がってしまう。

そして『困っていることがあったら、いつでもワタシに言ってね!』なんて、ありきたりなサポートの言葉に対し、目をランランと輝かせて「子供の関係で、遠くには引越しできません!」などと回答したりするんですね。

そのようなケースでは「恋に恋した」挙句、新たな新婚家庭を想像してしまっているわけです。しかし、聞かされた方は、そんな言葉の意味もわかるわけがありませんヨ。
しかし、あまりに突拍子がないために特に反論もできない。意味がわからないまま、ヘタに肯定的な返事をしたりすると、「恋に恋する」妄想回路がますます暴走してしまう。やがては、その妄想の中でとんでもない「既成事実」が出来上がってしまってしまう。そもそもダメダメ家庭の人間は、「妄想が主で、現実が従」なんですね。妄想での既成事実の方が現実での既成事実より、「ランクが高い」わけ。そんな人の妄想をチェンジさせ、現実にフィットさせるのは、大変な苦労を伴うもの。

そのような齟齬も、ちょっとしたトラブルの次元で済めばいいわけですが、そうは問屋が卸さないのがダメダメというもの。だから、事件になったりする。ただ、その事件と言っても、妄想の世界での事件なのか、現実世界での事件なのかは、当人自身でもわかっていないもの。
それこそ、よく、「あの人から性行為を要求された!」とかで大騒ぎしている女性がいたりしますよね?しかし、「性行為を要求した」言葉とやらも、往々にして具体的には記憶していないもの。現実的には、「今日は時間大丈夫?ゆっくりできるの?」くらいの他愛のない言葉のケースも多いわけ。しかし、そんな他愛のない、社交辞令に近い言葉であっても、社交辞令が理解できず、おまけにスグに妄想にトリップしてしまうダメダメ家庭の人にしてみれば、それこそ「性行為を要求された!」と受け取ってしまう。

あるいは、やり取りが進まず、ちょっとイライラして、「で、結局は、アンタはどうしたいの?」という質問も、「さあ!これからワタシと一緒にやっていきましょう!このワタシについでおいて!アンタも覚悟を決めてよ!ワタシが受け止めてアゲル!」などの呼びかけとして受け取ってしまうこともあるわけ。

そして、後になって、『あの時はああ言ったじゃないの?』『信じていたのに、裏切られたわ!』と大騒ぎ。
かと言って、「ああ言った」とされる状況を具体的に客観的に説明できるわけもない。
だって、その手の人は妄想が主なんですからね。

ダメダメ家庭の人間は、常に妄想がパラレルに進行している。そしてその妄想の原理に従って現実の発言なり行動をするわけ。妄想だけで生きていればまだしも、突然に現実の発言となって返ってくるから、困りモノ。

普段の妄想は、「ああでもない!こうでもない!」と言ったウダウダとした感じが多いわけですが、いざ恋愛沙汰となると、妄想が先走ってしまうわけ。
そのような場合は、そのままノンビリとしていると、妄想での既成事実から、さらなる妄想が膨らんで・・・となり、収拾がつかない。
結局は、妄想のストーリーが「行くところまで行ってしまう」ことになるわけです。

そして「ワタシたちは、こんなに深い関係なのに、どうしてあの人はワタシを避けようとするの?」なんて考え、実力を持って関係を修復しようとしたりするもの。まあ、そんな姿は、典型的なストーカーの姿ですよね?しかし、その「深い」関係と言っても所詮は妄想の世界のことなんですね。しかし、現実の世界を妄想の世界に「合わせよう」として、無理を起こす。

たまに聞くでしょ?そんな事件。

逆に言うと、その手の人とのやり取りに当たっては、その距離を維持することに細心の注意を払う必要があるわけです。
ちょっとのトリガーで、妄想が進行してしまうんだから、妄想が大爆発しないように距離を取る必要があると同時に、いったん妄想がバクハツしても、大丈夫なように、やっぱり距離を取っておく必要があるわけ。

ダメダメ家庭の女性から、「あの時に、性行為を要求された!」などと騒がれるような相談相手は、逆に言うと、ダメダメ家庭の人間の心理が理解できていないわけ。
だから、どのみち、相手に対して有効なアドヴァイスができるわけもない。
たとえ、『性行為を要求したわけではなく、単なるくだけたおしゃべり』だったとしても、相手からそのように騒がれてしまっているということは、能力的にみて、相談相手として失格と言えるでしょう。

ダメダメ家庭の問題に対処するに当たっては、その距離の問題が非常に重要になるわけです。その問題に注意が行かない人は、この問題にタッチしない方がいいんですね。

(終了)
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発信後記

今回のお題とは関係ありませんが・・・
人間は往々にして、自分の得意分野でコケるもの。アタマのいい人が、そのアタマのよさでコケる。俗に言う「策士策に溺れる」なんてありますね。
今の日本の総理大臣の安倍さんは、アタマがいいとは言いがたい。
彼のいい点は、「人の話を聞ける」という点だと思います。彼は、政治家にあるまじき「いい人」と言えるでしょうね。

しかし、人の話を聞きすぎるがために、例の「造反議員の復党問題」でコケていました。
人の話を聞くだけでなく、自分の心の声を聞くことも必要なんですね。

安倍さんが今熱心なのは、教育改革だそうです。
その分野に手をつけたのは彼の心の声に従っているんでしょう。しかし、内閣の最初のテーマが教育改革というのは、上策ではない。そもそも教育分野は、成果が出るまで時間がかかる。だからじっくりやればいい話。まずとりあえず、何か成果を出すという場合には教育分野に手をつけるのは不適格なんですね。

しかし、どうしてそんなに教育分野に熱心なんでしょう?
多分、彼は学歴にコンプレックスがあるんでしょう。だから教育制度に「うらみ」があるのでは?安倍さんの家庭教師をされた、平沢議員も重用されませんものね。自分に教育を施した人間に復讐したい!なんて、深層心理的に思っているのでは?
悪いのは自分じゃないんだ!教育制度や、教えた側が悪かったんだ!

そう思いたいのはわからないでもありませんが・・・
自分のアタマの悪さを認めれば、逆にアタマのいい人の知恵を使える・・・そんなもの。せっかく彼は人の話が聞けるんだから、人の知恵を上手に使えばいいのに・・・
いずれにせよ、まずは自分自身を知ることが重要。
ダメダメに限らず、どんな分野でも、それは、やっぱり同じなんですね。
R.10/12/5