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カテゴリー ダメダメ家庭の人からのメール
配信日 08年4月9日 (11年1月16日 記述を追加)
タイトル スサムメール
以前に、後記でちょっと言及いたしましたが、私はトルストイよりも、チェーホフに近い考え方です。
と言っても、「いったい何を言っているのか?」お読みになっても、分からないでしょうね。

トルストイは、「アンナ・カレーニナ」の冒頭で、「幸福な家庭は一様に幸福だが、不幸な家庭はそれぞれに不幸だ。」と言っています。トルストイは、最後には家出をして、駅でお亡くなりになっています。彼は不幸な家庭を身を持って体験しながら、不幸な家庭の多様性について注目したわけです。

それに対しチェーホフは、どっちかと言うと、不幸な家庭の共通性に目を向けた人と言えるでしょう。
日常の中にはダメダメなものが多くあり、それは、本来は誰だって見えているのに、多くの人は見ようとしない。心の弱い人たちは自分自身や目の前の現実から逃避する。結局は、小さなひずみが積み重なって、収拾がつかない状態になってしまう。
改善も破局も、ほんの小さなことの積み重ねでしかない。「積み重なっての表層には違いがあっても、その深層は、みな同じなのでは?」チェーホフは不幸な家庭をそのように見たわけです。

ダメダメな人と、実際にやり取りすると、この共通性に遭遇することが多いものなんですね。
と言うことで、今回の文章は「スサムメール」というお題です。
「スサムメール」って・・・あたり構わず大量に送りつけてくるメールのこと?まあ、あんなメールを出しまくっている人は、ダメダメ家庭の人だろうなぁ・・・今回の文章はそう言うことなの?

いやいや!スサムメールであって、スパムメールではありません。まあ、しょーもないダジャレなんですけどね。書いている人間が気持ちが荒んでいることが歴然としていて、読んでいる側も気持ちが荒んでしまう・・・そんなメールのことです。

まあ、「荒むメール」って書けば誰だって誤解しないでしょう。文言自体はギャグですよ。とは言え、そんなスサムメール自体はギャグでは済まない。
幸か不幸か、その手のメールを多くいただいている私が見ると、そのスサムメールには実に共通性が多いものなんですよ。

さて、ダメダメな人からのメールとなると、以前に「逆上メール」というお題で取り上げております。逆上メールは短文です。それに対して、スサムメールは、メールの文章自体は比較的に長いものです。
そして、そのスサムメールのスタイルは、多くの人で共通しているものなんですよ。
その共通性は、具体的に言うと、

「相手に勝とう!」という気持ちがムンムン。
だから、揚げ足取りばかり。
言葉使いも荒っぽい。
相手の意向など、聞く気なし。
そして、相手の文章の個々の部分を「>」で多く取り上げ、反論する。
部分部分で反論するけど、全体での自身の主張はない。

そんなスタイルです。
別の言い方をすると、「言いたい気持ち」は異常なまでにあるけど、相手に対して「分かってほしいこと」が、当人自身にも分かっていない人によるメールと言えるでしょう。
私は多くの人から、そんなスサムメールを受けていますよ。
エッヘン!どう?スゴイでしょ?!

しかし、そんなメールを読むと、本当に気持ちが荒んでしまうんですね。
そもそも、「相手に勝とう!」なんて気持ちで書いているんだから、コッチが何を言ってもムダ。聞く耳持たずで、会話の不全を絵に描いたような状態。それに、被害者意識を爆発させているので、表現もムチャクチャ。
相手に分かってほしいことがあるのなら、逆に言うと、丁寧な表現にする必要があるでしょ?しかし、そんなスサムメールが言いたいことは、まあ、「ワタシは悪くないっ!」ということなんでしょうね。そうして「オマエのせいで!オマエのせいで!!」と感情を昂ぶらせる。

相手の意向をまったく聞く気もなく、被害感情を爆発させている状態となると、何もこのスサムメールだけでなく、最近では、いわゆるブログの炎上ということがあります。
「人の揚げ足を取って、熱く反論するけど、自分自身では何も主張しない。」
私は読んではいませんが、ブログを炎上させている文章って、そんな感じなのでは?
今回のスサムメールは、そのブログの炎上を、一つのメールでやっている・・・そのように書くと理解しやすい方も多いでしょう。
あるいは、以前に活躍していたオウム真理教(当時)の上祐さんの発言のスタイルがこんな感じじゃなかったのかな?相手の揚げ足は取っても、自分なりの見解を説明することはしない・・・そんな人って、結構いるでしょ?

あるいは、この手のスサムメールのスタイルの文章は、インターネットの掲示板での書き込みにもあったりしますよね?
やたら「>」を使って、攻撃対象の文章を引用して、感情的に反論するだけの書き込みのスタイルがあるでしょ?
まあ、当人は、「ワタシって、なんてかわいそうなの?!」「コイツが憎い!」と被害者意識を爆発させ、そして、「こんな反論ができるオレって、アタマがいい!」と思って書き込んでいるのかもしれませんが、その書き込みを見た人が、その人に同情したり、共感したり、敬意を持ったりするかというと、そんなわけないでしょ?
だって、そんな荒んだ心の人へ同情なんて・・・ねぇ?
それに、誰かに反論するしか能がない人の知性なんて・・・言うまでもないことでしょ?

集団で誰かをつるし上げをして喜ぶか?
あるいは、一人で相手の揚げ足を取って喜ぶのか?
表象としては違いがあっても、深層としてはまったく同じでしょ?
まあ、やっている人物も同じじゃないの?

まあ、そんなスサムメールが来ても、結局はスパムメールと同じ扱いをしてしまい、見ることはあっても、読まれるわけがないじゃないの?
そんなことは書いている当人だって、ちょっとでも考えればわかることでしょうに・・・

前にも書いておりますが、この手のメールなり書き込みは、「言いたい気持ち」と「分かってほしい気持ち」の乖離が極大化したものと見ると理解しやすいわけです。
「分かってほしい」という気持ちはないんだから、相手から合意を取るという肯定方向を向いた文章ではない。
むしろ「反論されない」という二重否定の方向を向いている。

しかし、そんな感じの文章を読んでも呆れるだけでしょ?
そんなに気に入らない相手だったら、そもそもやり取りなどはしないことが、適切な対応ですよ。
しかし、勝ち負けにこだわるダメダメ人間は、相手に勝とうと力瘤を入れて、荒んだ文章のメールを送りつけたり、掲示板に書き込むことになる。
結局は、自分で自分が見えていないわけです。あるいは、分かってほしいことを自覚できていないんですね。

そんな人ができるのは、子供を作ることくらい。
そして、そんな人の相手をしてくれるのは、自分の子供だけ。
じゃあ、その子供とどんな会話をするのか?
そんな子供がどうなってしまうの?
子供が気に入らないことをしたら、どのように「指導」するの?

スサムメールに接すると、その人だけでなく、その人の親の姿がよく見えるもの。
まあ、やっぱり荒んでいたんでしょうねぇ。

ちなみに、このスサムメールは、離婚と強い相関があります。
まあ、離婚した女性には、実に多いスタイルです。
もちろん、「まだ」離婚していない人のケースもあります。
そもそも、そんな「荒んだ」女性と結婚するような男性も同類でしょ?
そんな「荒んだ」人間同士がくっ付いても、うまくいくわけがないじゃないの?

あるいは、自分の子供を虐待している人のケースも複数ありました。
心が荒んでいるんだから、虐待くらい平気ですよ。
まさに「オマエのせいで!オマエのせいで!」の精神なんですからね。

今までの私の経験ですと、スサムメールを出した方は、離婚か虐待かのどっちかは必ずやっているものなんですよ。
逆に言うと、そんなスサムメールを見た時点で、その人の過去なり未来も、見えてくるわけです。インターネットの掲示板でこのスタイルの書き込みを見たら、「ああ、この人は・・・そのうちに離婚するんだろうなぁ・・・」と分かってくるわけです。
そもそも、自分自身の心を客観的に見ることができず、また、自分自身の考えを相手に分かりやすく伝える意欲もないんですから、離婚くらいにはなりますよ。せめて子供を作る前に離婚すればいいでしょうが、現実はそうも行かないもの。

このスサムメールは相手の文章の断片に対して否定的な感情をぶつけるメールといえますが、断片的な否定のままで、それを自分なりの見解に統合することはできない状態といえます。
相手の文章を否定するにせよ、文章の全体像をふまえたものにする必要があるでしょ?
つまりスサムメールの発し手は、ロングスパンで物事を見ることができないんですね。
目の前の断片だけしか見ることができないわけです。

まあ、だからこそ、ロングスパンで相手を見ないままで結婚してしまい、「離婚だ!」と大騒ぎして、「子供を持つとどのようなことが起るのか?」というロングスパンで考えずに、子供を持ってしまって、「オマエが生まれたせいで、うまくいかない!」と子供を虐待することになる。
それも、自分なりに方針を持って対処するのではなく、常に断片に対して否定的な反応をするだけ。
そんな姿は、メールの文章の姿と全く同じなんですね。

もちろん、過去に心が荒んでいても、自分自身を見つめなおし、向上させればいいだけですよ。
しかし、自分自身を客観的に見つめることから逃避している人間は、当然のこととして、自分の心が荒んでいることも認識しない。

往々にして離婚が親子間で連鎖するように、このような荒んだ表現スタイルも、連鎖したりするものです。その結果として、離婚が連鎖したり、虐待も連鎖してしまう。
無自覚だと、表現の荒みも、心の荒みも連鎖し、そして、加速してしまうものなんですよ。

(終了)
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発信後記

今回の「スサムメール」のスタイルは、個人宛のメールで受けたことがある方は少ないでしょうが、インターネットの掲示板には結構あったりしますよね?私個人は、その手の掲示板はほとんど見ませんが、たまに見ると、その手の書き込みがあったりします。

そんなスタイルの書き込みをする人と結婚して、うまくいくわけもないでしょ?しかし、それでも一緒になる人もいたりする・・・そうしてお約束の修羅場になるわけ。
そしてやっぱり嘆き節。「ああ!どうしてこんなことに?!ワタシってなんてかわいそうなの?!」

そんな姿を見ていると、ダメダメ家庭の多様性というよりも、共通性に目が行ってしまうんです。メールや掲示板の書き込みには無縁だったでしょうが、チェーホフもそんな現実を見ていたのでは?
R.11/1/16