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カテゴリー ダメダメ家庭の会話の雰囲気
配信日 08年10月15日
タイトル 子供に口なし
このメールマガジンは、上の立ち位置からの説教を書いているわけではありません。
むしろ、子供の視点や子供が考えていることを、大人の表現力で書いているだけです。上からではなく、むしろ下から眺めている趣なんですよ。
「皆さんが子供の頃にこんなことを考えたでしょ?」
「ねぇ?どうしてこんなことをするの?」
そんなスタンスの文章なんですね。言われてみればそんな感じでしょ?

多くの人は、大人になると、子供の頃のことを忘れてしまう。と言うか、自分が子供だったことまで忘れてしまう。
だから「子供だったら、こう考えるのが自然じゃないの?」「昔はアナタもこう考えたでしょ?」と改めて言われるとビックリしてしまう。
そして、意外にも子供の視点なり考え方の方が理にかなっていることも多いもの。
大人になってしまうと、様々な「事情」によって、物事の本質が見えなくなってしまうわけ。
何もサン・ディグジュペリを気取るつもりはありませんが、たまには子供の目で世の中を見直してもいいんじゃないの?

子供の視点は、むしろ自然なものと言えますが、かと言って、子供の表現力は、所詮は子供のレヴェルですよ。
ボキャブラリーだって十分じゃありませんし、論理展開力だって、不十分。だから、子供の方が、的を射た視点を持っていても、大人の表現力に圧倒されてしまって、自分の言いたいことが言えない。

まあ、このようなことは一般論として、現実にそうでしょ?
そのこと自体はダメダメとは言えませんよ。
そのような状況に、ダメダメ家庭のファクターが加わってくるので事態が深刻になってしまうわけです。

ダメダメ家庭の親は強い被害者意識を持っている。
子育てだって、親である自分がこうむった被害と考えている。
だから、ダメダメな親は、子育てによる被害を、子供に語ることになる。
もう、お約束状態ですが、ダメダメ家庭を考えるには基本です。

そんな家庭だから、子供は「これ以上、親に迷惑をかけないようにしよう!」と考えざるを得ない。だから親に迷惑が掛かりそうなことは、周囲に言わなくなるわけ。

子供という属性ゆえに、ただでさえ、表現力が低いというだけでなく、子供の側が親に気を使う状態なので、ますます子供は自分の考えを表現できない。
まさに「口なし」状態になるわけ。

だから何かトラブルがあっても、子供は現状なり自分の考えを説明できない。
「死人に口なし」ではなく、「子供に口なし」になってしまうんですね。

それこそ、子供が親から暴力を振るわれるという児童虐待の問題だって、そうなると、「子供のせい」にされてしまうわけ。

「兄弟のケンカで、片方の子供がケガをしてしまったようだ・・・」
虐待が疑われるような事態になったときに、周囲に対し、そんな感じで説明する親がいたりしますよね?

そんな弁明に対し、そもそも子供は説明能力がないし、それに親に迷惑をかけてはいけないと日頃から思っているので、親によるそんな説明に反論できない。
となると、見事なまでに「子供が悪い!」と認定されてしまう。

そのように「悪い子供」と正式に認定されたので、そんな「悪い子供」を育てている親の「被害」も周囲から正式に認定されてしまう。だから、子供としても、ますます「親に迷惑をかけてはならない。」と切羽詰ってしまうことになる。

子供のせいにしてしまうと、ダメダメな親にとっては当然のこととして都合がいい。
それだけではありません。周囲の大人にとっても都合がいいわけ。
「まっ、子供だからそんなこともあるだろう・・・」
「これからは、よく気をつけて見てくださいよ!」
その事件のフォローとしては、それでオシマイとなってしまう。周囲としても何もアクションを取る必要がない。

周囲の大人としては、そんな「何もアクションを取らなくてもいい」状態に認定するために、都合のいい結論を誘導しようとするもの。そんな誘導があるがゆえに、ますます子供は何も言えない。

しっかし、幼児のじゃれ合いで、内臓破裂?
横にいた父親は何をやっていたの?
よくまあ、そんな説明で納得するものですよ。
いくら大阪でも、ここまで来るとなぁ・・・

周囲の大人たちは、子供のせいにして、自身では結局は何もせず。
やがて、トラブルも、もっと段階が進むことになる。
結局は、ドッカーンという事態に。

たとえ、子供時代に事件にならなくても、後々で響いてきたりする。
何でもかんでも自分のせいにされた子供は、周囲の大人を信用するわけはないでしょ?
兄弟の内臓破裂も自分のせいにされてしまったら、今後どうなるの?一生十字架を背負って生きることになるでしょ?本人が実際にやったのならともかく、そうでないのに、本人のせいにされてしまったら、子供にとっても、たまりませんよ。
そのように周囲に対して不信感を持っている子供が、長じてどのようなことをするのか?
そんなことは火を見るより明らかでしょ?

全部子供のせいにして、大人たちは自分たちの被害を語るだけ。
そんな実例は、それこそ長崎県での小学6年生の事件もその典型でしたよね?
あの事件の周囲の大人は、事件後にも当事者たる子供の話を真摯に聞いたの?
子供には何も言わせずに、大人たちが勝手に盛り上がっただけでしょ?
「どうして、オレだけがこんなことに?!」
って・・・だから「こんなこと」にもなるんでしょ?

これがマトモ家庭における子供の視点なり考えなら、親が代弁することも多い。だから、親の言葉を通して、社会に発言されることもある。
しかし、ダメダメ家庭においては、子供に「言わせない」わけだし、親も子供の意向を代弁するつもりもない。そもそもダメダメ家庭の親自身の表現能力が低いことが通例。

家庭がダメダメであるにせよ、周辺に子供の話を聞いてくれるマトモな人がいれば、子供としても話をすることができるわけですが、頻繁に書いていますが、ダメダメ家庭を作る親は、自分たちのダメダメさが「ふつう」とされてしまうダメダメな環境を求めるもの。
だから、そんな環境の子供としては、家庭内で何も言えないだけでなく、地域においても何も言えない状態になってしまう。
もちろん、そんな家庭が子供を通わせている学校も、まさにその地域のレヴェルを反映して、子供の話などは聞く気もない。

だから、子供の問題が一番発生する領域において、つまり一番困っている状態の子供の意向は完全に無視されているわけです。そして社会としても、そんな子供に「言わせない」ようにしてしまう。
「言われてしまう」と、対処しなくてはならないので、何か現実的な見解が示されると、スグに権威筋の人間が「べき論」でやり込めようとするでしょ?

これで事件が起こらない方が不思議ですよ。
そして、事件が起こってしまった後で、「死人に口なし」になる。
「言われてみれば」実に当たり前のロジックでしょ?

だからこそ、ダメダメな人は、「言わせない」ようにするわけです。

(終了)
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発信後記

そういえば、事件があったりすると、事件当初は大騒ぎとなりますが、その後は報道もされなくなったりするもの。
こんな様相は、とてもじゃないけど知的とはいえない。

ちょっと前に、千葉県で女の子が殺害された事件は、今どうなっているのかな?
変質者云々ということでしたが・・・土地勘があるとか・・・

変質者って、土地勘はあるものなの?ヘンタイ行為をするのなら、自分が知られていない場所でするんじゃないの?自分が知られていない場所ということは、基本的には自分もよく知らない場所。つまり土地勘はないことが通例なのでは?

露出狂の人がつかまったりすると、「女性たちが、驚いた表情をしたので、楽しかった。」とかの犯人のコメント?があったりしますが、だったら、犯人の目的は「女性が驚いた」時点で達成されているわけでしょ?確かに露出狂の人が、レイプなり殺人をやっている例は、ちょっと見当たらない。
だって、相手をビックリさせようとして、相手がビックリしたんだから、そのこと自体は、予想通りですよ。露出狂の人が、「わあ!女性が驚いてしまった!どうしよう!」なんて焦ったりはしないでしょ?

相手が騒いで、犯人が焦ってしまったということなら、相手が驚いたり騒いだりすることが、想定されないケースじゃないの?

一般的な思考をしない場合にも、往々にして、「その人なり」のロジックはあったりするもの。ダメダメにおいても、ダメダメなりの思考パターンはあるわけです。
それさえわかれば、意外にも、予想しやすいものなんですよ。
R.10/12/14