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カテゴリー ダメダメ家庭の被害者意識
配信日 09年1月2日
タイトル 被害者信念
 追記  購読者さんからの補足文章があります。(11年1月28日 アップ)
ダメダメ家庭の人間は被害者意識が強い。
このことは、もう信念のように、何回も書いています。しかし、本当のことでしょ?
単に強い被害者意識を持っているという問題ではなく、あるいは、遭遇してしまった不都合な事態を、自分がこうむった被害として捉えるという次元ではなく、その人のアイデンティティの根本が、「自分はかわいそうな被害者なんだ!」となっている。

その人の根本が「自分はかわいそうな被害者なんだ!」ということだから、それが高じて、「自分は世界で『一番』かわいそうな人間なんだ!」とグレードアップしてしまう。そうやって、「自分はかわいそうな被害者なんだ!」が、単なる意識や認識や感情のレヴェルではなく、その人の信念にまで昇華されてしまう。

「おお!神よ!我をかわいそうな被害者と認めたまえ!」
ギャグを書いていると思われる方も多いでしょうが、韓国人なり北朝鮮人などの発想の根本って、まさにそれでしょ?
まあ、神様がそう認める前に、自分で認定してしまっているわけだから、まさにそのように行動することになる。まさに自らの信念に従って、確信を持って行動する。
かと言って、その信念とやらは、「自分は万難を排して、○○を達成するんだ!」というものではなく、「自分こそが一番かわいそうな被害者なんだ!」ということだから、周囲の人間にしてみれば、タチが悪い。

自分こそが一番かわいそうな人間と思っているので、周囲の人間の「かわいそうさ」なんて無視する。むしろ「フンっ!アイツはオレよりも恵まれている!」と恨んでいるだけ。
むしろ、自分の周囲にいる「かわいそうな」人間と、「どっちがグレードの高い被害者なのか?」と競争するようになる。

そんな人は、立場の弱い人間をいじめるようなことをするもの。相手をいじめることにより、「コイツはオレよりも、恵まれているんだ!」と確認行為とするわけです。自分がいじめておいて、イジメた対象を「コイツはオレよりも恵まれている。」も何もないのですが、そのような行為をすることによって、被害者が加害者に復讐するという形を作り上げ、その関係性を自分に対し確認しているわけです。
残虐な行為は、心理的には「復讐」行為となっていて、復讐をすることで、自分が受けた被害なり「自分はかわいそうな被害者である。」という立場を心理的に確認しているわけです。ヘンな話になりますが、この手の人は、報復行為が先にあって、その報復の原因となった被害は後からの都合で「てきとう」に設定してしまう。
被害者としての立ち位置を確定させるための報復行為なので、受けた被害の具体などは、実はどうでもいいわけです。被害を受けたという「それっぽい関係性」だけが重要になっている。

このようなことは、以前にこのメールマガジンでも言及しましたが、たとえば韓国のデモで、生きた子豚を八つ裂きにして大喜びするような例につながるわけです。
デモの韓国人にしてみれば、子豚は加害者であり、自分たちは被害者という関係性を確定させるために、あんな行為をしたわけです。

もちろん、そんな関係性は現実的ではない。子豚はデモの事案には関係ありませんよ。いわんや、加害者ではない。しかし、現実的ではないからこそ、より残虐な行為によって、それを心理的に刻み込む必要がでてくる。
そして、そのような儀式的な確認行為によって、「ああ!オレは一番かわいそうな人間なんだ!」との境地に至れるわけです。
しかし、本来は、子豚を八つ裂きにしても、何か得られるわけでもないでしょ?当人たちの主張が理解されるわけでもないでしょ?と言うか当人たちの主張なんて、本人自身が分かっていないんでしょ?
しかし、自分たちでも分かっていないがゆえに、苛烈な行為が必要となってしまう。

韓国での生きた子豚の八つ裂きと似た事件が、以前に愛知県でありました。
携帯電話でのサイトを見て見知らぬ人間が集まって、派遣社員の女性を殺害した事件です。そして、その殺害の方法もきわめて残虐だったとか。たしか、被害者のご母堂が裁判において死刑を求めていました。

このような事件を理解するためには、今まで書いてきた、「自分こそが一番かわいそうな被害者なんだ。」という被害者信念を理解していることが絶対に必要です。自分が一番かわいそうな人間だと確信を抱いているので、周囲の自分以外の人間は、「自分より恵まれている。」となる。だから、そんな「恵まれた人間」に対して何をやってもいいとなってしまう。
むしろ、嫌がらせ行為をすることで、「自分はコイツよりもかわいそうなんだ!」と自分に確認することになる。

本来なら、お金がほしいというなら、つまり、成果を求めての「加点法的な犯罪?」なら、何も派遣社員の女性を襲っても、得るものは少ないんじゃないの?せっかく、「ヤバイ連中」が集まったんだから、しっかり準備して銀行強盗でもするのなら、まだ分かりますよ。
女性を襲うのだって、レイプすると言うのだったら、動機自体は、まだ、分からないわけでもない。
しかし、派遣社員の女性を襲ってお金を得るという発想自体が、ヘンでしょ?
倫理的に問題と言うより、まずもって犯罪の成果がないじゃん。
しかし、このようなことは、生きた子豚を八つ裂きにして喜ぶ韓国人の心理と同じなんですね。

何回も書きますが、被害者意識が強いダメダメ人間は、自分こそが一番かわいそうな人間という信念を持っているので、他の存在は、自分より恵まれていると認識している。そして、その関係性を心理的に確定させる行為をしようとする。心理的な目的なので、お金を得るとか、性的な快楽を得るという目的は単に名目上のものになってしまう。

あくまで「自分が『一番』かわいそうな人間なんだ!」という関係性を確定させるだけなので、逆に言うと、そんな儀式での生贄の対象は、「ある程度」かわいそうなものになってしまう。つまり、自分よりはるかに力のある人間は対象外となる。かわいそうな被害者という点でライバルになりそうな人間なり動物が選ばれることになってしまう。
力を獲得するための儀式ではなく、「かわいそうな被害者」という立場を確認するための儀式なので、生贄の対象は、「力のない無抵抗」な存在でないと意味がないわけです。立ち位置としての近親性があるからこその、そんな行動なんですね。
弱い対象をイジメながら、「オレはコイツよりかわいそうなんだ!」と確認するわけです。
それこそホームレスの方を襲撃して喜ぶ若い人たちと、その心理においては通底しているわけです。

当然のこととして、あの事件の犯人を弁護しているわけではありませんよ。
あの事件の犯人の心理を考えているだけです。
逆に言うと、あの心理に近い人は、現実として結構いたりするもの。それこそ韓国のデモのように集団で子豚を八つ裂きにする例でみると、あの参加者は、同じようなことを人間に対してもする可能性が高いわけです。

もちろん、日本だって、あんな残虐な事件だけでなく、「自分が一番かわいそうな人間なんだ!」と信念を持っている人って、現実にいるでしょ?それこそ、今回の文章で記述した心理を理解していないと、いわゆる「オレオレ詐欺」というか「振り込め詐欺」の犯人の心理なんて理解できませんよ。あのような詐欺事件は、まさに弱者が狙われるわけですが、それって、単に結果が得やすいと言うことだけでなく、「かわいそさ」という点において、犯人たちのライバルであって、だからこその敵と言えるわけです。

そもそも、「自分こそが一番かわいそうなんだ。」と確信をもっている人が、子供を持ったら、その子供を大切に育てるの?
そんなわけないでしょ?
「コイツはワタシよりも恵まれているんだ!」と、恨みの心を子供に向けながらの子育てになってしまうでしょ?
そんな親によって育てられてしまったら、それを自覚しない限り、被害者信念に基づいて行動してしまいますよ。

被害者信念のある人は、ちょっとしたトリガーがあると、求める成果が何もないようなムダに過激な行為をする可能性が存在している。それに、そんな被害者信念のある人は、その信念に反する人や見解を受け付けない。だからその信念がどんどんと揺るぎのないものになってしまう。
そんな人に対して、ヘタに忠告すると、「もうっ!鬱陶しい!」と逆ギレされるだけ。そんな人って実際にいるでしょ?逆に言うと、スグに逆切れするような人は、この被害者信念があると見ることができるわけです。

自分の被害ばかり語る人からは距離を取る。
自分自身が生贄にならないためには、そんな対処も必要なんですね。

(終了)
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発信後記

新年あけましておめでとうございます。
新年ということなので、信念の話題にしたのか?と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、それだけで選んでいるわけではありませんよ。

今回のお題は、今まで配信した文章を組み合わせたような趣の文章なので、お正月休みの最中にも理解しやすいのでは?そんな考えです。それに、連続して文芸的な内容にすると、読むのにもタイヘンでしょうしね。

ちなみに、今回取り上げた被害者意識の積み重ねのような事例については、今現在YAHOO動画で無料で見ることができる「十二国記」なるアニメ作品でもテーマになっていました。
無料なので、たまたま見たのですが、テーマ自体は、今回配信文章と共通しています。
私としては、あのテーマをどのようにドラマ作品にするのかな?
そんな興味で、がんばって?見ていました。

ただ、実際に見るのは、ちょっとシンドイ。全45話の長大な作品なのはともかく、それ以上に長く感じる。
色々と考えてみたのですが、表現に緩急がないんですね。ギャグを入れたり、ラヴコメ的なエピソードを入れて、ドラマの流れに変化を持たせたりもしてない。あと名前が覚えにくい。異世界を舞台としているとのことで、そうなるとファンタジーを広げることができますが、我々の世界の知的資産を使って説明するという芸当もできない。

まあ、ダメダメ家庭の人間が持ちやすい妄想を、上手にまとめあげたとも言えますが、もう一ひねりほしいところですね。
言いたいことはよくわかるわけですが、表現するとなると、色々な制約が多い・・・そんなことはこの私も色々と悩むところです。

では、本年もよろしくお願いいたします。
 以下は購読者さんからの追加文章です。(11年1月28日 アップ)
  1999年12月4日に、栃木で男性の悲惨な遺体が発見されました。日産の栃木工場で働いていた被害者男性が、同僚の三人にお金をせびられつれまわされ、目を覆いたくなるような凄惨な暴力を振るわれたあげく殺された事件で、「栃木リンチ殺人事件」と呼ばれています。

 事件の詳細な説明に関しては、様々なサイトで言及されていますし、書籍も出ていますので、ここでは省きます。
 私がこの事件の詳細を見た時、気になった台詞がありました。犯人が逮捕された時、加害者の一人の母親が、被害者の実家に電話をかけて「うちの子が逮捕されちゃった。」と泣きついたというのです。正直「なんでこんなことを言うんだろう? 自分の息子が殺した相手の親に泣きついて、相手に慰めてもらえると本気で思っているの? この人、頭がおかしいんじゃないだろうか」と思いました。

 どうしてこのような言葉が飛び出したのか、それはこの「被害者信念」という文章を読んで、だんだんわかってきました。加害者の母親は「息子が逮捕されてしまった自分は被害者。かわいそうな被害者だから、何をしてもいい。」と、そんな感じの信念を抱いているのでしょう。だから被害者の家に電話をかけて泣きつく、という、まともな感覚を持っている人からすれば理解できないようなことを、平気でやってしまえるわけです。

 そして息子の方もおそらく、この「被害者信念」があるからこそ、こんな事件を起こしてしまう。ほぼ無抵抗の被害者に暴力を振るい続けたという流れは、上の文章の「『かわいそうな被害者』という立場を確認するための儀式」にぴったり当てはまります。被害者信念で結びついた人たちが引き起こす事件がどれだけ恐ろしいか、それを教えてくれるのがこの「栃木リンチ殺人事件」ではないでしょうか。
R.11/1/28