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カテゴリー このメールマガジンそれ自体について
配信日 09年9月28日
タイトル 書いてあるとおり
このメールマガジンに対して、購読者さんからお便りを頂戴することがあります。
質問や相談のメールもありますし、まあ、たびたび取り上げております逆上メールのケースもあります。
いつも書いていますが、逆上メールが一番ネタになる。会話の不全と強い被害者意識の見事な融合でしょ?

幸か不幸か、いただくお便りが、いつもいつも逆上メールと言うわけには行かない。一般的なお便りのケースも、もちろん、あります。このような一般的なお便りは、正直言ってネタにならない。
しかし、せっかくだから、ちょっとネタにしてみようかな?

以前にも書きましたが、この私に寄せられるメールの中で、多い言葉は、「妙に納得した」というものです。この「妙に納得した」という言葉は、以前に「蟲師」というアニメを取り上げた際に、ちょっと触れました。
いただいたメールの文章中に、その「妙に納得した」言葉が、あまりに多いので、購読者さんからのメールを読みながら、「妙に納得した」という言葉の数を数えたことがあります。ちょっと苦笑い。
まあ、ものの見え方が違うんでしょう。「妙に納得された」方がダメダメということでは決してありませんよ。自分でも実感としてはよくわからない面もあるけど、私の文章になんとなく納得した・・・と言うことなんでしょ?

あと、多かったりする言葉が、「まったく、ここに書いてあるとおりだ。」あるいは、先週の土曜日に取り上げましたが「当たりすぎている」という言葉のパターンもある。
購読者さん本人だったり、あるいは、購読者さんの近辺のダメダメ家庭の人間の行動が、このメールマガジンで描写しているとおりということなんでしょうね。

これはある意味、逆上メールと共通しています。逆上メールを送った人も、「これって、そのまんまワタシじゃん?!」「まったく、これに書いてあるとおりだわ!」と思ったから逆上したんでしょ?
何も私の書いた文章を自慢しているわけではありませんヨ。私は見たものを書いているだけです。役に立ったのなら、あるいはインパクトがあったのなら、それで何よりですよ。

ダメダメ家庭の基本は、強い被害者意識と、当事者意識の欠如。そして当事者意識が欠如しているから、会話の不全となる。これらの基本的な要素が、様々な環境要因の中で、組み合わさって、ダメダメの諸相となっていくわけ。
当事者意識がないから、自分で考えない。
被害者意識が強いから、上手く行かないことがあっても、それを自分が受けた被害と捉えて、何かを犯人認定して、相手を恨むばかり。

そして、それはスパイラルのように進行していくことになる。
最初は小さなダメダメでも、当事者意識がないのでそれを放置。それが顕著な程度まで大きくなると、それを自分が受けた被害と考える。だから他者を犯人認定して、八つ当たりしたり、報復したりする。そうやって周辺環境も悪くなって、どんどんとダメダメ進行。
友人関係も、結婚も、出産や育児も、就職も、自分のダメダメを進行させる方向に向かってしまう。

その「流れ」が、このメールマガジンで書いてあるとおりということなんでしょうね。
「この人・・・ワタシのことを知らないはずなのに・・・まったく、ここで書いてあるとおりだわ!」あるいは、「あの人の行動って、奇妙奇天烈で今までよくわからなかったけど・・・このメールマガジンで書いてあるとおりに行動しているぞ!」

当人は、自身の固有の問題だと思っているわけですが、ダメダメの基本形について、ちゃんとわかっていると、それなりの法則というか公式があるわけです。
「こうなれば」→「こうなる」。
やっぱり基本となる流れがあるわけです。

何も「このメールマガジンの文章を黙って読みなさい!」と言うことではなく、自分自身が、ここで書いてあるとおりに進行していれば、その後の展開も予想できるわけです。
だからこそ、その進行を食い止める必要もあるわけでしょ?
以前に、「ワーニャおじさん」を取り上げたロシアの作家チェーホフが書いていますが、「生活の方向を変える」必要があるんですね。

しかし、まさに当事者意識が欠如しているので、そのこと自体が難しい。それに現状認識を抑圧し、自分自身から逃避しているんだから、今現在ダメダメが進行中であるということを認識することができない。あるいは、何度も書いていますが、トラブルの最中になると、ボランティアの連中が現れて「アナタは悪くないのよ!」なんて言い出して、現状というか「生活の方向」を維持させようとする。
だからこそ、ダメダメのスパイラル進行が加速して、結局はカタストロフになってしまう。

近くにいる実際のダメダメ家庭の人間を助けるのは容易ではないでしょう。そんなダメダメ家庭の人間にヘタに関わったら、入れ込まれたり、犯人認定されたりと、面倒なことになるだけ。
だからこそ、せめて自分だけでも、「生活の方向」を変えた方がいいわけです。だって、ダメダメが進行していくと、まさに、このメールマガジンで書いてあるとおりになるものなんですね。
途中までは、このメールマガジンが書いている流れのとおりで、最後の結末は違う・・・なんてことにはなりませんよ。

もちろんのこと、このメールマガジンでの記述のほとんどに該当するケースばかりではないでしょう。とは言え、現実社会にはダメダメな人がいっぱいいる。そんな人からどうやって自分の身を守るのか?この一連の文章が、そんな視点が提供できれば、それで結構です。
そして、当然のこととして「完全な人間」なんていないわけですから、自分自身の問題点を自覚して、それを少しずつでも改善していけばいいわけでしょ?

人は自分自身については、なかなかわからないもの。
ちょっと別の視点から、自分自身を眺めてみることも有効なんですね。

さて、ダメダメ家庭の人間は、当事者意識がない。だから自分で達成したいものがない。だから当然のこととして、何も達成できない。だから自分に自信がない。
そして自分自身を自分の言葉で語れない。
「ワタシはこのような人間で、普段はこんなことをしていて、得意分野はこれこれで・・・こんなことを目標としている。」なんて語れないわけ。
ダメダメ人間が、自分を語る言葉は・・・例のお約束の言葉といえる、
「ふ・つ・う」。

自分の言葉で自分を語れないので、そんな人は他者による評価を異常に気にすることになる。
「ワタシはどんなふうに見られているんだろうか?」
あるいは、序列意識が加わると、
「このワタシのランクはどのあたりなのだろうか?」
そんな感じで思っている。
そんなことを考えなくても、自分自身で自分を語ればいいわけですが、それができないんだから、他者からの言葉や評価を当てにするしかない。

さて、そんな他者からの言葉や評価を当てにするダメダメ人間が、このメールマガジンのバックナンバーを、たまたま読んだら?前記のように逆上するケースもありますが、割りとポピュラーな反応はこのパターンになります。
「ワタシに該当するダメダメは全部じゃなかった!」
「少しくらいしか、当てはまるものがなかった!」
そんな反応が多かったりする。

「まさに、ここに書いてあるとおり!」とビックリするパターンではなく、「ここに書いてあることに、ちょっと当てはまる。」というパターンです。そりゃ、全部に該当する人なんていませんよ。
それに私としては、自分自身を見つめなおす視点を提示しているのであって、テストの問題を出しているわけではないんですからね。「総合評価は○○点!アナタはチョットダメダメのレヴェルね!」・・・そんな評価には意味はないでしょ?

普段気がつかなかった自分自身の問題が書いてあったのなら、それを自覚して、対処していけばいいわけでしょ?まさに、「服が汚れているのは恥ではない。汚れたままにしているのが恥なのです。」という言葉のとおり。
しかし、当事者意識がないダメダメ人間は、評価ポイントの方に反応してしまって、自分自身の具体的な問題点を見つめることはしない。

「ああ!ワタシって、結構重症なんだ!」
「けど、ワタシよりも、下がいるに違いない!」
「あまり該当しなかったわ!ラッキー!」

・・・ラッキーって、そういう問題じゃないでしょ?
「自分としては、次にどのようなアクションを起こすのか?」
その問題でしょ?

とは言え、「その気」がある方が、この私の文章を読んでパニックになってしまうことも分かりますよ。一時的なパニックはしょうがない。だから後になって落ち着いて今後のことを考えればいいわけです。

問題なのは、多くの項目が該当していることではなくて、該当している項目に対して何もアクションを起こさないことでしょ?
しかし、当事者意識がないダメダメ人間は、「該当している!該当しなかった!」で一喜一憂。結局、改善のためのアクションを起こさないでグチや犯人探しばかり。

勝手に該当チェックをして、勝手に逆上した人が、逆上メールを送ってきたりするもの。
そんな逆上気味のメールの文章は、実に該当チェックができるんですよ。

『ああ!この人のこの心理は、あの文章で書いてあるとおりだ!』
『ここでの心理についての文章は、まだドラフト段階だなぁ・・・』
『この逆上の仕方は、あそこの文章に取り込んでおこう!』
『この逆上メールって、私のメールマガジンの文章で書いてあるとおりの文章だぞ!』
『いやぁ・・・このメールマガジンは実に役に立つなぁ・・・』

と、私としては自分で納得できるわけ。
ホント、逆上メールの文章ほど、この私の文章の価値を証明しているものはないと言えるほど。

「まったく、ここに書いてあるとおりだ!」「こんなに該当している!」と思ったら、自分自身を見つめてみる・・・
その前段階で逆上するのもいいでしょう。
逆上した後で、ちょっとお茶でも飲んで、じっくり考えてみる。

不幸な家庭のあり方、つまりダメダメのスタイルって、トルストイが言うほど多様ではないわけです。むしろシンプルなものなんですよ。

(終了)
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発信後記

最近、話題になっておりますモンスター・ペアレンツですが・・・
この強い被害者意識と、当事者意識の欠如の発露の典型といえます。
被害者意識が強いから、スグに自分の被害と認識する。
当事者意識がないから、自分で問題を対処する発想がない。
あらゆることが、すべて人のせい。

それを、子育ての領域で発現すれば、モンスター・ペアレンツになるわけ。
そして、自分がかわいそうな被害者だという理由付けのために、子供を利用する。

このメールマガジンではボランティアの連中のことを、蛇蝎のごとくに書いていますが、中途半端な同情によって、「被害を主張すれば構ってもらえる」という成功体験を作ってしまうわけ。そして、繰り返される被害主張が、「自分はかわいそうな被害者なんだから、他の人間には何をやってもいいんだ!」との確信に繋がっていく。

それによって、本当に苦境に陥るのは、そんな「被害ばかり語る」人間によって育てられなければならない子供でしょ?
ホント、皆様の周囲のダメダメな人たちも、まさに「書いてあるとおり」にそうなっているでしょ?
R.10/12/28