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カテゴリー | ダメダメ家庭は嘆き節がいっぱい |
配信日 | 04年1月7日 (10年3月24日に大幅に改訂) |
タイトル | 子育ての苦労を嘆く |
イエス・キリストさんも言っていますよね。 「断食の修行のような苦しい時こそ、楽しげな表情をしなさい。」「人からあの人は断食しているんだな・・・エライねぇ・・・と思われるようでは、本当の修行とは言えない。」 「修行は人に見せるものではなく、自分自身や神様のためにするもんだ!」 まあ、そうですよね? 人から苦しい修行をほめられるために断食をしているわけではないんでしょ? 神様ではなく、人を向いたそんな修行なんてやらない方がマシ。 ただ、宗教的な価値の問題はいいとして、人間は誰しも、苦しい時には正直にグチを言いたいことも多いですよね? それはそれで当然なこと。 あまり溜め込んだりすると、逆に後が大変。 しかし、グチを言うにも対象を選ばないと、逆にもっと後が大変になってしまうわけです。 「苦労している原因そのもの」に向かってのグチは、やっぱり慎重でないとね? 正面きってのクレームだったり、あるいは、「この点を直してくれ!」との依頼ならまだしも、グチだったら言われた方も困りますよね? 相手に対して、その行動を直してほしいと思っているのなら、グチではなく、ちゃんとした説明をする必要があるでしょ?しかし、当事者意識がないダメダメな親は、説明ではなく独り言のようなグチを言うばかり。 ということでダメダメ家庭ご用達のグチ。 親が子供に向かって、 「オマエを育てるのに苦労した・・・ホント大変だった。人生を棒に振った。」 子育ての苦労だって、それこそ親同士の情報交換だったら、まだ意味があるでしょう。しかし、ダメダメ家庭においては、子育ての苦労を、子供に語るわけ。 まあ、親たるもの、子育てにおいて、うまく行かないこともあったりするのは当然と言えば当然でしょう。現実問題として、大変な手間がかかったりする。だから、そんな手間をグチるわけ。 「オマエが5歳のとき、病気にかかって、その看病が大変だった。」 「病気の通院での費用は大変だった。そのおかげで、それ以降1年間はどこにも旅行に行けなかった。」 「オシメを取り替えるのは大嫌いだったが・・・しょうがなかった・・・あの苦労は思い出しただけでイヤになる。」 「ある時友達から、旅行に誘われたけど、オマエが小さかったので行けなかった。あの時旅行に行けたらなぁ・・・」 「ある時、面白そうな仕事を誘われたけど、オマエがいるのでできなかった。」 「子供がいるから働きにもいけなかった。」 「お父さんが働いて稼いだお金は、オマエのために使わざるを得なかった。」 「全く・・・周囲の子供は高校卒業で働いているのに、オマエは大学まで行かせてやって家計が大変だった。」等々・・・ 色々な「具体的」な事項は「山ほど」あるはずです。 それを自分の子供の顔を見るたびに、語って聞かせる。 子供としては、親から「子育ての苦労」を語られたら一体どうすればいいのかな? 「まずは、これ以上苦労をかけないようにする。」 他に何ともしようがないですよね? 親の日々の嘆きの原因は子供である・・・ダメダメ家庭ではそのような「定説」が確立している状態。 子供にとっては、親に対して『生まれてしまって、申し訳ない』という気持ちが芽生えてきます。と同時に、もうこれ以上、「親に迷惑をかけてはいけない。」と決意するようになります。 よく、学校でのイジメの被害者として子供が自殺したりしますが、マトモな家庭の子供だったら、自殺する前に両親に相談するでしょう?しかし、ダメダメ家庭ではそんなことはできないわけ。まあ、その前に、「親に迷惑をかけてはいけない!」からと、周囲の子供をうかがってオドオドとしてばかりだから、学校でイジメられるのでしょうが・・・ 子供をイジメ自殺させる親は、普段からこのように子供にグチっているわけ。 だから子供の方も親に遠慮して、親に相談できないわけです。 このような「子育ての苦労話」を聞かされて育って、将来は子供を持たないようならまだいいわけです。しかし、以前に書いたように、何も考えずに子供を作って出産してしまうと、自分自身が親から言われた同じグチを、自分の子供に言ったりするようになってしまうんですね。 事前には何も考えずに、後になって子供にグチればそれでいい・・・そんな考えの環境なんだから、何も考えずに結婚し、何も考えずに妊娠して、出産してしまいますよ。だからこそ、何も考えずに出てくる「なじみ」のグチになるわけ。 まあ、グチっていれば問題が解決するわけでなし・・・むしろ問題が深刻化するだけなんですが、それでも子供に向かってグチっているだけなのが、ダメダメ家庭。 そういえば、先日東京の葛飾区で60歳代の父親が、自分の息子を刺し殺す事件がありました。なんでもその息子さんに日頃から暴力を振るわれていたそうです。その殺された息子さんは、子供時代から、親から「出来のいい」姉と比較され続けてグレちゃったそうです。その挙句に親に対して暴力に及んだ・・・らしい。 まあ、親への暴力あるいは刃傷沙汰までは極端ですが、子供が親に対して暴力を振るうこの手の家庭は実に多く見受けられますね? 共通のポイントは「出来のいい」そして「親の愛情をより多く受けた」とされている子供の方が、成人後は親と同居していない点です。「出来の悪い」子供の方が親と同居しているんですね。 「出来の悪い」方は、生活力がないため、一人暮らしができない。 「出来のいい」方は、学歴もあり、それなりの生活力もあるため、自活し一人暮らしする。 では、何故「出来のいい」方は親と同居しないの? それは簡単!! 「出来のいい」方だって、親の顔を見たくはないんですね。 それこそ、親から呼びつけられて、実家に寄ってみたら、どうなるか? 「あ〜あ、オマエを育てるのは大変だった!」 「オマエは勉強ができるため、進学させて費用がかかった。」 「だから弟を進学させられなかった。」 「そうしたら弟がグレちゃって、私はもう死にたいよ!」 こんな風にグチられたら、もう2度と実家なんて行く気にはならないでしょ? 大体、「出来のいい」ということだって、学業成績がいいということよりもむしろ、「手がかからなかった。」という意味なんですね。 親に余計な手間をかけていないこと、それがその手の家庭における「出来がいい」という意味なんです。そのことを成人後に理解するんですね。子供の頃から親の手間をかけないようにと、常に気を使って努力してきたわけ。実家での日々は気が滅入るものだったわけですね。 ということで、実家には行かなくなる。 しかし、そうなると「出来の悪い」方は、ますますグレる。 「出来のいい」方は、親から費用を引き出して、進学し、いい給料をもらって一人暮らし。 「出来の悪い」扱いの自分はというと、性悪の因業ジイサン&バアサンという不良債権を押し付けられて、身動き取れない。 「くっそぉ〜アイツだけいい思いをしやがって!」 「こっちこそ死にたいよ!」 と、暴れることになる。 大体、親の側だって、本当は「出来のいい」方と暮らしたいはずですよね? それを実質上拒否されるわけです。 それに、その事件の家庭でも、実家で暴力沙汰が日常化しているのなら、普通だったら親を引き取るなり、あるいは弟を引き取るなりするでしょ? 多分、その「出来のいい」姉としては、「実家のことは思い出すのもイヤ!」という状態だったのでしょうね。 「何故、このような事件がおきたのか?」 なんて、テレビ等ではいつもの調子で報道していますが、あの手の家庭っていくらでもいますよね? 私は具体例を多く知ってしますよ。皆さんの近くにもあるのでは? 今回、父親が息子を包丁で刺し殺したわけですが、そのような親は子供たちが産まれた時から「言葉の暴力」で刺し続けだったわけですね。「息子を包丁で殺してしまった・・・」なんて、何を今更しおらしいこと言ってるのかしら? よく「ワタシの親は、苦労しながら、ワタシを育ててくれた。」なる物言いがありますが、そんな苦労話がスグにでてくるようなら、ダメダメ家庭の可能性があるもの。 まあ、それこそ母子家庭などで経済的なハンディがあるケースもあるでしょう。 しかし、「育てられたこと = 親の苦労」という認識ということは、その人は親から苦労を引き継いでいるわけ。 苦労体験は引き継いでも、会話の能力なり、現状を認識する能力なり、マナーや教養を親から受け取っていない可能も高いわけ。だから、スグに被害者意識が爆発することになる。 たとえ、経済的なハンディのもとに、子供を育てたとしても、親との思い出だったら他に色々とあるでしょ? 本を読んでくれたとか、それこそ、一緒に料理を作ったとか、遊びに行くとしても、海外旅行のような費用のかかるものだけではない。 親との思い出が、そんな「楽しい思い出」が出てこずに、「苦労しながら育ててくれた。」という物言いになってしまう。 そのような苦労は、蓄積されてしまい、結局は爆発してしまう。 楽しい思い出も積み重なるものですし、苦労も積み重なるわけ。 親から苦労を引き継いだら、結婚後も、苦労に満ちた家庭を作ることになる。 だって、その手の人にしてみれば「子育て = 苦労」という基本認識なんですからね。 そして、いったん苦労を積み重ねるスパイラルに入ってしまうと、「金を出してでも買う」ように苦労体験に突進してしまう。 子育ての苦労を嘆くことは、そのスパイラルが、かなり進んでいるということがわかるわけです。 (終了) *************************************************** 発信後記 年が明けて、またダメダメ家庭が活躍し始めましたね。 |
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R.10/3/24 |