トップページに戻る 配信日分類の総目次に戻る
カテゴリー分類の総目次に戻る タイトル50音分類の総目次へ
カテゴリー ダメダメ家庭をめぐる環境
配信日 04年7月23日 (10年11月18日 記述を追加)
タイトル ジジババが威張っている
年寄りは大切に・・・
まあ、よく言われる正論ですよね?
ジジババはそれなりの人生経験を積んでいるのだから、尊重する必要もあるでしょう。
それに、いわゆる「先祖」なんだし・・・一応は「たて」ないとね。
あるいは、家庭内において自分の子供とジジババが仲が良ければ何かとラクでもあります。

ダメダメ家庭においてジジババと孫が疎遠になることは前回配信の文章で書いております。しかし、疎遠になっても同居しているケースも現実としてあるもの。
そのような家庭では、ジジババがやたら威張っているんですね。

確かに、原則的には「年寄りは大切に・・・」と言えるんでしょう。しかし、だからといって年寄りが威張っているのは問題ですよね?
何と言っても年寄りは現役とは言えない。ジジババの知恵なんて、一昔前の知恵なんですから、今の時代に直接的に通用するとは限らないでしょ?
何も家庭内で威張ってないで、家庭外で同じような老人たちと楽しめばいいじゃないの?何故に、世代の違う話が合わない人間に、昔の知恵で説教しようとするの?

つまり、家庭内で威張っているジジババは、同じ世代のジジババとうまく会話ができないことがわかるわけです。同じ世代の人間と会話ができない人間が、違う世代の人間と会話ができるわけがないでしょ?
逆に言うと、会話ができないからこそ、「年寄りの権威」「先祖の権威」が通用する自分の家庭にしがみつくことになる。
そんな会話のできないジジババが威張っている家庭がマトモであるわけがないんですね。

実際問題として、典型的な例があります。
とある若い夫婦の離婚問題がありました。
その夫婦は結婚後半年でドメスティック・ヴァイオレンス問題に直面したわけ。その亭主というのが「お祖母ちゃんっ子」とでも言いましょうか、「婆コン」とでも言いましょうか・・・自分ひとりでは何もできずに、何でも婆と相談して決めるというか、婆に従う男なんですね。

そのような夫婦がドメスティック・ヴァイオレンス状態に陥って、離婚ということになる。そうなってしまって今更なんですが、その男に対して「あなたもいつまでもオバアチャン、オバアチャンと祖母を頼るのではなくて、自分で考え、判断したら?もし夫婦関係を再生させたいと本気で思っているのなら、1週間くらいお祖母さんと話をせずに、一人で暮らしてみたら?そんなこともできないのなら、夫婦のやり直しも無理でしょ?」と話をしてみたことがあります。

亭主は「わかりました。このアパートで1週間くらい自分ひとりで暮らしてみます。しばらく祖母とも話をしません。そうやって独立心を養います。」と、しおらしいことを言っていました。しかし、数時間後に「ウチの孫に、何ってことを言うんじゃ!」と婆より電話がありました。

まあ、その婆当人も、「婆コン」の若い亭主も今更どうしようもない。
しかし、その婆が電話していたとき、あるいは婆と孫が相談していたときに、父母は何をやっていたの?
その父母に少しでもマトモな部分が残っているのなら、「婆と1週間くらい話をせずに、このアパートで一人暮らしをしてみたら?」と言われたことへの対策を、婆と相談する自分の子供に対して言うこともあるでしょ?
結局は、婆に遠慮してしまって、何も言えないわけですね。
そんな責任の空白状態で自分の子供がマトモに育つわけがないでしょ?
そりゃ、ドメスティック・ヴァイオレンスをするような男にもなりますよ。

ですから、もし結婚ということで相手の実家に訪問するような場合には、相手のジジババを観察すると面白いですよ。まあ、最近ではジジババがいないケースの方がポピュラーでしょうが、もしジジババがいるような場合にはジジババがどのような態度なのか?

やたら仕切りたがるジジババの場合には、もうその家庭はダメダメ家庭です。
たまに昔の話でもするくらいなら、その面においては問題のない家庭ですね。
家庭内でやたら元気なジジババという存在は、現役の人間の遠慮で成り立っているわけです。そんな元気がいいのなら、ジジババ同士で遊んでいればいいだけ。
ダメダメ家庭のジジババはそんなことをせず、家庭内で威張っているだけなんですね。

そんな当然の観察もせず、自分の娘をそのまま結婚させると、ドメスティック・ヴァイオレンスとか、その家庭で生まれた子供が登校拒否とかになってしまう。しかし、事前に何もしないような親は、事後にも何もしなかったりするわけです。
それこそ、自分の娘が新婚家庭でドメスティック・ヴァイオレンスにあっていても、せんべいを食べながらワイドショーを見ていたりするんですね。
結局は家庭に関する問題は、夫の側も妻の側もどっちもどっちなんです。本人たちに問題があるというより、その実家が壊れているわけです。

家庭を仕切って、威張っているジジババの存在は、フランクな会話の不在そのもの。そんな様相はダメダメ家庭の典型と言えるでしょう。そのジジババ当人としては、「今までの自分の知恵を生かす。」とかのきれいごとを並べるものですが、実際には、たいした知恵を持ってはいないもの。
実際に、知恵があれば、無理に仕切るのではなく、適宜相談に乗るという形になるでしょ?
まさに許容範囲を超える限界点のタイミングで、指導するものですよ。
そうすれば、「若いモン」もいい経験ができるわけですしね。
長年の経験により、このまま行ってしまうとマズイことになると分かっていて、だから、指導しているというのなら、クリティカルな時にジャストタイミングでアドヴァイスを送ればいいだけ。

コイツらは、いつもいつも、間違ったことばかりしているから、いつもいつもこのワタシがついていなと・・・という理屈もあるでしょうが、そんなに「いつもいつも」ヘマをする人間に誰が育てたの?そんなダメダメな指導者だったら、折々のアドヴァイスだって、結局はヘマになってしまうことが簡単に予想できるでしょ?

年長者は、「若いモン」が、自分を頼らなくてもやっていけるように指導教育するのが、その務めというもの。
いつもいつも、「若いモン」に関わっているということは、その教育的な能力がないということ。
しかし、そのような教育的な能力がないということは、結局は、長年の叡智も、そして先見性も、そして、説明能力もないということ。
逆に言うと、だからこそ、問答無用の命令で片がつく自分の家族にすがってしまうわけ。
そして、その場で威張り散らす。

このような事態は、何も家庭内ばかりではないでしょ?
最近の日本もそんなジジババが威張っているダメダメ家庭とそっくりの様相になってきていますよね?

日本のジジババ年代の人も、本来だったら「若いモン」の自由にやらせて、本当に危ない時にはしっかりサポートするのがスジというものなのでは?しかし、現実的には、どうでもいい時には色々と首を突っ込んで、本当にクリティカルな事態になったら、「これからは、オマエたちの時代だから・・・」とトンズラを決め込む始末。

何かと前面に出てくるということと、イザという時に頼りになるといことはまったく別物ですよ。現実的に言うと、そのキャラクター的には相反するもの。
前面に出て行きたがるジジババも、最後まで付き合う覚悟を持って付き合っているわけではないでしょ?というか、現実的に見て無理でしょ?そんな覚悟もなく、「冥土の土産」として関わられても迷惑ですよ。

前にも書きましたが、そのジジババに本当に叡智があるのなら、求められた時にしっかりとサポートするのがスジというもの。
そして、普段は、自分の叡智を後世に残すための活動をすればいいだけ。
それが尊厳を持った年齢の取り方ですよ。

しかし、ダメダメなジジババは、そんな尊厳とは無縁。
だから、自分の意向が通用する狭い世界で威張り散らしているだけなんですね。

(終了)
***************************************************
発信後記

このメールマガジンで何回も書いていますが、ダメダメ家庭とはコミュニケーションの不全の問題です。
相手の言わんとするところを聞こうとしない。自分の意図を相手にわかるように言おうとしない・・・そんなことなんですね。

私のメールマガジンへのご意見を頂戴することもありますが・・・
賛同する、否定する・・・どちらでも結構です。ただ自分の意見を伝えるに当たっての最低限の文章のレベルはありますよね?
やたら怒鳴っているような文章の場合もありますが・・・
そのような「ご意見」を受け取って私が思うのは・・
「この人、自分の子供にも同じような口調なんだろうなぁ・・・」ということ。
R.10/11/18