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カテゴリー | ダメダメ家庭出身者の行動 |
配信日 | 04年8月18日 (10年10月7日 記述を追加) |
タイトル | 知ったかぶりをする |
「STRUGGLE FOR SURVIVAL」・・・いわゆる生存のための戦いですね。 その言葉で表現されるように、アフリカの野生動物たちは、日々弱肉強食の戦いが繰り広げられているわけです。 ライオンが鹿を襲って食べたり、チーターが小さな動物を襲ったり・・・ アフリカのジャングルやサバンナはそのような世界なんだからしょうがない。 しかし、人間世界でも、ある意味において弱肉強食の戦いの日々ですよね? この点は、何も戦国時代とか、あるいは昨今の経済的な二極化の進展とかの問題ではなく、昔からそんなもの。 アフリカの動物たちの場合だったら、食べる側の肉食動物はともかく、食べられる側の草食動物が、そのような弱肉強食の世界で生き抜くにはどうするでしょうか? まずは「目立たないように」することでしょう。 カメレオンのように周囲の色に合わせるわけです。 人間のケースですと、このメールマガジンでも書いたことがありますが、「目立たないようにしろ!」というありがたい親の教えになるわけです。 そんな命令を受けた子供は、周囲の人間と変わらない「ふつうの人間にならなきゃ!」と考え、まさに「人に合わせすぎる」人間になってしまう。 それ以外の方法として、そもそも危険なところに出かけないという方法もありますね。 生存のための戦いがないような安全な場所から出て行かないわけ。 亀のように首をすくめて引きこもってしまえばいいわけです。まさに、「引きこもる」という方法です。引きこもりだって、それなりに合理性があるわけです。ある種の環境においては、生存のための唯一の手段となっているわけ。 ダメダメ家庭においては、子供のピンチに際し、親は何もサポートしてくれないので、子供としては自分自身で弱肉強食の世界を生き抜く必要があるわけです。 逆に言うと、子供の「対応方法」を見れば、子供がその社会をどのように認識しているのかが見えてくるわけ。ジャングルの動物と同じ対応を取っていれば、子供の見ている世界は、弱肉強食の世界ということですし、希望を全く捨ててしまって諦念に徹している状態であれば、「この門より入るもの、希望を捨てよ!」と門に掲げられた場所と同じようなものとみているということ。 今回の文章で取り上げる、「生存のための方法」は別のもの。 自分を強く見せる方法です。いわば「虎の皮を被った狐」のやり方に近いもの。 自分を実際以上に強く見せることにより、襲われることを回避する方法です。まあ、動物世界はともかく、いくら弱肉強食の社会と言っても、人間社会では襲われて食べられることは考えなくてもいいでしょう。しかし、弱みを見せると安く見られる。その点は誰だって同じ。だから、自分の弱みは隠したい。 しかし、親からのサポートが全く期待できないダメダメ家庭では、自分を必要以上に立派に見せようとするわけです。それも、周囲の人から尊敬の念を得るために、立派に見せようとするのではなく、むしろ強迫的な切迫感をもって大きく見せようとするわけ。だって、それがトラブルに巻き込まれない最善の方法だと考えているからなんですね。 ダメダメ家庭の子供は、実際にトラブルに遭遇してしまうと孤立無援でしょ?親に対してヘタに相談すると、「そんなことは自分で何とかしろ!」「子供のケンカに親は出ない!」「いったい、誰のためにこんな苦労をしていると思っているんだ?!」と逆切れされるだけ。そんな状況なんだから、自分の身は自分で守らないと・・・と、子供としても必死なんですね。 だから、「虎の衣?を借る」ことにもなってしまう。 だから、ちょっとしたやり取りにおいても、知ったかぶりが多くなる。 会話において、「それについては、ボクは知らない。」とは決して言わない。あやふやな知識でもとにかくひけらかそうとする。実際に、人並み以上の知識があれば、人からそれなりに尊敬されるでしょう。まさか安く見られることはありませんよね? しかし、単なる知ったかぶりでは、「ひけらかした」知識に対し、相手から質問がされると回答できない。 それは、当たり前のこと。そもそもあやふやな知識なんだし・・・ しかし、質問した側は堪りませんよね? 「コイツ・・・コチラが質問しても、何も答えられないじゃないか?じゃあ、さっき言っていたことは何だったんだ?な〜んだ!何も知りもしないことを知ったかぶりしていただけだったんだな・・・ホント、いい加減なヤツだな!適当なこと言うんじゃないよ!!」 しかし、知ったかぶりの行動を取る人は、「自分の身を守る」ためにやっているわけですね。 人に褒めてもらいたいというものではなく、いい加減な気持ちでもなく、とにもかくにも、周囲から攻撃されたくないという恐怖感から来ているわけ。 さながら、アフリカで草食動物が「オレにも角があるぞ!」とやるようなもの。 その角で、誰かを襲うつもりもないわけです。攻撃が目的なのではなく、あくまで専守防衛なんですからね。 しかし、その必死の専守防衛策も、その角が発泡スチロール製のパチモンだったら、一番安く見られて襲われるのも確実でしょ? ダメダメ家庭出身者が必死の思いでやっている、「知ったかぶり」も、ちょっとのことで、ボロを出してしまって、結局は自分を安く見せているだけになってしまう。 そうやってダメダメ家庭出身者は、その出身家庭の特徴をさらけ出してしまい、ますます出口がなくなってしまうわけです。 では、このような「知ったかぶり」の人が、何とか生き抜いて、大人になって、結婚し、親になったらどうなるでしょうか?アフリカの動物だったら、生き残れないでしょうが、幸か不幸か人間社会では生き残って子孫を残してしまう。 そうなると、子供の頃から培った処世術である「知ったかぶり」を自分の子供を相手にすることになるわけ。 何も自分の子供相手には、自分を大きく見せる必要はないにせよ、ダメダメ家庭の人間は自分の子供しか相手になってくれない。だから身についた「知ったかぶり」も子供相手に自然にやってしまう。 そんな「知ったかぶり」に対しては、子供の側も、最初の頃は「そんなものなのかなぁ・・・」と納得してくれます。 しかし、「知ったかぶり」の親から教えられた、あやふやな知識を、子供が学校で友人に語ったら、さあ大変! 「オマエ!何をバカなこと言っているんだヨ?!アハハ!」周囲から笑われてしまいます。 子供としては、慌てて親に聞くことになる。 「お父さん!お父さんが昨日ボクに言っていたことは間違っていたよ!」 「みんなから、笑われてしまったよ!」 そうなると、知ったかぶりの親は、しどろもどろで逃げるしかありませんよね? 『えーとぉ・・・オレはそんなことを言ったかなぁ・・・』 あるいは、『うるさい!オレは忙しいんだ!』と逆切れして、捨てセリフ。 その姿を、呆れた目で見つめる子供。 知ったかぶりをするような人は、逆に言うと、「これだけは知りたい!」という強い問題意識を持っていない。知ったかぶりで知識を語ることは、まさに「人に合わせる」形に近く、生返事の一種とみると理解しやすいでしょ? 生返事がそうであるように、そのような「知ったかぶり」も、習性になってしまうと、そんな修正が通用するような世界でしか生きていけなくなってしまう。 しかし、マトモな人は、生返事ばかりの人とは、やり取りをしたくはありませんよ。 ということで、ダメダメの吹き溜まりができてしまう。 どうしてもわかってほしいことがあれば、別の分野においても「知ったかぶり」などはしないでしょ? 本当に、知りたいことがあれば、人に対して知ったかぶりなんてしているヒマはないでしょ? 知りたいという強い気持ちがあれば、あやふやな知識をもっともらしく語る人とやり取りをしても、「求める知識」は何も得られないんだから、そんな人たちからは、さっさと避難しますよ。 だから、どうしても、同類が集まってしまうわけです。 それこそ、インターネットの掲示板なんて、そんな様相でしょ? そんな場所だったら、わざわざ「そのマターについては、自分は知らない。」と書き込む必要はないでしょう。 しかし、その手の場所では、ムダに「知ったかぶり」をしている人って、実際にいますよね? 上からの物言いで、しょーもない知識を書き込んでいるような文章もあったりするでしょ?まあ、能力的な問題もあるんだから、結果的に大した文章でなくなってしまうのは、しょうがない。 しかし、ダメダメ人間は、「これだけはわかってほしい」という気持ちがないまま。だから、とりあえず、自分の体面が保てる文章にしておかないと恰好が悪い・・・そんなスタンスで、知ったかぶりをすることになる。 知ったかぶりをする人は、逆に言うと、その人が実際に持っている知識も、知ったかぶりの知識と同じレヴェルということ。 自分の切実な問題意識を背負ったものではなく、断片的で、周囲に対する通りの良さという点だけで考慮されている。 自分の身になっている知識ではないし、どうしても相手にわかってほしいことでもない。 まさに発砲スチロール製の知識と言えるくらい。 そんなお軽くて、形だけが整ったパチモンの知識をひけらかしている・・・ そんな姿は、まずもって当人自身にとって実に危険な状態と言えるでしょ? しかし、その危険を当人は自覚していなくて、それを自画自賛していたりする・・・ 「知ったかぶり」の周辺は、そんな光景が現実にあったりするものでしょ? (終了) *************************************************** 発信後記 先日、千葉県の松戸市で子供が虐待死する事件がありましたが・・・ 子供が家に帰りたいということで、施設から家に戻したとのことですが・・・家に戻したら虐待されて死んでしまったわけです。 このメールマガジンで何回も書いていますが、ダメダメ家庭では子育ての手間を強調します。ダメダメ家庭の親は子供を持ったことの損失を、子供に言って聞かせるわけですね。 「オマエが産まれてしまったので、私の一生は台無しだ!」 だから子供の方も、これ以上親に迷惑を掛けないように、親に配慮するわけです。 子供が家に帰りたいと言っているからといって、家が楽しいと思っているからではないわけです。ただ親には迷惑を掛けられないと思っているだけなんですね。 子供の方も、もう人生捨てちゃっている状態。 まあ、松戸市の施設の方も、ダメダメ家庭のプロなんだから、こうなることは分かっていたはず。分かっていなかったらプロ失格ですよ。それともまだ初心者のスタッフだったのかな? 私がこのニュースを聞いて連想したのは、株屋のセールスマンの心得。 「客の2,3人を首吊らせないと一人前とは言えない。」 ただ・・・いくら職員教育と言っても限度があると思うのですが・・・ |
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R.10/10/7 |