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カテゴリー ダメダメ家庭出身者の行動
配信日 04年8月20日 (11年2月10日 記述を追加)
タイトル 弱いものいじめ
前回配信のメールマガジンは、ダメダメ家庭出身者は、自分を実際以上に見せたがる傾向が強いという内容の文章でした。
ダメダメ家庭の人間は、家族からのサポートが期待できないので、自分を、より大きく見せて、他の人から安く見られないようにする必要がある。
逆に言うと、それだけ自分自身に自信がなく、周囲の目を気にしているといえます。
だからこそ、実体以上に見せようとする行為も、自分なりのは減を持ってという余裕あるものではなく、強迫的になってしまう。

自分を実体以上に見せるとなると、アタマを使った面においては、前回の文章で取り上げた「知ったかぶり」という方法になります。アタマではなく、よりフィジカルな方法となると「弱いものイジメ」という方法を取ることになります。

何回も書いていますが、ダメダメ家庭の人間は、もし、自分がピンチになった際には、家族からのサポートが期待できない。サポートが期待できないどころか、「また、ワタシに面倒をかけて!いったい、いつになったら、親に面倒を持ち込まないようになるんだか?!」と弾劾されるだけ。だからこそ、自分がピンチになること自体を絶対的に回避したい。
「とにもかくにも、自分自身をより大きく、強く見せたい!そうすれば自分が襲われることはないんじゃないかな?」

子供としては、そう思うのは自然ですよね?
自分を強く見せるには、自分より弱いものを見つけて、歴然たる上下関係を示すことです。
つまり「弱いものイジメ」をすることになります。
「オレはコイツよりも上なんだぞ!」「オレはこんなに強いんだぞ!」というわけです。

しかし、本来は弱いものをイジメても、当人自身には何か得になる訳でもなし・・・
しかし、自分自身の身を守るには有効なんですね。
まさに弱いものをイジメることによって、別の人からイジメられることも回避できることになる。
だって、イジメの対象者を設定することができたんだから、その対象者がいる限り、自分にはイジメはやって来ないでしょ?
イジメる側だって、ここで自分の強さを示し、そして、自分以外の対象者を作っておかないと、自分の側が襲われ、イジメられるという危機感を持っている。

大体において、イジメる側の人間って、成績がトップとか、運動が抜群という人間の場合はほとんどないでしょ?そのような人は、別にイジメのような手段で自分の強さを示さなくても、客観的に見て「強い側」なんですから、イジメられる心配がないわけです。だからこそイジメもしない。

自分がイジメられる心配があるから、先にイジメる側に回ろうとする。
人間の心理って、意外に単純なんですね。
弱いがゆえに、つまり、いったんイジメられたら対処ができないがゆえに、周囲を疑心暗鬼の目で見て、ちょっとのことで過剰反応となる。
それだけ、イジメる側の精神状況が追い込まれていて、恐怖を持っているわけです。

動物の世界でも、キツネやカモシカのような弱い動物なら、色々と警戒していないとライオンのような強い動物に襲われてしまうかもしれませんが、ゾウだったら、ライオンが近くにいても平気でしょ?
本当に強いものは堂々としていられるんですね。

自分を強く見せるには、弱いものを探し出し、その対象をイジメるのが手っ取り早い。おまけに先日配信の文章で書いているように、ダメダメ家庭では、親自身が自分にとっての気に入らない人をいじめて自分の強さを誇示する傾向がある。
これでは子供のイジメ事件も起こって当然ですよね?
子供のイジメは、「子は親の鏡」そのもの。
というか、現実的には、学校で誰かをイジメている子供は、家庭内においては、親からイッジメられていると見ると、その手の事件も理解しやすいでしょ?

それに加えて、ダメダメ家庭の子供は、家庭内ですら自分を実際以上に「よい子」に見せなければならない状態となっている。ダメダメ家庭の親は、子供をありのままの状態で認めるようなことはしない。被害者意識が強いダメダメ家庭においては、子供から問題を持ち込まれることを極端にイヤがる。だから、子供が「目立たない」ように振る舞うことを要求する。だから、子供としても、ますます周囲をうかがう必要がある。
これでは子供も精神的に疲れてしまいますよね?まあ、イジメにも走るわけですよ。

先日、起こった北海道のイジメ報復事件ですが・・・
このように顔見知り同士の未成年の事件は、結局は「どっちが悪いのか?」とも言えないわけです。

前にも書いていますが、「いざとなったら、家族が自分を助けてくれる。」といった安心感がない家庭の子供は、どうしても自分を実際以上に見せようとしてしまう。
そのようなことは、単なる見栄っ張りということではなくて、自分を守るために必死なんですね。自分を守るために、自分が確実に勝てる弱い相手をイジメることになる。しかし、本来はそんなことをしても自分自身が向上するわけでもなく・・・

イジメる側は「ここで強さを示しておかないと、自分がイジメられる。」と必死になっている。イジメられる側も、人からイジメられても親にも相談できずに自分自身で抱え込んでいる場合が多い。だからこそイジメる側も安心してイジメることができてしまう。

イジメをする側も、自身としてどうしてもやりたいものがない。
まさに、「大過なく」「ふつうに」過ごすことが目的化されてしまっている。
そして、「ふつう」でなくなってしまったら、それを減点と認識し、その減点を修正しようとする。
そして、どうしても修正できないようなら、「アイツのせいで、うまくいかないんだ!」と、誰かを犯人認定し、その関係性を確定させるために、イジメを行うことになる。
イジメをしている側が、「このことをどうしてもやり遂げたい!」と言っている事例はありますか?もし、確たる目標があったら、しょーもない人間をイジメているヒマはありませんよ。

ダメダメ家庭は抑圧的であり、そんな家庭の子供としては、自身の希望を捨てることで、家庭の中を生き抜いている。ダメダメ家庭の親は、子供からトラブルを持ち込まれると、それを親である自分の被害ととらえ、大仰に騒ぐことになる。
だからこそ、イジメられてしまったら大変なことになってしまい、むしろイジメる側に回ろうとする。

結局は、このような問題は、当事者の子供の問題というより、ダメダメ家庭そのものに問題があるわけです。
子供単独の問題ではなく、その背後にいる「保護者」の問題なんですね。
保護者が子供を保護していないからこそ、子供が自分を守ろうと必死になってしまい、過激な行動となってしまう・・・そのことは当然のことでしょ?

逆に言うと、この手のイジメの問題を、子供だけで対処しても改善は不可能といえます。
「イジメをやめましょう!」などと呼びかけても、それは周囲の大人の自己満足になってしまうだけ。
だって、イジメる側も、自分の判断で誰かをイジメているわけではないんですから、自分の判断でイジメをやめることなんてできませんよ。最初に書いていますが、強迫的に誰かをイジメているだけなんですからね。

そんな強迫的な心理状態の人間に「イジメをやめましょう!」などと言っても、『ボクがイジメをしなければならないのは、コイツのせいだ!』と、より一層、誰かを犯人認定と、その犯人を確定させるためのイジメになってしまうだけ。
イジメ問題を改善しようと本気に思ったら、「保護者不在であり、自分の身を自分で守るために必死になっている心理」「犯人認定に逃げ込む心理」「減点面に過剰に反応する心理」というイジメる側の心理に目を向けて、その点に対処しないと、事態が潜在化して、一時的に見えなくなるだけ。

現実的に子供だけを対象とする自己満足の対応をとっている学校も多いわけですが、逆に言うと、不都合な点はとりあえず見えなくなればそれでいい・・・というそんな学校の発想は、自分の子供をイジメたり、あるいはクラスメートをイジメたりする人間とメンタル的には共通しているんですね。

(終了)
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発信後記

今、オリンピックが開催されていますが・・・
スポーツだから勝ったり負けたりはあるでしょう。
しかし、成果を出した人間は「今こうして栄冠を勝ち得たのは家族のサポートがあったから。」と必ず言いますよね?
逆に言うと、家族のサポートのないダメダメ家庭の人間は、そのような成果とは無縁なことが通例です。
といっても、今回の北海道のイジメ報復事件のような例もありますが・・・
あの事件も「家族のサポートのおかげ」であることは確かですし・・・
R.11/2/10