トップページに戻る 配信日分類の総目次に戻る
カテゴリー分類の総目次に戻る タイトル50音分類の総目次へ
カテゴリー もてなしの心
配信日 05年3月30日
タイトル 敷居の高いプレゼント
先日ホワイトデーがありました。
ダメダメ家庭ではあの手のプレゼントを鬱陶しがることは以前に配信しております。
「あの人は、どんなプレゼントだったら、喜ぶかなぁ・・・」なんて、ダメダメ家庭とは無縁の発想ですよね?

ダメダメ家庭においては、プレゼントも「て・き・と・う」といった感じ。
ちなみに以前にも書きましたがフィンランドのアキ・カウリスマキ監督の「マッチ工場の少女」という映画でも、自分の子供への誕生日プレゼントを「て・き・と・う」に済ましてしまう親が出てきました。ダメダメ家庭にしてみればおなじみのシーンと言えるわけです。
まあ、実際のダメダメ家庭だったら、プレゼントを「て・き・と・う」に済ませるというより、そもそもプレゼントを贈るなんてこととは無縁のパターンが多かったりするもの。

しかし、本来なら、このようなプレゼントの場は、贈る側にとっての自己表現の場でもあるわけです。
「サスガに、アナタは他の人とは違うわねぇ!!」
そう言われるようなプレゼントを渡してあげれば、相手も喜びますし、渡した側もうれしいでしょ?

贈る贈られる・・・そのようなシチュエーションも、やり取りであり会話があるわけです。
だからプレゼントを贈るに際して、ちゃんと相手のことを考えないとダメでしょ?もらってうれしいかどうか?は、相手の立場になって考えないとね。
さすがダメダメ家庭では、そんなことはいたしません。
「て・き・と・う」にプレゼントを選んだり、全く自分自身の趣味だけで選んだりするわけ。

まあ、プレゼントというような、改まったものでなくても、「オイ、オイ、こんなものもらってもどうするの?」と、もらっても途方に暮れちゃうようなものってありますよね?

たとえば、誰かが来訪する。
「ハイ!これあげるよ!ボクはもう電車の中で読んだから。」
そう言われてスポーツ新聞などを渡されたり・・・
渡された方は、スポーツ新聞のハデで扇情的なタイトルや、別の意味でも扇情的な写真を見て途方に暮れたりするわけ。
「アンタがこんな新聞を読むのは勝手だけど、私は読まないんだけどなぁ・・・」
「こんな写真を一生懸命見ていた人が、このワタシをどんな目で見ているのかな?」

その手のスポーツ新聞って、結構「敷居が高い」ものなんですね。
あまり気軽に人に上げたりしてはいけないもの。もらったほうも困ってしまうでしょ?

同じようなことだと、女性週刊誌でも同じでしょ?
あの手の扇情的なタイトルがデカデカと載っている雑誌が、プレゼントというお題目で、どう言うわけか自分の手の上にある。
「一体全体どうすればいいの?」
「コレを読んで、後で感想を言わないといけないのかなぁ・・・」

あの手のスポーツ新聞も女性週刊誌も、本人が喜んで読むのは勝手でしょうが、他人も喜ぶとは言えませんよね?捨てるのだって世間体を考える人もいますよね?まだ子供向けのマンガのほうがマシ。

贈り物だって、食べ物だとやっぱり好き嫌いってあります。本だってそう。好みが人それぞれの領域でのプレゼントを選択するのは難しい。逆に言うと、その手の難しい領域で、「ドンピシャ!」のものを選んでプレゼントすると、ランクが上がるわけ。要は相手のことを考えること。その点は、やり取りにおいて、基本中の基本ですよね?

ダメダメ家庭では、会話の練習ができません。相手のことを考えた上で、自分の意見を言ったりすることが習得できないわけ。
だから、プレゼントという場においても、贈る側の都合だけで選択してしまうわけです。

スポーツ新聞や女性週刊誌をあげようとした人に、悪気があったわけではないでしょう。しかし、もらった人間が喜ぶかどうか?ということはちょっと考えればわかることなんですね。

面白い話があります。新婚夫婦がアパートで生活を始めたわけ。
「おお!おめでたい!これからガンバレ!」と、親戚が、その新婚夫婦にプレゼントを贈ろうとする。
新婚夫婦に欠かせないものといったら・・・アレだろう!!

ということで、その狭いアパート住まいの新婚家庭に立派な仏壇を贈ろうとしたわけ。
「新婚夫婦が毎日欠かさず、仏壇に向かって祖先を拝む。
これこそ新婚夫婦に欠かせない習慣だろうが!!」
言っておきますが、21世紀での話ですよ。

確かに立派な仏壇を贈ろうとする気持ち自体は善意でしょう。
しかし、相手のことを全然考えていませんよね?もらった方が喜ぶかどうか?ちょっと考えればわかることでしょ?

つまりそのようなプレゼントを選択する人は、相手のことを考える発想がないことがわかります。つまりダメダメ家庭ということなんですね。
それに、そんなプレゼントを選択した段階で、周囲の誰かがストップかけるのがマトモでしょ?
つまり周囲全体もダメダメであるのか、周囲との接触がない状態であることがわかるわけ。

かなり重症のダメダメということなんですね。
となると、そんな親戚を持っている配偶者についても、結婚してしまってからでは遅すぎるきらいはありますが、再検討する必要があるわけ。

その、ユニークな親戚をどう評価しているのか?
「あのオジサンの家庭はダメダメだからなぁ・・」と、その親戚の家庭のダメダメを自覚していれば、まだ、問題はありません。
しかし、その親戚の家庭を「ふつう」と評価していたら、その新婚家庭だって、結局はその親戚と同じようなダメダメ家庭になってしまうわけ。
せめて子供を作る前に、考え直さないとダメなんですね。

ちょっと考えれば、「もらったほうが途方にくれる」プレゼントがあるって、わかるでしょ?
たとえば、関西の人に納豆を贈るのなら、「あなたは納豆は大丈夫?」って、事前に聞く必要があるわけ。
まあ、納豆ぐらいならまだしも、もっとショッキングなものってあるでしょ?納豆は所詮は植物系ですので、「ちょっと困る」くらいで済みますが、植物系でなく動物系だったら腰を抜かすことにもなりかねません。

「あの新婚家庭に新鮮なお魚を送ってあげよう!」と、お魚を贈る。
善意は善意でいいのですが、魚をさばけない人もいますし・・・あの目がイヤとかね。

まあ、魚くらいはまだしも、もっと生々しいパターンもあります。
実際の例ですと、「トリ」という例があるそうです。
田舎の家で飼っていたニワトリを、「しめて」、小包で送る。
小包を開けた人は、中から羽つきのトリの死骸が出てきて腰を抜かすわけ。

もちろんトリを贈った人は、善意から来ているのでしょう。田舎ではそんな新鮮なトリを食べたりするんでしょうね。その習慣は別に責められるものではありませんよ。ある意味新鮮な食材を食べられてうらやましいと言えるかも?
しかし、都会の人は途方に暮れますよね?

冷静な状態だったら、いただいたそのトリをお肉屋さんに持って行って解体してもらうこともできるでしょうが、「いきなりトリの死骸」にパニックになってしまったので、ただオロオロするばかり。痴漢にあった後で「あの時は、『止めてください!』って、声を上げれば済んだ話だった。まさか電車の中で押し倒されたりするわけもないし。」と、冷静になると思えるのですが、その最中はパニックでオロオロするばかりでしょ?

「ハコを開けたら、トリの死骸」だったら、パニックになりますよ。
田舎の人だって、ちょっと考えればわかる話でしょ?新鮮な食材だったら、野菜でいいじゃないの?トマトを嫌いな人はいても、トマトを見てパニックになる人はいませんよ。

つまりそんな「トリ」を贈ってくるような親戚を持っているということは、その人がダメダメな環境、つまりダメダメ家庭の出身者であることがわかるわけ。
本来なら結婚前に、結婚相手の出身環境について、十分に理解しておく必要があるわけですが、それこそ「て・き・と・う」に結婚してしまう。そして、後になって大騒ぎ!しかし、大騒ぎの前にも、ちょっとしたトラブルなり行き違いがあったりするもの。その段階でチェックすることができわけです。

結婚相手の親戚から、善意のプレゼントをいただく。
善意は善意で感謝する必要があるわけですが、会話を成立させるのは一方的な「善意」だけではないわけ。相手の立場や境遇に対しての「配慮」が要求されるわけです。

別のところで書いていますが、ダメダメ家庭の人間は、「他者というものを心理的に理解できない。」わけ。やり取りが可能であり、かつ、自分と違った考えを持っている存在を心理的には理解できないわけです。
だからこそ、自分が好きなものは、別の人も、好んでいるものであると信じて疑いがない。
だから、プレゼントをする際にも、相手にとって敷居が高いものになったりする。

そんな「敷居の高い」プレゼントをもらってしまったら、自分自身の境遇についても早めに見直す必要があるわけです。だって、「敷居の高いプレゼント」は、他者という存在を心理的に理解できないダメダメな環境との親和性が高いということ示しているわけ。
他者という存在を心理的に理解できない人と、内容の伴ったやり取りができないことは、論理的に当然のことでしょ?

内容が伴ったやり取りができない人と、一緒に暮らしていても、あるいは付き合っていても、トラブルになったら、対処のしようがないでしょ?
プレゼントをもらって感じた「敷居」は、まさに相互理解への敷居と同じなんですね。

(終了)
***************************************************
発信後記

ちょっと前の配信で、和泉流宗家のママさんとぼうやが、豊臣家の淀君と秀頼くんによく似ていると書きましたが、今騒がれているライブドアとフジテレビの抗争劇が、応仁の乱とちょっと似ているかなと思ってきました。
最初はチンケな争いだったのが、山名とかの大物が参入してきて・・・
ここで、悪女が登場してくると、文句のつけようがないんですがね。
R.10/11/18