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カテゴリー ダメダメ家庭と「いい人」
配信日 06年9月15日
タイトル 自称「よい母親
ダメダメ家庭出身の女性は、ダメダメだった自分の実家に「対抗して」絵のようにすばらしい家庭を築こうとする・・・このことについては、以前に配信したことがあります。
まあ、理想は理想でいいとして、そのための方法論が重要でしょ?
気合を入れまくって、子供の箸の上げ下ろしまで監視したら、理想的な家庭が築けるものなの?

そもそも自分の実家がダメダメと言うことは、見本となるような家庭を探すこと自体が難しいということですよね?要はそれを自覚するしかないわけ。
しかし、対抗心が強いダメダメ人間は、その対抗心から「ワタシは自分の実家を反面教師としている!」なんて言い出して、ますます「理想家庭」の推進に気合が入ってしまう。

そのような妻の気合に圧倒されて、夫はそそくさと逃げ出したり、ただ、妻に合わせるだけになってしまう。そして、子供は親の希望に合わせて「理想家庭」の子供を演技するようになってしまうわけ。そうやって絵のように「すばらしく」・・・そして、「脆い」家庭が誕生することになる。
このことは以前に配信しておりますし、実際にポピュラーな光景でしょ?

そんな状態になった女性がよく言うセリフは、これ。
「ワタシはよい母親だ!」
私などは、もう何回も聞いたことがありますよ。
しかし、その家庭の部外者の私に対して、そんなことを力説しなくてもいいじゃないの?

そう!ちゃんとしたマトモな母親は、そんなことを力説はしないものなんですね。
本当の意味で「いい母親」というものは、「いい母親になるために努力している」存在であって、「ワタシはいい母親なんだ!」と部外者に力説する存在じゃあないでしょ?

子供にこんなお稽古事をさせている!
子供のためにこんなことをしている!
子供のために、こんなに犠牲を払っている!
・・・なんて力説されるわけ。
しかし、どうせなら、「ワタシの家では、こんな感じなんだけど、アナタのところはどうなの?」なんて会話の中から情報交換をした方がお互いのためでしょ?
他の家庭の人に、「自分は、いかにすばらしい母親なのか!」を一方的に力説しなくてもね。

しかし、一旦「ワタシはいい母親なんだ!」と自己認定してしまったら、後はラクになるわけ。
だって、自分はこんなにいい母親なんだから、何か問題が起こったら、それは誰か別の人のせいになるでしょ?それこそ夫のせいになったり、子供のせいになったり、ご近所の○○さんのせいになったり、あるいは時代が悪いとか、政治が悪いとか、インターネットが悪いとかの、お約束の言葉を持ち出すことになる。

ということで、ダメダメ家庭お得意の被害者意識に火がついて、自分以外の人間を犯人認定するようになってしまう。
「あの○○のせいで、ワタシたちはうまくいかない!」
「悪いのは全部○○のせいだ!」
「まったく・・・ワタシって何てかわいそうなの!?」

そうなると、そんな人間に近づいていく人間も、グチに共鳴するだけのダメダメ人間ばかりとなってしまう。そうして、「ホントねっ!アナタって、なんてお気の毒なの!まったく・・・○○には困ったもの!」と、グチが共鳴する。
そんなグチの共鳴の中で、「自分はいい母親だ!」という信念に、ますます磨きがかかってしまうわけ。

おまけにそんなダメダメな母親は、やっぱり被害者意識が強く、当然のこととして、深層心理的には、子育てだって自分が背負わされた被害と思っているわけ。だから子育てによる被害を周囲に語ることになる。
「ワタシがこんなに犠牲を払って子育てをしているのに・・・こんなにいい母親なのに・・・子供は応えてくれない・・・」
よくあるでしょ?そんなグチ。

あるいは、学校に対する不満を滔々と語ることになるわけ。しかし、そんなに学校が不満だったら、転校させればいいじゃないの?
しかし、「悪いのは全部☆☆のせいだ!」と言うためには、むしろ、学校に問題があった方がいいわけ。そして学校についてグチる。
「まったく、ヒドい学校ね!もっとしっかりしてほしいものだわ!」

男性を「て・き・と・う」に選んで結婚して、結婚生活をグチっている人が、「て・き・と・う」に子供を作って、その子供についてグチり、「て・き・と・う」に子供の学校を選んで、学校についてグチったりする・・・何と言ったらいいのかなぁ・・・
まあ、お約束としか言いようがないでしょ?

そして、そのようなグチが、もはや信念になってしまっている状態。だから人の話も聞くことも無い。
その家庭が上手く言っていない人に限って、そんな「ワタシはいい母親だ!」という主張には熱が入っているもの。
それこそ離婚云々の話などでも出てくるわけ。
「夫は結婚当初から問答無用の人で、ワタシの話など全然聞いてくれなかった!ワタシは3人の子供のいい母親なのよ!子供もワタシに懐いているわ!だから離婚したら子供の養育はワタシがするんだ!」
その人の理屈は理屈でいいとして、結婚当初から「合わなかった」夫との間で3人も子供を作った妻が、いい母親のわけがないでしょ?
親として、子供を育てる責任感を持っていたら、そんな事態にはなりませんよ。

そんな指摘をすると、お約束の逆上状態に!
そんなスグに逆上する人間が、どうしていい母親なの?
そんな親に対して、子供がフランクに話が出来るの?

スグに逆上する親なんだから、子供だって、親に対して気を使うに決まっていますよね?
しかし、逆に言うと、周囲の人でマトモな感性を持っている人は、人の話も聞かず、スグに逆上するような人とは話もしないでしょ?

結局は、そんな人間の相手をするのは、自分の子供だけになってしまう。だからこそ、ますます子供にすがり、「自分はいい母親だ!」と、言わざるを得ないわけ。
だって、その人が「いい母親」でないのなら、何も取り柄がないことになるでしょ?
子供だけが自分の相手をしてくれるんですからね。

こうやって、自称「いい母親」もスパイラル進行するわけです。
「自称いい母親」の「いい」という面がスパイラル進行するのなら歓迎する話でしょう。
しかし、現実においてスパイラル進行するのは「自称」の面なんですね。
だから「行くところまで行って」しまうわけ。

お読みになってお気づきになられたでしょうが、この「自称いい母親」の状態は、ダメダメの集約地と言える韓国人とよく似ているでしょ?
「オレたちはスゴイんだ!」と概念的に連呼するだけで、自分自身の問題を全然考えたりしない。そして上手くいかない理由をでっち上げて、それを攻撃する始末。
「オレたちはスゴイんだ!」なんて、自分で力説するだけミジメでしょ?自分自身の問題に真摯に向き合って、問題を自分自身で解決していく姿勢こそがスゴイんじゃないの?
まあ、韓国人がどうなろうと、どうでもいいことですが、それと同じようなことをしている、「自称いい母親」も多いんですね。

(終了)
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発信後記

さて、このメールマガジンはダメダメ家庭という、その家庭自体には法律的に問題のない家庭を取り扱っています。しかし、今現在は、法律的に問題がなくても、将来に問題が発生するわけ。

しかし、現時点で発生しているフィジカルな虐待なり、あるいはネグレクトにおいても、程度の問題はあっても、基本となる心理は同じなんですね。

当事者意識の欠如と、被害者意識。
そして、方法論として、会話の不全。

それらの程度問題と、様々な環境によって、まさに家庭の事件が起こったりするわけ。

さてさて、まさに昨日、東京の墨田区で自分の子供をネグレクトして、食事をほとんど与えなかった母親が逮捕されましたね?
あのような事件だって、「自分は子育てをするハメになった被害者だ!」という心理を理解していると、簡単に理解できるわけです。だから、一時的に施設に保護した後で、子供を親の元に返すと、その後、子供がどうなるのか?ということも簡単に予想できるわけ。

ネグレクトするような親は、そもそも当事者意識がないので、その物言いも、自分の被害を中心に語ることになるわけです。夫のせいで・・・とか、親のせいで・・・とか・・・
それならそれでいいのですが、じゃあ、子供を作っちゃダメでしょ?
しかし、当事者意識がないので、そんな発想には至らない。ただ自分の被害を語っているだけ。

よく、こんな事件があったりすると、「近所付き合い」云々などが言われたりしますよね?しかし、たとえ近所付き合いがあっても、結果的には、子供にしわ寄せが行くわけ。
だって、ダメダメな親ほど被害者意識が強いので、自分の被害を真っ先に周囲に語ることになる。「子供のせいで・・・ワタシはこんな目に・・・」
ダメダメな親は往々にして外面はいい場合もあるので、そんなケースだと、それこそ「悪いのは全部子供のせいだ!」などと定説が出来上がってしまう。
このようなケースも実にポピュラーでしょ?

あるいは、よく説教オヤジや正論オバンが、「子供は社会全体で育てていく必要がある!」なんて、正論をぶっこいていますが、そんな正論は、現実では逆効果。
だって、「みんなでやりましょう!」などと言うことになったら、ダメダメな人間は持ち前の被害者意識によって、自分の被害を声高に語ることになるわけ。
だから、集団はその「声高な被害話」に引きずられてしまう。
それこそ、「子育ては、社会のみんなで!」という掛け声はいいとして、その「みんな」の中に、あの「騒音オバサン」のような人がいたとしたら?
その集団は、どうやって、「みんなで子育て」するの?
「みんなはウチの子の面倒をしっかり見てくれない!」なんて逆上されたらどうするの?
あるいは「ウチの子は差別されている!」なんてクレームをつけられたらどうするの?

このような逆上なりクレームも、現在では、ポピュラーでしょ?
そして、そんなクレームをつける親ほど、自分の子供とフランクな会話はしていないもの。当事者意識が全然ないんですね。

家庭問題は、正論をぶっこいていれば、片がつくような生易しいものではないわけ。マトモな親は親としての自分の義務を、必死で果たしている。だから周囲に「自分はいい母親だ!」などと力説する精神的余裕はない。だからマトモな親の意見は、集団に反映されにくい。

しかし、ダメダメな親ほど、親としての責任感がないので、ヒマもある。そのヒマを生かして、周囲に「自分はいい母親だ!」と力説することになってしまう。
鈍感な人は、その「自分はいい母親だ!」の言葉の方に引きずられ、グチも言えない子供のことは無視。だから、行くところまで行ってしまうわけ。
これが、「子育ては、社会みんなでやる必要がある!」という正論の成れの果て。
現実は、そうでしょ?
R.10/12/4