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カテゴリー	弁解と謝罪
配信日	06年9月29日　（10年10月30日　記述を追加）
タイトル	言い訳の事前準備
ダメダメ家庭の人間は、グチっぽい。 というか、グチしか言わない。 そのグチも、いかにもグチというスタイルだけではなく、たとえば「相談を持ちかける」とか、「アドヴァイスする」とかの形になったりすることもあるわけ。 そうやって、あっちこっちにグチを撒き散らし、相手からの回答の中から「いいとこ取り」をして、その言葉を組み合わせて「自分はかわいそうな被害者なんだ！」と確信し、自分の被害者意識を満足させるわけ。このことは以前に書きました。 しかし、当然のこととして、すべての人間が当人の被害者意識を満足させてくれるような回答をするわけもありません。中には、この私のように、「そんなグチを言っているのは勝手だけど、アンタ自身はどうしたいの？」と、イタイところを突いてくる人間もいるわけ。 あるいは、困っている人にアドヴァイスをしたら、相手の状態が余計に悪くなってしまった・・・アドヴァイスを受けた側も怒ってしまい、厳しい言葉を掛けてくる。そんな時にはどうするの？ 何せ、いいとこ取りをする精神なので、自分の被害者意識を満足させてくれる言葉だけを受け入れ、自分に厳しい言葉は、サッサと捨てるわけです。 では、自分にとって厳しい言葉を、どのような理由をつけてゴミ箱に入れるの？ ダメダメな人間は、人とやり取りをする前に、その言い訳を事前に用意しているものなんですね。 イソップ童話に狐の話があります。ブドウを取ろうとして取れなかった狐が、「あのブドウは酸っぱいから、取っても、どうせムダだったのさ！」と自分に言い訳をするんですね。 有名な話ですから、皆様もご存知でしょう？ まあ、この程度の言い訳なら、マトモな人だってやっていること。 ダメダメな人間は、そのような自分への言い訳がもっと念入りなんですね。 それこそ狐の例だったら、こんな感じ。 ブドウ畑に入る前に、「ここのブドウは酸っぱい可能性が高い。だから取らない方がいいかもしれない。」と自分に言い聞かせながら、ブドウ畑に入るわけ。 それだったら、ブドウが取れなくても、「ここのブドウは酸っぱいから・・・」と、用意してあった言い訳を持ち出せばいいでしょ？狐にしてみれば、全然傷つかずに済みますよね？ 確かにブドウを取れなくても、狐は傷つかないでしょう。しかし、普段から事前に言い訳を用意していて、何かを得ることができるの？その狐は一体何に真剣になるの？ 狐がどうなろうと、人間にはどうでもいいこと。しかし、そんな程度の狐が結果的に何も得ることがないように、「言い訳を事前に用意している」ダメダメ人間も何も得ることはないでしょ？ 実は、ダメダメ人間とやり取りをしていると、かなり早い段階から、この「準備された言い訳」が登場したりするものです。 相手から厳しいことを言われた場合の、取って置きの「逃げセリフ」と言ったもの。 代表的な例ですと、「子供がいるから・・・」というものです。 まあ、離婚相談のような状況では、頻繁に出てくるものですよ。 その言葉は言葉としていいとして、そして、実際に子供のことは考えないといけないとして、子供の問題以外にも色々と考慮する点があるはずでしょ？ 「経済的な問題は？」 「そもそも自分はどうしたいのか？」 自分自身の現状や希望をできる限りリストアップした上で、自分なりのプライオリティを設定し、その上で「子供がいる」という条件も出てくるのはわかりますが、現状をちゃんと説明できていないのに、「子供がいる」ということだけ最初から登場してきたりするわけ。 かと言って、そんなダメダメ人間は子供に対してグチばかり言っているわけでしょ？そんなグチばかりの人間は、何よりも子供には毒ですよ。あるいは、夫と妻ではどっちが「いい親」なの？それって重要でしょ？子供にグチばかり言っている母親は、とてもじゃないけど、いい母親とはいえないでしょ？ 夫の方が経済力もあり、子供も夫の側により懐いているのなら、「私には子供がいるから、離婚などの思い切ったこともできない。」という言葉も説得力がないでしょ？ だから多くの場合において「私には子供がいるから・・・」という言葉は、自分の現状を説明するというより、相手から厳しいことを言われた場合の「逃げセリフ」なんですね。 私のような人間から「アナタ自身に多大の問題があるのだから、まずはその改善が必要ですよ！」などと言われちゃった場合には、「自分には子供がいるから、思い切ったことはできない！」と言い訳するんですね。 それはそれでいいんですが、そんなに子供のことを言うのなら、子供相手にグチの花を咲かせてはダメですよ。サイテーな親に限って、「子供がいるから・・・」という理由を使いたがるものなんですね。 というよりも、その手の人は、「子供がいるから・・・できない」という言い訳を準備するために子供を作ったわけ。 結婚後スグに夫との間がうまくいかい状況になったら、子供を作ることは躊躇するのが自然なのでは？だって、子供がいると、それこそ離婚しにくいわけですからね。 しかし、だからこそ、子供を作っておけば、離婚について行動に移さなくても済むわけ。 「あ〜あ、うまくいかないなぁ・・・」と、周囲の人なり、それこそ出来てしまった子供にグチっていればいいだけ。 そして、周囲から離婚についてアドヴァイスを受けたら、「子供がいるからできない！」と一刀両断。そして、子供に対しても「オマエがいるから、離婚できない！」と犯人認定。 当人は、悲劇の主人公に浸っているだけ。そうして、その「悲劇」を周囲の人や、自分の子供に語ることになる。その「悲劇」に対して、「悲劇のヒロインに浸っているのは勝手だけど、アンタ自身はどうしたいの？」と聞かれると、「子供がいるから。」と言い放ち、結局はトンズラ。 子供という存在は、その家庭がダメダメであるほど、言い訳としては実に使いやすい存在なんですね。 だからこそ、何かとトラブル続きで、言い訳ばかりの人間は、あえて、子供を持とうとするわけ。 あるいは、こんな言い訳もありました。 このメールマガジン「ダメダメ家庭の目次録」の内容が人を洗脳しようとしているかも・・・ というものでした。 言われちゃった私もビックリ。 日本語を読める方ならお分かりでしょうが、このメールマガジンの内容は「自分の目で物事を見て、自分の頭で考えて、自己責任で、自分の尊厳を考慮し、自分自身で行動したら？」と言ったものですよ。洗脳とは対極ですよ。 しかし、そのような言い訳の言葉を早い段階で登場させておくことによって、この私から「厳しいこと」を言われてしまった場合の言い訳にするんですね。 「この人は、人を洗脳しようとしている！」 「だから、この人からの指摘などは考慮に値しないんだ！」 そのように言い訳して、厳しい言葉を捨てて、自分に甘い言葉だけを集めて、被害者意識に浸りきって、何もしないわけ。 まあ、このメールマガジンは、洗脳はしないまでも、いささか、表現がらんぼうですからね。 「田園詩の好きな平和な読者よ、控えめで無邪気な善人よ、放り出せ、悪運の星の下に生まれた、ばか騒ぎと憂鬱のこの文章を・・・」なんて調子？ いや！らんぼうなのは、こっちの方かな？ 「あなたのために、この地獄堕ちのノートからなる何枚かの醜いページを引き抜いて、ご覧に入れるといたしましょう！」 まあ、確かに、らんぼうだ！ 閑話休題。 ダメダメ人間とやり取りをしていると、この手の「用意された言い訳」がかなり早い段階から登場するものです。 しかし、そんな自分に甘い人間が、何かを達成できるわけがないでしょ？ あるいは、似たようなことが発生するのは、ボランティアの人たち。 ボランティアの世界って、「だって、そんなことは結局は本人たち自身の問題でしょ？」なんて「言い訳」が、事前に存在している世界でしょ？ ボランティアの連中は、他人の問題に口を出して、問題がシリアスになってくると、その「言い訳」を出してくるもの。しかし、それなら、最初から「お気軽」に人助けなどしてはダメでしょ？ 往々にしてボランティアというものは、「自分はいい人なんだ！」と自己確認のためにやっているもの。だから自分の手を汚してまで人を助けようとはしない。危なくなると、その言い訳でさっさと逃げ出す。 よくいるでしょ？そんなボランティア。 結局は、そんなボランティアは「自分はこんなにいい人なのに・・・」という自分への言い訳をするために、ボランティア活動を行い、余計なことに首を突っ込んで、そして事態が悪くなると「そんなことは当人の問題でしょ？」と、言い訳をして、さっさとトンズラすることを繰り返しているもの。繰り返すから、取って置きのレギュラーの言い訳が必要となり、実際に使いまわすことになる。 まったく言い訳が好きな人たちだねぇ・・・ 言い訳なんて、一生懸命に努力した後になって、結果的に失敗したら自分に発すればいいわけ。トライをする前から言い訳を準備しておく・・・だから軽い気持ちでことにあたり、そうして、当然のこととして、うまく行くわけがない。結果的に、「ああ！うまく行かない！」って、グチにも一層身が入ることになる。 そして、事前に用意してあった「ワタシにはこんな事情があって・・・」と言い訳を持ち出す。 吉田兼好さんも、呆れてしまいますよ。 準備をするのなら、言い訳を準備するよりも、目標を達成するために、そして事態を改善するために準備した方がいいのは誰でもわかること。 しかし、ダメダメ人間は、ひたすら言い訳の準備に熱を入れるわけ。 ギャグでやっているのならともかく、本人は「形だけ」は、真剣なんだから、周囲の人間は疲れてしまいますよね？ （終了） *************************************************** 発信後記 このメールマガジン「ダメダメ家庭の目次録」は、その名のとおりのメールマガジンで、書籍ではありません。 まあ、もしかすると書籍になるかもしれませんが、当分は、というか私が生きているうちはないでしょうねぇ。 らんぼうな表現が乱発だし・・・ もし、生きているうちに書籍になったら、巻頭にはこんなことを書こうかな？ どうせ、著作権は切れているし・・・ 『親しい友よ、君にこのささやかな書物を贈ります。これを頭もなければ尻尾もない本だという悪口は、少々当たっていないでしょう。というのは、その反対で、すべてがこの書物の中では同時に頭であり尻尾である、それも順々に相互に首尾を兼ねている筈だからです。考えてみてください。このような構成がみんなにとって、つまり君にも僕にも、一般の読者にも、どんなに便利だということを。』
R.10/10/30