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カテゴリー | ダメダメ家庭が持っていない発想 |
配信日 | 07年2月2日 (10年9月15日,11年1月20日 記述を追加) |
タイトル | 結論から入る (目標のブレ) |
物事を認識し、考察する・・・その手法において、下から積み上げるボトムアップ方式と、全体から判断するトップダウン方式の2つの方式があります。 しかし、トップダウンと言っても、その前提があるわけで・・・ ただ闇雲に「黙ってオレに従え!」なんて上から命令していても、議論なり物事は何も進まない。トップダウンといっても、全体の大まかな流れを先に見て、それを踏まえた上で、細かな事実を見て行くというだけであって、細かな事実の積み上げを軽視するというものはではありませんよ。 だから結果的には、同じような結論が得られたりするもの。 経済学においてミクロ経済学とマクロ経済学では全く違った結果が得られたとか、物理学において統計力学と熱力学では全く違った結果が得られた・・・なんてことはありません。基本的には同じ結論が得られるもの。 さて、ダメダメ家庭の人間は、会話の能力なり意欲がない。このことは頻繁に書いています。つまり、人の話を聞くことはない。 そんな人が、細かな事実を積み上げることによって問題を認識し、考察する・・・なんてことは出来るものではありませんよ。 それこそ、頭ごなしに「文句を言わずに、黙ってオレに従え!」なんてやるしかない。 問題を認識し、考察するためには、まずは人の話を聞くのが最初でしょ?そんなこともせずにご大層な意見を言われても・・・ねぇ? それに、頭ごなしに「黙ってオレに従え!」なんてスタイルだと、相手から質問されたときに対応できないじゃないの?それこそ逆上するしかない。 「ウルサイっ!文句を言うな!」 これではね。 しかし、物事は単純なものではない。 人の話を聞けるから、それでマトモなことができる・・・と言った簡単なものではありません。自分の目の前の問題を認識し、考察するために人の話を聞くことは重要なことですが、いざとなったら、「結論から入る」ことも必要なんですね。 別の言い方をすると、求めている最終形について、常に頭に入れておくことが必要になってくるわけです。 「自分はどうしても、このようなことをやり遂げたい!」 あるいは、「この問題を、なんとしても解決したい!」 そのように決断する瞬間がないと、前に進めませんよ。 ある人の話を聞いて、次には別の人の話を聞いて、今後はあの人の話を聞いて、その後には・・・なんてことをやっていても、何が出来るの? 「ああ!あの○○さんは、我々の話を聞いてくれるいい人だなぁ・・・」と言われるかもしれませんが、それでオシマイでしょ? そんな「いい人」って、結局は何がしたいの?そして何ができると言うの? このメールマガジンにおいては、その記述はミクロ重視です。細かなちょっとした事実なり視点の積み上げで構成されています。しかし、だからと言って、ミクロの話だけをしているつもりはありません。 このメールマガジンの目的は、「見えているものを、見えるようにする」ということであり、それぞれの人が、自分自身の考えや言葉を持つようになるための文章であると、書き手の私は考えています。このメールガジンでは多くのことが言及されたりしていますが、その言及が目的ではありません。 また、多くの芸術作品などを参照したりしていますが、私の文章はその批評を目的にしているのではないんです。それらの作品を「鏡」として、自分たちを振り返る・・・それが目的です。 ミクロの積み上げを基本的なスタイルとしているこのメールマガジンですが、だからといって、ミクロな事実は、重要視していない・・・そんな面を持っています。 言及した事例については、私の誤解もあるでしょうし、購読されておられる皆様としても、おっしゃりたいこともあるでしょう。しかし、書き手の私が一番「これはマズイ!」と思わざるを得ないのが、読み手の方々が自分自身の問題に還元されないことなんですね。単に面白いエピソードと思ってしまわれると、メールマガジンの趣旨の意味がなくなってしまう。 それぞれのエピソードでの私の言及は、読み手の方々が、自身の問題に目を向けるようにしたい・・・そのような目的で使っているだけです。いわば「結論から入っている」とも言えるんです。 そのような姿勢は、必ずしも、誉められたことだとは思ってはおりませんが、いざ「これをやり遂げよう!」と覚悟を決めたら、そんな「結論から入る」ことも必要だと考えているんですよ。 しかし、「結論から入ると人の話を聞かなくなるのでは?」と思われるでしょ? しかし、意外とそうではないですよ。 だって、明確な目的を掲げて突き進んでいるわけですから、人から聞かれても、「私はこのように考えて、このように行動している。」と答えればいいだけ。自分と違った考えの人の意見でも、ある意味において、微調整の要素として考慮できることになる。 「なるほど!そういう考えもあったね?じゃあ、この次は、その点を、もう少し考慮しましょう!」そう答えれば済むだけですよ。 逆に、ミクロの積み上げ「だけ」だったら、自分とは別の体験なり視点が提示されたら、自分が今までやってきたことの前提が崩壊し、結局は、自分の結論が否定されちゃうでしょ?だから、自分と違った視点について「人の話を聞かない」状態になってしまう。普段は「人の話を聞く」「いい人」だからこそ、肝心な時には「人の話を聞かない」「聞くとパニックになってしまう」ことになる・・・ギャグのようですが、現実にあったりする事例でしょ? ことをやり遂げる場合は、結論から入らないと何も出来なかったりするものでしょ?現実においては、多くの人の話を聞いているうちに、事態なんてドンドンと悪化していくものですよ。 それよりも、その人なりの明確な結論から入って、行動していけばいいじゃないの?そして、後から多くの人の考えを聞いて微調整していく。 いざとなったら、それしかありませんよ。 しかし、当事者意識がない人間にしてみれば、「自分はこれをやらなければならない!」なんて覚悟を決めているわけではない。むしろ常に減点法でものを考え、「いい人でいなきゃ!」なんて、過剰な「いい人願望」があったりするもの。 「いい人」だから、「人の話を聞く」ことになる。 しかし、結局は「人の話を聞く」だけで終わってしまう。 最近、実に面白いなぁ・・・と思っているのが、現在(07年)の日本の首相の安倍さんです。 彼は「人の話をよく聞く」「いい人」ですよね? しかし、彼は何も決めない。最近起こった、閣僚の「産む機械」発言の後の対応でも、彼の周囲の人が思っているのはきっとコレ。 「安倍さん・・・で、アンタ・・・いったいどうしたいの?どうするつもりなの?」 「どっちでもいいからさぁ、さっさと決めろよ!このボケっ!」 更迭するのなら、サッサとやるのが、それこそ柳沢さん本人のためでしょうし、庇うのなら、徹底的に庇わないと、それこそ針のむしろでしょ?庇いきるのなら、何か「幕引きのイヴェント」でもやるしかないじゃないの? どっちでも安倍さんの判断次第でしょうが、どっちかに決めないとね。 これでは、以前の郵政造反議員の復党問題と全く同じでしょ?長くゴタゴタすることが一番悪いこと。 トップがなかなか決断しないから、周囲も呆れてしまって、緊張感がなくなる。だからなおのこと問題発言も飛び出してくる。あるいは、トップが頼りないから、「下の者で盛り上げてやらないと!」なんて親切心から部下が過剰なリップサービスをして、墓穴を掘る。 まあ、今後も問題発言が出てくるでしょうね。 安倍さんは、そんな人なんだからしょうがない。だから、私たちも、せっかくだから参考にしましょうよ。 じっくり考えて、そして、ある時点には、とにかく結論を出す。 そして、その結論の実現のために最大限の努力をする。それでいいじゃないの?あとは、適宜、微調整をすればいいだけ。 もちろん、その結論が完全に間違っていたら、引き返す勇気も必要です。しかし、その「引き返す」勇気を持つためには、なおのこと「この結論は自分で決めたんだ!」という自覚が必要でしょ? ダメダメ人間は、当事者意識がないから何も決めない。単に調整しているだけ。調製しているだけで、自分で決めてはいないから、引き返しもしない。だからドンドンと悪くなってしまう。 事態がニッチもサッチも行かなくなって言うのが、「ワタシは悪くない!」「だってぇ・・・ワタシが決めたんじゃないんだから・・・」 安倍さんがそうだと申し上げているわけではありませんよ。私の文章の目的は、それこそ最初に書いたように、自分たちの問題に還元しようと言うだけです。 政治の世界だと、選挙の前の候補者選定の際にそんなことがよく起ったりするでしょ? 選挙区の有力者の意向を聞くのはいいとして、まずはトップの方針を打ち出すことが必要でしょ?いきなり現地の人の意向を聞くと、色々な意見がでてきてモメることになる。 トップが明確な方針を打ち出し、具体的な候補者を選定して、後の合意を得る段階で、現地の人の意向を聞き、必要に応じて、やり直せばいいだけですよ。 最初の段階で、現地の人に自由に言わせると、見解が受け入れられた人はともかく、ほとんどの人は受け入れられなかったわけだから、結果的に不満となってしまう。 ということで、やっぱりモメることになってしまう。 いきなり調製から入るよりも、まずは方針を示すことが必要になるわけです。 そして、その方針に責任を持つことがトップの義務ですよ。 逆に言うと、いきなり調製から入る指導者は、自分で責任を取りたくないんですね。 あるいは、自分なりの方針を持ち、それを自分の言葉で語ることができないわけです。そんな人が上にいたら、その組織は沈没してしましますよ。 組織の指導者たるものは、普段は「人の話を聞ける」「いい人」でないといけませんが、いざ事をなす段になったら、単なる「いい人」って何もできないものでしょ?当事者意識や覚悟があれば、敢えて「結論から入る」という蛮勇を持つことも必要じゃないの?それは決して、ダメダメではなく、当事者意識からの覚悟なんですね。 自分自身でやりたいことが明確になっていれば、その達成のために、自分なりに努力する。 その方法論としては、色々な考えがあり、周囲の人の見解を参考にする必要があるでしょう。 しかし、やり遂げたいことそれ自体が、スグにブレてしまうようだったら問題でしょ? 達成目標と方法論は別物ですよ。 山に登る際にも、登山道には色々ありますよ。「この山に登るんだ!」と決めた場合には、登る山そのものを変えるわけではないんだから、どの道を選択するかという点においては、フレキシビリティもあっていいのでは?しかし、逆に言うと、「この山を登る。」という強い覚悟がなければ、最初に決めた登山道を闇雲に進むことになってしまう。 「結局は、アンタはどうしたいの?」なんて質問にスグに答えられないような人間は、いくら「人の話を聞いて」も、何も改善しない・・・むしろ、聞けば聞くほど、迷宮が深まるばかりとなってしまう。現実って、そうでしょ? そんな迷宮から脱却するためには、「自分は何をしたいのか?」その自覚と覚悟が最初じゃないの? トラブルを起こす人は、結論というか最終形をイメージしていないもの。 とりあえず、現状の不適な点を修正して、適している点をそのまま残していく・・・ そんなことばかりをやっている。 「このミッションの最終的な目的は○○なんだ。」と明確に言えず、目先の適不適の修正ばかり。 それこそ、離婚問題を起こすような人は、そんな感じ人が多い。 「結局は、自分はどんな一生を送りたいのか?あるいは、どんな結婚生活を送りたいのか?」そんな最終形のイメージが何もないまま、付き合いを進め、そして「なんとなく」結婚してしまう。 だから、付き合っている人に問題があれば、それを修正しようとするし、そんな人が二股をかけたりすると、相手を弾劾する。 しかし、最終的なイメージがあれば、二股している相手を弾劾し、修正しようとするよりも、さっさと別れた方が利口でしょ? あるいは、人間関係でお互いが侮蔑を向け合っている関係だったら、そんな関係を修復することが重要とは言えないでしょ? そんな関係になってしまった理由を認識した上で、次の人との関係では適切に対処すればいいだけ。 しかし、目先のものしか眼中にない人は、「ワタシを嫌わないで!」付きまとい、ますます侮蔑されることになる。 ダメダメな人間ほど、目先の事態だけを注視し、最終的な結論がない。 逆説的になりますが、目先のことを問題にしているからこそ、目の前の人の話をしっかりと聞けないし、対応策にフレキシビリティがない。 そして、実際には、何もよくならない。 まさに「あーでもない、こーでもない」と言っているだけ。 そんな人は、当然のこととして、何も達成するわけもないわけですが、単に達成するものがないというだけでなく、トラブルが起ってしまったら、対処が何もできないわけです。 だからこそ、そのトラブルから目を背けるしかない。 目の前のことに右往左往するばかりの人ほど、何かあると、ただ騒ぐだけで、目の前の問題には何も対処しない・・・現実にそんなものでしょ? そんな人は一刀両断するようなアレクサンダー風の蛮勇が必要になってくるわけです。 (終了) *************************************************** 発信後記 このメールマガジンで、以前にアメリカのブッシュ大統領(現在)について考えてみたことがあります。モノホンのエリートを父に持つがゆえに、過剰なまでに「立派に見せよう!」として墓穴を掘っている・・・そんな感じで書いています。ブッシュさんは、基本的に自分に自信がないわけ。まあ、ちょっと前に読み直してみたら、実に安倍さんにも当てはまる。 政治家なんてダメダメ家庭出身者の巣窟なんでしょうね。まあ、社民党の党首さんは、そのメンタルな面でのダメダメが分かりやすい。ただ安倍さんは、別の面でも色々とあるので、メンタルな面でのダメダメが目立ちにくい。しかし、結構、重症っぽい。 なまじっか「いい人」なので、なんか・・・見ていて気の毒になってくる・・・ このまま行くと平成の綱吉になっちゃいますよ。退くなら早いほうがいいのに・・・ |
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R.11/1/20 |