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カテゴリー トラブル発生時の行動
配信日 07年7月27日
タイトル バトルの連鎖
ダメダメ家庭の人間は、対抗心が強い。
被害者意識が強く、ちょっとした不都合な事態も、それを自分が受けた被害と認識する。だからこそ、その報復を考える。そして、報復行為そのものによって、自分を被害者だと認定する儀式とするわけ。
そもそも自分自身でやりたいことがないので「何かに対抗する!」なんて形でないと、何もすることがないわけ。

その強い対抗心から、アッチコッチにクレームをつけて、人に絡んで、結局はトラブルになって「ああ!ワタシって、なんてかわいそうなの?!」と、お約束の被害者意識に浸るばかり。
しかし、ダメダメ人間にしてみれば、その被害者意識が、自分にとっては、また心地いい。そんなモノ。

強い対抗心を持って、アッチコッチに絡むのはいいとして、当人がそのクレームで達成したいことがあるわけではない。自分自身が達成したいことへの障害があり、その障害を取り除きたい・・・そんな当事者意識からクレームをつけているわけではないんですね。
ただ、持ち前の被害者意識や対抗心からクレームをつけているだけ。
別のところで取り上げております、エーリッヒ・フロムの言葉を使うと「○○をする自由」は考えず、「○○からの自由」だけを意識している。
逆に言うと、「○○からの自由」を強く意識することで、「○○をする自由」について考えることから逃避するわけです。

逆に言うと、「何に対してクレームをつけるのか?」という問題は、二の次となっている。
一番重要なことは、とにもかくにもクレームをつけること。
つまり、自分を被害者の側に置くこと。
ギャグを書いていると思われる方もいらっしゃるでしょうが、韓国人なんて、その典型でしょ?

クレームをつけるのはいいとして、その目的が当人にもわかっていない。というか、クレームをつけることそれ自体が目的なんだから、当人はともかく周囲の人間にしてみればたまったものではない。周囲の人間だって、不快感がたまってくる。
「で、アイツは、いったいどうしたいのさっ?!」

ダメダメな当人は、まさにダメダメの属性として、人に絡まずにはいられないわけですが、そんなダメダメな人間が雰囲気をかき乱すので、周囲にいる人間は、気分もメチャクチャになってしまう。どうしてもギスギスした雰囲気になるわけ。

そんな雰囲気に、そのダメダメな人が、またもやクレームをつけている。
そのクレームのつけ先が、自分とは関係ない他者であっても、そんな光景を見ていると、サスガにブチ切れることに。
「あのっバカ!いい加減にせんかい!オマエ一人で世の中が回っているんじゃないぞ!」
となると、いつものようにそのクレーム大好き人間がクレームをつけているところに、今までやり取りがなかった人が、新手として参戦してしまう。

「もうっ!アンタねぇ!いい加減にしなさいよ!」
ということで、新たなバトル勃発。
ということで、その雰囲気がますますギスギスしたものに。

ますます悪くなった雰囲気のせいで、テンションが上がってしまった、周囲の別の人が、そのバトルにまた新たに参戦。その参戦によって、ますます雰囲気がギスギスしてきて・・・
まあ、ギャグマンガの世界では、おなじみのシーンでしょ?

あるいは、原子核物理学では、核融合なり核分裂の臨界反応といいますよね?
普段は、核融合なり核分裂を起こさないような、安定している原子核も、周囲の原子が核反応を起こすので、そのエネルギーによって、本来は安定していた原子核まで、不安定になり核反応を起こしてしまうわけ。その原子核が反応を起こしたので、今度は、別の原子核の反応を誘発してしまう。
そうやって、どんどんと核反応を起こす状態を臨界といいます。

一応は制御できている状態だと、原子力発電として利用できるわけですが、核反応が次なる核反応を引き起こし・・・と、まったく制御できない臨界状態が、原子爆弾や水素爆弾。シャレでも何でもなく、ドッカーン状態。もう、その状態になると、誰も止められない。

まあ、このメールマガジンは核物理学のメールマガジンではありませんので、原子核の臨界の話はこれくらいで・・・
しかし、ダメダメの世界でも、頻繁に見られたりするでしょ?
その人自身は、ダメダメな人間ではなくて、普段は精神的にも安定している人でも、ダメダメな人が、周囲のペースをかき乱すので、それが気になりだしたら、その人のテンションまで、どんどんと上がってしまうわけ。その人のテンションが上がることによって、別の人のテンションの上昇を誘発して・・・と、スパイラル進行。

何かを実現するためにアクションを起こすマトモな人と違って、ダメダメな人は、ただ自分の被害者意識を満足させるために行動したりするもの。そんな人の行動に深くコミットしても混乱するだけ。

このメールマガジンでは、「ダメダメな人とは距離を取るしかない。」と頻繁に書いています。
被害話を真剣に語る人をヘタに助けようとしても、コッチのペースが乱れるだけ。そもそもそんな人は、被害話を語ること、それ自体が目的なのであって、「自分の目的を達成するための障害があるから何とかしたい!」そう思って行動しているわけではないんですね。
被害話ではなく、「このような点を改善したい!」そんな形で具体的に言ってきたら、周囲としては、協力すればいい話。

対抗心を持ってアッチコッチにチョッカイを出しているダメダメ人間の行動が迷惑だから何とか制御しようとしても、無理。だって、そんなダメダメ人間は、明確な目的があっての行動じゃない。だから予測不可能。
ヘタにそんな迷惑行動を制御しようとして介入すると、介入した人自身が、臨界反応の一助となってしまう。

このような事態は、何もご近所のトラブルメーカーさんの周囲や、原子核物理学の世界ばかりではなく、それこそインターネットの掲示板でも頻繁に見られることでしょ?
それまで穏やかにやり取りしていた掲示板に、一人のお邪魔虫が闖入して、その場の雰囲気がメチャクチャになってしまうこともあるようですね。

あるいは、対抗心から人に絡むケース以外にも、「ワタシに構って!」と、人にチョッカイを出すパターンもおなじみですよね?
「ねぇ?ねぇ?ワタシに構ってよ!」とアチコチにチョッカイを出して、周囲のペースをメチャクチャにしてしまうと、周囲の人の気分がささくれ立ってくる。そして、トラブルになり、それが、更なるトラブルを生んでしまう。

バトルがバトルを呼ぶ臨界状態に達し、そして、燃え尽きて憔悴した周囲の人を眺めながら、騒ぎの元となったダメダメな人は、いつものセリフ。
「みんな、いったい、どうしちゃったの?」
「どうして、いつもこんなことに?!」
「ワタシって、なんてかわいそうなの?!」

(終了)
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発信後記

ダメダメ家庭の問題は、周囲の人にとっては、悲劇ですが、ある程度の距離を取ると、楽しいギャグとなります。ヘタに巻き込まれると、普段はマトモな人でも、コメディの登場人物となってしまう。
ダメダメ人間の習性を理解し、上手に距離を取る・・・それによって、コメディの観客として楽しむことができるようになるわけです。

真のコメディアンは、「面白いギャグを言う」人ではなく、「存在自体がギャグな人」である・・・そんなものでしょ?何も無理して、「存在自体がギャグ」の人になることはありませんよ。
R.10/12/7