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カテゴリー | 判断と選択 |
配信日 | 07年8月31日 (10年8月3日 記述を追加) |
タイトル | ディシジョン回避の上司 |
国連の事務総長になった韓国のパンさんは、なんでも「うなぎ」と、あだ名されているとか。 その「うなぎ」というニックネームを、一般の韓国の方は、「鋭い質問に対しても、尻尾をつかまれずに、上手く逃げる切る知的能力がある。」という額面での肯定的評価と捉えているようですが・・・ たしか、西洋では「うなぎ」というのは、よいイメージの動物ではないはず。 しかし、「うなぎ」のように、尻尾をつかまされない能力は、それはそれで一つの能力ですよ。しかし、じゃあ、その能力を何に活かすの? 尻尾をつかまされないのはいいとして、じゃあ、何をやり遂げるのか?そっちの方が重要でしょ? というか、「自分はこれをやり遂げたい!」と思っている人だったら、「尻尾を捕まれない」ような話ばかりとは行かないでしょ? ダメダメ家庭の人間は、常に減点法の発想です。当事者意識がないので、加点法とは行かないわけ。周囲から何もケチをつけられないという減点法の達人が、まさに「うなぎ」というわけなんでしょうネ。 ダメダメ家庭では、親は子供のサポートをしない。子供の才能を伸ばしてあげたいなんて思っていないわけ。そもそも加点法とは縁がないわけ。それだけでなく、子供がピンチの時でも知らん振り。だからダメダメ家庭の子供は「自分の身は自分で守らないと・・・」と、自己防衛を第一として考え、その能力も発達することになる。 自分に責が及びそうになったら、「アイツのせいだ!ボクは悪くない!」と真っ先に叫ぶ。 そして、いざという時に「ボクは悪くない!」と言えるように、事前には何も決めないわけ。人にやらせて、当人は、それを安全圏から見守っているだけなんですね。 まあ、会社などでは、そんな人は、おなじみでしょ? 決定するような場面から、当人は上手に逃げている。 そして、いい結果が得られなかったり、周囲からクレームが付いたりすると、 「アイツらは勝手に進めやがって・・・」、 「オレのせいじゃないからなっ!」と主張。 その手の人は、子供の頃から弁解の能力を磨いてきたので、逃げる理屈は達者。 被害者意識が強いので、「自分がかわいそうな被害者」という理屈は、オハコ。 そして、当事者意識がないので、現実離れした正論を臆面もなく主張する。 「こうすべきだったのに・・・まったくアイツらときたら・・・困ったモンだ!」 周囲の人間は、そんな正論を聞いて、「本当に、『こうすべき』と思っているのなら、自分でやりなよ!」とゲンナリすることに。 その手の人は、まさに子供の頃からの自己防衛の習性として、もはや無意識にそのようなことができてしまう。無意識の習性だから、当人は、自分が「ディシジョン(意思決定)を回避」していること自体に気が付かない。だから周囲から指摘されても、その指摘を受け入れることができずに、むしろ「どうして、オレのせいにするんだ?!」と、被害者意識が刺激され逆上するだけ。 まあ、会社においても、一般の社員だったら、そんなパターンもあるでしょう。しかし、そんな人が上司だったら部下はたまりませんよね?だって、当人は何も決めないで、外から正論ばかり言っているわけですからね。組織の長だったら、本来なら当人が率先してリードすれば済む話。 それをしないから、しかたがなく周囲が動いたのに、後になってグチられてもねぇ・・・ まあ、国連のスタッフも、今はそんなことを思っているんだろうなぁ・・・ そんな人間が重要なポストにいる会社などは、そのうちダメになってしまうものですよ。 会社においては、その部門の長となると、上司と呼称されますが、家庭においては、親がその役割ですよね? 本来なら、親だったら家庭内の主導者として、様々な意思決定を適宜行っていく必要があるでしょ?しかし、ダメダメな親は、何も決定しない。子供が結婚とか、就職するような段になっても、当事者として何かアドヴァイスを送るわけでもない。 そして、子供が後になってトラブルになると、 「まったくオマエが選んだ結婚相手はロクなものじゃない!」 「何を考えて、こんな選択をしたんだか・・・」 ・・・なんて、お得意の被害者意識に浸って、率先してグチるだけ。 そんな人は、当事者意識がないので、会話の能力もない。弁解の能力はあっても、自分の意思を伝えることができない。だから周囲の人間も「いったい・・・何を怒っているんだか・・・」と呆れることに。 そんな人が責任あるポジションにいる会社は、ガタガタになってしまうもの・・・まあ、ソニーを灰燼に追い込んだ出井さんって、このパターンに近いのでは? あるいは、テレビのTBSの現在の社長もこの典型ですよね? そして、会社だけでなく、そんな人が親である家庭もガタガタになってしまう。 しかし、ダメダメな親は、そんなガタガタな状態になっても、「アイツのせいで・・・」とグチっているだけ。そして、「オレは悪くない!」と連呼するだけ。 そんな人は、「悪くない」と言えるように、事前には何も決定してこなかったわけ。 事態が悪くなっても、「ワタシは悪くない!」と堂々と言う人間が、往々にして、一番の原因なんですね。 当人が選択の場から逃げ回ることは勝手でしょう。 しかし、選択の場から逃げ回るがゆえに、できてしまうのが子供というもの。 だって、「いつ頃に子供がほしいのか?」「自分には親としての資質なり覚悟があるのか?」そんな判断はしない。 だから、「避妊」という判断をしないまま、やることをやって、結果的に子供ができてしまう。 つまり、そんな家庭の子供は、「選択の結果」でできたわけではなく、「選択を回避した結果」でできてしまったわけ。 よく、「あ〜あ、人生が二度あればなぁ・・・」「あの時は、ああすればよかったよ!」なる嘆きというか後悔の言葉がありますよね? しかし、ダメダメ家庭の人間は、そんな嘆きや後悔とは無縁なんですね。 かと言って「我が人生に、一片の悔いなし!」と、本気で思っているわけではない。 ダメダメ家庭においては、選択そのものが無効化されているわけ。 そもそも、子供の存在だって、選択から回避した結果なんだから、たとえ「人生が二度あっても」、同じような事態になってしまいますよ。 「次は、別の選択をしよう!」とはなりませんよ。 よく、「子供は親を選べない。」と言われますが、子供としては、「次に生まれたら、今度は別の親を選ぼう!」とは行かないでしょ? ダメダメ家庭の子供にしてみれば、当人が選ぶことができないものが、トラブルの最大の要因なんだから、次の機会も2度目も何もないじゃないの? 「次はこの学校に進学しよう。」とか、「この会社に就職しよう。」とか、「次は別のキャラクターの人と結婚しよう。」との後悔にはならないわけ。だって、もっと根源的なところにトラブルの原因があるわけですからね。 だから、やり直しには意味がないし、つまり、選択という場に根源的な不信感があるわけ。 何も選択しないがゆえに、そして何も判断しないがゆえに、考えなくてもできてしまう「なじみ」のやり方を繰り返し、同じようなトラブルになってしまう。 それこそ、離婚の連鎖なり、ドメスティック・ヴァイオレンスが連鎖してしまう。 そんな事態になったら、同情するしか能がない、そして気に入らない人間をつるし上げるしか能がないボランティアの連中がやってきて一緒にワイワイやるだけ。 しかし、そんなボランティアのキャラクターは、「気に入らない人間を攻撃する」という本質において、家庭内暴力の暴力オトコのキャラクターそのものでしょ? たとえ、その人なりに考えたとしても、当事者意識を持って、何かを達成するために、選択するのではなく、「ワタシは悪くない!」と言いたいがために、選択したり、逃げるための方法を考えたりするだけ。 マイナス面だけを認識し、そのマイナス面に反応するだけ。 結局は、自分で自分の将来を考えることから逃避するために、自分の面倒を丸投げをする対象として、子供という存在を求めてしまう。まさにディシジョン回避の一環としての子供となるわけ。 そうして、見事にダメダメの連鎖となってしまうわけ。 会社でも上司がディシジョン回避だったら、その会社は結局はメチャクチャになってしまうでしょ? 同じように、家庭においても、親がディシジョン回避だったら、その家庭もメチャクチャになりますよ。しかし、ダメダメな親は、まさにディシジョンを回避してきたがゆえに、「この状況は、ワタシが判断した結果じゃないんだ!」「ワタシは悪くないわ!」と言い訳をする・・・そんな光景はダメダメの世界ではお約束でしょ? ダメダメ家庭においては、その現状がどうしようもないダメダメなものであるがゆえに、もう一度やり直したいとか、人生が二度あればとかの思いとは無縁となってしまう。 ただ、「誰のせいなのか?」という犯人探しの心理があるだけ。 マトモな人だったら、現状に不都合なことがあれば、なおのこと、「あの時には、ああすればよかったなぁ・・・」なんて思ったりするでしょ? ダメダメな人間は、ある意味において「我が一生に、一片の悔いなし!」なんですが、その人が語る言葉は常にグチによって満ちている。 悔いとは、自分がしたディシジョンに対するものでしょ? しかし、何もディシジョンをしないがゆえに、一片の悔いも起きようがない。 結局は、「アイツのせいで、うまく行かない・・」と誰かを恨んでおしまいとなるわけ。 まあ、こんなことだから、育児放棄事件が起きるのも当然でしょ? (終了) *************************************************** 発信後記 ヘヴィーなお題ばかりだとなんですので、ちょっと軽いお題にしました。 このお題の文章を期待されている方もいらっしゃるようなので・・・ まあ、軽くても、やっぱりシリアスかな? ちなみに、この文章のドラフトは半年以上前に出来上がっております。その手のドラフトなり、いつでも配信できるレヴェルまで書きあがっている文章は100本以上あります。 ですから、もし「こんな文章があったら、配信してほしい。」ということでしたら、ご連絡くださいな。 「回転すし」ではありませんが、リクエストには対応できますよ。 ただ、何か事件が起こったら、それに関連したお題を優先的に取り上げることになります。 何も事件を喜んでいるわけではなく、皆が知っている共通の体験があれば、一般的な事項を説明しやすいからです。周知の具体例から出発した方が、理解しやすいものなんですね。 |
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R.10/8/3 |