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カテゴリー 会話のスタイル(発言側)
配信日 08年9月8日 (10年8月15日 記述を追加)
タイトル 劇場風ハイテンション (ハイテンションな物言い)
このメールマガジンでは、「ダメダメ家庭というものは、会話不全の家庭である。」と頻繁に書いています。言葉そのものは飛び交っていても、「自分の意向を相手にわかりやすく伝える」「相手の言葉を真摯に聞く」そんな発想がないわけ。
単に、言葉が飛び交っているだけなんですね。

相手にわかりやすく伝えるにも、あるいは、相手の意向を聞き取るにも、適正なテンションがあるものでしょ?
それこそ低いテンションというか、ドーンと落ち込んだ鬱(うつ)状態の人に対して、「わかりやすく伝える」も何もありませんよ。ただ、そんな欝状態の人だったら、まあ、そんな人は、言葉からして発しないでしょうしね。そもそも物理的に見てもやり取りにはならない。

だから、欝状態だったら、話は簡単。

むしろ問題になるのは、躁状態というか、異常にハイテンションの場合です。
ハイテンションなんだから、言葉だけは、機関銃のように飛び出すことになる。
相手をしている側は、機関銃のように撃ち付ける言葉をいちいち聞く気にはなれない。
「ふーん・・・」と相槌を打ってオシマイ・・・そうなってしまうでしょ?

相手にわかってほしいことがあるのなら、相手に理解しやすいスピートというものもありますし、話す音量も、聞きやすいものにする必要があるでしょ?また、相手が返事をしやすい物言いが必要なのでは?

しかし、ダメダメ家庭の人間は、当事者意識がない。そもそも会話の場において、相手にわかってほしいこと、あるいは、やり取りおいて、相手に合意してほしいこと、それ自体が存在しないわけ。別のところで書いておりますが「言いたいこと」はあっても、「相手にわかってほしい」ことはないままで、やり取りの場に臨んでいる。
そして、自己逃避であって、自分で考えることから逃避している。
だから、やり取りの相手から質問なり反論が返ってくるのが怖い。
一方通行の物言いをすることで、やり取りに発展しないようにしたいわけ。

ダメダメな人は、「相手にこのことをわかってほしい」・・・というのではなく、むしろ自分自身を納得させたり、あるいは騙したり、自分自身に酔ったり・・・そんなことのために、「やり取り」の場を利用するわけです。
まさに自分自身に対して演技している状態。
だから、まさに劇場風になってしまう。

顔を合わせてのやり取りだったら、それこそ機関銃のように次から次に・・・だったり、不必要な大音量だったり、不必要に過激な表現だったり・・・そんなスタイルになったりするわけですが、そのような劇場風ハイテンションは、メールなどにおける文章でのやり取りにおいても発生したりすることもあります。

メールマガジンの文章だったら、現実的に一方通行の文章なので、いささかテンションを強くする必要があります。これは現実としてしょうがない。しかし、全編が強いテンションだと、読んでいてウンザリしてしまう。必要に応じて、ギャグを入れて、間を作ったり、チェンジ・オヴ・ペースを入れたり・・・そんなことをする必要があるもの。

まあ、そんなことは一般の個人間のメールでは必要はありませんよ。
個人と個人の間の一般のメールだと、それこそ学校での国語の教科書くらいのテンションで書けばいいだけ。特に、誰かに「最初に」出すメールはそれくらいのテンションにした方がいいでしょ?自分の意向を伝えるために、むしろ抑え気味のテンションの文章にしないと、相手だって返事をする気がなくなりますよ。
躁状態で、ワイワイやっている人に対して、何も言えないでしょ?

しかし、逆に言うと、ダメダメな人は、相手から何も言われない状態にしておきたいわけ。
まるで昔のミュージカル映画のように、「ワタシは楽しいわ!」「なんてステキなの♪」なんて歌って踊って・・・そんな雰囲気。そんな人に対して、何も言えないでしょ?一緒になって歌って踊って、二重唱でもするの?そんな人は一見快活そうに見えても、近寄りがたいわけ。イヤ!近寄ってほしくないわけ。舞台の上から一方的に主張したい・・・心理的にはそんな感じなんですね。

メールの文章だと、それこそ逆上メールがそんな感じ。
まあ、逆上メールはやっぱりテンションが高いのは簡単に予想できること。だって当人のテンションが上がってしまって、限度を越してしまったから、メールを寄こしたのでしょうからね。
しかし、逆上メール以外にも、不必要なハイテンションのメールもあったりするものなんですよ。

それこそ、通称ビックリマークと言われることもある感嘆符「!」が不必要に多かったりする。
「ワタシは!!アナタの文章に!!賛成します!!!」
ほとんど句読点と同じ扱い。
まあ、実際に上記の文章をいただいたわけではありませんが、似たような文章はいただいたことがあります。感嘆符が実に多い文章。

たとえば、上記で例に挙げた、
「ワタシは!!アナタの文章に!!賛成します!!!」
という文章と、通常の句読点による文章、
「ワタシは、アナタの文章に、賛成します。」
って、感じが全然違うでしょ?
まあ、ビックリマークを入れるにせよ、「ワタシは、アナタの文章に、賛成します!」くらいの使い方がベターなのでは?
ビックリマークを多く使えばいいというものではないでしょ?

あるいは、
「読んでいて、ものすご〜〜〜〜〜〜く納得。」
なんて言葉で、自分の理解なり納得を示すことができるの?

あるいは、以前に取り上げた実際の逆上メールにあった「ほんっと失望するわ。」なる表現でも、その「ほんっと」の「っ」ですが、まさにハイテンションというか「こぶし」を示すことができますよね?
しかし、テンションをあげたからと言って、「何が伝わるか?」「どんなことがわかってもらえるのか?」というと、別問題でしょ?
小さな「っ」を入れる分だけ面倒になるだけですよ。
しかし、ハイテンションを示すことによって、質問が返ってくるのを防止したいわけ。

相手とのやり取りの積み重ねがあれば、そんな凝った表現も許されるでしょう。もうお互いの信頼関係も出来上がっているでしょうからね。
しかし、最初からそんな調子だと、やり取りには発展しませんよね?
だって、「アナタからの話を聞きますよ。」という雰囲気ではないでしょ?

そんな「!!!」とか「っ」とか「〜〜〜〜〜〜」なんて表現をしている人に対して、質問したり、意見を述べたりしたら、どうなるでしょうか?
「鬱陶しいわねっ!!もう〜〜〜〜っ!!放っておいてよっ!!」なんてことになるのは目に見えているでしょ?

やり取りに発展しないことを求める・・・そんな心理が、ダメダメ人間には存在しているわけ。だから劇場風のハイテンションで、一方的に言い渡すだけになってしまう。

一般のメールだけでなく、それこそインターネットの掲示板でのやり取りでも、劇場風のハイテンションって、あったりしませんか?
そんなハイテンションな書き込みをする人は、反論があったりすると、まさに逆上するものでしょ?
反論されるのがイヤならイヤで結構ですが、だったら、そんな掲示板のような場所に書き込まない方がいいのでは?

それこそ、自分なりにサイトを持って、適正なテンションで文章をまとめ、アップしていった方がいいのでは?
しかし、やり取りの相手との対話ができないだけでなく、自分自身との対話ができないので、ゼロから文章を起こすようなことはできないわけ。
それに、「わかってほしい」ことがなく、「言いたい」ことだけがあるわけだから、対象者を絞ることができない。

「自分のこの見解をわかるだけの知能や意欲のある人はどんな人だろうか?」
そんな思考を基にして、文章をまとめたりはしないわけ。
だから、インターネットの掲示板のような場所に入り浸ってしまうし、そんな人がたまたま、特定の個人宛にメールを出しても、相手先のキャラクターに何も配慮しないメールになってしまう。

あるいは、テレビでやっていたりする討論番組で、そんな、異常に高いテンションを示しているシーンってあったりするでしょ?
そんなハイテンションは、自分に対する演技であって、自己逃避の様相の一つであり、会話への恐怖が発現されたものなんですね。
自分の心の弱さを、そんなハイテンションでごまかそうとしても・・・いつもいつも通じるとは限りませんよ。

(終了)
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発信後記

大阪の会社が、毒入りのおコメを、ごまかして食用として販売していたとの事件がありましたよね?
古米を新米として販売するくらいのゴマカシならともかく、毒入りのおコメを販売なんて、シャレにならない。お金の問題ではありませんからね。
その会社の社長さんが冬木三男さんという名前。73歳とのこと。

このメールマガジンではたまに名前の問題を取り上げることがあります。何と言っても、親が子供に対して最初に与えるのが名前。だからその名前を見るだけで、その後の、子供との接し方も見えてくるものなんですよ。

大阪の会社の「三男」さんですが・・・
「三男」って、たぶん「みつお」って読むのでしょうが、それだったら「光男」とか「満男」とかの漢字の方が一般的なのでは?
もしかしたら、3番目の男の子だから「三男」という名前にしたのかもしれませんが、そんな「て・き・と・う」に自分の子供の名前を付けたのなら、相当のダメダメな親でしょうね。そもそも名前を付けるにあたって、お金がかかるわけもないんだから、ちょっと考えればいいじゃないの?
しかし、実際のダメダメ家庭では、その手の「て・き・と・う」な名前の例が実に多いものなんですよ。色々と知っていますが、具体例を挙げると、またメンドウなことになるし・・・

その社長さんが、実際に「3番目の男の子」だったのかは、わかりません。
しかし、そんな感じでズボラに名前を付けるような親の元の子供は、親に対して自分の存在をアピールする必要がある。だから「親に認めてもらいたい!」と過剰なまでに成果にこだわるようになるわけ。

そのような例は、大阪の料亭で起こった「3番目の女の子」が起こした事件でも見られたでしょ?あの女将さんの行動原理と、今回の社長さんの行動原理って、つながっているわけ。
「親に自分を認めさせたい!」と思っていて、そして「周囲の人間は頼りにならない。」と思っているから無理をする。どうしても、ある種の偽装に類することに手を染めてしまう。

ダメダメ家庭で育ったことは当人の責ではない。しかし、自覚しないと、あんなことをやってしまうものなんですよ。
R.10/8/15