トップページに戻る 配信日分類の総目次に戻る
カテゴリー分類の総目次に戻る タイトル50音分類の総目次へ
カテゴリー ダメダメ家庭が子供に与えない情報,スキル
配信日 09年2月25日
タイトル リミッター感応性
このメールマガジン「ダメダメ家庭の目次録」の文章ですが、購読者さんの中には、私が思っていることをそのまま書いていると思われる方も多いでしょうが・・・書いている私としては、かなりリミッターをかけて書いています。リミッターと言っても、「何を書くか?」というWHATの問題ばかりではなく、「どう書くか?」というHOWの問題もあります。
まあ、この私が正体を現して、本気モード全開で、リミッターを取り外すと、もっと強烈な文章になって、読み手の方がぶっ飛んでしまいますよ。ボキャブラリーの問題もありますし、表現の凝り具合とか、引用のヴァリエーションの問題もある。やっぱり持っている力を全開というわけには行かない。
隠していた正体を現して、セメレーを焼き殺してしまった、ギリシャ神話のゼウスようなもの。
・・・なんて表現が頻発したら、やっぱり、分かりにくいので、読み手もイヤでしょう?

難しい表現なり、高度な表現は、たとえ使うにせよ、その意味がわからなくても、基本線は大丈夫・・・と言ったスタイルが理想でしょ?
あと、オモテの意味とウラの意味が微妙に違うとか・・・
読み手の読解力によって、意味が変わってくる・・・書き手というものは、往々にしてそんなことを意図的にやっているもの。
この手の微妙な違いは、どんなジャンルの作品にも、存在いたします。

作品の作り手は、様々なリミッターをつけて、それを加減して、作品を作っているものなんですね。

このようなことは、何も芸術作品の問題ばかりではありません。何かを伝達しようとする場合には、受け手のレヴェルによって、リミッターを掛けるのは当然のこと。
たとえば、相手が子供の場合には、ボキャブラリーもできるだけ制限して、表現そのものだって、「凝った」ものにはせずに、単純な表現を使うでしょ?
対象が大人だったら、そんな「凝った」表現を使うこともできますが、もちろんのこと、大人だって色々といる。その対象となる人によって、表現のリミッターの具合も変えていかないといけない。
自分の伝達能力のフルパワーを使っても大丈夫な相手って、そんなにはいませんよ。
自分が伝えたいものをわかってもらうためには、ある程度は、リミッターを掛ける必要がある。しかし、そのようなリミッターを掛けた場合には、話の内容よりも、「リミッターをかけている」点の方に反応される場合があるわけ。

さて、ダメダメ家庭の人間は、序列意識が強い。このことは頻繁に書いています。コミュニケーションが命令を服従だけなので、序列が重要になってしまう。自分が相手より上の序列だったら、相手の話を聞かず命令を下すだけ。自分が下の序列だったら、ただ服従するだけ。
会話の能力がないんだから、しょうがない。
おまけにダメダメ家庭の人間は、コンプレックスが強い人が多い。そもそも当事者意識がないので、何かを達成した経験がない。だから自信なんて持ってはいない。だからこそ、自分を実体以上に大きくみせようと、無理をしているもの。実体以上に大きく見せようとしているので、その点を突かれないかとビクビクしている。それがまさにコンプレックス。

さて、そんな感じで、序列意識が強く、コンプレックスが強い人間が、今現在、話をしている相手から、リミッターをかけられた表現をされたら?
そうなると「この人は、このワタシを下に見ている!」なんて逆上したりするんですね。

会話においてリミッターをかけて表現した側は、「この人には、これくらいの表現が受け入れやすいんだろうなぁ・・・」くらいの感覚であって、深い意識もなしにやっているだけ。基本的な発想は「相手に分かりやすいような表現をした方がいい。」くらいの感覚。しかし、受け手がそう受け取るとは限らない。

ダメダメな人間にしてみれば、会話の端々にリミッターを感じて、
「アイツはこのワタシをバカにしている!」
「アイツはこのワタシを下に見ている!」
と、コンプレックスや序列意識が反応してしまう。

そのリミッターが不要だったら、何も逆上しなくても、「そんなリミッターは不要ですよ!」なんて、雰囲気で示せばいいわけでしょ?それこそ、リミッターのかかった表現に対し、リミッターを解除した、エスプリの効いた鋭い表現で返せば済むだけ。
そんなシャープな反応が返ってくれば、当初はリミッターをかけて表現した人も、「ああ!この人はリミッターは必要ないんだ!」「もうちょっとレヴェルの高い表現でも大丈夫だな。」あるいは、「この人・・・ワタシよりも、ずっと頭がいいじゃないの!」と、分かることになる。
それが一番適切な反応ですよ。

あるいは、そのリミッターが不必要であっても、余裕でいればいいわけでしょ?ニヤニヤしていればいいだけ。重要なことは相手の言っていることが分かり、自分の伝えたいことが伝わる・・・そのことでしょ?リミッターがある、ないなんてどうでもいいこと。

しかし、当事者意識がないダメダメ人間は、知識を習得していないし、あるいは会話の能力もやっぱりない。それに説明を理解する能力もあまりない。そんな人とのやり取りでは、現実的には、やっぱり相当量のリミッターが必要になるわけ。
かと言って、そんな人は、リミッターをされると逆上することになる。

序列意識が強いダメダメ人間は、話をしていても、相手の話の内容を聞き取ろうなんて思ってはいない。「どっちが上の序列なのか?」そんなことばかり考えているもの。

その序列が、比較的受け入れやすいものだったら、自分が下の序列の場合でも受け入れたりするわけですが、そうでないケースもあるわけ。
たとえば、自分より20歳以上年上のいかにも知的な雰囲気の人から、リミッターをかけられた表現をされても、こんな場合は受け入れることもできる。
しかし、見た目で自分より年下の人から、リミッターを掛けられた表現をされると、逆上することが多いんですね。

「アイツ・・・このワタシより年下なのに、ワタシをバカにしやがって!」と怒ることになる。
かと言って、普段から本などを読んだりしてないので、リミッターなしで話をされても、チンプンカンプン。だからリミッターなしに説明されても、やっぱりコンプレックスが刺激されて逆上してしまう。

それにそもそも本などを読んだりはしないので、会話の彩らせる修辞なども持っていない。だから、そんな人は、人とのやり取りにおいては、伝達能力のフルパワーを常に使う必要がある。そんな人は、相手にわかってもらうために、伝達表現のヴァリエーションを相手によって加減すると言う発想自体が理解できないわけ。

まあ、実年齢より若い外見で、かつ、その年齢の人の平均レヴェルよりも知的な能力が高い人だと、こんな事態に遭遇することも多くなってしまう。
知的レヴェルの高い人は、リミッターをかけることが習性になっている。何も周囲の人を下に見ているのではなく、「相手に分ってもらう」ためには現実的に必要だから掛けているだけ。しかし、序列意識が強い人には、内容ではなく、リミッターに反応して「本来はコイツは自分より下の序列のはずなのに!」と不快感が増幅されてしまう。

何回も書いていますが、そんなリミッターが不要なら、それとなく言えばいい話ですし、それが不快なら、自分で知識を習得する必要があるでしょ?
しかし、当事者意識がないダメダメ人間は、結局はリミッターをかけた相手を恨むばかり。
結局は、リミッターに対する感覚が不要な、自分と同レヴェルのダメダメ人間と群れて、グチと悪口大会。まあ、グチも悪口も、内容においても語り口においてもリミッターは不必要ですしね。

コンプレックスに満ちた人間同士での悪口大会くらいならまだしも、現実ではもっと深刻なケースになったりするもの。
そもそもリミッターという発想自体を持っていないわけだから、いったん「犯人認定」や「敵認定」したら、まさにリミッターなしに報復に出ることになる。
口に出すのもはばかられるような罵詈雑言のオンパレードなり、あるいは実力的な報復行為に出るようになる。

周囲の人は、そんな姿に「どうして『そこまで』やるの?」と怪訝な思いをすることに。
しかし、リミッターという発想自体を持っていないことを理解すれば、罵詈雑言のオンパレードをすることも理解できるようになるわけ。もちろん、理解はしても、同意したら、同類ですよ。

ちなみに、今まで言及したリミッターは、どっちかというと、「どのように言うのか?」「どこまでやるのか?」という「HOW」についてのリミッターですが、「何を言うのか?」という「WHAT」についてのリミッターもあります。
たとえば、子供が対象だったら、話す内容にも制限をかけるのは当然でしょ?
むき出しの大人の論理なり世界を、子供に言う必要はないのでは?
そんなことを聞かされた子供はどうなっちゃうの?
よく「子供の前で、そんなことを・・・」と思いたくなるようなことを、平気で子供の前で、あるいは直接的に子供に向かって言う人がいるでしょ?

以前にこのメールマガジンで「ダメダメ家庭の人は、格に対するセンシビリティがない」ことについて書いております。本来なら、子供と大人では格が違う存在ですよ。しかし、ダメダメ人間は、大人と子供の違いを序列の違いとして認識しているわけ。格の違いなら「より分かりやすく」という配慮が伴うわけですが、序例の差なんだから、上の序列のものは、下の序列のものに命令するだけ。
だからこそ、HOWの面においても、あるいはWHATの面においても、リミッターは存在しない。

リミッターを掛けた表現をされることがダメダメというわけではなくて、そんなリミッターに対する反応によって「ダメダメなのか?マトモなのか?」が、分かるわけです。リミッターへの「ぎこちない」対応は、その人の序列意識の大きさにつながっているわけ。
リミッターに対して落ち着いた対応が取れない人は、まさにリミッターなしで、とんでもない行動をする可能性があるものなんですよ。

(終了)
***************************************************
発信後記

以前にインターネットの掲示板の管理をされておられる方からお便りを頂戴したことがあります。
その方いわく・・・掲示板のやり取りは、このメールマガジンで書いてあるとおりだよ!

そんな掲示板でのやり取りの中で、一種の捨てセリフとして「アナタは、このワタシを見下している!」と言うものがあったそう。

本来なら、見下すも何も、掲示板のやり取りで、求めていた情報が得られればいいだけ。
情報を取れれば、そのやり取りは意味があったわけですし、情報が取れなかったら、意味はない。
しかし、序列意識が強い人は、「どっちが上なのか?」そんな点が重要だし、それを明確にすることを求めているものなんでしょうね。

私は掲示板はちょっと見たりすることはあっても、参加したりはしておりません。
ということで、興味深いやり取りがそこでありましたら、教えてくださいな。
ちょっと見ただけで、ダメダメのネタがテンコ盛りなんだから、じっくり見たら、さぞスゴイんでしょうねぇ。
R.10/12/19