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カテゴリー ダメダメ家庭出身者の状況
配信日 09年4月8日
タイトル 鶏頭オンリー
「むしろ鶏頭となるも、牛後となるなかれ。」なんて言葉があります。中国の古い言葉です。なお、念のため書きますが、ここでの「牛後」は「ウシの後ろ」で、「鶏頭」は「ニワトリのアタマ」です。
「大きな組織の最後に、金魚のフンのように付いていくより、小さくても自分の自由になる組織のトップとなった方が、自分のやりたいことができるからいいんだ!」
意味としては、そんなところですよね?

これは、実際にそうでしょう。
自分の意向が全然通らないような組織にいても、つまらないでしょ?
それだったら、小さくても自分の意向が通じる組織の方でやった方が、やりがいもある。あとは、自分の才覚で何とかしていけばいいだけ。

それについては、全く持ってそのとおりなんですが、ダメダメ家庭の人は、別の意味で、この「鶏頭」志向なんですね。
自分がやりたいことができるから、鶏頭になるのではなく、ダメダメ家庭では自分のやりたいことが自分でもわかっていないから、鶏頭になるわけ。
むしろ鶏頭になること自体が目的化されているわけです。

そもそもダメダメ家庭の人間は、会話の能力がない。
自分の意向を相手にわかりやすく伝える意欲や能力がなく、そして、相手の意向を真摯に聞かない。だからコミュニケーションが命令と服従のみになってしまう。つまり対等の関係においては、対処ができないわけ。
だからこそ、序列関係にすがることになる。
「自分が命令を下す側なのか?命令を受ける側なのか?」人と出会って最初に考えることは、そんな序列の確定になってしまうわけ。

そうなると、どうせなら、命令を下す側の方がいいでしょ?
そうなると、どんなに小さな組織でも、自分が上でないと気に入らなくなる。

おまけに、ダメダメ家庭の人間は恩着せがましい。被害者意識があるので、何をするにも、自分の被害を真っ先に考え、相手に対して、自分の被害を語ることになる。だから何をするにも、「このワタシが、オマエのためにタイヘンな苦労をしたことを忘れるなよ!」と恩を着せる。そして、その物言いも、常に上からの物言いとなる。だからこそ、自分が上に立てる状況でないと、都合が悪いわけ。
そして、自分が恩を着せられる相手が必要になってくる。

だから、自分で小さな組織を作り上げ、そこで仕切って大喜びするようになってしまう。
この「仕切りたがり」については、以前に配信しております。

その折にも書きましたが、様々な愛好家サークルなどはその典型のようです。
あるいは、小規模ボランティアもその典型でしょ?
そもそも、ボランティアをすることで、対象となる相手に恩を着せて、そしてボランティア集団を作ることにより、その集団を仕切ることができる。
ダメダメ人間にしてみれば、この上ないほどに、楽しいことになるわけ。

あるいは、これも以前に配信しておりますが、「ジジババが威張っている家庭」も、この典型でしょ?そんなジジババも、家庭の外に出て、自分のやりたいことをやればいいのに、自分の命令が通じるダメダメ家庭に居座り、子供や孫に恩を着せて喜んでいるわけ。

あるいは、ご近所のボス的な女性とか・・・そんな人は、統率力があるとか頼りがいがあるというよりも、序列意識が強く、強圧的な人が多いでしょ?
そんな集団のメンバーも、その人と一緒にいると楽しいから一緒にいるというのではなく、「逆らうと怖い」という二重否定的なスタイルとなっている。そんな集団は、カルト団体のように、その集団の外の人々への敵対心を持ち、その集団の中では、被害者意識と対抗心が充満している。「自分たちはかわいそうな被害者」なので、外の人間には何をやってもいいと思っている。
まあ、そんな組織には、まさに鶏頭たるボスが存在しているもの。

何かを実現するために、鶏頭でいるのではなく、ただ命令を下す側にいたい、あるいは誰かに恩を着せたい・・・そんな発想による鶏頭なんだから、結局はトラブルになってしまう。
そんな集団のボスの人は、自分がトップでいられる、自分より「下」の人間を、いわば手下のような存在いつも探している。
そうして恩着せがましく説教するもの。
逆にいうと、自分よりも、レヴェルの高い人とのやり取りができない。だから、やり取りする人のレヴェルがどんどんと落ちていってしまう。
どんな時でも、下の人間に「恵んでやって」大喜び。

そんなダメダメな人は、自分が上に立てる状況に居座ることばかり考えているから、そんな状況を求め続けてしまう。それこそボランティア組織を転々と渡り歩くような人もいるでしょ?

それにダメダメ人間はコンプレックスが強い。
触れたくないアンタッチャブルな話題を抱えていて、そこから必死で目を逸らしている。
そんな人間は、自分でやり取りを仕切らないと、困ってしまうわけ。
「相手から、『マズイ』話題や『ヤバイ』話題に振られたらどうしよう?」
そんな感じで、内心ではビクビクしている。

そのようなコンプレックスや自己逃避から来る仕切りもあるわけです。
ヘンな話になりますが、そんなコンプレックスの強い人は、相談を持ちかけるような状況においても、相談の場を仕切ろうとするもの。前の文を、もう一度読み直してくださいね。相談を「受けている」側が、相談の場を仕切るのではありませんよ。「困った!困った!」と相談を持ちかける側が、自分の都合のいいように、やり取りをリードしようとするわけです。
自分の触れたくない話題に移らないように、必死に配慮する。
当人は、必死なんでしょうが、相談を持ちかけられて、そんな場で「仕切られて」しまったら、ただ途方に暮れるだけですよ。
当然のこととして、相談の原因になった状況は何も改善するわけがない。
しかし、抑圧的な人間は、本当の意味での問題意識がないので、そんな相談ができてしまう。

恩を着せようとしたり、こっちの話題には移ってほしくない・・・そんな心理があるので、自分が上の立場に立ち、場をリードすることに強迫的にこだわることになる。
この状況が発生したりするのは、ダメダメ家庭の克服の問題で登場したりします。
「ワタシはダメダメを克服した!」
と、かつてのダメダメ仲間に自慢したりするわけ。

もし、その人が、自身のダメダメを克服して、マトモになったのなら、むしろマトモな人たちの「牛後」になった方がマシじゃないの?歯を食いしばって、マトモな人たちに付いて行った方が多くのものを得られますよ。
しかし、恩を着せたい、あるいは、上からの物言いをしたいダメダメ人間は、ダメダメな集団に入り浸って、「ワタシを見習え!」とお説教する。

ちなみに・・・
「このオマエの文章が、その典型じゃないか?」
と、おっしゃる方もいらっしゃるかも?
私としては、お説教をしているつもりはありませんヨ。頻繁に書いていますが、「見えているものを、見えるようにする。」ただそれだけです。そもそも私の文章は上からの目線ではないでしょ?むしろ、子供の目線に近いもの。いわば下からの物言いなんですよ。
「ねぇ?ねぇ?どうして、そんなことをするの?こうした方がうまくいくんじゃないの?」「ねぇ?ねぇ?これって、ちょっとヘンじゃないの?」
「このままにしていたら、困ったことになるのは、誰だってわかるんじゃないの?」
そんな子供の感情を代弁しているだけなんですよ。それに私は自分がマトモだと書いたことは一回もありませんよ。

ちょっと話が脱線してしまいましたが・・・
「自分が実現させたいことは何なのか?」
それを考えることが最初であって、そのために鶏頭の方がいい場合もあるし、牛後の方がいい場合もある。
鶏頭オンリーの人は、その思考から逃避しているんですね。
鶏頭にもなれるのではなく、鶏頭しかなれないわけです。

たとえ、鶏頭となって人を動かすような場合でも、そんな人は、人を動かすことそれ自体が目的化されてしまう。いわば、「支配・被支配の構図」を作り上げて、その関係性に満足してしまうわけ。
手持ちのカードが色々とあるからと言っても、そのカードを全部使う必要はないでしょ?
しかし、当事者意識がない人間は、達成するためにカードを使うのではなく、カードを使える自分に酔いしれるだけ。
だからこそ、不必要なことをやって、ババをつかんでしまうもの。

まあ、このようなことは文章をまとめたり、音楽を作ったりする場合でも同じでしょう。
様々な表現技巧を使えるからと言って、不必要な技法まで使ってしまっては安っぽくなってしまう。
様々なテクニックを使うことは楽しいけど、デメリットも大きいもの。
必要最小限でポイントを突いた表現、それが巨匠というもの
ダメダメな文章は、色々と技法があっても、読んだ後で、「で、結局は、何が言いたいの?」などと思ってしまうことになる。

意味不明でヘタクソな文章を書く人ほど、上からの物言いで「教えてやる!」「指導してやる!」なんて雰囲気でしょ?逆に言うと、表現能力が低い人だからこそ、序列にこだわらざるを得ない。対等の立場だと対応できない。
それこそ、インターネットの掲示板などではそんな人がいたりしますし、韓国人なんてその典型でしょ?

エーリッヒ・フロムが言うように、自分自身を抑圧している人間は、「支配欲」に逃げ込んでしまうことが多い。他者を支配するという目的を掲げることによって、自己逃避するわけです。
そんな人は、他者を支配しても、自分を支配することができないわけです。


ちなみに、この「鶏頭オンリー」にドンピシャなのが、民主党の小沢さんでしょうか?
彼も、色々な組織において、トップでないとダメというパターンでしょ?説明能力がなく、コミュニケーションが命令と服従の関係のみ。それに根底に被害者意識があり、コンプレックスが強いので、ちょっとのことで逆上する。だから、率いている組織がどんどんと小さくなってしまう。

大きな組織を率いるためには、命令する能力以上に、説明能力が必要ですよ。あと、当然のこととして、人の話を聞き、理解する能力も必要になる。
しかし、小沢さんには、それがないでしょ?
ないならないで、それを補う方法をとればいいだけですが、彼の場合も、結局は、支配欲によって自己逃避してしまっているんですね。

(終了)
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発信後記

今回の文章は、前回の「押し付けがましい笑顔」に関連した話題です。
次回の金曜日に配信する文章は、これらを総合したような文章の予定です。

ちなみに、本文中に書きましたが、相談を持ちかけてくる側が、相談の場を仕切ろうとする傾向については、ピンと来ない方も多いでしょう。ギャグとしか思えない人も多いのでは?しかし、ダメダメの領域においては、結構ポピュラーなケースなんですよ。それこそ相談における小出しもそのパターン。
やり取りをリードして、自分の都合のいい結論を導きだそうとするわけ。

だからこそ、何も解決できずに、トラブルを繰り返すことになってしまう。
そうして、「ワタシは色々と相談したのに、みんなはマジメに取り合ってくれない!」
「ああ!ワタシってなんてかわいそうなの?!」と、嘆くことになる。

イヤ、ホント、ワンダーランドに迷い込んだアリスの気分になってしまいますよ。
R.10/12/21