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カテゴリー | ダメダメ家庭の顔 |
アップ日 | 10年9月25日 |
タイトル | おヒゲの話 |
かなり以前の05年に、メールマガジンにおいて、プッチーニ作曲の有名なオペラである「蝶々夫人」を取り上げております。 お涙頂戴の安っぽいオペラと思われている方もいらっしゃるようですが、その台本を緻密に読んでみると、ダメダメ家庭出身の女性が持つ様相を見事に描き出している。 まあ、逆に言うと、だからこそ、オペラ指揮者や解説者どまりの人にはその台本の意味が分からないんでしょうね。 さて、その作曲者プッチーニはイタリアの作曲家です。 ということで、同郷というか、ご当地といえるイタリア人のオーケストラ指揮者が、プッチーニのオペラの指揮をすることが多いもの。しかし、それぞれの指揮者には、やっぱり得手不得手があったりするもの。 プッチーニを得意とする指揮者もいれば、「彼の作品は絶対に演奏しない!」と拒絶するような、イタリア人の指揮者もいたりします。 プッチーニを好きとか得意なイタリア人指揮者には、特徴があったりします。 まあ、往々にして「ヒゲ」があるんですね。 逆に言うと、プッチーニ拒否派のイタリア人指揮者は、確実に、ヒゲがない。 そんなことを書くと、「おい、おい!何をギャグかましているんだ?」「ヒゲと音楽は関係ないだろう?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、皆様の周囲にいたりするオペラを好きな人に聞いてみてごらんなさいな。「そう言えば・・・確かに、そうだな・・・」と言われますよ。 プッチーニの前の代のイタリアのオペラ作曲家はヴェルディという作曲家です。このヴェルディは、ストイックで筋肉質な音楽を特徴としています。ヴェルディは、厳しく、力強く、渋い音楽性を持っている。それに対し、プッチーニは、ある種の遊び心を持ち、装飾的で、ひねりがある音楽なんですね。 剛速球と、変化球の違いと言えば分かり易いでしょうか? プッチーニを上手に演奏するためには、そのような遊び心とかヒネリを上手に表現する必要があるわけ。そして、そんな資質を持つ人は、往々にしてヒゲをはやしていたりするもの。まさに、無駄なものとの上手な付き合い方もできる人といえるわけ。 鏡を見ながら、自分のおヒゲをなでて、ニヤニヤするくらいの人でないと、プッチーニは上手に演奏できないわけです。 無駄を排除して、質実剛健でストイックに・・・そんな美意識とは違った美意識を持っている・・・それがプッチーニの演奏家としての資質。 世の中には、無駄を楽しむ発想も必要な分野もある・・・そのようなことは、別の分野で感じたことがあります。 個人的なことですが、以前に、カバンのオーダーを検討していたことがありました。 そして、インターネットのサイトで色々とチェックしていたのですが、その手のカバン作りの人も、2種類に分かれるようです。 職人タイプの人と、工房の主人というタイプです。 職人タイプの人は、どこかの会社の下で、オーソドックスなカバンを地道に作っている。 それに対し、工房の主人は、自分で独立して、オリジナルな製品を展開している。 そして、その工房の主人さんの顔写真をみると、まあ、見事なまでに、皆さんが、おヒゲをはやしているんですね。 会社内の職人さんと、工房のご主人さんのどっちがカバン作りの技量があるか?という問題は別として、どっちが遊び心があるのかとなると、工房の主人の側となるのは、簡単に予想できること。そして、そんな心理は、顔にあるおヒゲでも表現されているわけ。 と、ダメダメ家庭の問題とはまったく関係ない話になってしまっておりますが・・・ ただ、その人の顔とその人の心理は実に関係が深いことは、このダメダメ家庭のサイトで頻繁に言及しております。不満いっぱいの顔とか、ゆるみきった顔とかは、その人のダメダメな心理が顔に出ていると言えるでしょ? あるいは、たまに言及しておりますが、歯並びの問題があります。 歯並びが悪いということは、つまり、子供の歯並びを放置する親によって育てられたわけだから、その他の面でも、色々なダメダメが見られたりするもの。 歯並びの問題は、自分の子供の歯並びの悪さを放置するという親の側の問題であり、当人の問題とは言えない。しかし、おヒゲの問題は、まさに、直接的に当人の問題でしょ? 「どうして、この人はおヒゲをはやしているのかな?」そんなことを考えれば、その人の心理も結構見えてくるわけです。 おヒゲと言っても、上記のように「遊び心」の発露の場合は、周囲の人間としても、それこそ余裕で見ていればいい。 おヒゲについては、別の意図というか、使い方もあったりします。 いわば、威厳を狙って、おヒゲをたくわえるケースです。 それこそ、若くして会社の経営者になってしまったら、箔をつけるためにおヒゲをたくわえるケースが実際にあったりするでしょ? 会社経営となると、やっぱり貫禄が必要となる。 どっしりとした重みも要求されますよ。しかし、顔もいきなり貫禄がつくわけでもない。 だから、おヒゲをはやすことで、威厳を作るわけ。 私の知っている人も、そんな目的からおヒゲをはやしていました。 しかし、その人は「ヒゲがあると、おうどんをたべる時に、ジャマになるんだよなぁ・・・」とグチっていました。しかし、まあ、仕事上の必要性なんだから、これはしょうがないでしょう。 あるいは、仕事の上での必要性となると、スポーツ選手がヒゲをはやすケースがありますよね? それこそ、アメリカで野球をやっているイチローさんも、無精ヒゲというスタイルで、ヒゲをはやしています。 スポーツのような場では、戦っている相手から、なめられてはオシマイでしょう。 自分を少しでも強く見せないと、相手からなめられてしまって、その段階でハンディキャップとなってしまう。 イチローさんだって、あの顔で、ヒゲがなかったら、それこそ野球場にいたら、アメリカの球場の係員さんから、「おい!中学生はここから出ていけ!」って、怒られてしまいますよ。 そもそも日本人は、アメリカ人からは実体よりも幼く見られてしまう。 アメリカの大学院に留学していて帰国した人から聞いた話ですが、その方が、日本に帰国するちょっと前に、大学内のキャンパスでビールを飲んでいたら、大学の職員さんから「おい!未成年はビールなんて飲んじゃダメだ!」と怒られてしまったそうです。 日本人としては老け顔で、生え際が後退している30歳の人の語るアメリカ体験の話に、私としては驚愕したものですよ。 まあ、そんなことだから、イチローさんもおヒゲをはやしているんでしょうね。 ヒゲというのは、威厳を狙っていたり、遊び心の発露だったりする。 しかし、威厳と遊び心は、あまり共存しないもの。 だから、おヒゲのある人を見たら、「どっちの面があるのかな?」と考えてみても面白いのでは? それこそ、ヨーロッパだとドイツ人にヒゲをはやしている人が多くいたりしますが、それは威厳につながっているのでは? イタリア人のヒゲは、遊び心のファクターが大きいのでは?ただ、イタリア人でも威厳を狙ったおヒゲのケースもやっぱりあるようです。 フランス人は、ヒゲをはやしている人が、他の国に比べると少ないようです。これは、むしろ、「威厳に対する不快感」があったりするのでは?威厳というか、権威に対する反発のようなものが、フランス人には実際にあったりするのでしょ? ヒゲをはやす理由があるように、ヒゲをはやさない理由もあるわけ。 あるいは、ヒゲをそらない理由もあるでしょう。 イスラム教は、確かヒゲを剃るのを禁じていたのでは? そのようなことは、ユダヤ教も同じ。 まあ、それだけ威厳を見せたいと思っているのでは? あのような宗教では、遊び心とは無縁でしょうからね。 実は、そんなおヒゲの問題で面白いのは、話題になったコメディアンの「田代まさし」さんのケースです。先日(10年9月)に、また、薬物の問題で逮捕されましたよね? 田代さんは、もともとはコメディアンなんだから、遊び心の発露としてのおヒゲなんだろう・・・そのように思うのは当然のこと。 しかし、彼も、あれほど、色々とあったんだから、ヒゲを剃って心機一転としてもいいのでは? ヒゲをはやすのはいいとして、逆に言うと、どうして剃らないの? そのように考えると、あのおヒゲは、遊び心からのヒゲではなく、威厳を狙ったおヒゲと見た方が自然ではないかと考えるようになってきました。 まさに、自分の弱さをカムフラージュして、自分を強く、そして大きく見せるためのおヒゲなのでは? 実体の自分からの逃避の心情を想定すると、彼の別の特徴であるサングラスも理解しやすい。 別のところで書いておりますが、名前や作品のタイトルなどにおいて不必要に使われる「大の字」は、「小さい自分が持つコンプレックスに対する逃避的な心情」であることが多いもの。 だからこそ、その手の人は、大の字をレッテルのように貼り付けて、「オレは実は大きいんだ!」と主張するわけ。 そのような使われ方の大の字は、逆説的になりますが、自分の小ささの象徴のようなもの。 おヒゲにおいても、同じような面があるのでは? 自分の弱さや実体から逃避しようとする心情を想定すると、あの田代さんの行動も見通しがよくなるでしょ? 彼が本当に立ち直るためには、頭を丸めるよりも、おヒゲを剃り落とすことが必要なのでは?そうして、自分自身との対話を進めていくしかないのでは? あるいは、彼に対して「今まで、色々と親切にしてあげたのに・・・」という周囲の人からの声があったようですが、逆に言うと、周囲からのその親切に応えようとすると、プレッシャーになってしまうこともあるでしょう。そのプレッシャーから逃れようとすると、薬物に走ってしまう・・・彼の薬物依存はそんなファクターもあるのでは? 自分の弱さを見たくないがゆえに、麻薬を使い、 自分を大きく感じるために、覚せい剤を使う・・・ 私としては、薬物には詳しくはありませんが、それぞれの薬物には、そんな効果もあるのでは? ヘタな励ましは、当人にとって逆効果になってしまう。 それこそ、うつ病もそのパターンでしょ? まあ、そのように、人の顔からは、色々な情報が得られるものなんですよ。 彼も色々と苦悩しているんでしょう。 ダメダメの専門家の私としては、彼の苦悩が手に取るようにわかりますよ。 だから願うことになる。 おお!主よ!彼にあなたの憐みを与えたまえ! Oh! Lord ! Have mercy on him! |