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カテゴリー ダメダメ家庭にないもの
配信日 04年1月19日
タイトル 自分の本を買わない
21世紀の現在では、調べ物をするにしても、インターネットでかなり調べることができます。
日頃から本を持っておいて準備する必要はないわけです。
また、本を読みたい場合でも、図書館で借りるというコストのかからない方法があるわけです。

だから、家に本棚がない家庭もあると思います。
本棚どころか、そもそも本がほとんどない家庭もあるでしょう。あるのは地図とか雑誌とかマンガ等のみ。

ダメダメ家庭なら結構な確率で存在するのでは?

ある意味において、子供というものは本棚を皆が持っていて、どの子供も似たような本があるものです。参考書の類、それに童話に近いもの。
それぞれの家庭において顕著な差が発生するのは、むしろ親の本棚なのですね。

学校による家庭訪問を行う場合でも、子供部屋を見ても顕著な差はないはずです。部屋が散らかっているとか、そんなもんでしょ?そのようなことをするより、親の居間を見たほうが面白いわけです。
本棚もないような家庭だったら、子供の未来は絶望的と見て間違いはないでしょう。

家庭には子供の参考書以外本など置いていない。親が普段から読んでいるのはマンガや週刊誌だけ。

このような状態であれば、子供の将来に対して確実にダメージとなりますね?

また、子供が友人宅に遊びに行った場合、その家庭に多数の大人向けのマトモな書籍があり、その友人の両親が実際にそれらの本を読んでいることが明白な場合、子供だって、我が身がいたたまれなくなるでしょう?

こうなると、生まれた境遇の圧倒的な差を実感せざるを得ませんよね?
単に親の経済力の問題だけではありません。もうこうなると人間の「質」の問題になってしまうわけです。
片や普段から書籍に親しむ親。
片や自分の親は本など読まずにテレビや雑誌だけ。
自分の親が「低レベル」の親であることを実感した後では、将来への希望を持ち続けることなんて難しくなります。

そのような「いたたまれなさ」を回避するために、子供は似たような「本のない」家庭の友人を作り、その友人と交流するようになってしまいますよ。
そのような交流がどのような結果を生むのかについては、言うまでもないことでしょう?
テレビではおなじみの事件ですよね?不良グループがまた事件を起こしたとか・・・

よく子供同士の事件がおきたりしますが、そのような子供は被害者も加害者も本のないダメダメ家庭でしょうね。

また似たような例として「机」の問題もあります。
「ちゃんとした」家庭には子供用だけでなく、親が実際に使っている机があって、普段、実際に使用してデスクワークをしていることがスグにわかったりします。
今ではその机の上にパソコンが乗っている場合が多いでしょう。

例えパソコンが乗っていても、普段から机で作業していることが恒常化している家庭と、そもそも机とは縁がないような家庭では、顕著な差がでてきます。
そのような違いは、一目で分かりますよね?
その顕著な差を実感する時に、子供は絶望的な気分になるわけです。

そう言えば、マンガの「ちびまる子ちゃん」でもそんなシーンがありました。
花輪君の親が使っている机にびっくりするシーン。
マルコちゃんが「ここの親は、机で勉強するのか!?」と驚くわけです。

「話が分かる」親であれば、それこそ話で説得することも可能ですが、「机」も「本」もないような家庭で、話が通じるでしょうか?普段から頭を使っていないこと明白でしょ?
だから子供も自分ひとりで解決せざるを得ない。そのような判断は小学生でもできることです。

このメールマガジンはパソコン向けですので、購読されている皆さんは勿論のこと、パソコンをお持ちだと思います。
私のこんな文章を週3回購読いただいているのですから、子育てについて色々と考えたりするのでしょう。様々な書籍を購入されることもあるでしょう。
ただ、購読されておられる方のご実家、あるいは周囲の人で、購入する本を見るとスグ分かってしまうことってありますよね?
あるいは居間の様子とか・・・

そのようなことは、子供自身が一番よく分かることなのです。

そういえば、先日のことですが、小学校2年生の女の子が危険物取り扱いの資格試験に合格したとの報道がありました。
危険物取り扱いの資格はそれほど難しくはありませんので、小学生2年生でも熱心に勉強すれば合格することもできるでしょう。

しかし、その気になるか?どうか?ですよね?

確か、その小学校2年の女の子の父親は高校の教諭とのこと。
少なくとも自宅に多数の書籍があるはずです。

たまたま父親の本棚から面白そうな書籍を見つけて、色々と本を読んでみる。
読んでいて、「へぇ・・・面白いなぁ・・・」と思ったりする。
興味を持ったらもっと自分で調べてみる。
そのような結果が、今回は危険物取り扱いの資格試験の合格になったわけでしょ?
親が子供に資格試験の受験を命令したわけではないでしょ?

このようなことは、本を読むためにわざわざ図書館まで出かけないとダメな家庭では絶対に起こりません。
また親が普段から勉強をしていないような家庭でも絶対に起こりません。

軽い気持ちで本を手に取り、軽い気持ちで勉強する。
そこから知識を得る楽しみを味わうわけでしょ?

ダメダメ家庭では本もなく、親も何も勉強しないのに、子供に「勉強しろ!」と言ったりする。
しかし、子供というものは、本来は知識を得る楽しみを持っているもの。
その楽しみに導くことをしないで、ただ命令するだけなのがダメダメ家庭ですね。

最寄の書籍が、自宅の本棚ではなく図書館になってしまう。
それこそが、子供にとっての知識なり知性からの距離の象徴のようなもの。
そして、その大きな距離感は、まずもって、その親にとっての知性からの距離そのもの。

親がそんなに知性と縁遠い存在だったら、子供もどうすればいいの?
本というものは、購入した人が読みもしなくても、別の家族がいつのまにか読んでいたりするものでしょ?そんなことから家族の間の会話も広がるわけですし、家族の共通認識にもなったりするわけでしょ?

書籍の購入なんて、古本でも十分ですよ。
家の中に、書籍がなんとなくある・・・そんなことだけでも、子供にとって効果があるわけ。
図書館を利用するのは当然ですが、気に入った本を購入してみることから更に広がる知というものもあるわけです。

(終了)
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発信後記

このメールマガジンは週3回という頻度ですので、読んでいてフィットするお題とフィットしないお題もあると思います。
ダメダメ家庭もそれぞれの面もありますしね。
R.10/11/11