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カテゴリー ダメダメ家庭が子供に与えない発想,精神
配信日 06年3月10日
タイトル 希望
このメールマガジンでは、イタリアのオペラ作家として有名なプッチーニが作曲した「トゥーランドット」というオペラについて、たびたび言及したりしています。まあ、人に「受ける」テクニックがてんこ盛りなんですね。

さて、その「トゥーランドット」の第2幕には、3つの「なぞなぞ」が出てきます。
その1問目がこれ。
「黒い無数の人々の上に高く昇り、翼をひろげる。
人々はそれを呼び、人々はそれを求める。
しかし、暁とともに幻は消える、心の中によみがえるために。
そして夜毎に生まれ、夜明けとともに死んでいく!」

ハテ?何でしょう?
その答えが「Speranza」。つまり「希望」。
言われてみれば、「なるほど!」といった感じでしょ?

人々は希望を呼び、人々は希望を求める・・・って、そう言うもの。
しかし、ダメダメ家庭では、希望なんてものには縁がないわけ。

ダメダメな親は自分自身の希望なんて持っていない。
だからこんな感じで言うわけ。
「ワタシは幸福なんて求めていないわ!ただ普通の生活がしたいだけ!
その言葉はそれでいいとして、『じゃあ、アナタが渇望する「普通の生活」って、どんな生活なの?』なんて聞かれても答えられない。
「普通って、普通のこと・・・」なんて、それこそ「なぞなぞ」もビックリの答えをしたり、「イジワルな質問でワタシを追い込もうとしている!」なんて被害者意識に火がつくだけ。

親自身が希望を持っていないのだから、そんな家庭で育った子供が希望を持ちようがないでしょ?
子供がヘタに希望を持ったりすると、親はそのサポートを迫られたりするわけ。だから面倒になってしまう。ということでダメダメな親は、子供に対し「オマエはどうせ何をやってもムダだ!」「まっ!これがオマエの運命と思ってあきらめるんだな!」「人生諦めが肝心!」と、そんな調子。このことは以前に配信しております。

子供が己の人生を捨てて、枯淡の境地に至ること、親として求めるわけ。
人生を捨てた親と、人生を捨てた子供が「普通」に暮らす・・・まあ、ダメダメな人間の希望なんてこんなもの。
希望を捨てることが希望とでもいえるでしょうか?これで解脱できるというわけかな?お釈迦様もビックリですよね?

以前にも書きましたが、ルネッサンス期のイタリアの詩人ダンテの作品「神曲」に出てくる地獄の門には、こう書かれていることになっています。
「この門より入るもの、希望を捨てよ!」

確かに、地獄で希望を持っていても、つらいだけでしょ?
地獄においては、希望を捨てるのは最大の処世術

逆に言うと、希望を捨てなければ生きてはいけない状態ということは、その人間にとって、その世界が地獄と同じレヴェルということでしょ?
ダメダメな親が言う「まっ!これがオマエの運命と思ってあきらめるんだな!」という言葉から、その家庭がまさに地獄であることを、その親自身が雄弁に語っているわけ。
ですから、子供が希望を語れない状態だったら、子供にとって、その家庭が地獄であり、重症のダメダメ家庭であることがわかるわけ。

何でも最近の統計で、日本の子供は希望を持っていないとのことです。しかし、これって、ダメダメの進行としては、かなり重症のレヴェルであるといえます。
あと、その統計では、成績優秀な生徒になるよりも、クラスの人気者になりたい・・・とのことでしたが、それって、「人に合わせて生きる」というダメダメのスタイルに近いでしょ?

何も学業成績のみが重要というわけではありませんが、特に希望も持たず「君はいったい何がしたいの?」という質問にも答えられないようでは問題でしょ?「自分は絶対にこれを成し遂げたい!」と思っているのなら、クラスの人気者であればいいとは行かないもの。人と衝突することだって、実際にあるでしょ?重要なことは、その意見の対立を、会話によって調整していけばいいわけでしょ?
最初から人に合わせていくということは、それだけ、会話による調整能力が欠如しているんですね。相違点が発生してしまったら、それに対処する能力がないということ。
だからこそ、必死で相違点を出さないことになる。

ちなみに、最初の「トゥーランドット」の「なぞなぞ」に対する回答の言葉はこのようなもの。
♪ 喜びへと私を連れて行ってくれる・・・『希望』が! ♪

ダメダメ家庭は、人を喜びへと連れて行ってくれる、その「希望」を捨てさせてしまう。
確かに人との衝突はなくなるでしょうが、「ダメダメ」へと子供を連れて行っちゃうわけでしょ?
そんな状態だったら、奈良県の事件のように、自分の家に火をつけたくなりますよ。
ダメダメ家庭というのは、氷のような冷たさであるがゆえに、火を付けてしまうわけです。

(終了)
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発信後記

地獄の門には「希望を捨てよ!」と書いてあっても、じゃあ、天国の門には何が書いてあるのかな?
ということで、このメールマガジン用のメールアドレスを変更いたしました。
まだ以前アドレスも使えますが、長く使っているとスパムメールがよく来るようになっちゃうので、変更というところです。
R.10/11/28