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カテゴリー ダメダメ家庭出身者の行動
配信日 05年12月16日
タイトル 後を濁す
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますよね?
『立派な鳥は、飛び立つ際には、その水面はキレイなものだ!』そんな意味ですよね?
人間においては、「マトモな人間は、別れる際には、ちゃんと今までの処理をして、後にモメ事を残さず、笑顔で別れるもの。」そんな意味です。
まあ、この私も鳥類学には詳しくありませんが、少なくともマトモな人間は、きれいに別れることができるもの。

しかし、ダメダメ家庭の人間は、この「立つ鳥跡を濁さず」とは行かない。
だって、ダメダメ家庭の人間は、強い被害者意識を持っている。何か上手く行かないことがあると、それを自分が受けた被害ととらえるわけです。別れる際には、「被害者と加害者」そんな状況でとらえている。と言うか、その別れさえ、別れる被害を負わされたと認識していることも多い。
「自分は被害者だ!」と思っているんだから、加害者に配慮するわけがないでしょ?

ちょっと前に、プロ野球で、巨人の清原選手の退団騒動がありました。
そして清原選手は、「巨人を見返してやる!」とか言っているそう。
しかし・・・清原選手も、巨人に在籍していた当時は、結構なお金をもらっていたわけでしょ?見返すも何もないじゃないの?「ハイ!サヨナラ!今までありがとう!」でいいじゃないの?どうして、「見返す!」なんて言ったりするの?あるいは、こだわったりするの?さっさと、別のチームに行けばいいだけでしょ?

私はプロ野球には詳しいわけではないのですが、その言葉には、「ちょっとヘンだなぁ・・・」と思っていました。しかし、彼の行動は被害者意識を前提にすれば簡単に理解できることになる。
「見返してやる!」という言葉は、「巨人というチームから被害を受けたので、復讐してやる!」そのような意味なんでしょうね。
清原選手がダメダメ家庭の出身であることを想定すれば、特に不自然な発想ではありません。逆に言うと、復讐を誓うことで、それが被害であったと自分に確認するわけです。まさにトルストイがアンナ・カレーニナの冒頭で書くように「復讐するは我にあり、我これに報いを与えん。」の境地と言える。

あるいは以前に、芸能人の小柳ルミ子さんが離婚するにあたって、相手の男性に対して慰謝料として1億円を請求したことがありました。
本来なら、そんな男性と結婚した自分自身の問題もあるはずですし、結婚生活なんてお互いの問題でしょ?しかし、彼女はそんなことを全然考えていなかったのでしょう。結婚生活を、自分の被害ととらえていたわけでしょうね。だから慰謝料として1億円が登場することになる。

そんな高額の請求も、彼女なりにはスジが通っているのでしょうが、そんなことをする人を、一般の人は信用はしませんよね?だって、何かあると、全部自分の被害ととらえるような人と一緒にやりたいなんて思うわけがないでしょ?だって、そんな人は危険ですよ。まさにクレーマー予備軍と言えるでしょう。そういえば彼女は今どうしているのかな?

スポーツ選手や、芸能人はダメダメ家庭に適した職業と言えます。そもそもそんな人の親自身が会話の能力が低くて、その代わりに容姿端麗だったり、運動能力の高い人だったりするもの。そんな会話能力のない人たちが結婚してダメダメ家庭を作ったりする。そんな会話不全の環境で育った子供が、「自分を表現したい!」と、そのような道に進むことになる。

それはそれでいいのですが、どこかの時点で、「自分はダメダメ家庭の出身者なんだ!」と自覚しないと、周囲の人から相手にされなくなってしまう。
だって、スグに被害者意識に火がつくような人なんて、周囲の人にしてみれば怖いでしょ?

しかし、ダメダメ家庭を作る親は被害者意識が強い。そもそも子育てをすることだって、親としての自分の被害ととらえている。「いったい誰のためにワタシがこんな苦労をしていると思っているんだ?!」と子供に対して文句をいうのがお約束状態となっている。だから子供としては常に「これ以上、親に迷惑を掛けてはいけない!」と思っている。だから、自分が不都合な事態に陥っても、出身家庭に関わるような視点で物事を見ない。新しく関わりを持った新参者を犯人認定するものなんですね。これについては以前に配信しております。
そんな環境で育っているので、やっぱり被害者意識が強く、新しく関わった人を犯人認定することになる。だから、その人と別れる際にも、「お互い笑顔で!」というわけにはいなない。

清原選手だって、自分の出身家庭が、かなり重症のダメダメ家庭であることを自覚すればいいのでしょうが、なかなか自覚できないんでしょうね。
実家との距離感がつかめない様子。

関西のチームから誘われても、どうも乗り気ではなさそう。
たぶん、心の奥底では関西が嫌いなんでしょう。ただ、自分としてはそれを自覚したくはない。だから無理が出てくる。常に逃げているだけ。
「自分の実家はダメダメ家庭だからキライだ!」
「関西の雰囲気は、ダメダメだからキライだ!」
と、はっきり自覚できれば、逆に関西にも住めるわけ。
まさに、オシゴトと割り切ればいいだけ。
判断から逃避しようとして、ダメダメなところを見たくはないので、住めない。
そんなものでしょ?

マトモな家庭に育った人間は、それまでの「成果」を確認して、自然と「立つ鳥跡を濁さず」と言うことができることになる。しかし、被害者意識が強いダメダメ家庭の出身者は、それまでの「被害」を思い出してしまう。だから、その被害を自分に確認するようなことをすることになる。それこそ、別のところで書いています「捨てセリフ」もその典型でしょ?相手に対して「捨てセリフ」を投げ付けることで、「自分こそが被害者なんだ!」と自分に言い聞かせているわけです。被害者意識が強いダメダメ人間は、「捨てセリフ」どころか、自分の被害者意識に火がついて「復讐してやる!」なんて気合が入ってしまう。
そんな状態になると、似たり寄ったりのダメダメ人間が同調して、「そうだ!そうだ!やっちゃえ!」とけしかけたりして、本人はますます「その気」になってしまうもの。

しかし、そんな状態を周囲から見ているマトモ人間は「退いて」しまうでしょ?
当事者意識を持って、自分自身の行動を見直せば、自分自身にも問題があったことが分かったりするものですよね?自分の出身家庭に存在しなかった当事者意識をしっかり持って、自分自身の出身家庭に巣食っていた被害者意識を自覚する。そうすれば、笑顔でお別れできるようになりますよ。「跡を濁す」ような人と、一緒に盛り上がっても、自分の被害者意識は満足できるかもしれませんが、それって結局は自分自身が損をしているだけでしょ?

ダメダメ家庭出身者も、キレイにお別れできるようになれば、一歩前進というわけです。
それだけ、自分との距離感がつかめるようになったというわけですからね。
とはいえ、それが難しいのがダメダメ家庭出身者。
ということで、目の前のものを、敵認定して、復讐を誓い、そうして、ますますダメダメが進行してしまう。そして、立った後のダメダメな足跡も、ますます泥沼になってきてしまう・・・そんな人って、多いでしょ?

(終了)
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発信後記

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉なんですが、最初は「どのような漢字を当てるのかな?」と思いました。
「立つ鳥」なのか?「経つ鳥」なのか?
「跡を」なのか?「後を」なのか?

どっちでも、意味がとおりますよね?
まあ、(飛び)立つ鳥は、(水)跡を濁さない・・・という意味が元々というわけなんでしょう。
しかし、最終的な意味は、「経つ鳥は後を濁さない」に近くなっています。
漢字というのは面白いもの。

漢字の使い方でスゴイと思ったのは松尾芭蕉の「奥の細道」の最初の俳句。
「行く春や鳥啼き魚の目は泪」という俳句。
「鳥鳴き」でも「鳥泣き」でもなく、「鳥啼き」と当てているし、
「涙」ではなく「泪」
慟哭の絶叫であり、泪なんだということが、圧倒的に伝わってくる。
イヤ!すごい!
おまけに「目は泪」であって、「目に泪」ではない。助詞の使い方もスゴイ。俳人といっても、他の俳人とは、次元が違っていますね。
ちなみに、助詞というと、本文中で「私も鳥類学には詳しくありません」なんて書いていますが、意図的に「も」を使っています。意味がわかる人は笑ってくださいな。
また、俳句で「目は泪」ではなく、「目で泪」となると、ちょっと笑える。
「魚の目で泪」とつながってしまうので、本当に泣けてくるわけ。色々と考えて見ると面白いもの。文章表現というのは、実に面白いものなんですね。
この文章に関連した文章だと、09年5月20日配信 「意趣返し」という文章があります。
R.11/1/5