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カテゴリー 会話のスタイル(発言側)
配信日 09年10月16日 (11年1月26日 分離独立 )
タイトル で、実際のところは (怒られた言葉が思い出せない)
追記 09年10月16日配信の「生データーの不在」から分離独立いたしました。(11年1月26日)
 ダメダメ家庭の人間は抑圧的であり、思考や判断から逃避している。
だから、当然のこととして、思考や判断の材料も軽視することになる。
だって、判断をしないんだったら、判断材料も意味なんてありませんよ。
そんな人は、人とのやり取りの記憶も、生な形では出てこないもの。

判断から逃避するという点だけでなく、たとえば、人から怒られたことのような不快な記憶であれば、それを思い出さないように心理的な防御が働くことになる。
このような内容については、「記憶耗弱」というお題で、以前に文章を配信しております。
人間は、自分自身を保護するために、記憶の発動に抑制を掛けたりすることも多い。自分の感情を大きく揺さぶるような記憶は、脳の中に保管されていても、出てこなくなってしまう。
だから、やり取りの最中で、「それは、具体的にはどんなやり取りだったの?いつ、どこで、誰が、どんな言葉を使ったの?」なんて聞かれても、何も答えられない。
これは、記憶した中身が取り出せないというアウトプットの不全と言えます。

それ以外の理由で、人から怒られたことなどの不快な記憶が思い出せない事態も発生します。
被害者意識が強いダメダメな親は、子育てについても、親である自分が押し付けられた被害として認識している・・・いつも書いていますが、これが、ダメダメ家庭の現実なんだからしょうがない。
それを論理的に破綻していると言っても意味がない。だって、そんな「子育てというものを、親である自分が押し付けられた被害」と考えるような人間が唯一できるのは、子作りだけだし、そんな人間の相手をしてくれるのは、自分の子供だけ。
現実はそうなっているわけです。

そんな親は、当然のこととして、自分の子供にグチり続ける。
だって、他にすることなんて何もないわけですしね。
それにグチの相手になってくれるのは、自分の子供くらい。
しかし、そんなグチを聞かされても、対処のしようがないでしょ?
どうせそのグチに意味なんてあるわけではないし、いつも同じグチなんだし・・・

と言うことで、ダメダメ家庭においては、親がグチりだしたら、グチられた子供は、感情を滅却するようになってしまう。
「心ここにあらず。」境地を獲得してしまう。

そんな「心ここにあらず。」なんだから、当然のこととして、親の言葉なんて何も覚えていませんよ。前にも書きましたが、覚えていても、どうせ親はその言葉を繰り返すわけですしね。
このような流れでも、結果的に「怒られた言葉が思い出せない」状態になってしまう。この場合は、そもそも怒られた言葉を記憶しないというインプットの不全のケースとなります。

インプットの時点で、怒られた言葉を記憶しなかったり、あるいは、記憶していても思い出せないというアウトップの時点であれ、いずれにせよ、怒られた言葉の具体が出てこない。
そうなってしまうと、事態を説明する際に、自分の断片的な感情ばかりを言って、客観的な状況説明がなくなってしまう。
語ることも、自分がかわいそうな被害者という説明につながるものばかり。
そんな人は、別の人とのやり取りに際し、「あ〜あ、あの人から怒られちゃったわ!」なんて言っても、怒られた具体的な言葉が出てこない。
「厳しく怒られた!」とか「散々怒られた!」とは言えても、「○○という言葉で怒られた。」と具体的に説明することはできない。

「あ〜あ、あの人から怒られちゃったわ!」「ワタシはどうすればいいのかなぁ・・・」と言ったりしても、だから、『じゃあ、その人は、どんな言葉でアナタに怒ったの?』なんて質問を受けると、何も答えられない。

そして、
「ワタシは、人の気持ちが分からないから・・・」
「相手が逆上したから・・・」
とか、その時に「思った」ことを語るだけ。

本来なら、その怒った言葉を踏まえることが必要でしょ?それこそ『もっと大きな声で言いなさい!』と怒られたのなら、その言葉に対応して、次からは大きな声で言えばいい話ですよ。あるいは『アンタ!何を言っているのか、サッパリ分からないよ!』なんて言葉で怒られたのなら、次からは、5W1Hを踏まえて、もっと具体的に説明しないとね。
怒った言葉というものは、怒りの感情を発露したものであると同時に、ある種の注意事項の説明の面もあるでしょ?
『アナタはこんな面が不十分だから、その面をちゃんと修正しなさいな。』
親が子供に怒るということは、本来はそんな観点でしょ?

しかし、ダメダメ家庭では、そんな観点は全くない。
ダメダメな親は、自分の被害を語っているだけ。子供にこうしてほしいなんて思って子供を怒っているわけではない。
「オマエのせいで!」と感情的に怒鳴っているだけ。
怒りというよりも、犯人認定の儀式となっている。

そんな家庭で育ったので、怒っている人の言葉を聞かない習慣になっている。
それに、真剣に聞いたとしても、心理的に負担になるだけ。どうせその面では修正しても、別の面であら探しをして、クレームをつけてくる。親の言葉なんて、聞くだけ不快な思いをするだけですよ。
そんな習慣だから、親以外の人からでも、怒られたら「心ここにあらず」状態になってしまう。だから、言葉を聞き取るのを心理的にやめてしまう。
ダメダメな親に対しては、そんな態度でOKだし、そんな態度でないと生きてはいけない。
ダメダメな親は自分の言葉を聞いてほしくて、あるいは、子供のためを思って、子供を怒っているわけではない。

そんな家庭で育っているので、誰かから怒られると、相手の言葉を聞いたり、考えるのをやめてしまう。しかし、「怒られた」という事実はとりあえず残っている。被害者意識が強い人間にしてみれば、人から「怒られた」という「被害」は、なかなか忘れるものではない。おまけに、人を「怒らせた」という加害者意識は、「いい子」ちゃん志向のダメダメ人間にしてみれば、罪の意識となっている。
だから、「あの人に、怒られちゃった・・・どうしよう?」と誰かに相談したりすることもある。
しかし、『どんな言葉で怒られたの?』と聞いても、何も回答がない。
ただ、「怒られちゃった!ああ!怒られちゃった!ああ!どうしよう!」と言うばかり。

そんな状態なので、聞かされた方も、とうとう言ってしまうのは、『で、アンタとしては、結局は何が言いたいの?ワタシは何を分かればいいの?』『とりあえず、その時のやり取りの言葉を、そのまま言ってよ!』と言うことになってしまう。
以前にその人に対して怒った人も、たぶん、その言葉で怒ったのでは?
結局は、また怒られてしまったので、そんな場からそそくさと逃げ出し、何も改善しない。

そんなやり取りばかりしているので、自信がつかない。
意を決して誰かとやり取りを始めて、相手から怒られて、また別の人とやり取りを始めて、その人からも怒られる・・・そんなことの繰り返し。
自信がないからこそ、やり取りにおいては、逃げ場所を確保するようになる。
怒られたらスグにトンズラできるように逃げ口を準備する。
それこそ、立ち位置が傍観者然としてしまったり、あるいは、自分が直接的に体験した事態は思い出せないので、別の人の体験を持ち出してくることになる。
つまり、人づての話が多くなる。
しかし、人づての話ばかりを聞かされても、聞かされた側は、やっぱり対処ができない。

結局は、相手から、「さっきから人づての話ばかりだけと、アンタ自身はどう考えるの?」と、やっぱり怒られることに・・・
そうして、「えーとぉ・・・それは・・・」「だってぇ・・・ミンナ言っていることだし・・・」と言いながら、そそくさとトンズラしてしまう。
あるいは、より相手から突っ込まれると、「そんなことは言っていない!」と、さらなる逃げ。もともと「人づて」の話は、自分が言っているわけではないという弁明が入った言葉でしょ?
それに輪を掛けて、そもそも物理的にも、「そのような言葉をワタシは言っていない!」と、言い出すケースも多い。人づての話ばかりの人ほど、跡になって、「そんなことを言っていない!」と言い出すものでしょ?
だって、自分で考えた上での言葉ではないんだから、心理的な実感がないんですからね。記憶にも残りませんよ。

ダメダメ家庭の人間は当事者意識がなく、普段から「てきとう」に生きているんだから、逆に言うと、トラブルが起こりやすい。
トラブルが実際に起こってしまうと、周囲の人なり、トラブルによって影響を受けた関係者と一緒になって善後策を検討する必要もある。

そんな時には、周囲の人なり、関係者が言ったりするもの。
「あの時に、アナタはこんなことを言ったよね?」
あるいは、
「あの時の、アナタのこのような行動の影響で・・・」

そんな指摘があると、ダメダメ人間は真っ先に叫ぶことになる。
「ワタシは、そんなことは言っていない!」
「そんなことはしていないわ!」
いや、まあ、ホント、お約束のように登場してくるものですよ。
実際に、皆さんも聞いたことがあるでしょ?

それこそ、このメールマガジンの直接の対象としているダメダメ家庭だったら、ダメダメな親はそんな物言いをいつもやっているもの。
子供が何かを言っても「ワタシはそんなことは言っていない!」
トラブルが発生しては、「そんなことは言っていない!」
また、トラブルが起こっては、「そんなことはやっていない!」
そうして、「ワタシは悪くないわ!」

しかし、関係者としては、その人から、実際に「そんなこと」を言われたりしているもの。
だから、いわゆる「言った」「言わない」の不毛の議論になってしまう。

ダメダメな人間は当事者意識がなく、自分自身で現状を認識しながら、物事を自分で判断しながら行動する人間ではない。その場の雰囲気で「てきとう」にものを言ったり、行動したりするもの。そんな人なんだから、当然のこととして、自分の発言とか行動を覚えているわけがないじゃないの?

実際に、「そんなことは言っていない!」と主張する人に対して、『じゃあ、その○○の時は、アナタは実際にはどのように言ったの?』と聞いてご覧なさいな。感情を交えない客観的な形で描写してもらったら?そうなると、回答なんて返って来ないもの。
それどころか、「ワタシは言っていないわ!」「どうしてそんなことを聞くのよ!キーっ!」「ワタシを追い詰めようとしているのね!」と逆上状態になるだけ。
そうして、「ワタシはそんなことを言っていないのに・・・イジメられてしまって・・・ああ!ワタシって、なんてかわいそうなの?!」と、被害者意識に浸ってしまうだけ。

「そんなことは言っていない!」と、後になって言い出す人は、トラブル発生前には、多くの前兆を見逃しているもの。つまり鈍感な人なんですね。
そんな鈍感な人が、自分自身の言葉を覚えているの?言葉を覚えている以前に、どのような現状認識をしていたの?しかし、そんな人は、自分が受けた被害だけを記憶していて、
自分が与えている被害は考えないし、だからこそ記憶もない。

他者から受けた被害の記憶は山ほどあっても、他者に迷惑を与えた記憶はまるでない。
それがダメダメ人間の記憶というもの。以前に書きましたが「忘却力」を持っている。
そんな人とやり取りを続けても、トラブルが深まるばかり。

「そんなことは言っていない。」という主張を受けたら、それに反論しても意味がないわけです。
だって、相手の記憶は「自分が受けた被害」しか記憶に残らない人なんですからね。
覚えている側が、『あの時は、このようなシチュエーションで、ワタシはこのように言って、アナタがこのように答えて・・・』と、状況を再現しても意味がないわけです。
皆様の中で、そんな再現シーンを説明して、つまり、主観を交えないもともとの客観的な状況に回帰して、ますます状況が悪化した方もいらっしゃるのでは?

ちょっと話が変わりますが・・・
このメールマガジンのバックナンバーのサイトには、リーダース・チョイスというものがあります。購読者さんが印象に残った文章を、リストアップしたものです。
親とのやり取りが具体的に思い出せない人は、リーダース・チョイスの選定も難しいようです。
このメールマガジンの文章はなにも読者さんに対して怒っているわけではないわけですが、それに類する捉え方をしている場合には、「怒られた言葉が思い出せない」状況に近くなってしまうんでしょうね。
自分に都合が悪いことを言われたら、スグに心頭滅却してしまう・・・抑圧的な人間にはそんな傾向があるわけです。そんな習性があれば、ここにある一連の文章を読んで心頭滅却してしまいますよ。

まあ、リーダース・チョイスを選定できないくらいなら、どってことはありませんが、誰かとのやり取りを生な形で説明できるようにはしておかないと、やり取りの相手から怒られたりするもの。しかし、抑圧的な人間は、逃げ場を求め、どうしてもヴェールがかかった言い回しをしてしまう。
だからこそ、解決が遠くなってしまい、やり取りの相手から、やっぱり怒られることになってしまうわけです。怒られた言葉が思い出せないが故に、また、怒られてしまう・・・そんなスパイラルになってしまったことがある人も、現実にいらっしゃるのでは?