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カテゴリー ダメダメ家庭の被害者意識
配信日 09年12月2日 (11年1月24日 分離独立)
タイトル 被害による絆
追記 09年12月2日配信の「吹き溜まりスパイラル」から分離独立 (11年1月24日)
ダメダメ家庭の人間は被害者意識が強く、グチばかり語っている。
「アイツのせいで、うまくいかない!」
「ああ!オレって、なんてかわいそうなんだ?!」と嘆いてばかり。
そんなグチばかりの人を相手にしたいと思うマトモな人間がいるわけもなく、結局はそんな人間の相手をしてくれるのは自分の子供だけになってしまう。しかし被害者意識が強く、会話の能力がないという点は、やり取りの相手が自分の子供であっても何も変わるわけでもない。
子供にしても、そんな人とのやり取りなどはしたくはありませんよ。
しかし、子供は親を避けることが現実的に難しく、親の被害話を聞かざるを得ない。

そんな親の被害話や嘆きの声ばかり聞かされると、子供としては「もうこれ以上、親に迷惑を掛けてはいけない!」と切羽詰った心情になってしまう。
なにせ、親としては「子育てのために、自分の人生を棒に振ってしまった!」と嘆いているわけですからね。犯人とされている子供としても、色々とプレッシャーになりますよ。
しかし、そんな切羽詰った心情の日々だからこそ、問題も起こしてしまうことになる。
それに、「自分こそが一番かわいそうな人間だ。」と確信を持っている親に対して、子供としても問題が小さいうちに、協力を仰ぐこともできない。
ちょっとでも相談すると、「いったい、誰のためにこのワタシがこんなに面倒な思いをしていると思っているんだ?!」と逆ギレされるだけ。
結局は、子供だけで対処しようとして、トラブルがますます大きくなってしまう・・・まあ、この展開は、お約束状態と言えます。

子供が問題行動を起こして、親の側が更にグチることになる。
「あ〜あ、ウチは上手く行かない!」
子供の問題行動に対処せず、グチばかりを言っている家庭を周囲としてはどう見るのか?それについては、言うまでも無いことでしょ?
となると、家族全員で、周囲から孤立するのは当然のこと。

そうして、子供までも、「ワタシは、かわいそうな被害者なんだ!」「世間の連中はオレたちのことを、何も分かってくれない!」という境地に達することになる。
家族全員で、被害者共同体のようなものになってしまう。

ダメダメ家庭の典型として例示するボクシングの亀田3兄弟って、その典型でしょ?
私は、ボクシングのことは分かりませんが、あの父親や3兄弟の言動を見て、マトモと思う方はいないでしょう。しかし、あの3兄弟は、なんともまあ、いじらしいほどに父親を庇う。
「世間の連中は、オレのオヤジをいじめている!」そんな感じの発言が多いでしょ?

しかし、子供がそこまで親を庇うこと自体がヘンなんですね。
本来は、子供を庇うのが親の務めじゃないの?
このような状況は、それこそ長崎での小学校6年生の女の子の「被害者」の家庭もそんな傾向だったでしょ?
しかし、子供が親を庇うので、周囲の人間は、親にはタッチできない。
これって、それこそ児童虐待の状況そのものでしょ?
児童虐待の状況において、一時的に入所していた保護施設を、「親に迷惑が掛かるから。」ということで、自主的に出た子供が、結局はどうなるのか?
その展開は、ニュースなどではおなじみですよね?

あるいは、ドメスティック・ヴァイオレンスなどで女性が亭主から暴力を振るわれても、「被害者」の女性は、実家に対しては助けを求めない。そんな態度を、「だって、実家に迷惑が掛かるから・・・」と周囲に説明する。しかし、困った時に助けにならない家庭ということ自体が、そんな状況を招く立派な証明でしょ?
子供が親を庇うから、その家庭はいい家庭と考えこともできる・・・論理的にはそうとも言えますが、子供が熱心に親を庇う家庭で、上手く行っている家庭って見たことがありますか?現実は、子供だって、そんな気を使っていたら持ちませんよ。

そうやって、ますますトラブルが大きくなって、その親は嘆くだけで何も対処せず、ますます周囲から孤立してしまって、ますます被害者意識が強くなる。
そして、その被害者意識こそが、家族の絆となってしまう。

そんな絆では、前には進みませんよ。
あの亀田3兄弟が、そのうち警察のご厄介になるだろうなぁ・・・と思っている人も多いのでは?だって、あの父親には、そもそも自分の子供をマトモな市民に育てようという発想そのものがないでしょ?むしろ典型的な児童虐待の様相じゃないの?

しかし、周囲の人が、アドヴァイスしようとしたら、そんな被害共同体の家族はどう思うの?「もうっ!鬱陶しい!どうして世間の連中はオレたちのことを分かってくれないんだ!?」そうやって、絆がますます深くなる。
絆が深くなると言うよりも、泥沼が深くなる・・・と言えるでしょ?

そんな絆の中では、外部にある共通の敵の話題で盛り上がり、それにより結び付くだけでなく、お互いがお互いを敵として認定していたりする。ダメダメ家庭では、親の側は子育てによって、自分の人生がムダになった・・・と確信している。そんな子供は、親によって自分の人生が台無しになったと内心では思っていたりする。

お互いの顔を見ながら、「コイツのせいで・・・」と、自分を納得させてオシマイとなる。だからこそ、お互いが何も考えなくてもいい状態となっている。
だって、「悪いのは全部、コイツのせいだ・・・」と自分で納得しているんだから、当人自身では何もアクションしないわけです。
そんな人たちは、家を出て、縁を切って、自分一人でやっていこうとは考えない。
「親を反面教師にしている!」などと言いながら、ダメダメな親の周囲にいる。
お互いが自分の加害者として認定し合って、自分を被害者として認定して、その関係性に依存している状態。結局は親子そろって自己逃避で、ダメダメな状態。

そんな絆の中で、周囲の常識との乖離が、ますます進んでしまう。
もともとダメダメ家庭では一般常識を習得することができず、また社会との接点が少なく、周辺から常識を得ることも難しい。非常識であるがゆえに、一般社会とたまたま接触しても、「アンタは常識がない!」と怒られてしまう。だから、非常識な人間同士で結びつかざるを得ない。だから、ますます非常識になってしまう。周囲の人たちや、親戚全員が非常識。
一般社会常識もないし、親戚の全員が離婚していたり、シングルマザーだったりする。
そうなるとボランティアが寄ってきて、こんにちは♪ 皆さん一緒にグチりましょ♪

そんなボランティアの導きにより、グチがますます盛んになり、被害者意識がますます増大してしまう。
グチれば同情してくれる人ばかりが周囲にいるので、安心して、心ゆくまでグチることになる。
そして、グチるだけで何も改善しようとはしない。
何も対処しないで、グチばかりなので、事態はますます悪くなり、だからこそ、ますます被害者意識が強くなる。
しかし、その被害者意識こそが、唯一の結び付きとなってしまう。
そして、だからこそ当事者意識から離れていき、達成したい目標を持つこともなく、ただ犯人探しと犯人認定が加速していくばかり。
そんなダメダメ家庭は現実に多いでしょ?