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カテゴリー | ダメダメ家庭の顔 | |
配信日 | 07年2月20日 (11年2月5日 分離独立) | |
タイトル | 感情と表情 | |
追記 | 07年2月20日配信の「生気のない顔」から分離独立 (11年2月5日) | |
ダメダメ家庭を作る親は被害者意識が強い。 自分の子供を育てることも、自分が背負わされた被害だと思っている。 そして、子供からのちょっとしたことでも被害者意識を刺激され、大騒ぎをすることになる。ダメダメ家庭においては、子供にとってみれば、親は百害あって一利なしの存在といえる。 とにもかくにも、親を刺激しないのが一番。 逆に言うと、ダメダメ家庭の子供は、親の被害者意識を刺激しないように、配慮しながら日々を送ることになる。 どうせ、親に対して頼み事をしても、「いったい、だれのためにこんな苦労をしていると思っているんだ?!」と逆ギレされるだけで、その依頼に対処してもらえるわけでもない。 子供が言葉を使って親に対して何かを伝えるようなことをしなくても、自分の子供を自分に被害を背負わせている加害者として認定している親にしてみれば、子供からのちょっとの刺激に大いに反応することになる。 子供としては、そんな事態は避けようとするのは当然のこと。 それこそ、ちょっとした顔の表情でも、それが親には刺激になり、子供にしてみれば、不都合な事態につながってしまう。 しかし、子供だけでなく、人間というのは、気持ちが顔に出たりするでしょ? だから、顔の表情によって、親に刺激を与えることを避けようとすれば、感情全体を抑圧する必要がある。 そもそも、ダメダメ家庭においては、親は子供のサポートをするわけでもなく、子供の希望は一刀両断されるだけ。前にも書きましたが、親に対して依頼をしても「いったい、だれのために、このワタシがこんなにイヤな思いをしていると思っているんだ?!」と逆ギレされるだけ。 つまり、子供としては希望を持っていたとしても、それが実現されるわけでもなく、単に不都合な事態につながるだけなんですね。 それに、ダメダメ家庭においては親の側も、「どうせオマエは何をやってもムダだ!」「生きていても何もいいことはないぞ!」「まあ、これが運命だと思って諦めるんだな!」と言い渡すだけ。 結局は、「この門より入るもの、希望を捨てよ!」との門の銘に従うことになる。 そして、感情全体を抑圧するようになる。 ダメダメ家庭においては、希望にせよ、感情にせよ、百害あって一利なしのもの。 そんな環境にいる子供としては、それに適応してしまうわけです。 しかし、人間というものは、本来は、感情を持っている生き物でしょ? そして、その感情が、顔の表情に出ることもありますよ。 人間に限らず、ほ乳類だったら、顔から感情が見えることも多いでしょ? いくら、門の銘に従って希望を捨てていても、あるいは仏教の境地のように「心頭滅却」しても、子供がそんな悟りの境地に居続けられるものではないでしょ? ということで、子供も、たまに、感情を持っていたりする。 そして、それが顔の表情に出たりする。 感情ということでは、親の側も、感情を持っている。 ダメダメ家庭の基本は被害感情であるにせよ、多少のヴァリエーションもある。 ここで、親の感情と、子供の表情の組み合わせの事例を考えてみましょう。 1.親が「気分がよくて」、子供が朗らかな表情の場合。 この場合は、何も問題はないことは当然のこと。 一緒になって、ますます楽しい気分になりますよ。 ただ、マトモな家庭ならいざしらず、ダメダメ家庭においては、そんな理想的な状況はほとんどないことが現実です。そもそもダメダメな親が楽しい時って、じゃあ、具体的にどんな状況なの?ありえないでしょ? ダメダメ家庭を作る親が、心からの笑顔でいることなんて、ありませんよ。 だから、ダメダメ家庭を考える際には、このケースは想定しなくてもいいわけです。 2.親が「気分がよくて」、子供が浮かない表情の場合。 子供が浮かない顔をしていたら、マトモな家庭の親なら、「オマエも何か困ったことがあるの?」と聞くことになります。そもそも子供が浮かない表情の元に対し、何がしかの対処をするのが親というか保護者の義務というもの。それに親自身も気分がいい状態だったら、精神的に余裕がある。だから子供の困りごとにも対応することもしやすい。 とは言え、ダメダメ家庭の親は被害者意識が強い。どんなことでも自分の被害を考える。 だから、そんなダメダメな親としては、せっかく一時的に気分がよかったのに、子供の浮かない表情で不快な気分にさせられた・・・そのように、子供から被った被害にアタマが行ってしまうことになる。 そうして、「オマエのおかげで、せっかくの楽しい気分が台無しだ!」と子供に対しグチり出す。そうして「いったい誰のせいでこんな苦労をしていると思っているんだ?!」と更なるグチ。だから、親が気分がいい状態なんて続かないわけです。 3.親が「不快な気分」で、子供が楽しい表情をしている場合。 マトモな親だったら、「どんなにツライ状況でも、子供の笑顔を見ると、生き返る気分だ!」などと、言ったりするものですが、ダメダメ家庭ではそうは行かない。 「コッチがこんなにツライ状況なのに、自分の子供が何の苦労もなく過ごしている・・・ 子供のせいで、ワタシがこんな目に!」と子供を犯人認定することになってしまう。 そうして「あ〜あ、オマエは何の苦労もなくていいわねぇ・・・オマエのせいで、このワタシは・・・」とイヤミのオンパレード。そうして「いったい誰のせいで、こんな苦労をしていると思っているんだ?!」とのお約束の言葉となるわけです。 4.親が「不快な気分」で、子供が浮かない表情の場合。 まあ、ダメダメ家庭においては、この組み合わせが、いつものパターンです。 この組み合わせだと、一時的には、「まあ、ワタシたちって、なんてかわいそうなの?!」と盛り上がることもできる。つまりある種の「楽しい気分」に到達することができることになる。 不快な気分と、浮かない表情の組み合わせによって、楽しい気分に至る・・・という「流れ」は、マトモ家庭の人には考えられない世界でしょうが、ダメダメ家庭の中では、実際に頻繁に起こっていること。 さて、上記のような組み合わせを経て発生した状況が、次の感情や表情を生むことになります。まあ、一時的な状況はともかく、結局は不快な気分になってしまう。ダメダメ家庭の親は、たまに「気分がいい」状態であっても、ちょっとのことで不快な気分になって、グチグチと言い出す。 そんな家庭にいる子供としては、「親が気分の悪い状態」であると前提に行動する必要があると言えます。 だからこそ、親に対して無用な刺激を与えることに警戒する必要がある。 つまり、子供にしてみれば、顔の表情が変化しないようにしようとする。 しかし、バスター・キートンのようなプロ中のプロでもないんだから、顔の表情だけをなくすことができるわけもなく、結局は感情全体を抑圧するわけです。 感情を抑圧し、精神的に抑圧を課しているので、そんな人は、受けたアクションに対するリアクションがなくなってしまう。そもそも、どんなリアクションをしても、親から責められるわけだから、ノーリアクションになってしまいますよ。 そして、そんなノーリアクションが顔の表情にも反映されることになってしまう。 顔を見ても、喜怒哀楽がまったくわからない顔になってしまう。それこそ北朝鮮の人の顔のようなもの。 どんな状況においても、顔の表情に変化がなければ、周囲にいる人間にしてみれば、ちょっと不気味に思ってしまうものでしょ?それだけではなく、その手の人に対して、何かアクションをしても、顔色一つ変えないで能面のようなままだったら、往々にして腹が立ってくるものでしょ? 「コイツ・・・ワタシの話をちゃんと聞いているのか?」 そのように思ってしまいますよ。 あるいは、「コイツ・・・いったい何を考えているのやら?」 そのように、警戒感を持つことになる。 つまり、恐怖に近い感情を呼び起こすわけです。 ダメダメ家庭出身者としては、いわば親からの攻撃に対する恐怖に対応して、顔の表情の変化がなくなってしまったわけですが、顔の表情の変化がないがゆえに、その人の周囲の人からの恐怖心を呼び起こすわけです。 だって、その心理が読めないだから、何をしてくるか分からないでしょ? やっぱり恐怖につながりますよ。 まあ、ドメスティック・ヴァイオレンスの「被害者」の女性は、この手の顔の表情がない生気のない顔の人が多いんですね。 表情を変えないが故に、相手の攻撃性を呼び込んでしまうわけです。 と言っても、もう大人になってしまったら、今更顔の表情を豊かにするなんてできないでしょ?それに、もともとの感情自体を抑圧しているんだから、顔の表情だけの問題ではありませんよ。 現実的に言うと、まずは言語によって、客観的に説明するようにするしかないわけです。 自分の考えをしっかり語る訓練をして、言葉に注目を集めるようにすれば、顔の表情の乏しさも補えるわけですし、自分の意向がそれなりに通ってくるようになったら、顔の表情も豊かになってきますよ。 そして、そのためには、相手に伝えたい自分の意向そのものを、ちゃんと自分自身に確認することが必要になるわけです。 「これだけは分かって欲しい。」というものを持った上でやり取りをしないと、トラブルになってしまいますよ。 自分との対話をしっかりした上で、誰かとやり取りをする・・・そんなプロセスを踏んでおかないと、相手から攻撃されるだけ。 そして、そんな攻撃を受けて、ますます警戒感が強まり、ますます顔の表情がなくなってしまう・・・そんな流れは現実にあるでしょ? |