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カテゴリー ダメダメ家庭の雰囲気
配信日 07年1月2日
タイトル トラブル日常会話
新年あけまして、おめでとう、ございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年ということで、どんな「お題」がいいのかな?と思っていたのですが、今回はちょっと総集編に近い感じの文章といたします。
本来なら、総集編は年始ではなく年末にするものなんですが、まあ、このメールマガジンは個人で書いているものですから、年末休みのために総集編なんて必要はありませんしね。

ということで、今回の総集編は「トラブル日常会話」ということでまとめてみます。

と言っても、「トラブル」と「日常」を組み合わせても意味不明だろ?
日常じゃないからこそ、トラブルなんだろう?
そのように思われるのは、当然。
まあ、海外旅行の前に泥縄で勉強するトラベル日常会話というものがありますよね?そのパロディとでも思ってくださいな。まあ、冬だからって、寒いギャグだねぇ・・・

たとえば、DV(ドメスティック・ヴァオレンス)などのような、家庭に関わるトラブルが起こった場合に、そのような情況において、日常的に飛び交う言葉を、「言われて一番うれしい言葉」「言われて一番不快な言葉」「一番頻繁に飛び交っている言葉」この3つ観点から取り上げ考えてみます。

1.「一番うれしい言葉」・・・「まあ、なんてお気の毒なの!
ダメダメ家庭の人間は、被害者意識が強い。どんなトラブルも自分の被害と捉え、「ああ!ワタシって、なんてかわいそうな人間なの?!」と自分を哀れむばかり。自分をかわいそうな人間と思っているから、他者から「アナタは、なんてお気の毒なの!」なんて言われると、まさに「我が意を得たり!」なんてことになり驚喜してしまうわけ。

「お気の毒な!」という同情の言葉を渇望する心情は、以前に取り上げたバルザックの「谷間のゆり」のアンリエットがその典型でした。「もう一度あなたに言ってもらいたいんです!『お気の毒な!なんてお気の毒な!』って。」なんて言って、自分に同情してくれることを人に要求する。そして「お気の毒な!」なんて言われると恍惚となってしまう。
そんな快感が忘れられずに、ますます「お気の毒」な情況を維持し、発展させようとするわけ。

2.「一番不快な言葉」・・・「アンタは、結局はどうしたいの?
ダメダメ家庭の人間は当事者意識がない。自分自身で問題を解決しようなんて思っていないわけ。自分自身で達成したい目標もあるわけもなく、だから自分で努力もしない。
いつも「て・き・と・う」に、あるいは人に合わせて、「ふ・つ・う」に生きているわけ。かといって、普段から「困った・・・困った・・・」とグチばかり。グチるのはいいとして、グチを言った相手から逆に聞かれてしまうこともなる。「困っているのはいいとして・・・で、アンタは結局は、どうしたいの?」。
当事者意識をもって普段から生きている人間だったら、「ワタシはこうしたい!」って言えば済む話dしょう。しかし、ダメダメな人間はその当事者意識がないのだから、そんな単純な問いに答えられない。

「アンタはどうしたいの?」なんて聞かれると、むしろ被害者意識に火がついて「アイツはイジワルは質問をしてワタシを追い込もうとしている!」なんて逆上するばかり。
「ワタシはこうしたい!」って、マトモな人間だったら、子供でも答えられる話でしょ?
子供でも答えられる質問に追い詰められて、ますます逆上する。だからダメダメ人間は「アンタは、結局は、どうしたいの?」と言われることが一番イヤなんですね。

3.「一番頻繁に飛び交っている言葉」・・・「悪くはない
「ワタシは悪くはないわ!」「オレは悪くないんだ!」「アナタは全然悪くはないのよ!」それこそDVの場面でお約束の言葉でしょ?逆に言うと、そんな言葉を言うような人間なんだから、そんな修羅場になるわけでしょ?
「悪くない」という言葉が意味不明であることは、このメールマガジンで頻繁に触れています。「悪い」という言葉を「よくはない」と分解すると、「悪くはない」は「よくはないのではない。」となり、さっぱりわからない。
そんなことを言ったりする人間にマトモな人間はいませんよ。

ちなみに、「悪くはない」という言葉をもう少し考えると、「今のままでいい」という意味にもなりますよね?だって「悪くはない」んだから、何か変更する点があるとでも言うの?
DVのような修羅場になっても、「悪くはない」・・・つまり「今のままでいい」なんて主張する。改善のために努力するのは加害者たるアッチの側だ!そんな主張は主張でいいとして、そんな人が結局は言いたいのは「このままでいたい!」「何も考えたくない」ってことになるでしょ?

当事者意識がないので、自分が改善のために「考える」ことはしたくない。それに被害者意識が強いので、「だって・・・悪いのはアッチだから・・・ワタシはかわいそうな人間なんだから・・・」と言い出し、自分の問題について考えることから逃げてしまう。
そんなトラブルの下では、「ワタシは悪くはないわ!」『オレは悪くないんだ!』と応酬するだけ。まさに双方から言われる言葉なんですね。そんな「悪くない」の応酬に、「アナタは悪くないのよ!」と新手が参入し、ますます混乱することになる。これでは解決できるわけがありませんよ。
そして結局は、「力」による解決しか方法はなくなるわけ。その力がフィジカルな暴力だったり、法律的な権力だったりするわけですが、基本的には、どっちもどっちでしょ?


さて、このようにトラブルが大きくなって修羅場状態になってくると、
「まあ、なんてお気の毒な!」と同情を寄せ、
「で、結局は、アナタはどうしたいの?」とは、決して言わず、
「アナタは全然悪くはないのよ!」と呼びかける連中がいますよね?

そう!ボランティアの連中です。
まさにダメダメのツボを押さえているわけ。

人間が生きていればトラブルも起きますよ。
そのトラブルを迅速に処置して、再発を防げばいい話でしょ?
しかし、そのトラブルが日常化してしまう・・・それがダメダメであり、そのトラブルの日常化に重大な貢献をしているのがボランティアというわけです。

上記の3つのトラブル日常会話をマスターしておけば、ダメダメが日常化するのも防げるでしょうし、あるいは、「立派なボランティア」として、他人をダメダメに堕落させることもできるでしょう。まあ、安心して、世界のダメダメな人とやり取りができますよ。

今年も、そんなちょっとした視点を提示していきたいと思っています。
では、本年もよろしくお願いいたします。

(終了)
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発信後記

重ねまして、あけましておめでとうございます。
このメールマガジンもいつになったら終わるのか?
早く後継者が出てほしいと思っているのですが・・・

さすがの私も、2003年の発行開始当初は2007年も配信しているなんて、夢にも思っていませんでした。こんなメールマガジンが不要になるような社会になれば、それが一番いいんでしょうが・・・逆に言うと、そうなるようにするために、配信している・・・ともいえるでしょうね。
R.10/12/5