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カテゴリー ダメダメ家庭の会話の雰囲気
配信日 04年12月6日 (10年11月19日 記述を追加)
タイトル 相手の幸福を断定したがる
「○○△△の人生ダメ出し劇場」なんて、テレビ番組もあったりするようですね?
強面のオバサンが、他人の人生を勝手に評価するような番組のようです。

まあ、そんなオバサンから「アンタはダメだ!」なんて言われたら不快になるのは言うまでもないことでしょう。しかし、別に「ダメ!」を出す方も、出される方も、「オ・シ・ゴ・ト」なんですからね。そんな程度のテレビ番組に対し、それこそ他人が「ダメ!」なんて力んで言う必要もないでしょう。

いきなり「アンタの人生はダメ!」なんて人から言われたら、当然のこととして不快になる。
では、逆のケースを考えましょう。
いきなり「アンタは幸福だ!」なんて断定的に言われてしまうケースです。

もし、「アンタは幸福だ!」と、人から断定されたらうれしいの?

ダメダメ家庭の親や、ダメダメ家庭出身者で、このような「相手の状況を勝手に幸福認定」するようなケースが多くあったりします。

それこそ色々とありますよね?
「今、アンタは人生で一番いい時期だ!」
「オマエは幸せな境遇だ!」
「君は何も困っていることもない!」
アナタがうらやましいヨ!

オーストラリア映画の「シャイン」という作品でも、父親が自分の息子に対して「ボクは幸せだ!」と強制的に言わせるシーンがありました。
ダメダメな人間は、やり取りにおいて、相手の幸福を勝手に断定するケースもあるわけです。

相手の幸福を断定した後で、「アンタが幸福なのに対し、この私は・・・」と、ご自慢のグチが始まるわけ。
自分のグチを展開するためには、相手が幸福でないとダメなんでしょ?
自分よりももっと気の毒な境遇だったら、グチも語れませんよ。
つまり相手の幸福認定は、自分自身のグチのための、壮大な?前置きになるわけですね。

まあ、「アンタが幸福なのに対し、この私は・・・」という程度のグチならともかく、ヘタをすれば、「アンタのために、このワタシは不幸になった・・・」という直接的な犯人認定に近い言葉になったりすることもある。
そんな人とのやり取りは楽しくないのは当然として、危険でもあるんですね。

まあ、そのような幸福認定も友人?のような同格の人間だったら、特に問題ないわけ。そんな人とはもう会わなくなりますからね。
それに、相手を幸福認定するような人は、その他の面でも会話の不全なダメダメ人間であることが通例です。ネタも少ないし、往々にして同じことを何回も言ったりするもの。何も好き好んで会いたい人じゃあないわけです。

問題になるのは、勝手に相手を幸福認定しようとするそんな人が、家族・・・特に親のケースです。
だって、親から「オマエは幸福だ!」「何も困ったことがない状態だ!」と幸福認定されちゃったら、子供の方は、困りごとを親に相談できないでしょ?

「ボクは確かに幸せなんだけど、色々と困っていることもあって・・・」とか、「何も困っていることはないんだけど、解決しなきゃいけないこともあって・・・」とか言い出すの?
そんな言葉は、まずもって日本語的にヘンですよね?

相手から勝手に幸福認定されちゃったら会話にならないわけです。
これが、ほんの具体的事項を幸福認定するのなら話は別でしょう。

「私は、今回の試験でヤマが当たって、90点だったわ!」
『アンタよかったわねぇ、アンタはラッキーよ!どうやってヤマを掛けたの?』
「それはねぇ・・・」

・・・こんな風に会話が弾むでしょ?具体的事項の評価なら会話につながるわけです。それに対し人生全部を評価されても会話につながらないでしょ?
「オマエは幸福だ!」
『ハイ!判りました。』
これでオシマイ。

相手から「オマエはダメだ!」とダメ出しされた場合は、反論することができますよね?しかし、「アンタは幸福だ!」と幸福認定されてしまったら、言われた方は対処がしようがないでしょ?力んで「いや違う!私は不幸だ!」と反論するの?それってちょっと無理ですよね?だからダメ出しされる以上にストレスが溜まっちゃうわけです。

ダメダメな親は、家庭内でそのような幸福認定をして、子供からの困りごとの持ち掛けを見事にシャットアウトして、「私の子供は幸福だ!」と確信することになる。
しかし、その認定において、子供の意向なり感情はどこにもないでしょ?
ただ、親の側から異論を許さない形で勝手に認定されてしまっただけ。
こんな状態だからこそ、子供がトラブルを起こしてしまうわけ。
そして、そんな事件の後での親のコメントもよくある言葉になってしまう。
「私の子供は、幸せな『ふつう』の子供だったのに・・・どうしてこんなことに・・・」

まあ、親からの幸福認定が、自分の子供を不幸に導く・・・そんなことは、ちょっと考えればわかることなんですね。

幸福認定は、外から勝手に認定するだけでなく、強制力に類するものを使って、「言わせる」パターンもポピュラーです。
それこそ、上記の「シャイン」という映画においても、「ボクはお父さんのおかげで幸せだ!」と自分の息子に強制的に言わせていました。
もちろん、支配下のものに対し、強制的に「ワタシは幸福だ!」言わせる姿は、北朝鮮でおなじみでしょ?

あるいは、ワンマン社長の会社においても、そんな様相になっている場合もあります。
オーナー社長さんが従業員に自分を絶賛させて、勝手に「その気」になってしまうわけ。
まあ、そんな会社がどうなってしまうのかについては、言うまでもないことでしょ?
しかし、逆に言うと、そんな会社社長は、いざ破綻のような事態になると、「ウチの従業員は、ワタシのことを慕ってくれていた。どうして、こんなことになってしまったのか?やっぱり時代が悪いんだ!政治が悪いんだ!」と騒ぐことになる。
ワンマン社長のそんな末路も、実際に見た人もいらっしゃるのでは?

相手の幸福を勝手に認定し、その言葉を相手に言わせるのは、結局は、自分のやっていることに自信がないわけ。
誰かに言ってもらわないと、不安になってしまう。
しかし、「求める言葉を言ってくれる」人は、その人の支配下にある人だけ。
だから、支配関係を利用して、「求める言葉を言わせる」ことになる。

支配関係を利用すれば、求める言葉は簡単に得られるわけですが、その結果がどうなるのかは、本来は小学生でもわかることでしょ?
しかし、そんな行為を家庭内で実際にやっている・・・それがダメダメ家庭なんですよ。

(終了)
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発信後記

日本の若い女性のプロゴルファーの話が載っていました。何でも自分の父親がキャディーをしていたそうですが、その父親を解任したそう。
その解任された父親が未練タラタラなんだそう・・・

ダメダメな親のよくいうセリフとして
「オマエのことは親である自分が一番よくわかっている。」という言葉があることは以前配信しております。
「オレが一番オマエのことを判っているのだから、オレを言うことを黙って聞け!」
そんな感じですね。

その父親も本当に子供のことをわかっていたら、未練タラタラなどにはならず、さっさと別のキャディーさんの元に行かせてやるでしょう。そして子供が困った時に相談相手になればいいじゃないの?

その女性ゴルファーの事件が今後どうなるのか、わかりませんが、「入れ込み」が強い場合にはとんでもない事態になる可能性も結構あります。
親が子供にストーキングしても、防ぎようがありませんからね。

娘に悪い虫がつかないように、オレががんばらないと・・・と言いながら娘に付きまとう親が一番タチが悪い虫。
R.10/11/19