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カテゴリー 会話のスタイル(発言側)
配信日 05年7月13日  (10年6月16日 に記述を大幅に追加)
タイトル 日本語がヘタ
ダメダメ家庭出身者は日本語がヘタ・・・なんて書くと、「じゃあ、アメリカ人はダメダメ家庭出身者なのか?」などと、しょーもない反論があるかもしれませんが・・・
今回の文章の「日本語」とは、日本人にとっての日本語・・・つまり母国語のこと。

ダメダメ家庭はコミュニケーションが不全の家庭です。これはこのメールマガジンで何回も書いています。コミュニケーションの基本は言葉であることは当然でしょ?
言葉がヘタな状態で、どうやってコミュニケーションするの?

つまり「いい歳」をして、日本語がヘタと言うことはダメダメということなんですね。
文章の上手下手について判断するのに非常に判りやすい例は、やっぱり書かれた文章でしょう。
内容はともかく、記述の仕方だけでも上手、下手はスグにわかることになります。
簡単にわかるのは、句読点の使い方。

句読点というものは、まさに文章の呼吸にあたるわけです。句読点がないということは、読み手にとって呼吸ができないことになる。これは文章の書き手としては失格でしょ?
また句読点が不適切な文章を書くということは、書き手が表現する際の呼吸が独りよがりであることがわかるわけです。同じようなことが段落分けにも言えます。

文章を書いたら、後になって、自分が書いた文章を、読み直すわけでしょ?
注意していてもどうしても発生してしまう誤字脱字の問題ではなく、不適切な句読点だったら、書いた当人自身が、まずはわかるものですよ。だから、修正すればいいだけ。
逆に言うと、不適切な句読点の文章は、書き手が自分の文章を読み直していないことが推定されるわけ。そんな人の文章がヘタクソなのは当然でしょ?

書かれた文章だと、句読点や段落分けで、呼吸のズレがスグにわかるわけですが、顔をつき合わせての口頭での会話の際にも「この人とは、どうも呼吸が合わないなぁ・・・」と思うような人っていますよね?
そのような人は、、頭の中で自分の妄想が実際の会話と並行的に進行していたりするんですね。だから妄想の呼吸に引っ張られるわけ。
だから、どうしても、言葉使いが下手というか、分かりにくいものになってしまう。
だって、そんな人は、やり取りの相手を生物的には見ていても、心理的には見ていないわけ。これでは分かりにくくなりますよ。

句読点などの呼吸に関わることばかりではありません。
別のケースとしては代名詞がわかりにくいケース。
「その」とか「これ」と代名詞を使うのはいいとして、あるいは、「彼」とか「あの人」とかの人称代名詞を使うのはいいとして、その代名詞が何を指しているのかが分かりにくいんですね。

前にも書きましたが、ダメダメ家庭の人間は、実際の会話と自分自身の妄想が並行に走っていることが多く、妄想の世界で代名詞が「指す」対象と、発せられた物言いにおいて、その代名詞が「指す」対象が一致しないケースがあったりするわけ。

そんな文章を読んだり、聞いたり、聞かされた挙句、まず最初に言わざるを得ないのは、
「さっきの『それ』って、何を指すの?」
「『あれ』って、一体、どんな意味で使っているの?」
「アナタのいう『彼女』って、誰のこと?」
と、内容そのものの確認ではなく、日本語の確認だったりするわけ。
そんな経験ってあったりするでしょ?

メールマガジンを発行していると、ご意見などを頂戴することもありますが、ちゃんとしたマトモな文章と、ダメダメな文章の違いははっきりあります。

上手な文章でなくても、読みやすい文章ってありますよね?まあ、ご意見のメールなどは、文学作品ではないのだから、技巧を凝らして表現したりする必要はないわけ。
相手が読みやすいような文章にする。相手に分かってほしいことを明確に意識し、あとは文法に沿って書くだけ。それに正しい敬語を使う。
相手が理解しやすいように配慮するって、コミュニケーションの基本でしょ?

普段から、「相手にとって読みやすい文章にしよう。」と思っている人なら、多少はミスがあっても、メチャクチャな文章になることはないものでしょ?

「オマエの文章に立腹したから、文法もおかしな乱暴な文章でもいいんだ!」とメチャクチャな文章を送ってきた女性もいましたが、その人が母親になって、子供がその母親を怒らせたらその女性はどのような対応をするでしょうか?もう歴然ですよね?

言葉というものはコミュニケーションの基本でしょ?言葉も上手に使えないような人間と結婚する人間もその程度。会話の能力がない者同士の夫婦になってしまう。
夫婦において一方が会話が出来て、一方が会話が出来ないということは絶対にないんですね。だってマトモな人は、そんな会話ができない人間と一緒なんて耐えられないでしょ?そもそもそんな相手と結婚なんてしませんよ。

ちょっと文章を読んだりすると、書き手のコミュニケーションの意欲なり能力がわかるわけです。
相手に分かりやすい表現にしようとか、誤解されないような正確な表現になるように気を使っていれば、どんどんと日本語も上手になりますし、何も考えない「てきとう」だったり、「尻尾を捕まえられないよう」にと、減点法的に気を使ったパターンだと、そんな言葉を受けても、「で、結局は何が言いたいの?」と疑問に思ってしまうだけ。

何も、その物言いとして、表現がヘタであっても、それこそ添付資料を事前に用意しておけばいいだけでしょ?
多少、物言いがヘタでも、添付資料がカバーしてくれますよ。
だから、結果的に、相手に伝わることになる。
それに、事前に添付資料を作成することによって、自分が相手に伝えたいことなり、その表現について、予行練習ができるでしょ?
自分の書いた文章を読み直せば、それだけで、日本語の予行演習になりますよ。
それに、相手に対して何をわかってほしいのかという点において、文章を書きながら、確認できるでしょ?
そんな訓練を積み重ねることによって、直接的なやり取りにおいても、余裕を持って行うことができるようになるわけ。

物言いがヘタな人に限って、添付資料も用意していないもの。
結局は、相手にわかってほしいこと、それ自体について自分でもわかっていないわけ。
添付資料を事前に用意しておく人は、添付資料がなくても、ほとんど分かるもの。
しかし、添付資料も用意していない人は、聞いただけではさっぱりわからない。
まさに、言葉を使った説明においても、「二極化」してしまう。

勿論のこと、出来のいい文章とそうでない文章の違いはあります。これはレヴェルが高い人の話。そもそも相手に配慮しないやり取りを繰り返してきた人間は、どうしても言葉そのものがヘタであるわけ。それを「ワタシは日本語がヘタで・・・」とエクスキューズする人もいますが、それって、その歳になるまで「相手に配慮したコミュニケーション」とは無縁だったことの証明なんですね。そんなエクスキューズをする人の言葉など考慮に値しないわけです。
皆さんも、ちょっと記憶をたどって見られればお分かりでしょうが、「ワタシは日本語がヘタで・・・」と言う人の話の中身で、傾聴に足る中身があったことがありますか?

「ワタシは日本語がヘタ。」と、すぐにエクスキューズする状況は、自分としては、言いたいことはあっても、相手に分かってほしいことはない状態。
それだけ、相手が見えていないわけ。
相手の存在を心理的に認識していないんだから、当然のこととして、日本語がヘタだし、それにトラブルになりやすい。

言葉というものは、コミュニケーションの道具であるだけでなく、思考の道具でしょ?人間は言葉を使って考えますよね?
ヘタな言葉を使っていて、ちゃんとした思考ができるの?

何も教科書的な言葉使い以外は許されないというわけではありません。相手にわかりやすい言葉使いと、自分自身の品格に考慮した言葉使いが必要だと申しているだけです。上手い日本語ではなくても結構ですが、ヘタな日本語はダメダメというわけ。
言葉への配慮のないまま10年間過ぎてしまったら、いつも配慮をしながら言葉を使っている人との間には決定的な差が生じてしまうわけ。
そんな後になって、「私は日本語がヘタで・・・」なんて言い訳するのは見苦しいでしょ?

ヘタな日本語は、程度の低い会話能力の証明ですし、程度の低い思考の証明であるわけ。そんなヘタな日本語しか使えないような人間の言葉を、無理に理解しようとする必要はないわけ。むしろ、そんな人から距離を置くことが、自分の身の安全のために重要なんですね。

(終了)
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発信後記

日本語だとほとんど関係ありませんが、英語だと発音そのものに社会階級による差があります。
ちょうど映画「マイ・フェア・レイディ」で描かれているようなものです。

それこそ、サッカーのベッカム選手の発音は労働者階級の発音ですし、以前デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドさんのインタビューを聞いていたら、彼女の発音も労働者階級の発音でした。別にサッカー選手が上流階級の発音をする必要ないでしょうし、ウエストウッドさんも王室御用達を狙っていないのなら、それでOKというわけでしょう。勿論のこと、労働者が悪いというわけではありませんよね?発音がちょっとねぇ・・・と思うだけで・・・

ヘンな話ですが、クイーンズ・イングリッシュしかわからない人間は、イギリス人の言っていることがチンプンカンプンのケースがあったりするわけ。一般のイギリス人の発音は、むしろオーストラリアの英語に近かったりします。だからさっぱりわからない。

しかし、例のロンドンの爆破事件での政府高官のコメントや記者発表の際の英語は、わかりやすい。あの発音は典型的に上流階級の発音です。
しかし、英語の発音なんて学校でちゃんと教育すれば、なんとかなるんじゃないの?社会全体でそのような意識さえ持っていれば改善できるはずでしょ?どうもその意識が欠けているような気がいたします。
言葉を聞いているだけで、その社会の問題がわかったりするものなんですね。

せめて日本人はちゃんとした日本語を使わないとね。

ちなみに、前回のムダ話に関連して、「アンタは若貴兄弟どっちを応援しているの?」と聞かれましたので・・・
基本的にどっちも応援していません。だって、兄弟それぞれが本当にしたいことって、兄弟ケンカではないでしょ?折角だから、この機会に自分が本当にやりたいことは何だろうか?と考えればいいんじゃないの?今はそのようなことを考える勇気がないからケンカしているだけでしょ?
自分が本当にやりたいことを考える際には、自分たちの父親を自分なりに再評価する必要が出てきます。やっぱりそれが怖いんでしょうね。

「敵に勝つのではないんじゃよ。おのれに勝つんじゃよ!ふぉ、ふぉ、ふぉ。」って、この手の世界にはおなじみの言葉。貴乃花が知らぬわけがないでしょ?
R.10/6/16