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カテゴリー | ダメダメ家庭が持っている発想 | |
配信日 | 07年1月26日 (10年1月27日に記述追加) | |
タイトル | 近親憎悪 (同属嫌悪) | |
以前より、少年たちがホームレスの人を襲撃して殺したりするような事件がありますよね? まあ、少年らの言い分は色々とあるでしょうが、気に入らないからといって襲撃して殺すこともないでしょ? 匂って臭いのなら、ハンカチで鼻を押さえて、サッサと立ち去ればいいだけ。 何も無理して絡む必要なんてないじゃないの?絡んだとしても、自分が臭くなるだけ。 どうして無理に襲撃するの?どうして素通りできないの?どうして無視できないの? それは襲撃した少年にとって、そのようなホームレスの方々が無視できない・・・もっと的確に言うと、「実に近い存在」だからでしょ? 近い距離と言っても、物理的な近さではない。心理的な近さなんですね。 近頃の言い方で言うと、両方とも「負け組」でしょ?そして自分の意向を相手に分かりやすく伝えるという会話の能力がないダメダメ家庭の出身。いわば兄弟分のようなもの。 襲撃した少年にしてみれば、「ボクらも、いずれは、ああなってしまうだろうな・・・」という心理的な恐怖があるわけです。だからこそ、その「違い」や「遠さ」を自分に確認させるために、襲撃するわけです。 「ボクは彼らとは違うんだ!」彼らとしては、そう言いたいんですね。 まあ、そんな行為こそが、逆に言うと、「近さ」を際立たせている・・・現実的には、そんなものでしょ?心理的に近いがゆえに、憎悪を強制的にも燃やさざるを得ない。 このことは、学校でのイジメでも全く同じ構造でしょ? まあ、ホームレスの方々を襲撃するのはシャレにならない。しかし、世の中にはこのような近親憎悪でも笑えるようなものもあったりします。 とあるイギリスのロックバンドの男性が、「近頃のサッカーのイングランド代表選手は軽薄でホモ野郎だ!」と言ったそう。 イングランド代表選手が実際にホモなのかは知りませんが、そんなこと本来はどうでもいいことでしょ?その手の人にモーション掛けられて困った・・・と言うなら分かりますが・・・まあ、イギリスのロックの世界だったら、実際にあるでしょうねぇ・・・しかし、実際に会ったこともない人間だったらホモだろうが、どうでもいいことですよ。どうしてそんなことを意識するの? たぶん、そのロックバンドの人が、深層心理ではホモっ気があるんでしょうねぇ・・・ だから無視できないんじゃないの? 「オレはそんな気はないんだ!」なんてムキになっているだけでしょ? 「今の代表選手は軽薄でダメだ!昔の代表選手のようにストイックでたくましくなければダメだ!」って、そういう言葉の方が、聞いていて『オイオイ!』って笑っちゃいますよね? まあ、人の愛の形は色々とあるでしょう。昔から「可愛さ余って憎さ百倍。」なんて言葉もありますしね。 まあ、この手の近親憎悪は笑って済む話。 最近ポピュラーな近親憎悪は、やっぱりインターネットの掲示板の世界でしょう。 そのような場では、韓国の人をやたら感情的に非難していたりするものが多かったりするでしょ? 私のメールマガジンでも韓国の問題は取り上げたりしています。しかし、それはダメダメの実例として取り上げているだけです。日本でのダメダメ家庭の人と同じ症例が顕著に見られるのが韓国人の行動です。そのような奇妙キテレツな韓国人の行動を観察することから、我々自身の中にあるダメダメを顕在化させたいと思っているだけです。 しかし、インターネットの掲示板での韓国人の取り上げ方って、はっきり言って感情的でしょ?客観的な論理ではなく感情的に韓国を非難しているだけ。そう!まるで韓国人のようにね。 重要なことは「自分はどうしたいのか?」「自分の問題点は何なのか?」それを自覚し、必要に応じ、周囲の人に的確に伝えるということでしょ? 感情的に非難し、韓国人による被害にばかり注目すること自体が、「近さ」そのものでしょ? 「オレたちは韓国人とは違うんだ!」と顔を真っ赤にして、感情的に主張しても意味ありませんよ。 そんな感情的な非難のスタイルこそが、心理的な近親性の証明のようなもの。 あるいは、このような近親憎悪が描かれている古典作品としては、有名なホメロスの「オデッセイヤ」があります。 トロイア戦争によって、オデッセウスが不在のおり、その財産を掠め取ろうとして、その妻ペネロープに多くの求婚者が押し寄せてくる。 そして、連日連夜、オデッセウス家のおごりで、酒盛りを繰り広げる。つまり、「たかって」いたわけです。 そんな求婚者たちは、正体を隠し、「こじき」に身をやつしたオデッセウスに罵詈雑言を浴びせる。 「オイ!オマエ!『こじき』なんてやって、人にたかってばかりで、恥ずかしくないのか?!」 まあ、「たかってばかり」なのは、その求婚者の方なんですが、そんな自分たちの「やましさ」を、「こじき」に投影して、その投影した自分のやましさを非難するわけです。 同類だからこそ、過剰な非難によって、「オレたちは、アイツと違うんだ!」と無理に主張しなくてはならない。 逆に言うと、そんな無理な非難こそが、心理的な同質性の証明のようなもの。 まさにホームレスの人を襲撃して喜ぶ、負け組み学生と同じなんですね。そんな姿は、古代ギリシャの時代から何も変わっていないわけ。 必要以上の攻撃は、相手に向けたものと言うよりも、自分と相手との「違い」を自分自身に確認させるための儀式と見た方が自然なんですね。 対面での議論でも、インターネット上でのやり取りでも、何かを議論する際には、現実を直視して、客観的に理解し、人に分かりやすく伝えることが必要でしょ? 直視した現実が、「この手の人と自分は実は近い存在なんだ。」ということなら、それを認めるしかないでしょ?それがイヤなら、自分自身の問題点を改善していけばいいだけ。 相手を、キライならキライでいいのですが、「どうして彼らを嫌悪したり憎悪するのかな?」と、ちょっと立ち止まって考えてもいいわけでしょ? そんな中から自分自身についての知見が得られるものなんですね。 しかし、ダメダメ人間は、自分自身から目を逸らす。 そして、本心では自分自身がキライ。 そして、自分自身を嫌っていることからすら、目を逸らす。 だから自分と似ている人間を見ると、鏡を見て、自分自身のネガティヴな面を見せ付けられるようでますます不快になる。だから憎悪の念が、より強くなってしまう。だから、「自分と似たもの」に対し、強い憎悪を持たざるを得ない。 近親憎悪というと、本年の最初の頃に取り上げた、歯科医師宅での兄妹バラバラ殺人事件が、まさに典型でした。 似たもの同士だからこそ、憎みあう。 まったく違ったものだったら、無視すればいいだけですよ。 あの文章を配信して以降出てくる情報や関係者のコメントも、まさにダメダメ家庭の事件としてはお約束と言っていいくらいの典型ですよね?逆に言うと、あの事件は防ぐことが可能な事件と言えるわけです。 少年たちによるホームレス襲撃も、バラバラ殺人も、インターネット掲示板での感情的な非難も・・・結局は、そんなことをしても自分自身の向上にはならないでしょ? しかし、自分自身から目を逸らす人間ができることは、そんなことくらいなんですね。逆に言うと、そのようなことばかりしている人たちは、自分自身から目を逸らすダメダメ家庭の人間であることが推測できるもの。そして、自分を納得させるための儀式の大きさも、どんどんとエスカレートしていってしまう。 だから、その手の人は、ちょっとしたきっかけで、大きな事件をしでかす可能性も高いわけです。 (終了) *************************************************** 発信後記 まあ、人間は立場が違っても、似たことをやっていたりするもの。 政治の世界だと政党が違っても、やっていることは同じなんて、実に多いでしょ? 昨年に民主党の前原さんが、ガセメール事件で失脚しましたが・・・ 当時の民主党の議員の反応は「アタマが軽くてヘマばかりやっているボーヤは、もうこりごり!この次は経験があって重みがある人にやってもらいたい。」なんて心情がありありでした。ということで小沢さんになったわけ。 今後は自民党の側が、「アタマが軽くてヘマばかりやっているボーヤは、もうこりごり!この次は経験があって重みがある人にやってもらいたい。」といった雰囲気ですよね? となると具体的に誰? 考えられるのが、まあ、福田さん。 福田さんも、それが分かっているようで、今は静かにしている。ちょうど小沢さんが、ガセメール事件の時に静かにしていたように。 ライバルになりそうな麻生さんは、谷垣さんが刺し違えたので、当面はなさそう。 そもそも参議院選挙前にトップが交代となると、どうしても選挙の顔としての能力も問われることになる。となると、福田さんでは都合が悪い。やっぱり選挙の顔としては麻生さんの方が上だし、ヘタをすると小泉さんの再登場なんて事態になってしまう。 だから選挙までは安倍さんで、選挙の責任を取らせて退陣。その後しばらくは大きな選挙もありませんから、ここで福田さん・・・そんな流れなのでは? 早期に麻生さんに禅譲の線は、谷垣さんの発言で消えましたからね。まあ、谷垣さんもバカではないでしょうから、あんな発言を「考えもなしに」言うわけもありませんよ。この功績により福田内閣では、きっと重要なポストになる・・・んでしょうね。 ちなみに、別にどこの政党を支持しているというわけではありません。 私が関心があるのは、方向性ではなく方法論のみです。 |
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この文章と関係がある文章としては、09年2月16日 「自分の欠点の投影」という文章があります。 | ||
R.11/1/8 |