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カテゴリー ダメダメ土曜講座(トピック編)
配信日 09年2月28日
タイトル 逆上予備軍
ダメダメ家庭の人間は、自分自身から逃避している。
自分で現状を認識し、そして自分で考えることに恐怖感を持っているもの。
人間がもっとも大きなアクションを起こすのは、恐怖心に由来するもの。

逆に言うと、その大きなアクションから、その人の内在する恐怖心が見えてくるものなんですね。

さて、このメールマガジンで、たびたび「逆上メール」について触れたりしております。
まあ、実際にいただけるんだから、ネタとしても有効と言えます。
いただく方の私はともかく、じゃあ、送った側は、どうしてそんな逆上メールを送ってしまったのでしょうか?そんなメールを送ったところで、この私に変化があるわけないじゃん。
つまり、そんな逆上メールは、何よりも自分自身を納得させるため・・・いや!鎮めるためにやっているわけ。
その心理には、ある種の恐怖心があるんでしょうね。

自己逃避の人間は、自分自身の現状を「見せられる」と、逆上してしまう。
そんな光景は実にポピュラーなもの。
それこそ以前に取り上げたトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」で見事に描かれております。

逆に言うと、普段から自己逃避の人は、逆上予備軍といえるでしょう。
じゃあ、どんな行動をしている人が逆上予備軍なの?
ということで、今回は、様々な自己逃避のスタイルを見てみましょう。

自分で考えることから逃避している人は、「人に合わせすぎる」ものです。
「人に合わせていれば」自分で考えることから解放されるでしょ?

自己逃避している人は、自分で考えることがキライ。
だから人から、何か言われた場合には、逆上はしないまでも、特徴的な対応を取ったりするもの。

たとえば、メールのやり取りにおいて「スグに返事を出したり」することになる。
スグに返事を出してしまって、もうそれ以上は考えない。
あるいは、相手のメールの文章の、細部に対して必死に反論したりはしても、相手の文章の全体については無視したりするもの。いわば「逐語レス状態」。

まあ、逆上するような人は、クイックレスか、ノーレスかの両極端なんですよ。その手の人は、当方からメールをだして、半日以内で返事が来ない状態だったら、もう金輪際返事は来ないと思って間違いない。逆に言うと、そんな両極端な人は、自己逃避なんですね。

そんな人は、対面でのやり取りにおいては、相手から自分の都合の悪いところを突かれないように、相手が話している最中に「無意味なチャチャ」を入れたりするもの。
結局は、やり取りがシリアスになるのが怖いわけです。
あるいは、自分の都合の悪いマターに議題が移らないように必死な状態。

自分で考えることから逃避しているので、逆に言うと、「人にアドヴァイスをしたがる」もの。
他人の問題に首を突っ込んで」自分の問題から逃避するしてしまう。
そんな人の集団が、ボランティア
そんな人たちは、「恵んでやる」という上からの物言いが大好き。
逆に言うと、相手から自分自身の問題を指摘されないようにしたいわけです。
やたら「上からの物言い」をする人は、逆上しやすいということは、皆さんも実際に体験なさったのでは?

逆上する人は、自分の欠点が自覚していない人。
その欠点を指摘され、「見せられる」と逆上することになる。
自分の欠点だって、前から自覚があれば、余裕でいられるでしょ?
「ハハハ・・・ワタシもわかっているんだけど・・・まだまだねぇ・・・」
と言えばいいだけ。

抑圧的で自己逃避の人たちは、自分自身の現状と直面することに恐怖心を持っている。
その恐怖心が爆発すると、とんでもない行動をする。
その爆発の前に、避ける必要があるわけです。
まあ、そもそもやり取りしていても面白い人ではないんですけどね。
自分の目で見て、自分の言葉で語ることが出来ない人は避けた方が無難・・・って、ある意味において当然のことですし、それに誰でもできることでしょ?

(終了)
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発信後記

先週の文章で言及した前財務大臣の中川さんですが、バチカンの美術品に手を触れて騒ぎになったとか。なんでもラオコーンの像に触ったそう。
どうせなら、バッカスの像でも触ればギャグになったのに。

中川さんはロンドンのナショナル・ギャラリーで「LADY JANE」という絵を見て以来、美術が好きになったとか、記事がありました。
ナショナル・ギャラリーの「LADY JANE」と言われても誰の作品なんだろう?
タイトルに「LADY」が付いているし、それにJANEという名前からイギリスで活躍した画家の作品が想定されますが、ファン・ダイクにもケインズボロにも、ちょっと探しても出てこない。フランスやイタリアの絵画のタイトルを、展示する際に英語風に直した可能性もないわけではありませんが。

JANEという名前と、イギリス絵画の結びつきとなると、今現在、東京の上野の美術館で開催されているウィリアム・モリスの夫人のJANEさんがいます。彼女は、夫以外の画家のモデルにもなっていて、イギリス人にあるまじき美形ぶりが絵になっています。
まあ、お耽美好きの人は悶絶するくらいの美形ぶりだし、雰囲気がまさにお耽美。
ただ、そのJANEさんを描いた絵は、近代の絵画を展示しているテイト・ギャラリーに展示されています。昔はナショナル・ギャラリーにあったかもしれませんが、今はありません。
「LADY JANE」という絵は誰の作品なのか?正直言って私にはわからない状態。
本来、絵について言及する際には、まずは画家の名前を語るものであって、作品のタイトル名を語ることはほとんどないもの。

人とやり取りする際には、相手がその分野に詳しくない場合には、相手が間違って語っていることも考慮しないといけない。先日配信した文章で、会話におけるリミッターについて考えてみましたが、話す際だけでなく、聞き取る際にも必要になってくるものなんですよ。

Paul Delaroche(1795-1856)
"The Execution of Lady Jane Grey"(1833年)


なお、上記文章をお読みになった方より、情報提供をいただきました。上記の「LADY JANE」は、上記の絵の可能性が高いのでは?というご教示です。
ご教示いただいたことを、ここでお礼申し上げます。

ちなみに、上記の絵は、このJane Grey が17歳で処刑される1554年2月12日における最後の瞬間を描いた作品です。
R.11/1/2