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カテゴリー ダメダメ家庭の序列意識
配信日 05年1月7日 (10年6月2日 に記述を追加)
タイトル 上からの物言い
ダメダメ家庭の出身者との会話はつまらないことが多い。
出身家庭において、会話の基本的スタイルを習得して来なかったので致し方がない面もあります。
相手の話をちゃんと聞く。自分の意見は丁寧に伝える。
このような会話の基本を、ダメダメ家庭では習得できませんからね。せめて自分がダメダメ家庭出身者だと自覚していれば、自分の「ふつう」の会話スタイルが、世間一般の「ふつう」とは全然違っていることを自覚できるので、まだマシといえるでしょう。
あとは、少しずつでも直していけばいいだけ。

ただ、ダメダメ家庭出身者は往々にして、「自分の出身家庭がダメダメである。」という自覚すらない。だから自分が実家において体験したやりとりのスタイルを、長じた後で、そのまま踏襲してしまうんですね。

以前配信した内容で、ダメダメ家庭の人間は「値踏みされている意識」を持つことが多いと書いています。自分自身に自信がないので、「人からどのように見られるのだろうか?」と常に考えてしまう」わけです。だから、やり取りの相手側から値踏みされている意識を持つわけ。
逆に言うと、「相手から安く見られてはいけない!」と危機感を持っている。

それに、ダメダメ家庭は自分自身で考えることをしない。一種の権威主義的であることも以前に配信しております。序列意識が強いわけ。序列が高い、つまり「権威者に近い立場であればそれでOK!」などと思っていたりするわけ。

このようなことが組み合わさったりすると、会話において「上からの物言い」をしたりします。ちょっとわかりにくい表現になってしまって申し訳ありません。
人との会話において、「自分が権威者である。」あるいは「自分こそが評価する側である。」と言ったスタイルでの物言いになるんですね。

「ウン!その考えはいいわね!!」
「その方向で、このまま行こうねっ!」
「随分、よくなったわ!!」
「それが正しい方向よ!!」
「そんな考えはダメ!」
「ここは直さなきゃ!」

まるで先生が生徒に言うような物言い。
しかし、そのように言われて、言われた方はうれしいの?
まあ、言われた方が思うことは決まっています。
「どうでもいいけど、アンタ自身はこの件についてどう考えるの?」
「アンタは一体、何様のつもり?」

往々にして、このような上からの物言いをする人は自分の意見を言わない。
他者の見解に対しての感想を表明したり、評価したり、別の人の考えを紹介することはあっても、自分の意見を言って、相手側から「値踏み」されるのが怖いわけ。このように「上からの物言い」をしていれば、自分が「上の立場」で「権威者」であるように印象付けられる・・・と思っているわけですね。

しかし、それはまさにダメダメ家庭出身者ならではのことで・・・
そんな感じで、初対面でいきなり「上からの物言い」をされた方は不快に思うでしょ?
それも自分自身の意見は何も言わない人間から・・・

もっとフランクに会話を展開した方が楽しいのに・・・
会話というものは「序列」を決する勝負の場面ではないでしょ?

しかし、「なんとか『上の序列』をゲットしたい!」と切望しているダメダメ家庭出身者は、会話において「上からの物言い」をして、「この勝負に勝とう!」としちゃうんですね。
「自分が上の序列であることを相手に印象つけよう!」と思っているわけ。
おサルさんの序列競争のような感じなのかな?

勿論、自分がよくわかっている専門分野についてのやり取りだったら、「上からの物言い」をすることもあるでしょう。しかし、そのような場合は、単なる「上からの物言い」だけでなく、「自分自身の見解や意見」も、あるいは、自分自身の成果も、より具体的な形で的確に示すことができるわけですし、それを丁寧に説明できるものでしょ?ダメダメ家庭出身者の「上からの物言い」は、決して自分の考えを言ったりはしないんですね。ひたすら「上からの評価者」の立場に立とうとするわけ。

勿論、その手の人は、そのような「上からの物言い」を意識してやっているわけではありません。子供の頃からの習慣なので、無意識的に出来てしまうわけです。だから本人にも自覚がないわけ。
逆に言うと、このような「上からの物言い」をスグするような人間は、ダメダメ家庭出身者と見て間違いないでしょう。だって、相互理解につながるような本当の会話に発展しない発言スタイルは、マトモ家庭では歓迎されないことですからね。

そんな「上からの物言い」の人は相手にしない方がいいわけ。ヘタに「この人は立派な人だわ!」「きっと、物事をよくわかっているんだろう!」と思っちゃうと、「入れ込んだり」「入れ込まれたり」の修羅場になりかねません。

そんな「上からの物言い」に、違和感を持つうちはまだしも、懐かしさを感じているようでは、その人もオシマイと言えるでしょうね。
ただ、この手の「上からの物言い」をする人は意外にいたりします。
そんなとき感じる違和感を、大事にしないと、同じような人間になっちゃいますよ。

ちなみに・・・
この「上からの物言い」は「値踏みされている意識」につながっていて、「後ろめたさ」とか「コンプレックス」が背景にあるもの。
だから、「自分にちょっとやましいところがある」と、逆に「上からの物言い」になったりするものです。
それだけ、相手から突っ込まれるのが怖いわけ。

ダメダメ家庭とは直接関係ありませんが、夫婦間で急にこんなスタイルの物言いをされたら、浮気の可能性あり。自分が浮気してちょっとやましく思っているので、逆に居丈高になったりするわけ。放って置くと行くところまで行っちゃいますよ。
あるいは、何でも風俗に遊びに行って、その行為?の後になって、相手の女性に対して説教するようなお客もいるんだそう。
それこそ「こんな仕事をやっていてはダメだ!」「親御さんが悲しく思ってしまうぞ!」と相手をしてくれた女性に説教する。
そんな説教によって、自分のやましさをごまかすわけ。
そして、相手方を犯人認定することで、自分を被害者の側においてしまうわけ。

やましく思っていると、「自分がペースを握らないと!」と必死になってしまう。だからこそ、どうしても、上からの物言いが多くなる。
私の知っているクレーマーの人もこんな感じ。
相手との交渉の席で、「最初に一発かまして、ペースを握ろう!」と思うのでしょう、ガツーン!とハデな言葉を最初に言ったそうです。「私はなんてスゴイ!」と思ったようですが、そんなことは典型的なクレーマーの手口。自分のクレームに本当に自信があるのなら、相手の話を十分に聞けるはずでしょ?
まあ、プロには通用しない手口なんですね。

また、クレーマー国家といえる北朝鮮もまさにそんな感じでしょ?実際の国家間の交渉の細部はわかりませんが、育ちの悪い人ほど、あるいは自分にやましいところがある人ほど、居丈高だったり、こんな「上からの物言い」をしたりするものです。
本当に自信がある人は、相手の話を余裕を持って聞けるし、自分で自分を笑えたりできるもの。

あるいは、インターネットの掲示板での書き込みの文章のスタイルは、実に、「上からの物言い」が多いでしょ?
相手を自分の下の存在だと確定させるような言葉使いをしたりするもの。
それこそ、ボクシングの亀田親子のように、相手をゴキブリ呼ばわりしたり、呼び捨てにしたり・・・
その物言いによって、「相手は自分より下だ。」と自分に納得させたいわけ。

このようなことは序列の確定を目的としているばかりではなく、「コイツのせいでうまく行かない」という、犯人認定の一種でもあるわけ。
「コイツが悪いんだ!」「全部コイツのせいなんだ!」
そのように、自分に納得させるための、下確定の物言いなんですね。
だから、相手に対して敬意を払った物言いであってはならないわけ。
相手に対する敬意のなさを、物言いで表すことによって、序列や「被害者vs加害者の関係性」を確定させようとしているわけです。

しかし、「自分が上なんだ!」というムリに大きく見せようとする振る舞いは、結局は、その人のコンプレックスが見えてくるものえしょ?
しかし、自分に本当の自信がないからこそ、必死で上の立場であることを主張する必要があるわけです。

そもそも、評価者然とした立ち居地から、誰かの文章を読むのなら、最初から読まない方がマシ。自分自身がそのマターについて、よくわかっているのなら、そんなところに行かずに、あるいは、対象者不明のような場所で文章を発信するのではなく、自分なりに文章をまとめていた方がマシですよ。自分の考えに自信があり、それを多くの人にわかってほしいのなら、「上からの物言い」をするよりも、丁寧でわかりやすい説明の文章にするのがスジというもの。

評価者としての振る舞いを必死でやっている人は、往々にしてその人による成果がないでしょ?
成果がないがゆえに、評価者として上に立つしかないわけ。

インターネットの掲示板においても、自分が知りたいことがあるから、掲示板で情報を求めるという発想なら、そんな場所に行くことも、それなりに理解はできるでしょう。しかし、情報を求めている状況だったら「上からの物言い」の文章が跋扈しているところはイヤでしょ?

「上からの物言い」は、情報交換にはふさわしくないし、会話による意見交換なり相互理解にも不適。
しかし、序列を決定したり、確認したりするには、適した物言いと言えるわけ。

このような発言のスタイルの問題は、ボケっとしていると気がつかない場合が多いもの。しかし、ダメダメ家庭出身の人間の発言のスタイルとしては実にポピュラーなものです。
多分、皆様の周囲にも必ずいらっしゃると思います。

(終了)
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発信後記

家庭問題は、人間の歴史始まって以来、ずっと続いているわけです。
このメールマガジンでダメダメ家庭出身者の一つの姿として、「相手に入れ込み」、「あの人を救えるのは私だけ!」と思い込み、相手にストーキングする例について触れたこともあります。

ストーカーは「相手を困らせてやろう!」と思ってストーキングしているのではなく、「相手を助けてあげよう!」と思っているわけ。善意から発しているわけですね。
だからこそタチが悪いわけですが・・・

約200年前のモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の登場人物にドンナ・エルヴィーラという女性がいます。
有名なオペラなので、ご覧になったり、お聞きになられた方も多いでしょう。
オペラの中で、そのエルヴィーラさんは、「あなたを救えるのは私だけよ!」と、ドン・ジョヴァンニをストーキングするわけ。

芸術に格調なんて関係ありません。そこに真実があるか?どうか?なんですね。
しかし、さすがモーツァルトはスゴイ!!
人をよく見ている!!

ストーキングの問題だって、人類の歴史とともにあるわけです。
ストーキングや児童虐待の問題が、最近の問題だと言っているような人は、何もわかっちゃいない人なんですね。
R.10/6/27