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カテゴリー 相談という場におけるダメダメ家庭
配信日 04年3月29日
タイトル 相談相手がいない環境
ダメダメ家庭の問題が深刻化する原因の大きなものが、周囲に相談相手がいないことと言えます。たとえ、トラブルがあったとしても、小さいうちに対処できたのなら、大きなトラブルにはなりませんよ。
しかし、ダメダメ家庭の人間としては、トラブルが小さいうちに対処するのは現実的に難しい。
そもそも人に相談すること自体が苦手であることは前回配信いたしました。
と同時に、適切な相談相手を見つけることが大変に難しいわけです。

「近くに住んでいるご近所さんに相談したら?」
などと、もっともらしいことをおっしゃるオヤジやオバンもいるでしょうが、そんなことは不可能ですよ。
毎日顔をあわせている人に対して、込み入ったことはなかなか言えないでしょ?夫婦や子供の込み入った問題をペラペラしゃべるわけには行かない。それにヘタにアドヴァイスをもらったりすると、それが適切とは言えないアドヴァイスであっても何らかのアクションを起こす必要があるでしょ?
相談を持ちかけた人から、相談の後になって、「あの方法試してみた?」なんて言われて『やっていません・・・』とは言えないでしょ?たとえ、それが無意味なことであったり、逆効果になることが分かっていることであっても、いったん、相談の場を設定してしまうと、何らかの対処をする必要がでてきてしまう。

やっぱりちょっと離れた立場の人の方が、少なくとも最初の相談相手としてはありがたいわけです。

しかし、そのような相談窓口に座っているような人ってどんな人?
まあ、大体は退職した役人とか、非の打ち所のない(とされる)立派なお母さんですよね?
それって、説教オヤジやオバンの典型でしょ?
そんな人にダメダメ家庭の問題が理解できるの?
それこそ、ヘタに相談したらどうなるでしょうか?

「子供を愛せないってアンタはケダモノなの?」
「シャキっとしなさいっ!」
「元気を出して!!」
と叱咤激励されてオシマイですよね?

子供の方だって、そのような人に相談を持ちかけたら、「子供を愛さない親はいないのだから、家庭内で話合ったら?」と問答無用の正論で門前払いを食らわされることは何回も書いています。
まあ、子供だけでなく、大人が相談しても結局は門前払いになっちゃうんですね。

家庭問題は相談相手を見つけることに大変に苦労する。
対応する行政もそのことに問題意識を持っていませんし・・・
行政のサイドは、その手の状況においては、いわゆる権威筋のご意見を引用するだけですよね?
しかし、権威筋のご意見ってどんなの?

以前配信した文章の中で「子育ての権威さん」の話を紹介いたしました。子育てについての本を何冊も書いている権威さんです。
その子育ての権威さんが実際に育てた子供が、もう何年間もその権威さんに電話一つよこさないという没交渉状態になっているという実話です。
そうなんですね!
子育ての権威と言っても本を沢山書いているというだけであって、実際の子育てがうまくできたというわけではないんですね。

では、なぜに権威と言われるの?

それは「部外者受け」しやすい意見を臆面のなく展開しているからでしょ?
家庭問題の権威の方は、子育ての問題、とりわけダメダメ家庭の問題を実際に体験した親や子供が頼りにした人ではないわけです。むしろ子育てに直接にタッチしないような部外者が評価したような人の方でしょ?実際の子育てにおいて困難に向き合った「親」や「子供」・・・つまり「当事者」が認めた人間ではないでしょ?
いかにも「とおり」がいい、「部外者受け」の見解を臆面もなく言い放つ。
これが権威者の特色でしょ?
だから、現実に家族の問題で困りごとになって、その手の人に相談しても、実際の現場とは遊離した正論で説教されるだけになってしまう。

だから家族問題の権威と言われる方は、むしろ加害者のキャラクターを持っていることが多くあります。実際に困っている人の話を真摯に聞いていたら、そんな立派な正論なんて言えないでしょ?
だから権威者という存在は、むしろ「人の話を聞かないタイプ」なんですね。
形の上では聞いていても、心情的には聞いていない状態となっている。
別のところで書いていますが、相談を持ちかけられても、最初から結論が見えていて、後はその出来合いの回答をだすだけになっている。
逆に言うと、その手の出来合いの回答がとおりのいい分野に行きたがることになる。

実際の例として私が驚いたことがあります。
私が家庭内暴力(ドメスティック・ヴァイオレンス)の講習会に参加したときのこと。
講師は中年の男性でした。
これがまた恐ろしいほどに、ヘタな話し振り。話に抑揚がなく一本調子
まあ、熱意があっても、技術的にヘタなのならまだしょうがない。
しかし、その人が問題なのは、面白く話を展開しよう、分かりやすい話し方をしよう・・・と言った意欲そのものがないことでした。
自分の意見を人に伝えるためには、相応の努力が必要でしょ?
ところがその講師は、そのような努力を放棄してひたすら自分の『善意』に酔いしれるばかり。
妻に暴力を振るった夫を糾弾するヴィデオを映して、うっとりする始末。

「ドメスティック・ヴァイオレンスは夫のコミュニケーションの能力不足が原因です。」と判りきったご高説はいいとして、講師の話し振りそのものがコミュニケーション能力の不足そのものでした。
私はここでその講師の個人攻撃をするつもりはありませんよ。いわゆる権威者という存在が、逆効果を持つ典型的な例として挙げたまでです。

その分野の権威者になるためには、人の話を聞かないキャラクターであるばかりでなく、お金が有り余っていて、時間も有り余っている人間であることが必要ですよね?
そのような人間にダメダメ家庭の厳しい現実が理解できるの?
いや!そもそも、理解しようといった気持ちすらないことが多いんですね。
ただ、正論を問答無用に言い放ちたいだけ。そして、自分の善意に酔いしれたいだけ。
逆に言うと、そうするには、善悪がはっきりしていて、かつ、会話をする必要のない事例の方が好都合となる。

まあ、ドメスティック・ヴァイオレンスのような状況だったら、加害者の側は、「脛に傷もつ身」であり、反論はしてこないし、被害者の側は、人を見る目がない人間なんだから、説明能力も会話の能力もないダメダメ人間でも、お金さえあれば、介入できますよ。
しかし、そんな介入者が、その状況における適切なサポートができるというものではないでしょ?

ですから、その講習会において、私はその権威者さんに「家庭問題は相談相手を見つけることが非常に難しいことなのですが、あなたは何か考えがありますか?」と質問したのですが、要領を得ない回答でした。
多分、今までそのようなことを考えたことがないんでしょう。
そんな権威者さんに実際に困っていることを相談したらどうなるのか?
もう、火を見るより明らかですよね?

そもそも、適切な相談相手を見つけられるような、人を見る目がある人なら、ヘンなオトコとくっついてドメスティック・ヴァイオレンスなどにはなりませんよ。結婚相手の選択で失敗する人は、相談相手の選択で、必ず失敗しますよ。「パンがないのなら、ケーキを食べればいいじゃないの?」なんて理屈は通じないでしょ?
周囲にちゃんとした人がいるような状況だったら、そもそもトラブルは、そんなちゃんとした人によって、事前に察知され、小さいうちに対処されますよ。周囲にマトモな人がいないからこそ、大きなトラブルになってしまうわけです。だからこそ、トラブルの相談についても、身近な人にしても効果がないわけです。
と言うことで、ダメダメ家庭の問題に限らず、家庭の問題の難しさは相談相手を見つけることが非常に難しいことは避けて通れないわけです。
たとえ、その問題の権威者とされている人であっても、それは部外者受けの場合がほとんど。

家庭問題を考えるに際し、「その見解が部外者受けのご高説なのか?当事者に役に立つ真摯なものなのか?」についてはちゃんと見わけないと解決のために回り道することになってしまう。
ダメダメ家庭の問題の深刻化は、このような問題から避けて通れないわけです。

(終了)
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発信後記

前回の配信の文章で「親子の無理心中が起こる背景には『相談の仕方がわからない。』ということがある。」と書きました。まさにその配信の日に、東京で親子の無理心中があったそうです。
痛ましい話ですが、行政機関の方も、相談システムを基本的な観点から見直さないと、同じようなことは減らないですよ。
R.11/1/4