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カテゴリー | 様々な二重否定表現 | |
配信日 | 04年5月14日 | |
タイトル | 人に迷惑を掛けるな! | |
備考 | 「迷惑を掛ける」は意味的に否定形ですので、それを否定したこの文言は二重否定表現となります。 | |
今回の文章では『人に迷惑を掛けるな!』という言葉を取り上げます。 この「ダメダメ家庭の目次録」においては、ダメダメ家庭を特徴つける言葉なり行動を取り上げております。ちょっとした言葉に注目すると、その家庭の深層が見えてきたりするもの。そんな流れがあるので、ここで『人に迷惑をかけるな!』というセリフを取り上げると「?」と思われるでしょうね? 「『人に迷惑を掛けるな!』という言葉は、ダメダメな言葉なんかではなく、人間として基本と言えるほどに重要な言葉じゃないの?」 「どこが問題なの?」 「私も子供にいつも言っているわ!」 そう思われるでしょうね? 勿論、「人に迷惑をかけるな!」という言葉そのものが悪いわけではありませんヨ。 人間として最低限のマナーですよね? では、その『人に迷惑を掛けない。』ためにはどうすればいいの? 「具体的に教えてよ!」 そのように子供から聞かれたらどう答えますか? ちょっと難しいですよね? 標準的な答えとして「人の嫌がることはしてはいけない。」ですよね? では、「人の嫌がること」って、具体的にはどういうこと? どんなことをすると人は嫌がるの? 以前に配信した文章において、ダメダメ家庭出身者は「人の気持ちがわからない」ということで書いたことがあります。 ダメダメ家庭では親は普段からグチばかり、そして、その親は子供の不快なことしかしないため、子供としては感情が麻痺してしまって、「人の気持ちがわからない」人間になってしまうという話でした。 そうなんですね! 「人の嫌がることをしてはいけない。」と一般論で言われても、「どんなことが人の嫌がること」なのかがわからないと、全く意味がないわけです。 「人に迷惑をかけてはいけない。」という言葉そのものには賛同していて、そして、その言葉を言われた子供が、その言葉とおりに注意して行動しようと思っていても、「何が人に迷惑になるか?」わからないと具体的な注意のしようもありませんよね? これは、倫理的というよりも、論理的に当然のことでしょ? それこそ「若い女性はイヤ、イヤと言っていても、本当はイヤではないんだよ〜ん。」という週刊誌の文章を信じてエロ行為に突っ走るスケベなオヤジになったりするわけです。 本人は罪の意識がなかったりする。女性に迷惑を掛けているなんて思っていないわけ。 「だって、本当はイヤではないんだろ?」「イヤじゃないって、この本にはそう書いてあるぞ!」なんて言われたら目も当てられない。 「どのような行為が人にイヤがられるのか?」 その基準が出来ていないと、『人に迷惑をかけるな!』という言葉も何の意味もなくなってしまうんですね。 ちゃんと「人に迷惑をかけない人間」にするためには、子供がちょっとした迷惑行為をしたときに、親が適切に注意して説明することが必要になるわけ。 「今のように、アナタが騒いだりすると、静かに本を読んでいる人が困るでしょ?」 「走り回ったりすると、人にぶつかったりするから、ぶつかられた人も痛い思いをするでしょ?そういうことは迷惑なの!」 このようにタイムリーに説明することが重要でしょ? 抽象的なお題目を連呼することなど意味はないわけです。 しかし、子育てに対して当事者意識も責任感もないダメダメな親にしてみれば、このタイムリーというのが面倒。 後でまとめて「人に迷惑を掛けるな!!」と、子供に対して連呼していた方がラクですからね。 しかし、後になって、まとめて言われても、子供としては、一体何が迷惑行為だったかなんてわかりませんよね? しかし、ダメダメ家庭では「人に迷惑を掛けるな!」と言うばかり。 だから、逆に悪影響になったりする。 ダメダメな親はひたすら「人に迷惑をかけるな!」とお題目を連呼するばかり。 しかし、子供としてはダメダメな親から「何が人に迷惑なのか?」教えてもらえない状態なんですね。 しかし、親からは「人に迷惑を掛けるな!」としつこく要求される。 子供としては、いったい、どうすればいいの? 子供だって途方に暮れるだけですよ。 しかし、「私の子育ての基本は『人様に迷惑を掛けない』ような人間に育てることです。」 そのように発言する親は周囲からは評価されますよね?もう確実に拍手喝采ですよ。 「人に迷惑を掛けるな!」という言葉や考え自体は立派なものとしても、それだけではねぇ・・・ 『人に迷惑を掛けない』というのは、人のアイデンティティに関わるものではなく、いわばマナーの範疇に属するものでしょ? マナーやお行儀がよくても、ただそれだけだったら、当人にしても何も楽しくないでしょ? あるは、まさに「悪くはない」人と言えますが、一緒にいて楽しい人でもありませんし、社会にとって有益な人間ともいえないでしょ? 『人に迷惑を掛けない』というのは、成果を得るための、方法論に過ぎないものなんですからね。 別の言い方をすると、「人に迷惑をかけるな!」という考えは、いわば、食事における主食のようなもの。立派な言葉なので、まあ、「魚沼産コシヒカリ」としましょうか? 「魚沼産コシヒカリ」は立派なものでしょう。しかし、毎日の食事が「魚沼産コシヒカリだけ」だったら、その食事が豊かなものと言えるのでしょうか? やっぱりオカズがないとねぇ・・・ むしろ粗末でも「オカズだけ」の方がマシでしょ?毎日の食事が魚沼産コシヒカリというゴハンだけよりも・・・・ だから立派な言葉や考えも、それとセットになっている言葉を無視しては何も意味がないんですね。 「基本的にはオマエがやりたいようにやればいいのよ!」 だけど、「人に迷惑をかけちゃダメよ!」これならまだ大丈夫ですよね? いわば、ゴハンとオカズがセットになっている状態。 まあ、周囲の人の表情を見ながら、自分なりのやりたいことをやっていけばいいだけ。 あるいは、周囲の人からクレームが入ったら、そのクレームに対し真摯に対応すればいいだけ。 「人に迷惑をかけるな!」という言葉なり考え方も、いわば目標達成のための付帯条件としてだったら、意味があるわけ。 しかし、その考え方が人生の大目標だったら、とんでもないことでしょ? 「ボクは○○をやりたい。ただ、そのためには、できるだけ人に迷惑をかけないように注意していこう!」それなら、結構なこと。 しかし、『ボクは将来は、人に迷惑をかけない人間になるんだ!両親もそれを望んでいる!』 そんな言葉は、ヘンでしょ? 「人に迷惑をかけないのはいいとして、じゃあ、何をするの?」 そんな話になるでしょ? 何かをするに当っての付帯条件と、そもそもの目的なり目標とは、まったく別物ですよ。 前にも書きましたが、その人のアイデンティティに関わるものと、お行儀とかマナーの問題は違っていますよ。 しかし、ダメダメ家庭では、子供に対し「人に迷惑を掛けるな!」と連呼するばかり。 そんな、「人に迷惑を掛けちゃダメ!」「人に迷惑を掛けちゃダメ!」「人に迷惑を掛けちゃダメ!」・・・とカルト宗教のマインドコントロールのように連呼されるだけだったら、子供はどうなるんでしょうか? 前にも書いておりますが、ダメダメ家庭では「何が人に迷惑になるのか」学習する機会がないわけ。 そのような状態で「人に迷惑をかけるな!」と執拗に要求される場合、子供は具体的にどのように対応すればいいの? 「人に迷惑を掛けない」ためには「人に迷惑を掛ける可能性がある」自分自身がいなくなることが最良ですよね? あるいは「人に迷惑を掛けない」ためには「人に会わない」ことも、現実的な対策でしょ? 「どのようなことが、人に迷惑になるか?」そのような情報を子供に伝えていないダメダメ家庭が「人に迷惑を掛けるな!」と子供に連呼することによって、子供としては、その要求に従うために自殺や登校拒否ということになってしまうんですね。 実際に、上手に自殺すればいいだけですし、登校拒否だって、そんなに迷惑を掛けてはいないでしょ? それこそ、学校に登校すると、クラスメートからは、「オマエは迷惑なヤツだ!」と言われてしまう・・・ そんな状況になっているのなら、家で引きこもっていれば、「人に迷惑を掛けない」という親からの要求には応えていることになるでしょ? 自殺や引きこもりは、それは加点法的には、確かに問題でしょうが、減点法的に見ると、現実的な対処法でしょ? 減点の発生源を絶ったことになるんですからね。 何回も書きますが、達成したい目標は、アイデンティティにつながっていく。 そして、そのための方法論は色々とある。 「人に迷惑を掛けない」というのは、方法論であって、人生の目標とは言えないものですよ。 しかし、多くの人は、物事を細かく考えたりはしないので、「私の子育ての基本は『人様に迷惑を掛けないような人間にすること』です。」と言えば周囲にとおりがいいわけ。 しかし、それは毎日の食事が「魚沼産コシヒカリだけ」と同じで、逆に貧しい状態とも言えるわけです。 会話というものは「言葉の積み重ね」ですよね? だから、単独では価値がある言葉も、組み合わさっている他の言葉と合わせて吟味しないと逆効果になることもあるんですね。 「人に迷惑を掛けるな!」 確かに単独では価値がある言葉ですが、「どのような行為が迷惑になるのか?」一緒に伝えないと意味がありませんし、言われた方も対応できないものなんですね。 しかし、ダメダメな親は、一般論的に「人に迷惑を掛けるな!」と子供に連呼するばかり。 結局は、親である自分に対して、子供が面倒を起こして欲しくないわけです。 だから、子供も「面倒を起こさない状態」になるしかないでしょ?まあ、結果として、自殺したり、引きこもりになるのも当然なんですね。 (終了) *************************************************** 発信後記 このメールマガジンの発行マガジンの中でメルマガ天国では、他のメールマガジンを紹介するようなシステムになっています。 ということで、メルマガ天国からの発行のものは、最後に他のメールマガジンを紹介しております。 もし、その他から発行しているマガジンでも、自薦で紹介したいメールマガジンがありましたら、適宜紹介したいと思っておりますので、ご連絡ください。 |
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R.10/11/13 |