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カテゴリー ダメダメ家庭出身者の行動
配信日 04年10月20日 (10年9月27日,10年10月30日 記述を追加)
タイトル 自殺する
日本では年間3万人の人が自殺で死んでいるらしい。ちょっと前(04年)にも埼玉県で集団自殺がありました。自殺成功者が3万人と言うことは、自殺失敗者?も多数存在していることになるわけです。成功者?だけでも毎年1万人の3人の割合なんだから、これは、大変な数字ですね?
日本の交通事故での死者が年間1万人程度であることを考えると、自殺による死者は、本来は無視できるような数字ではないわけです。

よく、日本の自殺者の増加という報道においては、「昨今の経済事情の厳しさ」という「決まり文句」で片付けられてしまうことが通例ですが、貧乏での厳しさということなら、第2次大戦直後の状態の方が厳しかったはずです。

しかし、敗戦直後の日本人がそんなに自殺していたわけではないでしょう?本来は戦争の敗北で、経済的なダメージだけでなく、精神にもダメージを受けていたはずでしょ?
今の日本でも、いくら経済状況が厳しいと言っても、アルバイトの口がないわけではない。それに、いわゆるホームレスの方だって、見たところ結構太っている方も多い。
逆にホームレスの方が自殺するような例は、あまり聞きませんね?

「人はパンのみに生きるにあらず。」
ですから、人間は「希望」とか「将来の夢」があれば多少の貧乏は耐えられるのですが、希望なき状態では、パンがあっても「生きる意欲」が喪失してしまうわけですね。

絶望というものは、今現在が辛い状況・・・という問題ではなく、この状況がこれ以上はよくならないという「改善の見込みのなさ」でしょ?今の状況だけが問題というわけではないんですね。「改善への希望」を絶たなければならないので、「絶望」するわけで・・・
そして、絶望こそが、死に至る病なのは、昔から言われているとおり。

ダメダメ家庭の人は、やっぱり自殺する人が多くいます。
と言うより、自殺成功者や自殺失敗者のうちで、ダメダメ家庭の出身者が占める割合は非常に大きなものでしょう。
だから、自殺について考えるためには、このサイトで考察されているダメダメ家庭のメンタリティを考慮しておかないとトンチンカンなものになってしまう。

何と言っても、ダメダメ家庭では当人が困っていても、何もサポートしない。そもそも家族の・・・精神的なことなど関心がないんですね。まあ、経済的な機能には関心は持ちますが、メンタル面では何も配慮がないわけ。
もし、当人が失業でもしたら、「とっとと金持って来いや!」と、ヤクザの取立てのような家庭なんですね。とてもじゃないけど、家族に対しては、困りごとを相談なんかできないわけです。

それどころかグチを言われる始末。
「あ〜あ、こんな人と結婚するんじゃなかった!」
「ワタシの人生を返してよ!」
当人が困っている時に、家族から、これじゃあ、死にたくもなるでしょ?

本来なら、困っている時にこそ助け合うのが家族というものなのでは?しかし、ダメダメ家庭では人の傷口に塩を塗りこむようなことを平気でするわけです。
ダメダメ家庭は被害者意識が強く、スグに「自分こそが、かわいそうな側なんだ!」と思ってしまう。だからこそ、その被害感情を相手にぶつけることになる。

あるいは、被害者意識が強いので、加害者探しの心理もある。加害者探しの心理が充満している環境なので、ちょっとでも油断していると、トラブルの犯人とされてしまう。うまく行かないがゆえに、逆に言うと、そんな状態に陥った加害者とされないように、事前に相手を責めておくわけ。誰かに対して被害感情をぶつけ、「オマエこそが悪いんだ!」と早めに言っておくわけ。

しかし、被害感情をぶつけても、事態は何も改善しない。だからこそ、ますます不満が大きくなり、被害感情が大きくなって、相手をますます非難するようになる。
それが家庭内で行われるわけ。
家族が助けになるどころか、結局は、家族が自殺の要因なんですね。

それにダメダメ家庭というものは、「生きる張り合い」にはつながらない。
大体において、一緒にいても楽しくない連中なんだから、「この家族のためにがんばろう!」「家族の笑顔がオレの支えだ。」なんて当人としては思えないわけ。家族の側から、「こら!ワタシたちのために、しっかり働けよ!」と要求されるだけ。

それに、大人だけでなく、子供にしても、ダメダメ家庭においては「絶望的」な状況にある。そもそも、ダメダメ家庭は子供の将来を考えて子育てをしません。
ダメダメな親としては、子供なんて「ただ、『ふ・つ・う』であればいい。」「親に迷惑をかけなければそれでいい。」と思っているだけ。
そんな親に育てられている子供としても、自分の将来に対して、家族から何らのサポートも期待できずに大人になることが予想できるわけですから、もう自分の将来を諦めるのが精神的には一番ラクになる。
ダメダメ家庭においては、親は子供に対して、諦めという処世術を説いている。
だって、子供が何事にも諦めてくれれば、親としてのサポートはしなくてもいいでしょ?
それに、自分で自分を諦めることが、親の希望である「親に迷惑をかけない」ことの代表的な方法論でしょ?
そんな家庭の子供は、結局は、「この門より入るもの、希望を捨てよ!」となるわけ。

ということで、ダメダメ家庭の子供としては自分の将来をあきらめ、心頭滅却することで、日々を生き抜くことになる。そのように、元からして人生捨てちゃっている状態なんですね。
人生捨てちゃっている状態なんだから、結局は、命を捨てちゃうのは当たり前。

それどころか、ダメダメ家庭の親は、子供の前で「あ〜あ、生きていても何もいいことはない!」とグチっている。「生きていても何もいいことはない。」という言葉を聞かされ続けた子供が、やがて自殺してしまうのは、突飛なことなの?
むしろ、自殺しないことの方が不思議と言えるのでは?

あるいは、もっと攻撃的なパターンだったら「オマエなんて産まれてこなければよかったんだ!」という非難の言葉も、親は子供に投げかける。
そんな非難の言葉を受けて、その子供が自殺したら、それは非論理的なことなの?
むしろ、極めて論理的な行為であり、そして「親からの希望」に沿った行為でしょ?

親が子供に対し、「生きていても何もいいことはない。」「オマエが産まれたせいで、うまく行かない。」と教え込んでいるんだから、そんな家庭で育った子供に対し「自殺するな!」と社会や学校という場で命令してもどうなるものもない。
社会ができるのは、そんなことを言うような人間が子供を持たないようにすることと、そんな環境からさっさと子供を引き離すこと。
子供のトラブルに際し、親に対して指導するというと、言葉としては通りがいいわけですが、周囲からの指導で改心するような人間は、そもそも子供を持つ前にそれなりに考えますよ。ダメダメな親に対する中途半端な指導は、ダメダメな親にしてみれば、受けた指導を迷惑なり被害と受け止め、子供に対し「オマエのために、また、迷惑を受けてしまった!」との被害感情に繋がるだけ。その被害感情がどのような行動につながるかなんて、本来なら小学生でもわかること。

ダメダメな人間は、何も考えないからこそ、「てきとう」に子供を作ってしまい、何も考えていないがゆえに、「ワタシは悪くない。」と言えてしまう。だから「悪いのは全部この子供のせい。」となってしまうわけ。それを自分に確認するためにも、子供を責めることになる。

まあ、自殺に関して日本の経済云々と言いたいのはわからないわけでもありませんが、すべてを経済的な問題から考える・・・という発想自体も貧しいよね?
結局は、経済的に貧しいというより、心が貧しいわけ。
トラブルに対し、真摯に向き合う覚悟がなくなってきてしまっているわけ。
トラブルのきっかけだけを注視し、様々な要因を認識し考えることから逃避してしまっている状態。ただ、自分たちを納得させたいだけ。

「失業によって経済的に困窮し自殺した。」という一般受けする通りのいいロジックはともかく、その前段階もあるわけでしょ?

失業する前には、楽しい家庭だったのか?
失業する前でも、グチばかりの家庭だったのか?

あるいは、失業の後の対応の違いも考慮しなくてはダメでしょ?

失業したら、家族からのサポートがあるのか?
失業したら、家族から責め立てられるのか?

同じ失業という事態でも、全然違っているでしょ?
そして、どちらの家庭で自殺者が発生するのかなんて、誰でもわかること。
その違いを無視して自殺を考察しても、ただ、議論のための議論に終始したり、まったく関係ないものを犯人認定して、残されたものが勝手に納得しているだけ。
失業というのは単なるきっかけであって、自殺の理由ではないわけ。

自殺防止ということで、政府の側で失業対策をするのはいいとして、失業などは自殺のきっかけにすぎず、その土壌こそが理由なんですね。きっかけに過ぎないわけだから、「太陽がまぶしかったから。」という「きっかけ」でも自殺してしまう。
積み重なってきた土壌の問題であって、「きっかけ」だけに対処しても意味はないわけです。
ダメダメ家庭というものは、家庭の機能を果たしていない家族なんだから、そこで育った人間が、「生きる」という機能が不全になるのは、むしろ当然のことでしょ?

ダメダメ家庭では、困った時には、家族は何も助けにならない。
当人が調子のいい時には、まさに「晴れた日に傘を貸す」趣で、サポートの用意を申し出てきても、土砂降り状態になると、知らん顔。
家族へのサポートにおいても、自分の持ち出しというか、被害に対して、まずは視線が向かい、「わざわざ、してやった・・・」と恩を着せようとする。
そして、後になって「このワタシが、わざわざしてやったんだから、あの恩への恩返しをしろよ!」と厳しい取り立てになってしまう。家族からのサポートを受ける側も、そんなことは簡単に予想できるわけ。

そんなことだからこそ、自殺することになる。
そして、いざ「やっちゃう」と、残されたダメダメ家庭は、やっぱり犯人探しをするだけ。
それこそ、「政治が悪い!」「時代が悪い!」「昨今の経済情勢は深刻だ!」などと大騒ぎ。

自分の子供を自殺させるような親は、自殺の前には何もしていない。
ただ、「あ〜あ、うまく行かないなぁ・・・」とか「ウチの子供には困ったものだ!」とグチっているだけ。そして、自分の子供が自殺した際に、まず最初に考えることは、「子供の自殺は、親である自分のせいではない。」ということを、周囲に認めさせることなんですね。
まさに、「ワタシは悪くない!」と言いたがるわけ。

そうして、学校などのイジメ自殺のような事例だったら、裁判などを使って学校を訴えることになる。
あるいは、会社などでの過労死のような事例でも、同じような対応をする。過労死については、実際に裁判になっているでしょ?
そんな大がかりな行動によって、「アイツの側が悪いんだ!ワタシは悪くない!」と自分に確認する儀式とするわけ。
たとえ、学校でのイジメが、自殺の「きっかけ」となったにせよ、それが理由なの
逆に言うと、イジメだけが原因と言えるのだったら、自殺する前に転校させることが、親として必要でしょ?
仕事における過労死自殺でも、過労死する前に、そんな会社は辞めればいいじゃないの?
当人自身は、もはや疲労困憊しているから判断能力もなくなっているでしょうが、周囲にいる家族は何をしているの?

しかし、周囲にいるダメダメな家族は、何も対処しない。というか、過労死のようなケースでは、厳しい取立てを迫る家族に対して貢がなくてはならないがゆえに、当人としては限界を超えて無理をしてしまう。
あるいは、学校のイジメ自殺においても、事前に子供が親に相談したら、「オマエが学校でうまくやらないから、こんなことになってしまうんだ!」「子供のケンカには親は出ないものだ!」「何を甘えたことを言っているんだ!」と、親から怒られるだけ。
だから、自殺してしまう。

ダメダメな家族は、事件が起こってから大騒ぎするだけ。
トラブルにならないように、親として事前に対処するという発想がないがゆえに、事件後には安心して大騒ぎすることになる。
逆に言うと、親からのサポート不在だからこそ、学校で継続的にイジメられたわけでしょ?
ダメダメ家庭の親は、子供へのサポートを何もせず、「ワタシこそが一番かわいそう!」という確信の中で自己憐憫しているだけ。
そして、何かあると「ワタシは悪くない!」と大騒ぎするだけ。

その、「ワタシは悪くない。」というためには、逆に言うと、当人としては何も判断もせず、何も対処しないのが有効な方法でしょ?
当人が何も判断していないからこそ、「間違った判断」はしていないわけですし、当人としては、何も対処していないからこそ、「間違った対処」もしていないことになる。
だから、「ワタシは悪くないわ!」と声を大にして主張できることになる。

逆に言うと、子供の自殺は、登校拒否などのリカヴァリー可能な段階におけるトラブルに対する親の対応を見ていれば、予想できたりするわけ。子供の自殺だけでなく、成長して大人になってからの自殺も、予想できるものなんですよ。それだけ、事前には家族には相談できないし、家族は後になって騒ぐだけで実際の対処は何もしていないということなんですからね。

本来は、そんなダメダメ家庭の様相は、周囲から浮いてしまうわけですが、ダメダメ家庭というものは、自分たちのダメダメさが、「ふつう」でいられる環境を求めるもの。
だから、周囲のマトモな人からの適切なサポートもアドヴァイスもない。
周囲にマトモな人がいない環境を、わざわざ求めたわけですからね。
そうして、被害さえ語れば、周囲から同調を得られる環境の中で、子育てによる被害なり、政治による被害なり、時代による被害を語り、嘆き合う。
しかし、たまたま居たりするマトモな人から「そんなに時代が悪いと思っているのなら、こんな時代にどうして子供なんて作ったの?」と聞かれると、お約束のように逆上するもの。そんな逆上する親の姿を見て、その親に相談をしようと考える子供はいないでしょ?

ホームレスの方は、家族を捨てちゃっているので、自殺しない。
ダメダメ家庭では、家族と暮らしているので自殺する。

経済的に貧しい人間と一緒にいても、生きていけますが、心の貧しいダメダメ家庭にいると死にたくなっちゃうわけです。

(終了)
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発信後記

今度は東京都で、子供の餓死がありましたが・・・
また、こんな悲惨なことがあっても、紋切り型の原因説明と対策でオシマイ!になっちゃうんでしょうね。
私は、餓死された女の子が「次女」というのが大変に気になりました。

次回のメールマガジンは、姉妹の自殺をテーマにした映画を元に、ダメダメ家庭の具体的特徴を考えてみます。
R.10/10/30