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カテゴリー 会話のスタイル(発言側)
配信日 04年9月13日
タイトル グチから始まる会話
拝啓 皆様、いかがお過ごしでしょうか?
9月に入って、一頃の厳しい暑さも和らぎ、空の色も秋に染まっているようです。
ここ東京は、昔から「空がない」ことになっていますが、それでも秋の実感はそこここに感じられる今日この頃です.。
思えば、このメールマガジンも、そんな9月の日から始まりました・・・

と・・・いつもと違った書き出しですが・・・
まあ、手紙などの文章においても、そんな「時候の挨拶」などから書き始めたりするのは趣がありますよね?
ビジネス文章だとそんなわけには行きませんが、友人同士のやり取りだと・・・たとえメールでのやり取りでも、そんな話題から入ったりした方がいいでしょ?

おっと!これはメールマガジン「ダメダメ家庭の目次録」ですよね?
ダメダメ家庭でも、一応は、時候の話題などもあったりします。勿論、基本的にはダメダメ家庭では会話もなく、親からの一方的なグチばかり。

手紙の書き出しにおいて「時候の挨拶」から始めたりすることと同じように、ダメダメ家庭では、まずは「グチ」から話が始まるわけです。

「あ〜あ、暑いねぇ・・・オマエを産んだときも、こんなに暑くって・・・ワタシは大変だったよ!」
「ああ!寒い!オマエは寒いときにはよく風邪をひいて・・・ワタシは看病に大変だったよ!」
「こんな寒いときでも、ワタシの子供の頃はコートもなくて・・・寒いったらありゃしない!」
「ワタシの子供の頃は、貧しくて、ほかの子供がおいしいものを食べているのに、ワタシは食べられなくてねぇ・・・秋になると思い出すよ!」
「もうスグ、春だねぇ・・・今年も花粉症イヤだわ!」

そんなグチを延々と展開した後で、「そういえば、今日は学校でどうだった?」とか言い出したりするわけ。
しかし、当然のこととして、グチを聞かされている間に子供はどこかに行ってしまいますよね?まあ、物理的に親の前に存在していたとしても、注意の方は親の言葉に向いていないでしょ?

結局は、親はグチを言いっぱなしの状態なんですね。

それが毎回行われるわけ。たまにはしょうがないとしても、毎回グチから始まるんですね。
親の言葉には必ず、「時候の挨拶」ならぬ、「グチ」がついていて、まずは、その「グチ」から言葉が始まるわけです。
当然のこととして、そんな環境の子供は人の話を聞く習慣が身につかない。グチというものは、そもそもそんなツマンナイ言葉なんだし、相手のことを全然考えていないわけでしょ?聞いても楽しいわけではないし、たとえ聞いたとしても、次にも同じようなグチを言うだけ。
そもそも、そんな親自身も、子供と会話しようと思って、グチから始めているわけではないわけです。

親の発想としては、「ワタシはオマエを育てるために、こんなに苦労したのに・・・」と思っているわけ。まあ「オマエのために人生を棒に振った。」「ワタシは子育てを背負わされた被害者なんだ!」・・・まずはその確認から始めたいわけですね。

まあ、こんな環境で育った子供は、人の話を聞かないだけでなく、前にも配信いたしましたが「苦労自慢,不幸自慢」をしがちです。
だって、親の言葉は「今日はいい天気ねぇ・・・」くらいのノリで、「苦労自慢」が言われていたのですからね。「不幸自慢」が空気のように当たり前の環境だったわけです。それに、親に負けないような「不幸自慢」をしておかないと、ますます親からのグチが浴びせられますからね。
「お母さんはそういうけど、ワタシだって、苦労してるのよ!!」
こう言っておかないと、後が大変!!

結局、そんなところで育ってしまうと、親と同じように「グチから会話を始める」人間になってしまうわけです。
あるいは、そんなやり取りばかりなんだから、当然のこととして「皮肉が通じない」人間になってしまう。
また、グチという形で親の被害を語られると、子供としては心頭滅却する習慣になってしまうので、「被害を先に語られると弱い」人間になったりする。
ということで、色々とトラブルになったりするわけ。

ということで、皆様くれぐれもお気をつけくださいね。

                            《敬具》
                            
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発信後記

このメールマガジンは本当に昨年の9月から開始いたしました。
本文はシャレだけではないわけ。
まあ、いつもシリアスな内容なので、ちょっとした遊びがないとね。
この文章に関連した文章となると「09年1月26日配信 被害から始まるやり取り」という文章があります。
R.10/5/25