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カテゴリー | ダメダメ家庭はいつも否定形 | |
配信日 | 08年3月31日 (10年7月14日 記述を追加) | |
タイトル | しちゃダメ | |
以前に、このメールマガジンで「泣いちゃダメ!」というお題で配信しております。 被害者意識の強いダメダメ家庭においては、親は「自分は子育てという面倒を背負わされた被害者」という認識になっているもの。被害者意識に凝り固まったそんな人間の前で「泣いて」自分の被害を主張しているように見える子供がいると、「世界で一番の被害者というオレの立場を脅かそうとするのか?ケシカラン!」「オレの方が、もっともっと、かわいそうな人間なのに!」と心理的に被害者競争を始めてしまうわけ。 そうして、子供に対し「泣いちゃダメ!」と厳命することになる。 と言っても、泣いている子供だって、好きで泣いているわけではないでしょ? 泣いても事態は解決しないのは、当然のことですが、泣くことを抑圧しても、精神的にストレスになるばかりですよ。 大いに泣いて、スッキリした後で、事態に向かっていけばいいじゃないの? とは言え、ダメダメ家庭の親は、子供のサポートをする気なんて毛頭ない。 ダメダメな親としては、面倒なシーンは見たくない・・・ただ、それだけなんですね。 「ただでさえ、子育ては鬱陶しいのに、泣いている姿を見せられるなんて、もっと鬱陶しい!」そう思っている。 さて、この「泣いちゃダメ」に実に近い表現が先週の事件で登場いたしました。 『そんなことをするな。』とか、『こんなことするなよ。』です。 岡山駅で突き落とし事件があって、犯人の青年の親が、事件前に犯人にそう言っていたそう。 「するな!」と、オレがあれほど言っていたのに、やりやがって! オレに迷惑をかけて! ああ!出来の悪い子供を持って、オレってなんてかわいそうなんだ?! ・・・まあ、絵に描いたようなダメダメのお約束ですよね? 茨城の事件の報道を見ながら、子供に対し『こんなことするなよ。』と厳命するのはいいとして、命令すればそれで解決というものではないでしょ? マトモな親だったら、「どうして、この青年はこんなことをしたと思う?」とでも聞いた方が、子供の心の状態がわかり、逆にいうと、事件も防げますよ。 あるいは、もっとポピュラーな言葉だと「オマエは何か困っていることはないかい?」と聞くものでしょ? しかし、子育てを自分がこうむった被害と考えているダメダメな親は、「自分に面倒を持ち込むな!」そんな精神なんですね。だから子供のサポートをする気なんてまるで考えていない。 当然のこととして、学校でイジメにあっていても、知らん顔。むしろ、「そんな面倒は、オレに知らせるな!」そんな発想。 子供が何を考えていて、何に困っていて、何をしたいと思っているのかについて、まるで考えようとしない親と一緒に暮らしていたら、子供としては、当然のこととして自暴自棄にもなりますよ。 ちなみに、今回の事件の報道にあった、 >「こんなことするなよ」と声を掛けると、「うん」とうなずいたという。 という会話に近いスタイルのやり取りは、以前に取り上げたことがあります。 長崎県で起こった小学6年生の殺傷事件で、事件後での、犯人の女の子とその父親との会話です。 「こんな本を読んでみたら?読んでみたいかい?」 『読んでみたい』 「もうすぐ本は届くよ!楽しみだね!」 『うん』 言葉は違っていても、相手の意向を無視して、一方的に厳命するスタイルは双方とも共通しているでしょ? そりゃ、事件も起こるわけですよ。 何も、他人を傷つける事件ばかりではく、自殺でも同じでしょ? ダメダメな家庭では、周囲でそんな自殺事件があると、こんな感じのやり取りになってしまう。 『オマエは自殺するなよ!』 「ウン」 しかし、自殺した人だって、楽しんで自殺したわけではないでしょ? 追い込まれて自殺したわけでしょ? 「自殺するなよ!」なんて問答無用に厳命しても、ますます追い込まれてしまうだけでしょ? 結局は、子供の困りごとなり希望を言わせないようにして、「ウチは上手く行っている!」「何も問題ない!」と周囲に豪語することになる。 まさに北朝鮮のような状況。 そんな親は、残念ながら、ポピュラーでしょ? そんな親だから、子供も逃げ出すことになる。今回の突き落とし事件の犯人の青年の兄は、33歳とのことですが実質上は絶縁状態みたいでしょ?仲がいいのなら、弟の進学のサポートくらいはしますよ。 ダメダメ家庭では兄弟仲が悪いことは以前に配信しております。 兄弟が共有していた時間が、お互いにとって不快なんだから、長じた後でも兄弟が仲良くとは行きませんよ。 まったく・・・・この家庭は、まさに絵に描いたようなダメダメ家庭なんですね。 この父親も、事件後に、 「自分の息子が許せない。」 とのことなんだそうですが・・・ 事件を起こす家庭の親というものは、事件後に、まさにそんなことを言うものであって、決して「親として自分が許せない!」と言わないもの。 だからこそ、事件が起こるわけです。 ダメダメな親は子育てに対して、被害者意識はあっても、当事者意識はないわけ。 ただ、自分にとって都合が悪い状態が「見えなく」なればそれでいいと思っているだけ。 だから、「しちゃダメ」というスタイルで、否定形の命令を下すだけになってしまう。 「こんなことをしてみたら?」という肯定形のサジェストにはならないわけ。 そんな環境で育っているので、長じた後になっても、自分でもやってしまうことになる。 それこそ、 「自分の親を嫌っちゃダメ!」と、説教したり、 「住んでいる地域を嫌ってはダメ!」と、いい子ぶって命令したり、 「韓国を嫌ってはダメ!」と、高邁な歴史認識を命令することになる。 「嫌ってはダメ」という二重否定のスタイルで要求するよりも、いいところを提示できればいいだけでしょ? それこそ「この地域は、アナタはまだ知らないんだろうけど、こんなにいいところがあるのよ!」と「説明」したり、あるいは「○○年頃の韓国人は、こんな業績をあげているんだよ!」と説明すればいいだけ。 そのような、具体的で客観的な説明ができないのに、「嫌ってはダメ!」と周囲に命令するだけだったら、それは、「嫌うこともできない」という、いい子ちゃん志向の抑圧的な人間であることを示しているわけ。 減点面には過剰に反応しても、加点法的にも何もない状態。 まさにダメダメ家庭のお約束の「ふつう」そのもの。 しかし、減点面に反応するだけなんだから、そんな人が親になったら、子供に対して「否定形の命令」をするだけ。 だからこそ、「否定形の行動」といえる大きな事件も起こるわけです。 (終了) *************************************************** 発信後記 「しちゃダメ。」と言っておけば、言うだけでいい。 しかし、「こうした方がいい。」というと、そのサポートをする必要があるもの。 だからこそ、ダメダメな親は、まさに「しちゃダメ!」と子供に対し、否定形で言い渡すことになる。 当事者意識を持って親をやっているのではなく、被害者意識をもってやっていれば、そんな言葉になるわけ。自分が一番かわいそうな人間と思っている人間に育てられた子供が、他者への配慮をするわけもないでしょ? センセーショナルな事件といえますが、ダメダメの心理がわかっていると、単なるお約束の積み重ねに過ぎないものなんですね。 |
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R.10/7/14 |