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カテゴリー | ダメダメ家庭の人からのメール | |
配信日 | 07年1月19日 | |
タイトル | 戦略としての逆上 (逆上慣れ) | |
前回の文章で予告いたしましたように、今回は、最近いただいた実際の逆上メールを元に考えてみます。 実際の逆上メールを取り上げ考えた文章は以前にも配信しておりますが、今回の逆上は、それと違ったパターン。なかなか巧緻な逆上メールで、それが結構興味深いわけ。 まあ、逆上メールの常として、文章自体は短いものです。 その点については、この私も見習わないとね。 その文面の全部は ***************** http://renewalmmbacknumber.hp.infoseek.co.jp/05-10/05-10-24.htm >その神奈川県の補選の共産党の候補者の演説がニュースでやっていましたが、内容はともかく、その口調が印象的。 >妙に丁寧で、念を押しながら話を進めていくわけ。そして妙に人工的な笑顔。これは多くの共産党の候補者に共通していますよね? >どこかで聞いたなぁ・・と思い出してみるとピョンヤン放送の女性アナウンサーの口調とよく似ているんですね。 あんた頭大丈夫?北朝鮮とズブズブの自民党にでも投票してな。ほんっと失望するわ。 もうネットなんてやらない方がいいよ! ***************** というもの。これが全部です。 ちなみに、「>」で引用されているのは私が書いた文章で、その下にある「あんた・・・・いいよ!」の部分がいただいた逆上の文章です。 ちなみに、該当する文章が配信されたのは05年ですから、メールマガジンの購読者さんではなく、バックナンバーのサイトをご覧になって逆上されたのでしょうね。 さて、上記の逆上メールをお読みになって、購読者の皆さんはどう思われますか? 「あ〜あ、またまた逆上メールなんて送っちゃって・・・あの性格の悪い発行者にオモチャにされるのがオチなのに・・・」なんて思った人も、たぶん、いるでしょうね。 それはいいとして、じゃあ、この逆上メールを送りつけてきた人は、どうして逆上するまで怒っちゃったと思いますか? 「そんなこと分かりきっているじゃないの?この人は共産党の熱心な信者で、それをバカにされたから、怒っちゃったんじゃないの?」・・・そう思われる方も多いでしょう? いやいや、甘いよ、甘い! そんなことでは、ダメダメの専門家にはなれませんよ。 もっと修練を積まないとね。 そもそも、この逆上メールが取り上げている共産党の候補者の演説スタイルの問題ですが、それって、逆上するほどのインパクトはありませんよ。演説の内容について触れているわけではありませんからね。「演説するなら、より多くの人に訴えかける方法を取った方がいいのでは?」と申し上げているだけです。 それこそ、ロシア革命を導いたレーニンは、日本の共産党候補者のような、あんな説明調の説教くさい演説スタイルだったの? そんなわけないでしょ? それこそ、情熱的に身振り手振りを交えて、単純な言葉を繰り返すことにより、聞き手に強く訴えかけるようなスタイルでなかったの? そう!むしろ小泉さんのスタイルに近かったのでは? 自分が主導して目標を成し遂げるために、多くの人を説得する・・・そのための演説スタイルはどんなものがいいのか?この点は、共産党だろうが、自民党だろうが変わりませんよ。もし、この逆上メールを送りつけてきた人が、本当に共産党の熱心な信者だったら、そんなことを考え、演説のスタイルをもっと効果的なものに変えればいいだけ。内容を変えた方がいいと申し上げているわけではないんですからね。 さて、今回の逆上メールに戻りましょう。 今回の逆上メールですが、共産党の候補者の演説スタイルについてのコメントに対し、怒ったような文章になっています。しかし、本当に、その部分に対し怒ったの? そうは単純には考えられない。実は、この逆上メールは、非常に特殊で面白いスタイルを持っているわけ。 実に丁寧な逆上メールと言えるんですね。 だって、そもそも、この逆上メールの書き手が、どの点に対し「怒った」のか?実に、的確に書いてある。 それこそ、バックナンバーのサイトのアドレスが記述してあるし、その中の文面が、コピー&ペーストで更に念を押してある。実に分かりやすい。 これだったら、この逆上メールを受け取った人が、「この逆上メールを書いた人は、共産党の候補者の演説スタイルのコメントについて怒ったんだろうなぁ・・・」と、「絶対に」思うものですよ。 実に親切丁寧だ。いやぁ・・・アンタ!いい仕事しているねぇ・・・ しかし、実に余裕ある逆上だよなぁ・・・それは逆上メールとしては、逆に不自然と言えるわけ。 私は、逆上メールを受け取ることも多くありますが、こんな丁寧な逆上メールなんて初めてですよ。逆上メールなんて、まさに「カッカ」しながら書くわけでしょうから、こんなにも手間をかけて、わかりやすいものにはならないものなんですね。 この逆上メールの手間が掛かっている点は他にもあります。 この逆上メールはwebメールの一つである、gooメールを使っています。それなりに個人情報に配慮しているわけ。往々にして、逆上メールは普段使っている電子メールのアドレスを使ってしまうので、個人情報が駄々漏れのケースが多い・・・このことはたびたび書いています。ところがこの逆上メールは、ちゃんとwebメールを使っている。 だから、この逆上メールを発信するに当たって、以下のような過程が必要となるわけです。 1.バックナンバーのサイトを読む。 2.文書を読んで逆上する。 3.抗議のメールを送りつけてやろう!と思う。 4.「ワード」などのワープロソフトを立ち上げ。 5.バックナンバーのサイトから、アドレスや文面をコピー&ペースト。 6.非難の文章を書き込む。 7.作成した文面をテキスト形式で保存。 8.ブラウザを立ち上げ、gooメールにサインイン。 9.メールの作成ボタンをクリック。 10.作成のメールに、先ほどテキスト形式で保存した文面をコピー&ペースト。 11.必要に応じ、メールの送信先のアドレスに、意見送付用のアドレスをコピー&ペースト。 12.送信ボタンをクリック。 ・・・・ふぅ〜ヤレヤレ。 あるいは、2つのブラウザを同時に立ち上げ、コピー&ペーストしながら、メールの文章を書いていったのかもしれませんが、いずれにせよ、手間が掛かっている。まさに匠の技ですよ。 それに、文面での「ほんっと」なんて言葉ですが、こんな小さな「っ」を敢えて入れる配慮なんて、一般の逆上メールではありえませんよ。だってタイピングが手間なんだもん。 その他、私の文章からの引用であることがわかるように『 > 』なんて記号が出てきますが、この『 > 』は、受信した電子メールにそのまま返事をする場合には自動的に挿入されますが、返事ではない場合には、自動では挿入されないでしょ?この人は、わざわざ、この記号を挿入したわけですよね? いやぁ・・・気配りをしていただいて、ありがたいこと!! しかし、本来はそんな気配りをする余裕がないからこその逆上なんでしょ? しっかし、そんな気配りをする余裕があれば、自分自身の文章をもっと説得力のあるものにした方がマトモでしょ? 受け取った方はどうすればいいの?この人が言うように、これからは、自民党に投票すればいいの? そもそも逆上って、何でしょうか? どうして逆上するの? 逆上って、まさに「我を忘れる」と言うことでしょ? だから何も考えずに、普段使っているメールアドレスを使ってしまう。それに自分自身がわからなくなってしまっているので、どの点に対し怒っているのかも明確ではないもの。 今回の逆上メールでは、完全に「我を忘れている」様子ではありませんよね? この逆上メールを送りつけてきた人は、「逆上慣れ」している人なんですね。 自分自身が面倒なことを考えないで済むように、その一歩前で逆上させてしまう・・・いわば「計画的に」「我を忘れる」わけ。そんな「戦略的な逆上」に習熟している人と言えるでしょう。 逆上というと、気持ちなり感情が沸騰点に到達することと言えますね? 共産党の候補者の演説スタイルの問題なんて、冷静な時に読めば、たとえ共産党の熱心な信者であっても、いきなり沸騰点に行ったりはしませんよ。そもそも、その箇所の文面は短いものですしね。 そうなんですね! 共産党の候補者の演説スタイルの問題以前に、気持ちが相当に「熱く」なっていたからこその逆上なんですね。 それまでに、感情が95℃くらいになっていた。その状態に新たに怒りのネタが追加されたので、とうとう沸騰点に到達した。そういうわけでしょ? だから、本当に怒った対象は、たった5℃上昇させた文面ではなく、それまでに10℃の水から95℃まで上昇させたネタの方でしょ? まあ、このメールマガジンの文章は、人を逆上させる記述には事欠かないでしょう。 さて、共産党の候補者の演説スタイルの問題は「後記」で触れています。後記はそれなら、本文はどんな文章なの? この逆上メールには、ありがたいことに、わざわざそのバックナンバーサイトでのアドレスがコピー&ペーストされていますから、調べるのは簡単。その文章は、「男女の分類にこだわる」というお題の文章です。 会話やおしゃべりができないダメダメ人間は、男女の間で一般的なおしゃべりも会話も成立しない。だから、男女というカテゴリー分類に異常にこだわるようになり、恋に恋して暴走したり、「悪いのは全部オトコのせいだ!」なんて言うようになってしまうわけ。 この本文の方で十分に熱くなってしまったからこそ、共産党の演説スタイルの箇所で沸騰したわけでしょ? しかし、だったら、この本文の方をそれこそコピー&ペーストして、この私に反論すればいいじゃないの? しかし、ダメダメ人間は何より心が弱いもの。自分自身にとって重要な問題から目を逸らす。自分にとってシリアスな問題から目を逸らし、「どーでもいい」問題について、「あーでもない、こーでもない」なんてやりだしたりするわけ。 そうして、「私が怒っているのは、コッチの方の問題なんだ!」と、自分自身をだますわけ。そうやって、自分にとって肝心な問題から逃げ出して、その問題を忘れようとする。 今回の逆上メールでも、わざわざ「ワタシはここに怒っているぞ!」なんて形で、親切丁寧ですが、結局は「それとは別に存在する自分にとってもっと肝心なこと」を見ないようにするための、戦略なんですね。 そんなことばかりやっているから、逆上慣れしてしまう。 困ったらとりあえず逆上しちゃえ!! 逆上というのは、単純な怒りの感情というより、「自分で考えることが怖い」という恐怖の感情であり、逃避の手段というわけです。 たぶん、この方自身も、「男女の分類に異常にこだわる」タイプの方なんでしょうね。そもそも、この方が女性であることは明白。全体的な文面もそうですが、たとえば「失望するわ」なんて言葉でもわかります。以前に実際の逆上メールを取り上げた際にも触れましたが、女性からの逆上メールには「裏切られた」「傷ついた」なんて、被害者感情が記述されているもの。失望するも何も、ほんっとは最初から期待していかなったくせに・・・ しかし、自分の被害者感情を相手に訴えたいわけ。 「アンタのせいで!アンタのせいで!」 そんな調子なんですね。 というか、この逆上メールの文面と、ある種の「逆上慣れ」から、この私がたびたび言及するフェミニズムの闘士の女性を思い出してしまいますが・・・まあ、「男女の分類に異常にこだわる」という文章を読んで熱くなったわけですしね。 まさか本人ではないでしょうが、あの闘士のファンの方なんでしょう。 よく「類は友を呼ぶ」と言われたり、あるいは、「腐臭にハエやゴキブリが吸い寄せられる」なんて私が書いたりしますが、まさにそんな状態なんでしょうね。 自分に関わるシリアスな問題になりそうになったら、その問題に及ぶ「前に」お約束のように逆上する人って、実際にいるでしょ? そして、「アンタのせいで!」と言って、自分がかわいそうな被害者であることを主張する。 そんな人には、まさにゴキブリのような人間が周囲に集まり、スパイラル的にダメダメが進行する。ということで「行くところまで、行ってしまう」ことになる。 「自分の問題から目を逸らす」心の弱い人間には、同じような心の弱い人間が集まってくるもの。 この人の場合は、「自分にとってのシリアスな問題から目を逸らす」技法がより込み入っているわけ。シリアスな問題とは別の問題のところで、逆上しておくわけ。 別のところで逆上しているわけだから、その点を切り返されても、大丈夫。自分自身をもごまかしやすい。言及している点について丁寧に反論されても、後になって「まあ、どうせ、大したことじゃないから・・・」なんて自分自身で事前に用意していた言い訳を持ち出してオシマイ。 いわば「トカゲの尻尾切り」作戦。 一般の人は、目の前で暴れている尻尾に目を奪われてしまうものでしょうが、イングランド王室ご用達?のこの私は、ハデな尻尾には目もくれず、聖ジョージのように、トカゲならぬドラゴンの心臓にグサリ!というわけです。 私の文章を不満に思うのは、読者の自由でしょう。しかし、せっかくだから、「どの点が気に入らないのか?」「じゃあ、どうすれば気に入るのか?」「自分だったらこの点をどう考えるのか?」そんなところまで考察を進めればいいわけでしょ? そして、「そのような自分自身での考察を、より多くの人にわかってもらうにはどうすればいいのか?」そのような表現手段についても考える必要がありますよね? 何かと考えることが多いわけ。 しかし、考えることを恐怖するダメダメ人間は、そうなる前に逆上。そしてあっさり逃げ出して「ハイ!サヨナラ!もう、知〜らない。」というわけです。 そんな人間は、逃げる手練手管だけは慣れてきて、逃避の手段だけは実に多彩。 しかし、本当に慣れないといけないのは、自分で「考えること」じゃないの? しかし、「考えること」から逃避することに安住してしまっているがゆえに、そんな人が出来ることといったら、結局は子供を作ることくらい。そしてそんな人の相手をしてくれるのは、最後には自分の子供くらいになってしまう。 この逆上メールの文面はともかくとして、こんな文面のメールを送りつける人間が自分の親だったら、子供はどうすればいいの? というか、この人も、そんな親に育てられたんでしょうね。 (終了) *************************************************** 発信後記 ちなみに、この逆上メールを送ってこられた方には、私から「この文面を使いますよ」とご連絡はいたしました。まあ、それへのお返事はありませんが。 言いたいことがあるのなら、ちゃんとマトモな形で表現すればいいのに・・・ しかし、「言いたいことがない」、「考えたくない」がゆえの逆上なんですね。だから返事を出しても、それへの返事を出しようがない。 今回の逆上メールの問題はともかくとして、この手の「思考からの逃避」はダメダメ人間にはお約束のこと。そのうちにも、この問題を集中的に取り上げてみる予定です。 |
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R.10/12/6 |