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カテゴリー ダメダメ家庭の会話の雰囲気
配信日 06年11月28日
タイトル 捨てセリフ
「このヤロー!覚えていろよ!今に見てろっ!」
時代劇では、チンピラのおなじみのセリフですよね?
格好のいい、そして強いお侍さんにコテンパンにやっつけられて、チンピラが逃げ出す際に、もはやお約束として、このような、いわば捨てセリフの言葉を投げつけるわけ。

まあ、時代劇のお約束は、それでいいでしょう。
しかし、ダメダメ家庭の人とやり取りすると、こんな捨てセリフと遭遇することが多いんですよ。もちろん、いくら私だって、刀を交えて刃傷沙汰をしたというわけではありませんよ。

そもそもダメダメ家庭の人間は、勝ち負けにこだわることが多い。物事の価値判断が「勝ったか?負けたか?」それだけなんですね。だって、そもそも自分が本当にやりたいことなんてわからないわけですから、やり取りの成果が「勝ちか?負けか?」と、それだけになってしまう。やり取りをして、相互理解が深まって、お互いにとってよかった・・・なんて「Win-Win」のやり取りにはなることはない。

だからこそ、自分の負けを認めたくない。だって、勝ち負けしかないわけですから、もし負けたら本当に何もないことになってしまうでしょ?
「本当は自分が負けたのではないんだ!」
「今ちょっと体勢を立て直しているだけなんだ・・・」

と、自分自身に納得させるようなことをする。
かと言って、時間があっても、そもそも自分が本当にしたいことが自分でも分かっていないわけですから、何か準備をするわけでない。
まあ、やることといったら嫌がらせくらい。

時代劇のチンピラって、実際にこんな感じの役柄ですよね?

負けを認めたくない・・・という心情もありますし、「覚えていろよ!」なんて言うことによって、「自分がかわいそうな被害者なんだ!」と自分に確認する意味もある。
「アイツ・・・卑怯な手を使いやがって・・・」と自分に言い聞かせるために、「覚えていろよ!」という言葉なる。
「このお返しは必ずするからな!」

しかし、21世紀のダメダメ人間も、時代劇のチンピラと同じ。
自分が本当にしたいこと、主張したいことがそもそもない。
唯一言いたいことは、「ワタシは悪くないわ!」そんなことだけ。
かと言って、じゃあ、「アンタは何がしたいの?」なんて聞かれても何も答えられない。

それこそメールのやり取りでも、ダメダメ人間とのやりとりの最後って、こんな捨てセリフが登場してきたりするでしょ?
あるいは、インターネットの掲示板でもそんな感じじゃないの?

ワタシは悪くないわ!
アンタの方が悪いのよ!
だけど、今はうまく言えないから・・・とりあえず、この場は・・・だけど・・・

いいも、悪いもなく、勝ち負けでもなく、自分の考えを自分の言葉で語れば済む話なのに、勝ち負けだけで判断するダメダメ人間は、こんな捨てセリフを投げつけて、とっとと退散。

まあ、捨てセリフだけだったら、「あの人・・・安っぽい人だねぇ・・・」と、哀れに思っていれば済む話でしょう。
しかし、「ワタシは悪くない!」「悪いのは全部あの人のせいだ!」なんて、相手に対して言うだけでなく、自分自身に確認するために、ある種の嫌がらせなどをする例が多いんですね。そもそも、直接やりあってコテンパンに叩きのめされたのですから、どうしてもその人に隠れて陰でコソコソと嫌がらせをするしかない。
しかし、そのような嫌がらせをすることによって、「自分はあの人による被害者なんだ!」と自分に言い聞かせているわけ。
「ああ!なんて、かわいそうなワタシ!」「ホントウに、アイツは汚いヤツだ!」

ギャグを書いているようですが、実際に、頻繁に見られる事例でしょ?
それこそ、インターネットの掲示板なんて、こんな捨てセリフと嫌がらせのオンパレードじゃないの?

自分がやっている行為の惨めさに気がつけば、まだ改善の余地がありますが、その手の人は、捨てセリフや嫌がらせをすることによって、周囲の人のレヴェルがどんどんと落ちていってしまう。だから、そんな行為のダメダメさ指摘してくれる人もなく、マトモな感性が完全に喪失して、ダメダメスパイラルが進行していくわけ。

まあ、このような捨てセリフにもそれなりにヴァリエーションがあったりします。
お説教系の捨てセリフもあったりするんですね。
「おい!オマエ!だから・・・これからは、こうするんだぞ!」
と、最後に上からの物言いをして、説教をしようとするわけ。

その説教系の捨てセリフは、私の元にもありました。この私に意見しようとして、私が丁寧に説明したら逆上しちゃったわけ。まあ、ダメダメ人間は序列にこだわる・・・このことは頻繁に書いています。コミュニケーションが命令と服従しかないので、序列が重要になるわけ。
だから序列が自分より下の相手だと思って、お説教しようと思ったら、それが通用しない相手だとやっとわかった・・・かと言って自分が下だとは認めたくない。
と言うことで、最後にお説教という形で、捨てセリフを残したりするわけ。
「今回はともかく・・・今度からは・・・」

安っぽい人も、それなりにヴァリエーションがあったりするんですね。
しかし、そんな捨てセリフのヴァリエーションを工夫するより、自分自身の考えを磨き上げた方がマトモでしょ?

ちなみに・・・
ある人に言わせると、この捨てセリフを、「最後っ屁」という言葉で表現しました。
まあ、言わんとするところは同じ。
しかし、「最後っ屁」かぁ・・・『香り』高い表現だねぇ・・・
このようなインパクトのある言葉が、どんどんと出てくるようなら、本当に文章が書けますよ。多くの人は、たまに「おお!この言葉はすごい!」「なるほど!ウマイことを言うなぁ。」なんて思わされる表現が出来ますが、コンスタントにそのレヴェルとは行かない。
コンスタントにそれなりのインパクトのある言葉を出していくって、それほど簡単ではありません。それだけ引き出しが多くないと無理なんですね。

引き出しが多ければ、つまらない捨てセリフなどを毎回使いまわしするのではなく、相手を感嘆させるようなセリフをいつでも出せるようになりますよ。その方がやっていて楽しいでしょ?パンチのあるセリフをいつでも出せるようになれば、余裕も出てきますよ。
本当に力がある人は、いつも余裕があるもの。捨てセリフを言われても、「ふんっ!雑魚め!」となる。
捨てセリフを言うのはチンピラの役回り・・・って、何も時代劇だけでなく、21世紀の今でもまったく同じなんですね。

ちなみに・・・
説教系の捨てセリフには、全然そのつもりではないケースもあります。
ダメダメ家庭出身者が、やってしまうんですね。

『あの人・・・こうした方がいいのに・・・』
と思っていて、『こうしないさいよ!』などとやってしまう。
その言葉も、もともとは親切心からなんですが、そもそもダメダメ家庭出身者は、自分の考えを整理できていない。それに表現力もない。そんな人が、アドヴァイスしようとしても、どうしても強圧的になったりするもの。
だから、その言葉を受けた側は「な〜んだ・・・所詮は捨てセリフじゃないか?」なんて思ってしまう。

そのような場合は、疑問形で聞いた方がいいわけ。
『こうした方がアナタにとって効果があるようにワタシには思うけど、どうしてこうしないの?』
このような言い回しだったら、相手も受け入れやすいし、自分の考えも伝わることになる。
相手だって、「なるほど!そうだねっ!」とか「いや、ワタシはこのような考えで、こうしたんだよ!」と簡単に言えるでしょ?

「こうすべき!」などと言った「べき論」も、現実的には捨てセリフの一種と言えます。だって会話が発展しないでしょ?
疑問形の言い回しを上手に使えるようになったら、会話だって弾むでしょ?
だって、「アナタはどう思うの?」と聞いているわけですからね。

捨てセリフという範疇においても、様々なヴァリエーションがあるわけですが、そのような捨てセリフを使う人は基本的に、言葉のやり取りを終了させたがっているわけ。
自分の言いたいことが自分でもわかっていないし、たとえあったとしても的確に伝える能力がない。だから会話が苦手。

そんなダメダメ人間は、捨てセリフのヴァリエーション以外にも、様々なダメダメのヴァリエーションがあったりするもの。その手の人は、強い被害者意識を持っていて、「自分こそが一番かわいそうな人間なんだ・・・だから、他の人には何をやってもいいんだ。」そう思っている。そんな人からさっさと避難しないと、捨てセリフ以外のダメダメに遭遇してしまうことになる。

捨てセリフのレヴェルなら、まだかわいいものですが、現実的には、それ以上の実効力のある報復というか意趣返しをすることも多いわけです。
それこそ、インターネットの掲示板にいやがらせの書き込みをしたり、あるいは、個別に逆上メールを送りつけたり、あるいは、いたずら電話をしたりする・・・
そして、そのレヴェルを超えると、クレーマーになったり、あるいは、実際に犯罪的な報復をしてくることになる。やっている当人としては、報復という心理的な位置づけなので、それなりに正義感を持っている。だから、行くところまで行ってしまう。
そんな事態を、現実に体験した人も・・・いらっしゃるでしょうね。

(終了)
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発信後記

ちなみに、来週の2回は、購読者さんからの投稿の文章+私の文章というスタイルで配信いたします。
今週でその文章の微調整を行っていますが、わかりやすい文章にはなっていると思います。
今回の「お題」に関することも出てきます。
ご興味がありましたら、よろしくお願いいたします。
R.10/12/5